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19632026 第3四半期プライムJGAAP

日揮ホールディングス(1963) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は5,668億円(前年同期比-6.2%)、営業利益は267.1億円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥5668.2億¥6041.4億−6.2%
営業利益¥267.1億−¥192.1億+239.0%
経常利益¥426.9億¥1.6億−99.3%
純利益¥298.7億−¥39.9億+849.5%
ROE(年換算)9.2%−1.4%-

Executive Summary

当第3四半期累計は売上高が減少したものの、総合エンジニアリング事業の採算回復により営業利益が黒字転換した点が最大のポイントである。売上高は5668.2億円(前年比-6.2%)、営業利益は267.1億円(前年同期は-192.1億円の営業損失)、経常利益は426.9億円(前年1.6億円、YoY-99.3%は表記上のもので実質は大幅増)、純利益は298.7億円(前年-39.9億円)となった。減収の主因は総合エンジニアリングの売上減少だが、工事採算の正常化が損益を大きく押し上げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は5668.2億円で前年比-6.2%の減収。総合エンジニアリングが5207.3億円(前年比-7.2%)と主力事業が減収した一方、機能材製造は427.1億円(同+7.3%)、その他は33.7億円(同+13.4%)と増収を確保した。総合エンジニアリングの売上構成比は91.9%で依然として連結の中心であり、その減収が連結売上を押し下げた。

【損益】営業利益は267.1億円で、前年同期の192.1億円の損失から459.1億円改善し黒字転換した。営業利益率は4.7%で前年同期の-3.2%から789bp改善。営業外収益170.8億円(受取利息88.1億円、為替差益37.5億円、受取配当金25.1億円)が経常利益426.9億円を押し上げ、特別利益では投資有価証券売却益16.0億円を計上した。結論として、減収ながら採算改善による増益、すなわち減収増益となった。

セグメント別分析

総合エンジニアリングはセグメント利益261.6億円で、前年同期の198.9億円の損失から黒字転換し、利益率は-3.5%から5.0%へ856bp改善した。売上減少下での黒字化であり、案件採算の正常化が連結損益改善の中心である。機能材製造は利益57.9億円、利益率13.6%(前年14.7%から-110bp)と高採算を維持しつつ増収した。その他事業は利益8.0億円、利益率23.6%(前年比-313bp)だが規模は小さい。全社費用・調整額は-60.4億円で、セグメント利益合計319.5億円から連結営業利益267.1億円への差となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率4.7%、粗利率8.4%はいずれも前年同期から大幅改善したが、絶対水準としては低く、原価変動が利益を左右しやすい構造にある。純利益率5.3%は営業利益率を上回るが、受取利息・為替差益・受取配当金など営業外収益の寄与が大きい。【キャッシュ品質】現金及び預金は3564.8億円で総資産の42.9%を占め、契約負債1376.5億円が運転資金を支えている。【投資効率】年換算ROEは9.2%で、前年同期の低位実績から回復した。【財務健全性】自己資本比率51.8%は前年48%台から改善し、流動比率も高水準にある。有利子負債(短期・長期借入金・社債合計約346億円)は現金預金を大幅に下回り、実質的な資金繰りリスクは限定的である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別データは開示されていないが、BS推移から資金動向を分析すると、現金及び預金は3564.8億円へ前年末比で増加しており、資金基盤は拡充している。契約負債は1376.5億円で前年同期比+31.0%増加し、顧客からの前受け・工事進捗に伴う資金流入が流動性を支えている。未成工事支出金は190.5億円で前年比+25.2%増加し、進行中案件への資金投下が拡大していることを示す。投資有価証券は1000.1億円へ増加しており、投資活動の一部として資金が配分されている。社債は200.0億円へ増加し、資本調達面でも一定の資金確保を図っている。総じて、現金水準の維持・拡大と契約負債による運転資金補完が特徴的な資金動向である。

収益の質

純利益298.7億円のうち、経常段階の営業外収益170.8億円が経常利益426.9億円の押し上げに大きく寄与しており、その内訳は受取利息88.1億円、為替差益37.5億円、受取配当金25.1億円である。これらは本業のエンジニアリング事業とは異なる収益源であり、営業利益267.1億円との乖離を生んでいる。特別利益では投資有価証券売却益16.0億円を計上し、一時的要因として純利益をさらに押し上げた一方、特別損失は固定資産除却損0.9億円と小さい。包括利益は478.2億円で純利益298.7億円を上回り、有価証券評価差額金45.4億円や持分法適用会社のOCI持分136.8億円が寄与している。営業利益の黒字転換自体は総合エンジニアリングの案件採算改善という本業要因に基づくが、経常利益・純利益の押し上げ分は営業外収益・一時的要因の影響を含むため、利益の再現性は営業利益の動向で判断する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対する進捗率は、売上高76.6%、営業利益86.2%、経常利益97.0%、純利益99.7%である。売上高進捗は標準的な75%をわずかに上回る程度だが、利益系指標は軒並み高進捗となっている。特に経常利益・純利益の進捗が高いのは、受取利息・為替差益・受取配当金・投資有価証券売却益といった営業外・特別要因の寄与が大きいためである。通期計画から逆算すると第4四半期の必要売上高は1731.8億円、営業利益は42.9億円で、営業利益率は約2.5%に低下する計算となり、第3四半期までの採算改善が通期でどこまで維持されるかが今後の焦点となる。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は40.00円で、前年の実績40円から同水準を維持する計画である。期中平均株式数241,764千株を用いた年間配当総額の概算は約96.7億円となり、通期純利益予想300.0億円に対する配当性向は約32.2%と、利益・資本両面から余力のある水準にとどまる。利益剰余金3605.7億円という厚い内部留保も、配当の裏付けとなっている。第3四半期累計の純利益進捗率が99.7%と高く、現行配当計画の実現可能性を支えている。

リスク要因

  1. 工事採算リスク: 工事損失引当金は313.1億円で営業利益267.1億円を上回る規模にあり、大型EPC案件の設計変更や工程遅延、資材・外注費上昇が採算を再び悪化させる可能性がある。

  2. 営業外収益への依存: 経常利益426.9億円のうち営業外収益170.8億円(受取利息・為替差益・受取配当金)の寄与が大きく、金利・為替環境の変化が利益変動要因となる。

  3. 主力事業の減収: 総合エンジニアリングの売上高は前年比-7.2%減少しており、黒字化は進んだものの、大型案件の引渡し時期や構成変化による四半期業績の変動リスクが残る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(construction)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.7%
純利益率5.3%

自社の営業利益率・純利益率は前年同期の赤字から回復したが、業種内での相対位置を判断するデータは限定的である。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−6.2%

売上高成長率はマイナスであり、業種内比較のための中央値データが不足している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 総合エンジニアリング事業が前年同期の198.9億円のセグメント損失から261.6億円の利益へ転換し、利益率も-3.5%から5.0%へ改善したことが、決算全体の構造変化を示している。

  2. 営業利益率4.7%・粗利率8.4%は改善したものの絶対水準は低く、工事損失引当金313.1億円という規模を踏まえると、案件採算のわずかな変動が利益率に大きく影響する構造が続いている。

  3. 通期純利益計画に対する進捗率99.7%は高いが、経常利益・純利益の進捗は営業外収益・投資有価証券売却益の寄与を含むため、通期の着地評価には営業利益の動向を併せて確認する必要がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,660円
base(基準)1,701円
bull(強気)1,729円
算出前提
1株純資産(BPS)1,780円
調整後予想EPS138.6円
株主資本コスト r9.37%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向32.2%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 12.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,653円〜1,750円、ω±0.1で 1,698円〜1,702円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。