- 売上高: 329.78億円
- 営業利益: -1.48億円
- 当期純利益: 11.84億円
- 1株当たり当期純利益: 95.59円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 329.78億円 | 291.82億円 | +13.0% |
| 売上原価 | 262.89億円 | 226.38億円 | +16.1% |
| 売上総利益 | 66.89億円 | 65.44億円 | +2.2% |
| 販管費 | 68.38億円 | 60.41億円 | +13.2% |
| 営業利益 | -1.48億円 | 5.02億円 | -129.5% |
| 営業外収益 | 5.20億円 | 4.35億円 | +19.5% |
| 営業外費用 | 1.00億円 | 1.79億円 | -44.1% |
| 経常利益 | 2.71億円 | 7.59億円 | -64.3% |
| 税引前利益 | 16.42億円 | 85.06億円 | -80.7% |
| 法人税等 | 4.58億円 | 26.90億円 | -83.0% |
| 当期純利益 | 11.84億円 | 58.16億円 | -79.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.84億円 | 58.16億円 | -79.6% |
| 包括利益 | 16.05億円 | 59.00億円 | -72.8% |
| 減価償却費 | 10.14億円 | 11.84億円 | -14.4% |
| 支払利息 | 37百万円 | 17百万円 | +117.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 95.59円 | 459.32円 | -79.2% |
| 1株当たり配当金 | 80.00円 | 80.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 438.38億円 | 513.18億円 | -74.80億円 |
| 現金預金 | 106.80億円 | 31.64億円 | +75.16億円 |
| 売掛金 | 81.25億円 | 84.87億円 | -3.62億円 |
| 棚卸資産 | 112.41億円 | 240.32億円 | -127.91億円 |
| 固定資産 | 520.62億円 | 498.96億円 | +21.66億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 133.37億円 | 95.94億円 | +37.43億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -107.71億円 | -125.73億円 | +18.02億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 6,054.56円 |
| 純利益率 | 3.6% |
| 粗利益率 | 20.3% |
| 流動比率 | 396.3% |
| 当座比率 | 294.6% |
| 負債資本倍率 | 0.30倍 |
| インタレストカバレッジ | -4.00倍 |
| EBITDAマージン | 2.6% |
| 実効税率 | 27.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +13.0% |
| 営業利益前年同期比 | -59.1% |
| 経常利益前年同期比 | -64.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -79.6% |
| 包括利益前年同期比 | -72.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 15.33百万株 |
| 自己株式数 | 3.16百万株 |
| 期中平均株式数 | 12.39百万株 |
| 1株当たり純資産 | 6,054.52円 |
| EBITDA | 8.66億円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| AgriculturalMaterials | 4百万円 | -45百万円 |
| Feed | 13百万円 | -1.03億円 |
| Grocery | 16百万円 | 93百万円 |
| RealEstate | 51百万円 | 2.61億円 |
| Sugar | 1.37億円 | -3.09億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 690.00億円 |
| 営業利益予想 | -6.00億円 |
| 経常利益予想 | 1.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 9.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 72.66円 |
