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21542026 第3四半期プライムIFRS

オープンアップグループ(2154) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は1,253億円(前年同期比-14.7%)、営業利益は136.8億円(同+6.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1252.7億¥1468.1億−14.7%
営業利益¥136.8億¥129.1億+6.0%
税引前利益¥138.2億¥127.9億+8.1%
純利益¥97.2億¥87.5億+11.2%
ROE(年換算)16.6%14.8%-

Executive Summary

売上収益は海外子会社の連結除外により減少したが、国内主力領域の増収と収益性改善により増収を伴わない増益を実現した点が今期の最重要ポイントである。売上高は1252.7億円(前年比-14.7%)、営業利益は136.8億円(同+6.0%)、税引前利益は138.2億円(同+8.1%)、親会社株主に帰属する純利益は97.2億円(同+11.2%)となった。売上減少は海外領域の子会社譲渡が主因であり、機電・建設領域の増収と原価・販管費の効率化が増益を支えた。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は1252.7億円で前年比-14.7%となった。主因は海外領域の子会社(GAP PERSONNEL INVESTMENTS LIMITED)譲渡による連結除外で、同セグメント売上は276.0億円から5.2億円へ急減した。一方、国内主力の機電領域は492.8億円(+10.3%)、建設領域は436.6億円(+3.0%)と増収を維持し、IT領域は306.9億円(-0.3%)とほぼ横ばいだった。機電領域はエイセブホールディングス傘下2社の新規連結も寄与している。

【損益】営業利益は136.8億円(前年比+6.0%)、営業利益率は10.9%で前年同期8.8%から2.1pt改善した。売上原価の減少幅が売上減少を上回り、粗利率は27.7%(前年24.8%)に上昇した。販管費は212.8億円(-11.5%)に減少し、全社費用の効率化も寄与した。金融費用は1.4億円と前年の2.9億円から大幅減少し、税引前利益138.2億円(+8.1%)、純利益97.2億円(+11.2%)となった。減収ながら増益となり、増収増益ではなく減収増益で結論づけられる。

セグメント別分析

機電領域は売上492.8億円(前年比+10.3%)、セグメント利益62.8億円(+6.6%)、利益率12.7%で連結利益への寄与が最大の中核事業である。建設領域は売上436.6億円(+3.0%)、利益60.5億円(+2.9%)、利益率13.9%を維持し、オフューカスインベスコ買収がのれん・資産の増加に寄与した。IT領域は売上306.9億円(-0.3%)とほぼ横ばいながら利益31.1億円(+6.7%)、利益率10.1%(前年9.5%から改善)と単価・案件構成の改善が示唆される。海外領域は子会社譲渡により売上5.2億円(-98.1%)、利益2.2億円(-75.6%)へ急減し、全社売上減収の直接要因となった。報告セグメント合計利益率12.6%に対し連結営業利益率10.9%となっており、全社費用33.4億円が連結マージンを圧迫している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率10.9%は前年同期8.8%から2.1pt改善し、純利益率7.8%も前年6.0%から1.8pt上昇した。【キャッシュ品質】営業CF97.2億円は親会社株主帰属純利益97.2億円とほぼ一致し、営業CF/純利益は1.0倍で利益の現金裏付けは良好である。【投資効率】ROE(年換算)は16.6%で、収益性改善と資産効率が主因であり、過度な財務レバレッジには依存していない。【財務健全性】自己資本比率63.9%は前年同期64.2%からほぼ横ばいで、資本バッファーは厚い。一方、のれん593.7億円は純資産779.8億円の76.1%を占め、収益性評価と並ぶ重要な構造的特徴となっている。

キャッシュフロー分析

営業キャッシュフローは97.2億円で前年同期の65.8億円から+47.8%増加し、税引前利益の増加と法人税支払の減少が寄与した。運転資本面では売上債権が5.2億円増加、仕入債務が8.1億円減少、未払人件費が24.1億円減少と資金流出要因となったが、前払費用の減少17.2億円やリース債権の回収15.0億円がこれを補った。投資活動によるキャッシュフローは-28.0億円で、うち子会社取得が23.3億円を占め、M&Aを通じた事業拡大が継続している。設備投資は2.6億円と小規模で、フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は69.2億円となった。財務活動によるキャッシュフローは-108.0億円で、配当支払68.8億円と自己株式取得39.8億円が主因であり、両者の合計はフリーCFを上回った。結果として現金及び現金同等物は期首203.5億円から165.1億円へ減少している。

