- 売上高: 195.19億円
- 営業利益: 9.43億円
- 当期純利益: 7.02億円
- 1株当たり当期純利益: 34.80円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 195.19億円 | 194.04億円 | +0.6% |
| 売上原価 | 158.63億円 | - | - |
| 売上総利益 | 35.42億円 | - | - |
| 販管費 | 28.30億円 | - | - |
| 営業利益 | 9.43億円 | 7.12億円 | +32.4% |
| 営業外収益 | 2.84億円 | - | - |
| 営業外費用 | 28百万円 | - | - |
| 経常利益 | 11.96億円 | 9.67億円 | +23.7% |
| 税引前利益 | 10.62億円 | - | - |
| 法人税等 | 3.60億円 | - | - |
| 当期純利益 | 7.02億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8.10億円 | 6.99億円 | +15.9% |
| 包括利益 | 9.87億円 | 18.68億円 | -47.2% |
| 支払利息 | 14百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 34.80円 | 30.07円 | +15.7% |
| 1株当たり配当金 | 41.00円 | 41.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 215.56億円 | 235.41億円 | -19.85億円 |
| 現金預金 | 90.69億円 | 103.73億円 | -13.05億円 |
| 売掛金 | 31.36億円 | 39.99億円 | -8.63億円 |
| 棚卸資産 | 13.26億円 | 13.67億円 | -41百万円 |
| 固定資産 | 232.47億円 | 218.55億円 | +13.92億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.1% |
| 粗利益率 | 18.1% |
| 流動比率 | 578.6% |
| 当座比率 | 543.0% |
| 負債資本倍率 | 0.25倍 |
| インタレストカバレッジ | 67.00倍 |
| 実効税率 | 33.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.6% |
| 営業利益前年同期比 | +32.4% |
| 経常利益前年同期比 | +23.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +15.8% |
| 包括利益前年同期比 | -47.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 26.04百万株 |
| 自己株式数 | 2.75百万株 |
| 期中平均株式数 | 23.28百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,544.06円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 285.00億円 |
| 営業利益予想 | 12.50億円 |
| 経常利益予想 | 15.10億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 10.10億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 43.38円 |
| 1株当たり配当金予想 | 44.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の鳥越製粉は、売上が横ばいながら利益面が大幅に改善し、営業・経常・純利益がいずれも二桁伸長した堅調な四半期でした。売上高は195.19億円で前年同期比+0.6%、営業利益は9.43億円で+32.4%、経常利益は11.96億円で+23.6%、当期純利益は8.10億円で+15.8%となりました。営業利益率は4.83%(=9.43/195.19)に改善し、前年の約3.67%から約+116bp拡大しました。経常利益率は6.13%に上昇し、前年の約4.99%から約+114bpの改善です。純利益率は4.15%で、前年の約3.60%から約+55bpの拡大となりました。粗利益率は18.1%(35.42/195.19)で、販管費率は14.50%(28.30/195.19)にとどまり、粗利改善と販管費のコントロールが営業利益の押し上げに寄与しました。営業外収入は2.84億円で、受取配当金が1.83億円と大きく、営業外収入比率は35.0%と示され、投資収益の寄与が経常段階の押し上げに寄与しました。財務体質は極めて強固で、流動比率578.6%、当座比率543.0%、負債資本倍率0.25倍、インタレストカバレッジ67倍と潤沢な流動性・低レバレッジが確認できます。一方、ROEは2.2%、ROICは2.1%と資本効率は低位で、資本過多・総資産回転率の低さ(0.436)が収益力のボトルネックです。営業CFは未開示のため、利益のキャッシュ創出力(営業CF/純利益)を検証できず、利益の質評価には不確実性があります。配当性向(計算値)は131.8%と高水準で、FCF未開示のなか持続可能性に慎重さが必要です。総資産448.03億円のうち投資有価証券が115.73億円と大きく、配当などの投資収益依存が一部見られ、相場環境の影響も受けやすい構造です。短期借入金14.27億円・長期借入金14.79億円と有利子負債は限定的で、金利上昇影響は軽微です。税負担は実効税率33.9%で平準的です。通期に向けては、原材料コストや円相場の動向が粗利率の維持に重要で、販管費の伸び抑制継続が営業利益率の底上げに繋がります。中期的な課題はROICの引き上げであり、投下資本の最適化(過剰流動資産・投資有価証券の活用・選択と集中)と総資産回転率の改善が鍵になります。総じて、短期の収益改善は明確ながら、キャッシュフロー未開示と高配当性向、低ROICが中期の持続性に対する主な検討ポイントです。
