| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥7420.2億 | ¥6718.9億 | +10.4% |
| 営業利益 | ¥831.4億 | ¥583.3億 | +42.5% |
| 経常利益 | ¥849.8億 | ¥595.0億 | +42.8% |
| 純利益 | ¥565.2億 | ¥373.2億 | +51.4% |
| ROE | 13.9% | 9.8% | - |
2026年3月期決算は、売上高7,420億円(前年比+701億円 +10.4%)、営業利益831億円(同+248億円 +42.5%)、経常利益850億円(同+255億円 +42.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益635億円(同+212億円 +49.9%)と増収大幅増益を達成した。営業利益率は11.2%と前年8.7%から2.5pt改善、純利益率は8.6%と前年6.3%から2.3pt改善し、収益性の顕著な向上が見られた。完成工事総利益率は16.3%と前年13.8%から2.5pt上昇し、原価管理の改善と受注案件のミックス改善が利益拡大を牽引した。ROEは13.9%と前年12.1%を1.8pt上回り、自己資本比率63.8%の健全な財務基盤を維持しながら高水準の株主資本効率を実現した。
【売上高】完成工事売上は7,420億円と前年比+701億円(+10.4%)増加した。セグメント別では、主力のENGINEERINGが7,318億円(同+728億円 +10.7%)と全体の98.6%を占め、大型案件の進捗と受注拡大が売上成長を牽引した。一方、その他事業(電気機器販売・不動産・リース・発電)は503億円(同-42億円 -7.7%)と減収となったが、全体への影響は限定的であった。建設業特有指標では、未成工事受入金が360億円と前年189億円から+90.0%増加し、手元受注の積み上がりを示す一方、未成工事支出金は203億円と前年241億円から-15.7%減少し、工事進捗の加速と運転資本効率の改善が確認された。
【損益】完成工事総利益は1,207億円(前年929億円 +29.9%)と売上成長を大きく上回るペースで拡大し、完成工事総利益率は16.3%と前年13.8%から2.5pt改善した。原価管理の高度化と収益性の高い案件への選別受注が粗利率向上に寄与した。販管費は376億円(前年346億円 +8.7%)と増加したが、売上成長を下回る伸びに抑制され、営業レバレッジが効いた結果、営業利益は831億円(前年583億円 +42.5%)、営業利益率は11.2%(前年8.7%から+2.5pt)と大幅改善した。営業外収支は純額で+18億円と小幅プラスで、受取配当金15億円、有価証券利息0.3億円、為替差益4億円が寄与し、支払利息3億円は僅少に留まった。特別損益は純額+68億円のプラスで、投資有価証券売却益78億円が最大の押し上げ要因となったが、投資有価証券評価損8億円、固定資産除却損等7億円が一部相殺した。税引前利益は917億円(前年616億円 +48.8%)、法人税等258億円を差し引いた当期純利益は565億円(前年373億円 +51.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は635億円(前年424億円 +49.9%)となり、増収大幅増益を達成した。
ENGINEERINGセグメントは売上高7,318億円(前年比+10.7%)、営業利益807億円(同+43.1%)、営業利益率11.0%(前年9.3%から+1.7pt)と主力事業として収益を牽引した。売上の98.6%を占める中核セグメントであり、電気・管工事その他設備工事全般における受注拡大と粗利率改善が利益成長の主因である。その他事業は売上高503億円(同-7.7%)と減収となったが、営業利益は24億円(同+25.1%)と増益に転じ、営業利益率は4.9%(前年3.6%から+1.3pt)と収益性が改善した。電気機器販売業・不動産事業・リース業・発電事業を含む多角化事業群であり、規模縮小ながら効率化が進展したことを示す。全社レベルでの営業利益831億円に対し、ENGINEERINGが97.1%を占める構造であり、事業ポートフォリオの集中度が高い。
【収益性】営業利益率は11.2%、経常利益率は11.5%、純利益率は7.6%で、いずれも前年(営業8.7%、経常8.9%、純5.6%)から2~3pt改善した。ROEは13.9%と前年12.1%を1.8pt上回り、自己資本利益率の向上が確認された。ROAは経常利益ベースで13.7%と前年10.2%から3.5pt改善し、総資産効率も向上した。【キャッシュ品質】営業CFは895億円で純利益565億円の1.58倍、営業CF/純利益比率は158%と現金裏付けの強い利益構造を示した。アクルーアル比率は(純利益565億円-営業CF895億円)÷総資産6,356億円=-5.2%とマイナスで、利益計上に対しキャッシュ創出が上回る健全な収益品質である。【投資効率】総資産回転率は1.17回(前年1.11回)と改善し、設備投資は158億円で減価償却費109億円の1.45倍と成長投資ペースを維持した。【財務健全性】自己資本比率は63.8%(前年61.0%)と高水準を保ち、流動比率は192.1%、当座比率も192.1%と流動性は強固である。有利子負債は短期借入金61億円+長期借入金20億円=81億円に対し、現金預金779億円を保有し、実質無借金に近い財務状態である。Debt/Equity比率は2.0%と極めて低く、インタレストカバレッジは営業CF895億円÷支払利息3億円=263倍と利払い能力は極めて高い。
営業CFは895億円(前年183億円から+389.8%)と大幅に増加し、純利益565億円の1.58倍の現金創出力を示した。運転資本変動前の営業CF小計は1,129億円で、ここから売上債権の減少59億円、仕入債務の減少-189億円、未成工事受入金(前受金)の増加+170億円、未成工事支出金の減少+38億円が寄与し、運転資本全体では純流入となった。法人税等の支払247億円を差し引いた後も強いキャッシュ創出を維持した。投資CFは-48億円で、設備投資-158億円に対し、投資有価証券売却収入等112億円、貸付金回収25億円が流入し、純流出を抑制した。財務CFは-656億円で、自社株買い-300億円、配当金支払-206億円、短期借入金の純減-102億円、長期借入金の返済-29億円が主な流出要因である。フリーCFは営業CF895億円+投資CF-48億円=846億円と潤沢で、株主還元506億円(配当+自社株買い)を十分に賄い、現金及び現金同等物は期末772億円(期首578億円から+193億円)へ増加した。
