- 売上高: 166.67億円
- 営業利益: 14.48億円
- 当期純利益: 15.16億円
- 1株当たり当期純利益: 55.21円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 166.67億円 | 161.62億円 | +3.1% |
| 売上原価 | 135.13億円 | 131.06億円 | +3.1% |
| 売上総利益 | 31.54億円 | 30.56億円 | +3.2% |
| 販管費 | 17.05億円 | 16.34億円 | +4.3% |
| 営業利益 | 14.48億円 | 14.22億円 | +1.8% |
| 営業外収益 | 1.74億円 | 1.35億円 | +28.9% |
| 営業外費用 | 53百万円 | 51百万円 | +3.9% |
| 経常利益 | 15.70億円 | 15.05億円 | +4.3% |
| 税引前利益 | 21.75億円 | 15.26億円 | +42.5% |
| 法人税等 | 6.58億円 | 4.71億円 | +39.7% |
| 当期純利益 | 15.16億円 | 10.55億円 | +43.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15.16億円 | 10.55億円 | +43.7% |
| 包括利益 | 19.68億円 | 9.00億円 | +118.7% |
| 減価償却費 | 2.89億円 | 2.84億円 | +1.8% |
| 支払利息 | 50百万円 | 43百万円 | +16.3% |
| 1株当たり当期純利益 | 55.21円 | 38.53円 | +43.3% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 108.31億円 | 97.56億円 | +10.75億円 |
| 現金預金 | 39.47億円 | 33.13億円 | +6.34億円 |
| 売掛金 | 20.02億円 | 20.61億円 | -59百万円 |
| 棚卸資産 | 13.08億円 | 13.82億円 | -74百万円 |
| 固定資産 | 197.08億円 | 196.49億円 | +59百万円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 10.20億円 | 20.05億円 | -9.85億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -12.53億円 | -11.47億円 | -1.06億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 9.1% |
| 粗利益率 | 18.9% |
| 流動比率 | 137.2% |
| 当座比率 | 120.6% |
| 負債資本倍率 | 0.68倍 |
| インタレストカバレッジ | 28.96倍 |
| EBITDAマージン | 10.4% |
| 実効税率 | 30.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +3.1% |
| 営業利益前年同期比 | +1.9% |
| 経常利益前年同期比 | +4.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +43.7% |
| 包括利益前年同期比 | +118.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 35.00百万株 |
| 自己株式数 | 7.48百万株 |
| 期中平均株式数 | 27.47百万株 |
| 1株当たり純資産 | 661.38円 |
| EBITDA | 17.37億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 15.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Biotechnology | 39百万円 | 1.60億円 |
| Sugar | 35百万円 | 19.73億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 322.00億円 |
| 営業利益予想 | 25.00億円 |