| 1株当たり配当金予想 | 80.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の日本甜菜製糖の業績は、売上高は2桁増収ながら、営業損失計上で収益性が悪化した期と評価します。売上高は329.78億円で前年同期比+13.0%と増加し、粗利益は66.89億円で粗利率は20.3%でした。販管費は68.38億円と粗利を上回り、営業利益は-1.48億円(前年比-59.1%)と赤字化しています。営業外収益は5.20億円と大きく、内訳は受取配当金4.47億円、受取利息0.14億円などで、経常利益2.71億円(-64.2%)まで押し上げられました。当期純利益は11.84億円(-79.6%)と大幅減益ですが、税引前利益16.42億円からみて特別損益や税効果の影響が寄与しています。営業利益率は-0.45%(= -1.48/329.78)で、前年の営業利益率は未開示のためbp比較は厳密にできないものの、赤字転落により少なくとも数百bp規模で悪化したと推定します。粗利率20.3%は販売価格改定やミックス改善の可能性を示す一方、販管費の増加(明細未開示)が営業段階の損失を招いています。EBITDAは8.66億円、EBITDAマージンは2.6%と低水準で、構造的な固定費負担の重さが示唆されます。ROEは1.6%(純利益率3.6%×総資産回転率0.344×レバレッジ1.30)と低位で、資本効率は課題です。ROICは-0.2%と資本コストを大きく下回り、事業収益力の毀損が見られます。一方で、営業キャッシュフローは133.37億円と純利益11.84億円を大きく上回り、営業CF/純利益比率は11.26倍と非常に高水準です。これは棚卸資産や売掛金の回収など運転資本の好転が主因とみられ、利益の質は「会計利益<キャッシュ創出」という観点ではむしろ良好です。ただし、営業利益が赤字でインタレストカバレッジ(EBIT/支払利息)は-4.0倍と警戒シグナルが点灯しており、営業段階の稼ぐ力の弱さは看過できません。貸借対照表は総資産959.0億円に対し純資産736.84億円、負債資本倍率0.30倍、流動比率396%と非常に健全で、短期資金繰りへの懸念は限定的です。配当データは未開示ですが、計算上の配当性向は103.6%と示され、今期の利益水準では配当の持続性に留意が必要です。非営業要因の寄与(営業外収入比率43.9%)が高く、今後は本業の粗利拡大と販管費効率化による営業利益の黒字化が焦点です。将来に向けては、価格政策・製糖歩留まり・エネルギーコスト対策・在庫運用の最適化が利益率の回復鍵となり、ROICを資本コスト超へ引き上げられるかが中期評価の決め手になります。
ROEは1.6%で、純利益率3.6%×総資産回転率0.344×財務レバレッジ1.30の積に整合しています。ドライバーの中では純利益率と総資産回転率の低さがボトルネックで、レバレッジは極めて低く(保守的な資本構成)、ROE押し上げ効果は限定的です。営業段階が赤字(営業利益率-0.45%)で、最終利益は営業外収益(配当収入等)や特別損益の支えによるため、コア事業の採算悪化が純利益率を圧迫しています。総資産回転率0.344は在庫・投資有価証券・現預金など資産サイドが厚く、資産効率が伸び悩んでいることを示唆します。事業上の背景としては、エネルギーコスト上昇、原料甜菜の収穫・糖分歩留まりの変動、販売価格転嫁の時差、季節性による在庫増減が採算と回転率に影響した可能性が高いです。これらのうち、エネルギーコストや歩留まりは外部環境要因の比重が大きく、一時性と構造性が混在しますが、価格転嫁とコスト改善が進めば純利益率の回復余地はあります。資産回転の改善には在庫水準の適正化と投資有価証券等のポートフォリオ見直しが有効で、持続的改善の余地があります。一方、販管費の明細は未開示ですが、販管費が粗利を上回っており、販管費成長が売上成長を凌駕した可能性に留意が必要です。総合評価として、ROIC -0.2%とROE 1.6%のギャップは、低い事業採算と過剰資産(低回転)に起因し、当面はコア利益率の回復が最重要課題です。
売上は329.78億円で前年比+13.0%と増収を確保しており、価格改定や販売数量増が寄与したとみられます。粗利率は20.3%と一定の回復基調が示唆される一方、販管費が粗利を上回り営業赤字に転落したため、売上成長の質は十分ではありません。営業外収益(特に受取配当金4.47億円)の寄与が大きく、利益構成は本業依存度が低下しています。EBITDAマージン2.6%は低位で、固定費吸収が不十分です。将来の成長持続性は、販売価格の維持・原料調達の安定・エネルギー効率改善・副産物(糖みつ、飼料等)や機能性素材の拡販などの実行に依存します。短期的には運転資本の改善でキャッシュ創出力は高いものの、営業損益の黒字転換が見通しの前提となります。中期的には、在庫回転の改善と高付加価値製品ミックスの拡大により、ROICを5%超へ引き上げるアクションが必要です。非営業益への依存(営業外収入比率43.9%)は変動性が高く、持続的成長の観点ではリスクです。
