クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1706.0億 | ¥1764.9億 | −3.3% |
| 営業利益 | ¥149.8億 | ¥141.8億 | +5.7% |
| 経常利益 | ¥158.1億 | ¥152.8億 | +3.4% |
| 純利益 | ¥130.5億 | ¥101.6億 | +28.4% |
| ROE(年換算) | 16.1% | 12.7% | - |
Executive Summary
当第3四半期累計は減収増益で、粗利率改善による採算向上が増益の主因である。売上高は1706.0億円(前年比-3.3%)、営業利益は149.8億円(同+5.7%)、経常利益は158.1億円(同+3.4%)、純利益は130.5億円(同+28.4%)となった。売上減少は建築設備事業・機械システム事業の受注減少が影響した一方、完成工事粗利率が20.0%(前年17.7%)に改善したことで営業増益を確保した。純利益の伸びが特に大きいのは、投資有価証券売却益32.9億円という一時的要因が寄与したためである。
業績変動要因
【売上高】売上高は1706.0億円で前年比-3.3%。主力の建築設備事業(売上構成比82.9%)が-3.2%、機械システム事業が-13.4%と減少し、環境システム事業も-1.3%となった。不動産事業(+1.5%)、その他事業(+20.7%)は増加したが規模が小さく全社影響は限定的である。完成工事高は1685.7億円(-3.4%)だが、完成工事総利益は337.8億円(+9.4%)と増加し、量の縮小を質の改善で補う構図となっている。
【損益】営業利益は149.8億円(+5.7%)、営業利益率は8.8%(前年8.0%)へ改善。建築設備事業のセグメント利益は148.9億円(+16.3%)、利益率10.5%(前年8.8%)と主力事業の採算改善が全社を牽引した。一方、機械システム事業は7.7億円の損失(前年3.0億円損失から悪化)、環境システム事業も利益4.3億円(-43.6%)と非主力事業は弱含んだ。経常利益は158.1億円(+3.4%)。純利益は130.5億円(+28.4%)だが、これは投資有価証券売却益32.9億円という特別利益の押し上げが大きく、経常段階の伸びとは区別して評価すべきである。結論として、減収増益である。
セグメント別分析
建築設備事業(売上構成比82.9%)は売上1414.4億円(-3.2%)、セグメント利益148.9億円(+16.3%)、利益率10.5%(前年8.8%)と採算が大きく改善し、報告セグメント利益合計の97.4%を占める主力事業となっている。機械システム事業は売上69.4億円(-13.4%)、セグメント損失7.7億円(前年3.0億円損失)と赤字が拡大し、全社採算の下押し要因である。環境システム事業は売上201.8億円(-1.3%)、利益4.3億円(-43.6%)、利益率2.1%と低採算が継続。不動産事業は売上19.3億円(+1.5%)、利益7.4億円(+11.1%)、利益率38.4%と高収益を維持しているが規模は小さい。全体として、建築設備事業への利益集中と非主力事業の採算悪化が構造的な特徴として観察される。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は8.8%で前年同期8.0%から改善、純利益率は7.7%で前年同期5.8%から上昇したが、純利益率の改善分には投資有価証券売却益の寄与が含まれる。粗利率は20.3%で前年17.9%から約2.4pt改善し、完成工事粗利率も20.0%(前年17.7%)へ改善している。【キャッシュ品質】営業CFは69.2億円で、純利益130.5億円に対する比率は約0.53倍にとどまり、利益に対する現金創出力は相対的に弱い。契約負債の増加86.3億円が押し上げ要因となったが、法人税等の支払91.8億円、仕入債務の減少43.7億円が押し下げ要因となった。【投資効率】年換算ROEは16.1%で、自己資本比率55.1%と高い財務健全性のもとで達成されている。設備投資は10.3億円で減価償却費15.0億円を下回り、投資水準は減価償却比0.68倍程度である。【財務健全性】自己資本比率は55.1%(前年52.9%)、現金及び預金341.3億円は流動負債727.9億円に対し十分な水準で、長期借入金は5.8億円と前年13.5億円から大幅に減少しており、財務構造は保守的である。
キャッシュフロー分析
営業CFは69.2億円で前年同期比-58.3%と大きく減少し、純利益130.5億円に対する現金化比率は約0.53倍にとどまる。この差異は、純利益に含まれる投資有価証券売却益32.9億円が非現金項目であることに加え、法人税等の支払91.8億円、仕入債務の減少43.7億円、賞与引当金の減少49.6億円が営業CFを圧迫したことによる。一方で契約負債の増加86.3億円と売上債権・契約資産の減少53.6億円は資金流入要因となった。投資CFは-10.0億円で、設備投資10.3億円が主因である。財務CFは-160.2億円で、配当金支払99.6億円と自己株買い50.0億円が主な流出項目となっている。結果としてフリーCFは59.2億円の黒字を確保したが、株主還元の総額149.6億円がFCFを上回っており、現金預金341.3億円の潤沢さが資本配分を支えている。
収益の質
