- 売上高: 2,079.03億円
- 営業利益: 108.55億円
- 当期純利益: 94.88億円
- 1株当たり当期純利益: 112.20円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,079.03億円 | 2,049.09億円 | +1.5% |
| 売上原価 | 1,556.95億円 | 1,556.44億円 | +0.0% |
| 売上総利益 | 522.08億円 | 492.64億円 | +6.0% |
| 販管費 | 413.53億円 | 387.40億円 | +6.7% |
| 営業利益 | 108.55億円 | 105.24億円 | +3.1% |
| 営業外収益 | 19.03億円 | 18.28億円 | +4.1% |
| 営業外費用 | 6.28億円 | 2.60億円 | +141.5% |
| 経常利益 | 121.30億円 | 120.92億円 | +0.3% |
| 税引前利益 | 136.84億円 | 205.15億円 | -33.3% |
| 法人税等 | 41.95億円 | 62.59億円 | -33.0% |
| 当期純利益 | 94.88億円 | 142.56億円 | -33.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 92.69億円 | 140.39億円 | -34.0% |
| 包括利益 | 126.71億円 | 184.67億円 | -31.4% |
| 減価償却費 | 52.57億円 | 52.50億円 | +0.1% |
| 支払利息 | 2.37億円 | 1.20億円 | +97.5% |
| 1株当たり当期純利益 | 112.20円 | 179.96円 | -37.7% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 107.66円 | 156.96円 | -31.4% |
| 1株当たり配当金 | 33.00円 | 33.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,637.61億円 | 1,590.14億円 | +47.47億円 |
| 現金預金 | 461.63億円 | 449.45億円 | +12.18億円 |
| 売掛金 | 569.71億円 | 581.28億円 | -11.57億円 |
| 棚卸資産 | 297.85億円 | 266.26億円 | +31.59億円 |
| 固定資産 | 2,577.46億円 | 2,402.10億円 | +175.36億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 90.00億円 | 65.85億円 | +24.15億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 53.78億円 | -50.46億円 | +104.24億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.5% |
| 粗利益率 | 25.1% |
| 流動比率 | 210.5% |
| 当座比率 | 172.3% |
| 負債資本倍率 | 0.55倍 |
| インタレストカバレッジ | 45.80倍 |
| EBITDAマージン | 7.7% |
| 実効税率 | 30.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.5% |
| 営業利益前年同期比 | +3.1% |
| 経常利益前年同期比 | +0.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -34.0% |
| 包括利益前年同期比 | -31.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 84.73百万株 |
| 自己株式数 | 510千株 |
| 期中平均株式数 | 82.62百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,235.76円 |
| EBITDA | 161.12億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 33.00円 |
| 期末配当 | 33.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| FlourMilling | 14.26億円 | 46.77億円 |
| Food | 4.68億円 | 48.75億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,240.00億円 |