流動比率396.3%、当座比率294.6%と流動性は非常に健全です。総資産959.0億円に対し純資産736.84億円、負債合計222.16億円で、負債資本倍率0.30倍と保守的な資本構成です。短期借入金0.24億円・長期借入金0.11億円と有利子負債は極小で、現金預金106.80億円に対して実質無借金に近い状態です。インタレストカバレッジ(EBIT/支払利息)は-4.0倍で警告シグナルですが、支払利息自体は0.37億円と小さく、資金繰り上の緊急性は低いと評価します。満期ミスマッチは、流動資産438.38億円に対し流動負債110.63億円で十分な余力があり、短期債務のロールオーバーリスクは限定的です。投資有価証券261.74億円と市場性資産の保有が厚く、含み損益・市場変動の影響を受けやすい点は留意事項です。オフバランス債務の開示はなく評価不能ですが、商習慣上のコミットメント(購入契約・為替予約等)がある可能性は否定できません。
営業CFは133.37億円で純利益11.84億円の11.26倍と非常に高く、利益の現金化は良好です。営業CF/純利益が高い主因は、運転資本(棚卸資産・売掛金)の回収・圧縮によるキャッシュインと推定されます。設備投資は-16.23億円で、営業CFからみると十分に賄えており、暫定的な準フリーCF(営業CF-設備投資)は約117.1億円と大幅なプラスです(投資CF全体は未開示のため正式なFCFは算出不可)。財務CFは-107.71億円で、自社株買い-7.60億円のほか、配当やその他の株主還元・負債返済が含まれるとみられます。運転資本操作の兆候としては、営業CFが会計利益を大幅に上回る点から在庫圧縮・売上債権回収が寄与した可能性が高く、来期以降は逆回転(在庫積み増し・季節性)によるCF減少リスクに注意が必要です。減価償却費10.14億円に対しEBITDA8.66億円で、営業キャッシュ創出は主に運転資本の改善による一時色が濃い点は留意点です。
配当情報は未開示で、配当金総額・FCFカバレッジは算出不能です。計算上の配当性向は103.6%と示され、当期の純利益水準に対しては高すぎるレンジで持続性に懸念が残ります。もっとも、営業CFは潤沢で、準フリーCFも大幅黒字であるため、現金面での配当実行余力はあります。ただし、営業損失とROICの低迷(-0.2%)が続く場合、将来の配当維持は事業収益に依存するためリスクが高まります。持続可能性向上には、営業黒字化と安定的なFCF創出(運転資本の平準化後もプラス維持)が必要です。資本政策としては、自社株買い(-7.60億円)を継続する場合、投下資本効率改善(ROIC>資本コスト)との整合性を精査すべき局面です。
ビジネスリスク:
- 砂糖価格の変動と競争環境の激化(輸入糖・代替甘味料)によるマージン圧迫
- 原料甜菜の収穫量・糖分歩留まりの変動(天候・病害虫)
- エネルギー価格高騰による製造コスト上昇
- 在庫水準の変動と価格下落時の評価損リスク
- 為替変動(輸入資材・副原料、輸入糖との価格競争)
- 規制・政策変更(砂糖関連調整金制度、農業政策)
財務リスク:
- 営業赤字に伴うインタレストカバレッジ悪化(-4.0倍)
- ROICが-0.2%と資本コストを下回る資本効率の低迷
- 投資有価証券261.74億円の市場変動リスク(評価損発生の可能性)
- 営業外収入依存(営業外収入比率43.9%)による利益変動性の上昇
主な懸念事項:
- 販管費が粗利を上回り営業損失を計上している構造問題
- 運転資本改善に依存した高い営業CFの持続性不確実性
- 配当性向>100%(計算値)に示唆される株主還元の持続性リスク
- 資産回転率0.344と低回転の資産構造(在庫・投資有価証券の厚み)
重要ポイント:
- 2桁増収も販管費が重く営業赤字、最終利益は非営業の寄与で確保
- 営業CFは大幅黒字で資金繰りは良好だが、運転資本の一時的改善色が濃い
- ROIC -0.2%、ROE 1.6%と資本効率は課題で、構造的な収益改善が必要
- 流動性・財務レバレッジは極めて保守的で、短期の資金面の懸念は限定的
- 配当の持続性は当期利益水準では要注意(計算上の配当性向>100%)
注視すべき指標:
- 営業利益率および粗利率(bpベースの改善進捗)
- 在庫回転日数と売上債権回転日数(運転資本の平準化)
- エネルギーコスト単価と製造原価率
- 販売価格(砂糖市況)とミックス(高付加価値製品比率)
- ROIC(>5%回復の道筋)と総資産回転率
- 営業外収入(配当収入)の寄与度とボラティリティ
セクター内ポジション:
財務安全性は同業内でも高い一方、採算性と資本効率は劣後。短期のキャッシュ創出は強いが、非営業依存と営業赤字解消が相対的課題。価格転嫁とコスト効率の実行がポジショニング改善の鍵。
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