収益の質

営業CFと親会社株主帰属純利益がほぼ同水準(97.2億円対97.2億円)であり、アクルーアル要因(利益と現金の乖離)は小さく、利益の質は概ね良好と評価できる。損益面では特別損益に相当する大きな一時的要因は確認されず、金融収益1.2億円・金融費用1.4億円もほぼ相殺されている。持分法投資利益1.7億円は海外領域からの計上であり、連結利益に占める比重は限定的である。税引前利益138.2億円と純利益97.2億円の差である法人税等41.0億円は実効税率約29.7%に相当し、前年同期の実効税率31.6%からやや低下している。包括利益は98.2億円で純利益97.2億円との乖離は小さく、在外営業活動体の換算差額など其の他の包括利益項目の影響は限定的である。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1710.0億円、営業利益165.0億円(前期比+1.6%)、純利益118.0億円が据え置かれている。第3四半期累計の進捗率は売上高が73.3%、営業利益が82.9%、純利益が82.3%であり、標準的な進捗率75%と比較すると、売上高はやや下回るが営業利益・純利益は上回っている。売上進捗の遅れは海外領域の連結除外を反映したものであり、利益面では国内事業の収益性改善が通期計画に対して先行して寄与している構図である。第4四半期に必要な売上高は約457.3億円、営業利益は約28.2億円と、利益計画には相対的な余裕がある。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり35.00円、通期配当予想は85.00円である。当期累計の配当支払額は68.8億円で、通期EPS予想135.76円に基づく予想配当性向は約62.6%となる。自己株式取得は当期累計39.8億円実施されており、配当と自己株式取得を合わせた総還元額は108.7億円、親会社株主帰属純利益97.2億円に対する総還元性向は約111.9%である。総還元はフリーキャッシュフロー69.2億円を上回り、現金及び現金同等物は期首から38.5億円減少した。今後の還元の持続性は、通期利益計画の達成状況と現金水準の変化に依存する。

リスク要因

  1. のれん減損リスク: のれん593.7億円は純資産779.8億円の76.1%、総資産の48.7%を占める。IFRSではのれんを定額償却しないため、買収先の収益計画が下方修正された場合、減損損失が非連続的に発生し純資産・利益を大きく毀損する可能性がある。

  2. 海外事業売却後の売上基盤縮小: 海外領域の売上は前年同期の276.0億円から5.2億円へ急減し、連結売上高減少(-14.7%)の直接要因となった。国内3領域および買収先での成長がこの空白を補えるかが構造的な論点である。

  3. 株主還元とキャッシュフローのバランス: 配当・自己株式取得の合計108.7億円が当期フリーキャッシュフロー69.2億円を上回り、現金及び現金同等物は期首比38.5億円減少した。M&A投資と株主還元を同時に進める場合、資金配分の状況は継続的な確認が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.9%8.3% (3.6%–18.6%)+2.6pt
純利益率7.8%6.1% (2.3%–12.8%)+1.6pt

自社の収益性はIT・通信業種の中央値を上回り、業種内でも上位水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−14.7%10.4% (-0.9%–19.9%)−25.1pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回るが、これは海外子会社の連結除外という一時的要因が主因であり、収益性指標とは異なる文脈で捉える必要がある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上減収下でも営業利益率が前年比2.1pt改善し、営業利益は+6.0%増加した。国内の機電・建設・IT各領域における増益とコスト効率化が、海外事業縮小の影響を吸収した点が構造的な特徴である。

  2. 営業CFと純利益がほぼ一致(1.0倍)しており、利益の現金裏付けは良好である。一方でのれんが純資産の76.1%を占める点は、M&A活用による成長戦略と一体のリスク要因として認識される。

  3. 通期進捗率は売上高73.3%に対し営業利益82.9%、純利益82.3%と利益面が先行しており、収益性の趨勢的な改善が当期決算の中心的な観察点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,036円
base(基準)1,065円
bull(強気)1,099円
算出前提
1株純資産(BPS)917円
調整後予想EPS142.3円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向62.6%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.16倍 / 7.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,036円〜1,094円、ω±0.1で 1,061円〜1,070円。

注記:

  • 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。