クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥22675.8億 | ¥20536.5億 | +10.4% |
| 営業利益 | ¥1687.2億 | ¥1945.9億 | −13.3% |
| 経常利益 | ¥1749.0億 | ¥1979.5億 | −11.6% |
| 純利益 | ¥1383.2億 | ¥1474.0億 | −6.2% |
| ROE | 12.2% | 14.4% | - |
Executive Summary
増収ながら利益率が低下した増収減益決算であり、収益の質面での注視が必要な内容である。売上高は2267.6億円ではなく2兆2675.8億円(前年比+10.4%)と2桁増収を達成した一方、営業利益は1687.2億円(同△13.3%)、経常利益は1749.0億円(同△11.6%)、純利益(連結)は1383.2億円(同△6.2%)と減益となった。増収の主因は建築・不動産事業の海外案件拡大だが、同事業の利益率悪化が全社収益性を押し下げた。
業績変動要因
【売上高】売上高は22675.8億円(前年比+10.4%)と3年連続の増収基調にある。セグメント別では建築・不動産事業が14098.0億円(構成比62.2%、YoY+13.8%)と最大かつ成長ドライバーとなった。住宅事業は5846.4億円(同+7.9%)、木材建材事業は2320.4億円(同+0.2%)と堅調。一方、資源環境事業は248.1億円(同△3.2%)と減収だった。
【損益】売上原価が売上高を上回るペースで増加し、粗利率は23.1%と前年から低下、加えて販管費が+15.4%と増収率を上回る伸びとなり、営業利益率は7.4%(前年9.5%)へ2.1pt低下した。中核の建築・不動産事業は増収ながら経常利益が1197.0億円(同△18.8%)、利益率8.5%(前年比△3.4pt)と大幅悪化し、全社減益の主因となった。持分法投資利益76.1億円(前年は損失)や投資有価証券売却益等の営業外・特別要因が押し上げに寄与したものの、営業減益をカバーしきれず、結論として増収減益である。
セグメント別分析
建築・不動産事業は売上高14098.0億円(構成比62.2%、YoY+13.8%)、経常利益1197.0億円(同△18.8%、利益率8.5%)と、増収にもかかわらず利益率が前年比3.4pt悪化し、全社利益減少の主因となった。住宅事業は売上高5846.4億円(同+7.9%)、経常利益412.6億円(同+17.3%、利益率7.1%)と増収増益で堅調に推移。木材建材事業は売上高2320.4億円(同+0.2%)とほぼ横ばいながら経常利益127.5億円(同+27.5%、利益率5.5%)と収益性が改善した。資源環境事業は経常損失12.8億円(前年は小幅黒字)に転落し、再生可能エネルギー・森林資源事業が収益寄与できていない状況が確認できる。全社的には中核の海外中心の建築・不動産事業の採算悪化が、国内の住宅・木材建材事業の改善効果を上回った形である。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は7.4%で前年9.5%から2.1pt低下、粗利率も23.1%と前年24.5%から1.4pt低下しており、コスト増が販管費・原価両面で進行している。【キャッシュ品質】営業CFは946.8億円と前年270.8億円から大幅増加したが、純利益1066.6億円(親会社株主帰属)に対しては0.89倍にとどまり、EBITDA(約1997億円)に対する換算比率は0.47倍と低水準で、棚卸資産(不動産販売用)の増加が資金滞留の主因となっている。【投資効率】ROEは12.2%(XBRL指標ベース)で、親会社株主帰属純利益ベースでは9.4%相当となり、前年の13.9%から低下、自己資本比率は44.2%(前年42.9%相当水準)。【財務健全性】短期借入金が+50.3%、長期借入金が+28.6%と増加し、有利子負債は拡大しているが、EBIT利息カバレッジは約12.8倍と依然厚みがあり、現時点で財務健全性への直接的な懸念は限定的である。
キャッシュフロー分析
営業CFは946.8億円と前年249.6%増加したが、その内訳では棚卸資産(不動産販売用等)の増加による921.9億円の資金流出が発生し、運転資本変動前の営業CF小計1245.4億円との差が大きい。投資CFは△1447.4億円で、設備投資712.1億円に加え投資有価証券取得等の投資活動が資金を圧迫した。この結果、フリーCFは△500.7億円のマイナスとなり、財務CF507.3億円(長期借入金による調達等)で不足分を補う構図となっている。年末の現金及び預金残高は1854.0億円とほぼ横ばいであり、成長投資局面において外部資金調達への依存度が高まっている状況がうかがえる。
収益の質