| 経常利益予想 | 28.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 24.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 87.53円 |
| 1株当たり配当金予想 | 15.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の塩水港精糖は、売上・利益ともに増加し、経常段階まで堅調だが、営業キャッシュフローが純利益に届かず、利益の質に留意を要する四半期だった。売上高は166.67億円で前年同期比+3.1%、営業利益は14.48億円で+1.9%、経常利益は15.70億円で+4.3%、当期純利益は15.16億円で+43.7%と大幅増益を確保した。売上総利益は31.54億円で粗利率18.9%を維持、販管費は17.05億円にとどまり営業利益率は8.7%前後を確保した。非営業収益は1.74億円(受取配当1.14億円、受取利息0.20億円を含む)と収益に寄与、営業外費用は0.53億円で抑制された。純利益率は9.1%と高まり、ROEは8.3%と自己資本コスト近辺を上回る水準に改善した。営業利益は伸びたものの、収益成長率(+3.1%)に対し営業利益成長率(+1.9%)がやや鈍く、営業レバレッジは限定的だった。前年同期比で営業利益率は約10bp低下(推計8.79%→8.69%)した一方、純利益率は約258bp改善(推計6.5%→9.1%)しており、税・営業外の好影響が大きい構図である。包括利益は19.68億円と純利益を上回り、投資有価証券(83.03億円)等の評価益がOCIを押し上げた可能性が高い。財務面では総資産305.40億円、純資産182.03億円、負債資本倍率0.68倍と保守的な資本構成を維持し、インタレストカバレッジも28.96倍と厚い安全余裕がある。流動比率137.2%、当座比率120.6%と短期流動性も実務上は良好だが、ベンチマークの“>150%”にはやや届かない。営業CFは10.20億円で純利益(15.16億円)を下回り、営業CF/純利益比率0.67倍と品質面の警戒シグナルが点灯している。設備投資は3.76億円で、単純計算のFCFは約6.44億円(営業CF−設備投資)とプラスだが、投資CFの全体像や株主還元キャッシュの詳細が未記載のため、持続性評価に不確実性が残る。ROICは5.1%と目標レンジ7–8%に未達で、資本効率の底上げが中期課題。砂糖事業の性質上、原糖・エネルギー価格や為替の変動に対する感応度が高く、在庫評価の振れや販売価格改定のタイムラグが今後の収益・CFを左右する。総じて、損益は安定だが、キャッシュフローの弱さとROICの物足りなさがボトルネックであり、運転資本の最適化と価格転嫁の徹底が次の改善ドライバーとなる。
デュポン分析(ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ): ROE 8.3% = 9.1% × 0.546 × 1.68。変化の寄与度では、純利益率の改善が最も大きいドライバーで、営業外収益の増加と税負担の平準化が押し上げに寄与したと解釈できる。総資産回転率は0.546と製糖業の資産重厚な特性から高くはなく、短期での大幅な改善余地は限定的。財務レバレッジは1.68倍と保守的で、ROE押上げ効果は小さめだが、金利上昇環境下では適正。純利益率改善の背景には、(1) 営業外収益(受取配当・利息)の寄与、(2) 評価性損益の平準化、(3) コストサイドの安定がある一方、営業利益率は推計で約10bp縮小しており、原材料・エネルギーコストの上昇に対する価格転嫁のタイムラグが示唆される。この純利益率の改善は、営業外要因の比重が相対的に大きいため、完全に持続的とは言い切れない。資産回転は、売掛金・在庫・有形資産に左右され、短期では横ばい想定が妥当。懸念すべきトレンドとして、売上成長率(+3.1%)に対し営業利益成長率(+1.9%)が下回っており、販管費や製造コストの上昇が収益性を圧迫している可能性がある。加えて、営業外収入比率が11.5%と一定の貢献を占めるため、コア利益(営業利益)主導のROE改善が今後の課題である。
売上は+3.1%と小幅増、価格改定・製品ミックスの改善が寄与した可能性がある一方、数量面は限定的とみられる。営業利益は+1.9%の増益にとどまり、コストインフレの吸収に時間差が残る。純利益は+43.7%と大幅増で、営業外収益と税負担の影響が大きい。EBITDAは17.37億円、EBITDAマージン10.4%と一定の利益体質は維持。今後は原糖・エネルギー市況と為替(USD/JPY)の動向が売上総利益の持続性を左右し、販売価格改定のスピードが成長の鍵。投資有価証券の含み益・配当収益は利益の下支え要因だが、相場環境次第で変動。コア事業の伸びは中速、非コアのボラティリティ管理が成長の安定化に重要となる。
