クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2292.1億 | ¥2169.2億 | +5.7% |
| 営業利益 | ¥235.6億 | ¥179.3億 | +31.4% |
| 経常利益 | ¥252.8億 | ¥194.0億 | +30.3% |
| 純利益 | ¥188.5億 | ¥139.2億 | +50.5% |
| ROE | 8.2% | 6.6% | - |
Executive Summary
2026年3月期は完成工事高の拡大と工事採算の改善により、増収かつ大幅増益となった。売上高は2292.1億円(前年比+5.7%)、営業利益は235.6億円(同+31.4%)、経常利益は252.8億円(同+30.3%)、純利益(連結、非支配株主分含む)は188.5億円(同+50.5%)となった。増益率が増収率を大きく上回った要因は、完成工事総利益率が15.8%から17.9%へ改善したことにあり、原価管理と受注採算の向上が業績を牽引した。
業績変動要因
【売上高】完成工事高は2292.1億円で前年比+5.7%増加した。設備工事業の単一セグメントであり、施工量の拡大が増収の主因である。完成工事原価は前年比+5.3%増と売上増加率を下回るペースで推移した。
【損益】完成工事総利益は409.2億円(前年比+19.3%)、粗利率は17.9%と前年15.8%から約2.0pt改善した。販管費は173.6億円(同+6.6%)とほぼ横ばいの比率(7.6%)で推移し、粗利改善がそのまま営業増益に直結した。営業利益率は10.3%と前年8.3%から約2.0pt拡大した。経常利益は営業外収益(受取配当金11.8億円中心)の増加も加わり252.8億円(同+30.3%)となった。税引前利益270.9億円には投資有価証券売却益22.8億円を含む特別利益23.1億円が反映されており、最終利益の伸びには一時的要因の寄与も含まれる。結論として増収増益であり、増益の主因は本業の採算改善である。
セグメント別分析
当社グループは設備工事業の単一セグメントであり、セグメント別の開示は行われていない。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は10.3%で前年8.3%から改善し、純利益率(親会社株主帰属ベース)は7.9%(前年6.1%)へ上昇した。ROEは8.2%(純利益/株主資本ベース)、デュポン分解では純利益率×総資産回転率0.69倍×財務レバレッジ1.45倍で構成され、資産回転率の低さがROE水準を抑制している。【キャッシュ品質】営業CFは105.2億円で前年の流出(△43.4億円)から黒字転換したが、営業CF/親会社株主帰属純利益は0.58倍、営業CF/EBITDAは0.37倍にとどまり、利益に対する現金化はなお弱い。【投資効率】設備投資は58.5億円で減価償却費51.1億円の1.15倍と、維持更新を超える投資水準である。投資有価証券は518.5億円(総資産の15.5%)まで増加し、受取配当金・売却益の収益源となっている。【財務健全性】自己資本比率は69.1%(総資産に対する純資産比率)、流動比率は約232%であり、財務基盤は保守的である。一方、短期借入金は前年比+197.6%の122.0億円に増加し、有利子負債の全額が短期化している。
キャッシュフロー分析
営業CFは105.2億円となり、前年の△43.4億円から大幅に改善した。運転資本変動前の小計は161.4億円あったが、完成工事未収入金を中心とした売上債権の増加が141.2億円の資金流出要因となり、仕入債務の増加42.9億円が一部を相殺した。投資CFは△47.0億円で、設備投資58.5億円および投資有価証券取得18.0億円が主な流出要因である。フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は58.2億円となった。財務CFは19.4億円の流入で、短期借入金81.0億円の増加が配当支払5.4億円および自己株式取得6.4億円を上回る資金源となった。営業CFの黒字化は改善だが、利益成長に対する現金創出のスピードは相対的に遅く、売上債権の増勢抑制が今後の課題として観察される。
収益の質
経常的な収益力は営業利益235.6億円、経常利益252.8億円に表れており、営業外収益18.0億円のうち受取配当金11.8億円が65.5%を占め、投資有価証券保有からの安定的な収益寄与がある。一方、税引前利益270.9億円には投資有価証券売却益22.8億円を主因とする特別利益23.1億円が含まれ、特別損失(減損損失3.8億円等)5.0億円との差額18.1億円が最終利益を押し上げている。このため、親会社株主帰属純利益180.6億円(前年比+36.9%)の伸びには一時的要因の影響が一定程度含まれ、経常的な収益力を評価する際は経常利益252.8億円を基準とすることが妥当である。包括利益は269.1億円で、純利益188.5億円との差は有価証券評価差額金66.3億円等のその他有価証券評価変動によるものであり、市場価格変動への感応度が包括利益の変動要因となっている。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想(売上高2423.1億円、営業利益238.9億円、経常利益257.1億円、純利益172.4億円)に対する進捗は、それぞれ売上高94.6%、営業利益98.6%、経常利益98.3%相当の水準にある。営業利益・経常利益の進捗が売上高進捗を上回っており、会社計画は残り期間における利益率の大幅な低下を前提としていないと見られる。