当期の経常利益・純利益には、持分法損益76.1億円(前年は損失であり9.5億円超の改善)や投資有価証券売却益45.9億円、特別利益53.3億円といった非経常的・営業外の押し上げ要因が含まれており、これらが営業利益の減益を一部相殺した形である。純利益と包括利益の間には乖離があり、親会社株主に帰属する包括利益は1284.8億円と純利益1066.6億円を上回るが、これは有価証券評価差額金177.4億円等の含み益要因によるもので、本業の収益力を示すものではない。アクルーアルの観点では、営業CFが純利益を下回り(0.89倍)、かつ棚卸資産増加が資金化を遅らせていることから、会計上の利益と実際のキャッシュ創出力には一定の乖離があり、利益の質は前年対比でやや低下したと評価できる。
業績予想・ガイダンス
2026年12月期の業績予想は売上高25900.0億円(前年比+14.2%)、営業利益1570.0億円(同△6.9%)、経常利益1600.0億円(同△8.5%)であり、増収の一方でさらなる減益を見込んでいる。予想ベースの営業利益率は約6.1%となり、当期7.4%から一段の低下を織り込んでおり、建築・不動産事業を中心とした採算改善が短期的には見込みにくいことを示唆している。EPS予想は155.09円、配当予想は50.00円(株式分割考慮後)である。
株主還元
配当性向は30.4%であり、配当金支払額は319.0億円(前年268.5億円相当)、自社株買いは40.0億円で、両者を合わせた総還元性向は約33.6%と、持続性の目安となる80%を大きく下回る水準である。営業CF946.8億円は配当支払額の約3.0倍あり、経常的な配当原資は営業キャッシュフローで十分にカバーされている。ただし2025年7月1日を効力発生日とする1株を3株とする株式分割が実施されたため、中間・期末配当を単純合算した年間配当額の比較はできない点に留意が必要である。2026年12月期の配当予想は分割後ベースで50.00円である。
リスク要因
-
中核事業の採算悪化リスク: 建築・不動産事業は売上構成比62.2%を占める最大セグメントだが、経常利益は前年比△18.8%、利益率も8.5%へ3.4pt低下しており、この事業の採算改善が遅れれば連結業績全体への影響が大きい。
-
販売用不動産の在庫拡大リスク: 販売用不動産(棚卸資産)が756.6億円(総資産の29.4%)へ+74.9億円増加し、営業CFの棚卸資産変動で921.9億円の資金流出が発生した。販売・引渡しの遅延や市況悪化時には、資金滞留や採算悪化につながり得る。
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有利子負債増加によるレバレッジ上昇リスク: 短期借入金が+50.3%、長期借入金が+28.6%増加し、支払利息も+70.9%の132.4億円に拡大した。利息カバレッジは依然厚いものの、金利上昇局面や営業利益率のさらなる低下が重なれば、財務面の余裕度低下につながる可能性がある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.4% | 2.5% (0.8%–3.8%) | +5.0pt |
| 純利益率 | 6.1% | 2.8% (2.0%–3.6%) | +3.3pt |
自社の収益性は業種中央値を大きく上回る水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 10.4% | 9.4% (6.5%–12.8%) | +1.0pt |
売上成長率は業種中央値をわずかに上回るが、IQR上限には届いていない水準である。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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増収と減益の同時進行は、中核の建築・不動産事業における原価・販管費増加が主因であり、成長投資の収益転化が課題であることを示している。
-
営業CFのEBITDA換算比率が0.47倍にとどまるのは、販売用不動産在庫の積み増しによるもので、今後の在庫の現金化ペースが資金フローの回復を左右する構造的なポイントである。
-
2026年12月期予想でも増収・営業減益が続く見通しであり、業種平均を上回る利益率水準を維持しつつも、趨勢としては利益率の低下局面にあることがうかがえる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,673円 |
| base(基準) | 1,726円 |
| bull(強気) | 1,764円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,642円 |
| 調整後予想EPS | 181.1円 |
| 株主資本コスト r | 9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 32.2% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.05倍 / 9.5倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,677円〜1,777円、ω±0.1で 1,724円〜1,729円。
注記:
- のれん償却 8.0円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。