クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥84.7億 | ¥109.6億 | −22.7% |
| 営業利益 | −¥1.5億 | −¥10.1億 | +85.1% |
| 経常利益 | −¥3.3億 | −¥8.7億 | +62.3% |
| 純利益 | −¥3.3億 | −¥4.9億 | +32.1% |
| ROE(年換算) | −4.9% | −7.0% | - |
Executive Summary
2026年3月期第3四半期累計は、EC事業の主力であったSHOPLIST事業の譲渡を主因とする減収と、共通費削減による損失縮小が同時に進行した決算となった。売上高は84.7億円で前年同期比22.7%減少し、営業損失は1.5億円(前年同期10.1億円の損失)となり8.6億円改善した。経常損失は3.3億円(前年同期8.7億円の損失)、純利益は-3.3億円(前年同期-4.9億円)で、いずれも損失幅は縮小している。増収要因の裏返しとなる事業ポートフォリオ変更を除けば、ITアウトソーシング事業の増収・黒字化と全社共通費の圧縮が損益改善を牽引した。
業績変動要因
【売上高】売上高は84.7億円で前年同期比22.7%減少した。主因は2025年2月に譲渡済みのSHOPLIST事業が前年同期のEC事業売上に含まれていたことによる比較ベースの変化である。セグメント別ではITアウトソーシング事業が53.1億円(前年同期比+63.3%)と拡大し、うちSES事業が30.1億円を占め成長を牽引した。EC事業は28.5億円(前年同期比-51.4%)だが、譲渡後の主力であるAda.事業のみで比較すると前年同期比+31.4%と拡大している。
【損益】営業損失は1.5億円で前年同期の10.1億円の損失から8.6億円改善した。売上総利益率は51.6%と前年同期の42.3%から改善したが、販管費率も53.4%(前年同期51.5%)へ上昇し、規模縮小に対する固定費吸収が課題として残る。経常損失3.3億円は営業損失を支払利息2.2億円が押し下げた結果であり、営業損益の改善が経常段階に十分波及していない。特別損益には投資有価証券売却益0.4億円などの一時的要因が含まれる。純利益-3.3億円は前年同期-4.9億円から改善したものの、なお損失局面にある。減収ながら損失は大幅縮小しており、減収増益(損失縮小)の構図である。
セグメント別分析
ITアウトソーシング事業は売上高53.1億円、営業利益0.1億円で前年同期の0.2億円の損失から黒字転換した。主要なSES事業は売上高30.1億円、利益1.7億円と収益を牽引する一方、介護福祉人材サービス事業は売上高7.2億円に対し1.2億円の損失を計上し、採算改善が課題である。EC事業は売上高28.5億円、営業利益0.9億円(利益率3.2%)で、ITアウトソーシング事業(利益率0.2%)を上回る収益性を示した。全社共通費等を含む「その他」区分の損失は前年同期10.4億円から2.5億円へ大きく縮小し、全社損益改善の主因となっている。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は-1.8%で前年同期の-9.2%から改善したが、なお損益分岐点を下回る。純利益率は-3.9%で前年同期-4.5%からの改善は小幅であり、営業損益の改善が最終損益まで十分に波及していない。【キャッシュ品質】現金及び預金は67.3億円で、営業外費用として支払利息2.2億円を計上しており、営業損失が利払いをカバーできていない構図が続く。【投資効率】ROE(年換算)は-4.9%で、純利益率の赤字が主因となっている。【財務健全性】自己資本比率は29.0%で、長期借入金131.9億円は前年同期比+38.8%増加した一方、現金預金は同-33.4%減少している。流動資産93.5億円は流動負債47.6億円を上回るが、レバレッジの上昇が財務体質の課題として浮上している。
キャッシュフロー分析
CF計算書の詳細データは開示情報に含まれないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は67.3億円で前年同期の101.0億円から33.7億円、33.4%減少した。同時期に長期借入金は131.9億円へ前年同期比36.9億円増加し、社債・借入による資金調達が資金繰りを支えている構図がうかがえる。流動負債には1年内償還予定の社債20.0億円および1年内返済予定の長期借入金9.5億円が含まれ、現在の現金水準では対応可能とみられるが、返済後の流動性余力は縮小方向にある。有形固定資産は2.9億円と総資産の0.9%にとどまり、大規模な設備投資による資金流出は限定的である。
収益の質
営業損失1.5億円に対し、営業外費用として支払利息2.2億円が発生しており、経常損失3.3億円への拡大は主に金融費用による部分が大きい。特別利益には投資有価証券売却益0.4億円が含まれ、特別損失には固定資産除却損等0.2億円が計上されており、いずれも一時的要因として純利益に影響している。包括利益は-3.2億円で親会社株主に帰属する純利益-3.3億円と近似しており、その他有価証券評価差額金や為替換算調整額など評価性の項目による純利益との乖離は限定的である。売上総利益率の改善(51.6%)は事業ポートフォリオ変化(低採算のSHOPLIST事業の譲渡)の影響を含むため、既存事業の実質的な収益力改善とは区別して評価する必要がある。