流動比率137.2%、当座比率120.6%と短期の流動性は良好(>100%)だが、>150%の理想水準には未達。D/E(負債資本倍率)0.68倍で保守的なレバレッジ、警告基準のD/E>2.0に遠い。短期借入金24.00億円に対し、現金39.47億円、売掛金20.02億円、棚卸13.08億円を含む流動資産108.31億円で短期負債78.95億円を十分にカバーしており、満期ミスマッチは限定的。インタレストカバレッジ28.96倍と金利支払能力は強固。投資有価証券83.03億円を多く保有しており、時価変動リスクと金利リスクに留意が必要。オフバランス債務の情報は未記載であり、保証債務・リース債務の潜在的存在を完全には排除できない。
営業CFは10.20億円で純利益15.16億円を下回り、営業CF/純利益は0.67倍と品質面で警戒シグナル(<0.8)。運転資本の増加(売掛金・在庫)や未実現利益の影響が示唆されるが、期中の増減明細が未記載のため特定は困難。設備投資は3.76億円で、単純FCF(営業CF−設備投資)は約6.44億円の黒字。投資CFの全体(M&A、投資有価証券の売買など)と株主還元キャッシュ(配当・自社株)の詳細が未記載のため、FCFによる総合的なカバレッジ評価には不確実性。運転資本操作の兆候については、営業CF/売上比率や回転日数の開示がなく断定できないが、当期の現金創出力は損益の伸びに比べて見劣りする。
配当性向は計算値で34.6%と健全レンジ(<60%)内。営業CFと設備投資のみでみた簡易FCF約6.44億円に対し、配当金総額は未記載だが、純利益15.16億円×配当性向34.6%≒約5.24億円と推計され、単純計算のFCFカバレッジは約1.2倍と概ね賄えている。ただし、実際の投資CF(有価証券投資等)や自社株買いの有無によって余裕度は変動しうる。営業CF/純利益が0.67倍と低いため、持続性評価は“慎重寄りの中立”。今後は運転資本効率の改善と安定的なキャッシュ創出が、安定配当継続の鍵となる。
ビジネスリスク:
- 原糖価格・エネルギーコストの上昇による粗利圧迫(価格転嫁のタイムラグ)
- 為替(USD/JPY)変動による仕入コスト・在庫評価の変動
- 糖類需要の構造変化(健康志向・代替甘味料浸透)による数量減リスク
- 投資有価証券の相場変動による受取配当・評価影響の不安定化
- サプライチェーン・物流コストの上振れ
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.67倍と利益の現金化の弱さ
- 有利子負債(短期24.00億円、長期32.56億円)と金利上昇局面の資金調達コスト上昇
- 投資有価証券83.03億円の評価変動(OCI・自己資本の変動)
- Debt/EBITDA約3.26倍相当で、景気後退時のキャッシュ創出鈍化に伴うレバレッジ上振れリスク
主な懸念事項:
- コア利益(営業利益)の伸び鈍化に対し、純利益が営業外要因に相対的に依存
- ROIC 5.1%と資本コスト超過の余地が限定的(目標7–8%に未達)
- 投資・株主還元キャッシュフローの詳細未記載に伴うFCF持続性評価の不確実性
- 在庫・売掛の回転悪化が潜在(運転資本データ未記載のため検証不能)
重要ポイント:
- 損益は堅調で純利益は大幅増、ROE 8.3%を確保
- 一方で営業CF/純利益0.67倍とキャッシュ面の質は要注意
- 非営業収益の寄与(営業外収入比率11.5%)が純利益を押し上げており、コア収益の強化が課題
- ROIC 5.1%と資本効率の改善余地が大きい
- 流動性・金利耐性は良好だが、原材料・為替の市況感応度が高い
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益比率とFCFの推移
- 売掛金・在庫回転日数(運転資本効率)
- 原糖・エネルギー価格と販売価格改定のタイムラグ(スプレッド)
- 為替(USD/JPY)感応度とヘッジ方針
- ROIC(NOPATと投下資本の双方)
- 非営業収益(配当・利息)の寄与度と投資有価証券の評価動向
セクター内ポジション:
国内製糖セクター内で資本構成は保守的、ROEは中位、ROICはやや見劣り。損益安定性は同業平均並みだが、キャッシュフロー品質は同業上位に比べ弱く、運転資本効率の改善が差別化ポイントとなる。
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