株主還元
期末配当は1株124円で、前年90円から34円の増配となった。会社予想の年間配当は127円であり、増配方針が継続している。配当性向は40.1%で、利益に対する持続可能な範囲にある。自己株式取得は6.4億円実施されており、配当とは別に株主還元策として評価される。フリーキャッシュフロー58.2億円に対する配当総額(54.1億円)のカバレッジは約1.08倍であり、当期の配当は営業活動から生まれた資金で概ね対応できている。
リスク要因
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売上債権の増加とキャッシュ転換の遅れ: 完成工事未収入金は1501.8億円に達し、売上債権の増加が営業CFを141.2億円押し下げた。営業CF/親会社株主帰属純利益は0.58倍にとどまり、利益の現金化速度は課題である。
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短期借入金の急増: 短期借入金は122.0億円と前年比+197.6%増加し、有利子負債の全額が短期に集中している。現金及び預金123.6億円が短期借入金をほぼカバーし、流動比率も約232%と高いため、現時点の資金繰りへの影響は限定的である。
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単一事業セグメントによる集中リスク: 設備工事業の単一セグメントであるため、建設投資・民間設備投資の循環変動を他事業で相殺しにくい。工事損失引当金は1.2億円(前年5.1億円から減少)であり、個別案件の採算管理が継続的な監視点となる。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 10.3% | 5.3% (3.3%–6.6%) | +4.9pt |
| 純利益率 | 8.2% | 4.0% (2.7%–5.0%) | +4.2pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で優位な位置にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 5.7% | 9.8% (-3.6%–14.8%) | −4.2pt |
売上高成長率は業種中央値を下回り、増収ペースは業種内で相対的に緩やかである。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
-
完成工事総利益率は15.8%から17.9%へ改善し、営業利益率も8.3%から10.3%へ拡大した。売上成長5.7%に対し営業利益が31.4%増加したことは、原価改善が販管費増加を上回るペースで進んだことを示す。
-
営業CFは前年の流出から105.2億円の黒字に転換した一方、純利益に対する現金化比率は0.58倍にとどまる。この差は完成工事未収入金の増加によるものであり、利益成長とキャッシュ創出のタイミングにずれが生じている。
-
短期借入金が前年比+197.6%増加し、有利子負債が短期に集中する構造となった。自己資本比率69.1%、流動比率約232%という保守的な財務基盤の中での変化であり、資金調達構造の一過性か構造変化かは今後の推移で確認される点である。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,571円 |
| base(基準) | 3,674円 |
| bull(強気) | 3,748円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,696円 |
| 調整後予想EPS | 353.3円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 40.1% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.99倍 / 10.4倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,573円〜3,780円、ω±0.1で 3,673円〜3,674円。
注記:
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。