| 営業利益予想 | 215.00億円 |
| 経常利益予想 | 245.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 202.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 258.80円 |
| 1株当たり配当金予想 | 33.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のニップンは、売上・営業利益ともに小幅増を確保した一方、当期純利益は大幅減益でミックスにばらつきが見られる決算だった。売上高は2,079.03億円で前年比+1.5%、営業利益は108.55億円で+3.1%と実需に沿った安定成長を示した。経常利益は121.30億円(+0.3%)と横ばいに近いが、営業外収益19.03億円(うち受取配当13.18億円、受取利息3.07億円)が利益を下支えした。当期純利益は92.69億円で前年比-34.0%と大幅減、税引前利益136.84億円から法人税等41.95億円(実効税率30.7%)を差し引いた水準で、前年に存在した一過性利益の剥落や評価損益の変動が影響した可能性が高い。粗利益率は25.1%と堅調で、営業利益率は5.22%と推計され、前年の約5.14%から約8bpの改善とみられる。販管費は413.53億円(売上比19.9%)で、売上成長率を下回るコストコントロールが示唆される。非営業収益の寄与が相対的に大きく、営業外収入比率は20.5%と、コア収益以外の要素が業績に与える影響は無視できない。資本効率は低位で、ROEは3.4%、ROICは2.7%とベンチマーク(7–8%)を大きく下回り、投下資本からのリターン改善が重要な課題。財務体質は堅固で、流動比率210.5%、当座比率172.3%、負債資本倍率0.55倍、インタレストカバレッジ45.8倍と流動性・支払能力は良好。営業キャッシュフローは90億円、営業CF/純利益は0.97倍とほぼ1倍に近く、利益のキャッシュ化は概ね良好だが、完璧ではない。投資・配当・自社株買いのキャッシュデータは未記載でFCF精査に制約があるものの、配当性向(計算値)60.3%は上限近辺で、営業CFによる配当カバレッジは一定の余裕があると推定される。貸借対照表では現金461.63億円に対し有利子負債(短期182.26、長期346.78)が合計529.04億円でネットデットは約67億円、Debt/EBITDAは3.28倍と中庸。包括利益は126.71億円と純利益を上回り、投資有価証券918.28億円の含み(評価益)の寄与が示唆される。商社型の持分法投資利益の開示はなく、受取配当など金融収益の寄与はあるが、総合商社のような利益構造ではない点に留意。総じて、コア収益は漸進的に改善する一方、資本効率の低さと一過性要因に左右される最終利益のボラティリティが主要論点。今後は価格転嫁の持続、原材料市況と為替の安定、ポートフォリオ(投資有価証券・非中核資産)のROIC改善が鍵となる。
ステップ1(ROE分解): ROE 3.4% = 純利益率4.5% × 総資産回転率0.493 × 財務レバレッジ1.55倍。ステップ2(変化の大きい要素): 現状の水準からみて最大のボトルネックは総資産回転率と純利益率の低さで、レバレッジは抑制的で寄与は限定的。ステップ3(ビジネス上の理由): 資産側に投資有価証券(918.28億円)や固定資産が厚く、在庫・売掛金等の運転資本も大きいため資産回転が0.493倍にとどまる。純利益率は、営業利益率5.22%に対し営業外収益の寄与(受取配当・利息)がある一方、税負担(実効税率30.7%)などで最終段階で伸びが鈍化。ステップ4(持続性評価): 総資産回転率の改善はポートフォリオ整理・不採算資産の圧縮に依存し、中期的に改善余地はあるが短期での大幅改善は限定的。一方で純利益率は価格転嫁・ミックス改善・生産性向上次第で着実に改善可能だが、原材料市況と為替に左右される。ステップ5(懸念トレンド): 売上+1.5%に対し営業利益+3.1%と正の営業レバレッジは確認できるが、営業外収入比率が20.5%と相対的に高く、コア収益の自走力強化が課題。販管費の詳細内訳は未記載だが、販管費成長が売上成長を上回る兆候は現時点の数値からは見られない。