当期純利益130.5億円の増益率28.4%のうち、経常利益の伸び(+3.4%)を大きく上回る部分は、特別利益に計上された投資有価証券売却益32.9億円によるものであり、経常的な収益力の改善とは区別して評価する必要がある。営業外収益は12.7億円で、うち受取配当金8.8億円が中心であり、営業外費用4.4億円(支払利息0.9億円等)を上回るため、経常利益は営業利益149.8億円から158.1億円へ上振れしている。営業CFは純利益に対して0.53倍の水準にとどまり、利益の質という観点ではアクルーアル(未回収の契約資産・未成工事支出金の増加)が現金化を遅らせている点に留意が必要である。包括利益は164.7億円で純利益130.5億円を上回り、有価証券評価差額金33.0億円の増加が寄与している。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想は売上高2500.0億円(前年比-1.2%)、営業利益275.0億円(+25.6%)、経常利益280.0億円(+21.4%)である。Q3累計の進捗率は売上高68.2%、営業利益54.5%、経常利益56.5%と、いずれも標準的な75%進捗を下回っている。特に営業利益の進捗遅れが大きく、通期達成にはQ4に営業利益125.2億円程度(Q4営業利益率で15.8%相当)が必要となる。会社は2025年11月14日発表の予想を修正せず据え置いており、業績予想・配当予想ともに変更はない。建設業の特性上、工事完成が期末に集中する季節性を踏まえても、Q4に求められる利益率はQ3累計実績の8.8%を上回る水準であり、進捗状況は今後の確認点となる。
株主還元
第2四半期配当は1株82.50円で、通期予想配当は165.00円である。Q3累計純利益130.5億円に対する配当性向(中間配当ベース)は33.9%、通期予想EPS425.76円に対する予想配当性向は約38.8%であり、いずれも過大な水準ではない。Q3累計では配当金支払99.6億円に加え、自社株買い50.0億円を実施し、株主還元の合計キャッシュ流出は149.6億円となった。これはフリーCF59.2億円を上回るが、現金及び預金341.3億円と投資有価証券359.2億円の保有により、還元原資は内部創出キャッシュフローだけでなく手元資金にも支えられている。配当予想の修正はなく、業績予想同様据え置かれている。
リスク要因
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主力事業への利益集中: 建築設備事業が報告セグメント利益合計の97.4%を占める。同事業の採算変動が全社利益に直結する構造であり、原価・工程管理の巧拙が業績を大きく左右する。
-
営業キャッシュ創出力の弱さ: 営業CF/純利益比率は約0.53倍にとどまり、契約資産(+37.1%)や未成工事支出金(+88.7%)の増加が資金化の遅延要因となっている。会計利益に対する現金裏付けの継続的な確認が必要である。
-
通期計画達成の期末集中リスク: 営業利益の通期進捗率は54.5%で標準を下回り、Q4に大幅な利益率上昇(15.8%程度)が必要となる。工事完成時期のずれや追加原価発生時には計画達成に影響し得る。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 8.8% | – | – |
| 純利益率 | 7.6% | – | – |
自社の収益性指標は業種内比較データが限定的であり、絶対水準としては営業利益率8.8%・純利益率7.6%が確認できる。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | −3.3% | – | – |
売上高成長率は前年比-3.3%であり、業種中央値との比較データは現時点で得られていない。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイント
-
売上高が減少する中でも粗利率が約2.4pt改善し、営業利益は増益を確保している。これは受注選別や工事採算管理の強化を示す構造的な変化として観察される。
-
純利益の増益率28.4%は経常利益の伸び3.4%を大きく上回るが、その差は投資有価証券売却益32.9億円という一時的要因に起因する。経常的な収益力の評価では営業利益・経常利益を重視する必要がある。
-
機械システム事業の赤字拡大と環境システム事業の減益は、建築設備事業への利益依存度をさらに高めており、セグメント間の収益分散という観点でモニタリングが必要な事象である。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 2,784円 |
| base(基準) | 2,948円 |
| bull(強気) | 3,068円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 2,124円 |
| 調整後予想EPS | 475.4円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 38.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.39倍 / 6.2倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 2,865円〜3,035円、ω±0.1で 2,928円〜2,980円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。