業績予想・ガイダンス
通期売上高予想118.2億円に対する進捗率は71.7%で、標準的な第3四半期進捗率75%を3.3pt下回る。通期営業利益予想0.3億円に対し、累計では1.5億円の営業損失であり、予想達成には第4四半期に少なくとも1.8億円程度の営業利益計上が必要となる。通期経常利益予想は-1.7億円であり、累計の経常損失3.3億円からは第4四半期に1.6億円程度の改善が前提となる。通期EPS予想は-17.80円で、累計EPSは-34.78円である。
株主還元
第2四半期配当は0円であり、通期の配当予想も0円で無配方針が継続している。累計で親会社株主に帰属する四半期純損失3.3億円を計上しているため、配当性向は算定対象となる利益が存在せず評価しない。無配方針は、営業損失からの回復および財務負担への対応を優先した資本配分と整合的である。
リスク要因
-
財務レバレッジと金利負担: 長期借入金は131.9億円で前年同期比+38.8%増加し、支払利息2.2億円が営業損失1.5億円を上回る。営業利益の回復が支払利息をカバーできる水準に達するかが今後の焦点となる。
-
事業別採算のばらつき: ITアウトソーシング事業のうち介護福祉人材サービス事業は売上高7.2億円に対し1.2億円の損失を計上し、SES事業(利益1.7億円)との採算差が大きい。同事業の損失縮小速度が連結収益改善の重要な変数となる。
-
通期予想達成の前提条件: 通期営業利益予想0.3億円に対し累計は1.5億円の営業損失であり、進捗率は標準を下回る。第4四半期における大幅な営業利益改善が予想達成の前提となっている。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(it_telecom)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | −1.8% | 8.3% (3.6%–18.6%) | −10.1pt |
| 純利益率 | −3.9% | 6.1% (2.3%–12.8%) | −10.1pt |
自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、損益分岐点未達の状態が続いている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | −22.7% | 10.4% (-0.9%–19.9%) | −33.1pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく下回るが、この差の大部分は事業譲渡による比較ベースの変化に起因する。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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営業損失は前年同期比8.6億円改善し、ITアウトソーシング事業の黒字転換と全社共通費の削減が損失縮小の主因となった。粗利率改善(51.6%)の一方で販管費率は53.4%へ上昇しており、固定費吸収の改善余地が残る。
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通期営業利益予想0.3億円の達成には第4四半期の大幅な営業黒字化が前提となり、進捗状況は標準的な四半期進捗を下回っている。
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長期借入金の増加(前年同期比+38.8%)と現金預金の減少(同-33.4%)が並行して進んでおり、支払利息が営業損失を上回る状態が続く限り、財務負担の動向が収益改善の実質的な効果を左右する構造となっている。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 632円 |
| base(基準) | 638円 |
| bull(強気) | 644円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 939円 |
| 調整後予想EPS | −17.8円 |
| 株主資本コスト r | 10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 30.0% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.000(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
感応度: 株主資本コスト±1%で 621円〜656円、ω±0.1で 630円〜644円。
注記:
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。