売上は+1.5%と緩やかな伸びで、主に価格要因とみられるが数量動向の内訳は未記載。営業利益は+3.1%で、営業利益率は約8bp改善(5.14%→5.22%)と小幅ながらコスト効率の改善が示唆される。非営業収益(配当・利息)の寄与が継続しており、金利環境や持株ポートフォリオの配当動向が成長の外生的ドライバー。純利益は-34.0%と大幅減で、前年の一過性要因剥落や評価損益の変動が影響した可能性が高く、成長の見通し評価では当期純利益のボラティリティを割り引く必要がある。投資有価証券の規模(918.28億円)から、含み益・評価損の変動が包括利益・純利益に波及しうる点は中期的な成長率の不確実性要因。ROIC 2.7%と低位で、成長投資の資本効率面でのハードルレート充足が課題。今後は原材料(小麦など)価格と為替の安定、価格転嫁の継続、製品ミックスの高付加価値化、サプライチェーン効率化による在庫回転改善が持続成長のカギ。定量的には、営業外への依存を漸減させ、営業利益率+20~30bpの積み上げと総資産回転率の0.05pt改善がROE引き上げに最も有効と見られる。
流動性は強固で、流動比率210.5%、当座比率172.3%とベンチマークを大きく上回る。短期負債(流動負債777.79億円、うち短期借入182.26億円)は現金預金461.63億円および流動資産1,637.61億円で十分にカバーされ、満期ミスマッチは限定的。資本構成は保守的で、負債資本倍率0.55倍、長期借入346.78億円を含む有利子負債は529.04億円、ネットデットは約67億円と軽度のネット有利子負債。インタレストカバレッジ45.8倍で金利耐性は極めて高い。オフバランスのコミットメント・リース等は未記載のため評価に制約があるが、現時点データからは警告水準(流動比率<1.0、D/E>2.0)に該当せず、財務健全性は高いと言える。
営業CFは90億円で、営業CF/純利益は0.97倍と1.0倍に近く、利益のキャッシュ化は概ね良好(ただし理想値>1.0にはわずかに届かず)。投資CF・設備投資額が未記載のためFCFは算出不能で、運転資本の増減(売掛金569.71億円、棚卸297.85億円、買掛金304.28億円)がOCFに与えた影響の分解はできない。営業外収益の現金性(受取配当・利息)は高めで、OCFの下支え要因。運転資本操作の兆候は、単期データのみのため特定できず(四半期間の売掛・在庫・買掛の推移開示が必要)。財務CFは+53.78億円と資金流入で、借入・配当・自己株取引の内訳が不明な点は評価上の制約。
配当性向(計算値)60.3%は目安上限近辺でやや高め。純利益92.69億円に基づけば、推定配当総額は約55.9億円となり、営業CF90億円での配当カバレッジは約1.6倍と一定の余裕がある。もっとも、FCF(OCF-投資CF)が未記載で、設備投資や成長投資のキャッシュ需要次第では余裕度が変動しうる。ROICが2.7%と低位なため、内部留保による投資の資本効率が目標(>7–8%)に達しない限り、配当増額余地は限定的とみるのが妥当。今後の配当方針は、(1) OCFの安定、(2) 投資CFの水準、(3) ポートフォリオからの安定配当収入(受取配当)の継続性、の3点が鍵となる。
ビジネスリスク:
- 原材料(小麦・油脂等)価格の変動による粗利率の圧迫
- 為替(主にUSD/JPY)の変動による輸入コスト・調達価格への影響
- 価格転嫁の遅れによるマージン低下
- 需要鈍化(外食・中食・ベーカリー等サブセグメント)の影響
- 競合による値下げ圧力と販促費増加
- サプライチェーン・物流コスト上昇
財務リスク:
- ROIC 2.7%と資本コストを下回る資本効率の継続
- 投資有価証券918.28億円の評価変動が包括利益・純利益に与えるボラティリティ
- 金利上昇局面での借入コスト上昇(ただし現状カバレッジは高い)
- 在庫・売掛金の積み上がりによる運転資本負担増とOCFの変動
主な懸念事項:
- 純利益が-34%と大幅減で、一過性要因の剥落や評価損益依存の可能性
- 営業外収入比率20.5%とコア収益以外への依存度が相対的に高い点
- ROE 3.4%、ROIC 2.7%と資本効率が低く、中期的な価値創出力が限定的
重要ポイント:
- トップラインは+1.5%、営業は+3.1%でコア収益は漸進改善
- 純利益は-34%とボラタイルで、一過性・評価要因の影響が大きい可能性
- 流動性・レバレッジは健全だが、資本効率(ROIC/ROE)が課題
- 営業外収益(配当・利息)の寄与が相対的に高く、非コア依存を低減する施策が必要
- 配当は営業CFで概ねカバー可能だが、FCF未開示につき過度な増配は慎重姿勢が妥当
注視すべき指標:
- 営業利益率のbp改善(SG&A比率、原材料粗利の動向)
- 総資産回転率(在庫・売掛回転日数)
- ROICのトレンドと投下資本の回収見通し
- 受取配当・投資有価証券評価の変動(OCI動向)
- 営業CF/純利益比率とFCF(投資CF開示)
- 為替(USD/JPY)と小麦等コモディティ価格
セクター内ポジション:
国内食品セクター内では、財務健全性は上位、収益性・資本効率は中位~下位。総合商社型モデルではなく、非コア(営業外)依存を縮小しつつコア事業のROIC改善を進める局面にある。
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