経常利益850億円に対し純利益565億円の差額285億円のうち、特別損益が純額+68億円プラス寄与し、法人税等258億円が主な控除要因である。特別利益の中核は投資有価証券売却益78億円で、一時的な利益押し上げ要因であり、コア収益は営業段階の831億円が実力を示す。営業外収益26億円の主な内訳は受取配当金15億円、為替差益4億円、有価証券利息0.3億円で、いずれも経常的な財務収益として安定性が高い。営業外費用7億円は支払利息3億円、為替差損3億円等であり、負担は軽微である。包括利益757億円は純利益565億円を上回り、その差192億円の主因は有価証券評価差額金98億円の増加で、保有株式の含み益拡大を反映している。営業CFが純利益の1.58倍と高水準であり、売上債権・仕入債務・前受金の変動が運転資本面でプラス寄与したことから、利益の現金裏付けは強固である。アクルーアル比率-5.2%はキャッシュ創出が利益計上を上回る高品質な収益構造を示し、持続的な価値創出力が確認される。
通期業績予想は売上高7,800億円(前年比+5.1%)、営業利益900億円(同+8.3%)、経常利益905億円(同+6.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益587億円(同+3.9%)である。今期実績に対する進捗率は売上95.1%、営業利益92.4%、経常利益93.9%、親会社株主純利益108.2%で、純利益は既に通期予想を8.2%超過達成している。営業利益・経常利益も通期予想の9割超に到達しており、残り1四半期で計画達成の蓋然性は高い。来期の増収率+5.1%は今期実績+10.4%を下回るやや保守的な想定であり、営業利益率の前提は約11.5%と今期実績11.2%と同水準を見込む。純利益成長率+3.9%が営業利益成長率+8.3%を下回るのは、特別利益の剥落(今期の投資有価証券売却益78億円が来期は計上されない想定)を反映している可能性がある。完成工事総利益率の維持と販管費のコントロールが引き続き鍵となり、受注環境と原価管理の継続が通期達成の前提条件である。
配当は第2四半期末45円、期末79円の年間124円(うち創立80周年記念配当2円を含む)で、配当性向は39.5%と適正水準である。前年配当は年間26円であり、今期は大幅増配となったが、うち記念配当2円を除くベース配当122円で比較しても前年比+96円の大幅増配である。来期配当予想は65円で、今期ベース配当122円からは減配見通しとなるが、記念配当を除くと適正な配当性向水準への正常化と見られる。自社株買いは300億円を実施し、自己株式は期首-5億円から期末-305億円へ増加した。総還元額は配当206億円+自社株買い300億円=506億円で、親会社株主に帰属する当期純利益635億円に対する総還元性向は約79.7%と高水準である。フリーCF846億円が総還元506億円を大幅に上回り、配当と自社株買いの持続性は高い。現金預金779億円、実質無借金の財務状態から、今後も安定的な株主還元と機動的な資本政策が期待される。
原価変動リスク: 工事損失引当金は74億円(前年77億円)と横ばいだが、未成工事受入金360億円(前年189億円から+90.0%)の急増は手元受注の拡大を示す一方、固定価格契約における資材価格・労務費の上昇が粗利率を圧迫するリスクがある。完成工事総利益率16.3%の維持には継続的な原価管理と価格転嫁力が不可欠である。
セグメント集中リスク: ENGINEERINGが売上の98.6%、営業利益の97.1%を占める高い事業集中度により、建設市場の需給変動や大型案件の遅延・中止が業績に直接影響する。その他事業は売上の1.4%に過ぎず、事業ポートフォリオの多様化余地が限定的である。
短期負債集中リスク: 流動負債2,071億円のうち未成工事受入金360億円、買掛金831億円等の運転負債が大半を占め、短期負債比率は75.2%と高い。流動資産3,979億円が十分にカバーし流動比率192%と健全だが、工事進捗の季節性や大型案件の集中による運転資本の変動が資金繰りに影響を与える可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 11.2% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +5.7pt |
| 純利益率 | 7.6% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +4.1pt |
収益性は業種中央値を大きく上回り、営業利益率・純利益率ともにトップクラスの水準を維持している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 10.4% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | +0.6pt |
売上成長率は業種中央値をやや上回り、建設需要の拡大局面において堅調な成長を実現している。
※出所: 当社集計
営業段階の収益性改善が持続しており、完成工事総利益率16.3%(前年13.8%から+2.5pt)、営業利益率11.2%(前年8.7%から+2.5pt)と業種トップクラスの水準を達成した。原価管理の高度化と受注選別の効果が数値に現れており、今後の粗利率維持が株主価値創出の鍵となる。
財務健全性とキャッシュ創出力が極めて強く、実質無借金(有利子負債81億円vs現金779億円)、営業CF895億円(純利益の1.58倍)、FCF846億円と資本政策の柔軟性が高い。自社株買い300億円を実施しながら現金を積み増す余力があり、今後も安定配当と機動的な株主還元が期待される。
特別利益として投資有価証券売却益78億円が計上されているが、これは一時的要因であり、来期以降のコア収益力は営業段階の持続性に依存する。通期業績予想に対し営業利益・経常利益は9割超達成しており、受注環境と原価統制が継続すれば計画達成の蓋然性は高い。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。