ステップ1: ROEを純利益率×総資産回転率×財務レバレッジに分解すると、ROE=4.15%×0.436×1.25≒2.2%で、報告ROEと整合します。ステップ2: 前年比で最も改善寄与が大きいのは純利益率(営業利益率・経常利益率の改善による)で、売上横ばいの中で利益段階の伸長がROEを押し上げました。ステップ3: 改善のビジネス要因は、(a) 粗利の改善(価格・ミックス・調達コスト低減のいずれか)、(b) 販管費率の抑制、(c) 受取配当金を含む営業外収益の増加による経常段階の押し上げ、が中心と推察されます。ステップ4: 持続性の評価では、販管費コントロールは一定の持続余地がある一方、受取配当など営業外は相場・配当方針に左右され一時性が混じりやすく、粗利の改善も原材料価格・為替に依存するため変動性が残ります。ステップ5: 懸念されるトレンドとして、総資産回転率0.436の低さが継続し、ROIC 2.1%と投下資本効率が目標水準(7–8%)を大きく下回る点、また営業外収入比率35.0%と非営業依存度が相対的に高い点を指摘します。なお、営業利益率は4.83%で前年約3.67%から+116bp改善、経常利益率は+114bp、純利益率は+55bp改善と営業レバレッジの効きが確認できます。
売上成長は+0.6%と穏やかで、数量・価格のいずれかが横ばい圏と推察される一方、利益は営業+32.4%、経常+23.6%、純利益+15.8%と改善幅が大きく、採算重視の成長に舵が切られています。販管費率は14.50%に抑制され、粗利の積み上げ(18.1%)と合わせて営業段階の改善が顕著です。利益の質については、受取配当を中心とする営業外収益2.84億円の寄与が大きく、営業外収入比率35.0%と非営業依存が一部見られる点には留意が必要です。今後の見通しは、(1) 原材料市況(小麦等)の安定と販売価格転嫁の継続、(2) 円相場の動向、(3) 販管費の抑制維持、(4) 投資有価証券からの配当安定、が利益維持の鍵となります。構造的課題は総資産回転率の向上と過剰資本の活用で、事業ポートフォリオの磨き上げと投下資本規律の強化が中期的なEPS成長に寄与します。
流動比率578.6%、当座比率543.0%と極めて高く、短期支払能力は非常に強固です。負債資本倍率0.25倍、長短借入計29.06億円に対して現金預金90.69億円とネットキャッシュ基調で、レバレッジリスクは限定的です。満期ミスマッチについては、流動資産215.56億円に対し流動負債37.26億円でキャッシュクッションが厚く、短期借入金14.27億円に対しても十分な流動性が確保されています。インタレストカバレッジは67倍と金利負担能力は十分です。オフバランス債務については開示情報からは確認できません。自己資本比率は未記載ですが、純資産359.61億円/総資産448.03億円から概算約80.2%と推定され、資本基盤は極めて厚いと評価されます。警告基準(流動比率<1.0、D/E>2.0)には該当せず、財務健全性リスクは低位です。
営業CF・投資CF・財務CFはいずれも未開示のため、営業CF/純利益やFCFの持続可能性評価に不確実性があります。一般論として、棚卸資産13.26億円・売掛金31.36億円・買掛金11.43億円と運転資本は適正規模に見えますが、四半期の在庫積み増し・回収条件の変化など運転資本の変動が営業CFに与える影響は確認できません。営業外収益の比重が高いことから、キャッシュ創出の軸が営業活動に十分依拠しているかを検証するためにも、次四半期での営業CF開示が重要です。配当と設備投資のFCFカバレッジは算定不能(未開示)で、現時点では営業CFの裏づけ不在を品質面の留意点(潜在的な品質リスク)として扱います。
配当性向(計算値)131.8%は利益を上回る水準で、単年度ベースでは非持続的の可能性が高いと評価します(注:配当金総額未記載のため算式の前提はEPS/DPSの社外情報または期首計画に依存する可能性)。FCFカバレッジは未算定で、営業CF未開示のため裏づけが不足しています。潤沢な現金預金(90.69億円)と低レバレッジは短期の支払い余力を担保する一方、中期的な持続性は利益・CF創出力次第です。今後は、(1) 収益の営業起点での拡大、(2) 設備投資・成長投資の資本効率、(3) 配当方針(DOE/配当性向目標)の明確化、の3点が持続可能性の判断軸となります。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(小麦など)の上昇・変動による粗利率圧迫
- 為替変動(特に円安)による調達コスト増・価格転嫁タイムラグ
- 競争環境の強化による販売価格下押しとミックス悪化
- 投資有価証券からの配当収入の変動(相場・配当方針依存)
財務リスク:
- ROIC 2.1%と資本効率の低位停滞(資本コスト未達)
- 営業CF未開示による利益の質評価の不確実性
- 配当性向131.8%(計算値)とキャッシュフロー裏づけ不在による配当持続性リスク
- 総資産回転率0.436の低さに伴う資産効率リスク
主な懸念事項:
- 営業外収入比率35.0%と非営業依存度の高さ(受取配当中心)
- 中期的なROE/ROIC改善の遅れが評価ディスカウント要因となる可能性
- 運転資本の変動が営業CFに与える影響の不透明さ(CF未開示)
- 設備投資・成長投資の採算検証(未開示のため判断困難)
重要ポイント:
- 売上横ばいでも粗利改善と販管費抑制で営業利益率は+116bp改善
- 経常段階は受取配当等の営業外収益が寄与し+114bp改善
- 財務はネットキャッシュ・超高流動比率で安全性は非常に高い
- ROE 2.2%、ROIC 2.1%と資本効率は課題で、総資産回転率の改善が鍵
- 配当性向(計算値)131.8%は持続性に懸念、営業CF開示が重要
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(目安>1.0)
- 粗利益率と販売価格転嫁状況
- 販管費率のトレンド
- 受取配当金など営業外収益の寄与度
- 総資産回転率と在庫・売掛債権の回転
- ROIC(目安>5%→中期>7–8%)
セクター内ポジション:
食品原料・製粉同業内では財務安全性は上位だが、資本効率と成長性は控えめ。短期収益の改善は良好だが、中期は投下資本効率と営業キャッシュ創出力の立て直しが相対評価の分水嶺となる。
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