クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥152.3億 | ¥188.6億 | −19.3% |
| 営業利益 | ¥11.2億 | ¥10.3億 | +7.8% |
| 経常利益 | ¥11.2億 | ¥10.5億 | +7.3% |
| 純利益 | ¥7.9億 | ¥6.3億 | +25.2% |
| ROE | 5.7% | 4.8% | - |
Executive Summary
2026年度第3四半期累計(2025年4-12月)は、売上高152.3億円(前年比-36.3億円 -19.3%)、営業利益11.2億円(同+0.9億円 +7.8%)、経常利益11.2億円(同+0.8億円 +7.3%)、純利益7.9億円(同+1.6億円 +25.2%)となった。建設事業の受注縮小により大幅減収となったが、販管費の抑制により営業レバレッジが効き増益を確保した。
業績変動要因
【売上高】売上高は152.3億円と前年比36.3億円減(-19.3%)となった。セグメント別では建設事業が150.7億円(前年186.9億円、-19.4%)と主力事業で大幅減収となったことが最大の要因である。土木建築コンサルティング全般等事業は1.5億円(前年1.5億円、-8.1%)、その他事業は0.2億円(前年0.2億円、-0.2%)とほぼ横ばい。建設事業の減収は工事進捗の遅れや受注残高の減少が背景と推察される。【損益】売上総利益は30.8億円で粗利益率20.2%を維持し、前年比での粗利率悪化は限定的であった。販管費は19.7億円(前年19.3億円)と微増に留まり、売上高販管費率は12.9%と前年10.2%から上昇したが、固定費の増加を抑制したことで営業利益は11.2億円(+7.8%)と増加した。営業外収益では受取利息・配当金0.3億円があった一方、為替差損0.4億円を計上し、営業外損益は概ね中立となり、経常利益は11.2億円(+7.3%)となった。特別利益として固定資産売却益0.07億円を計上、税負担は3.1億円で実効税率30.1%となり、純利益は7.9億円(+25.2%)と大幅増益となった。無形固定資産が1.95億円から2.74億円へ+40.4%増加し、のれんは0.08億円から0.04億円へ-42.9%減少しており、会計上の再分類またはM&A関連の整理があった可能性がある。経常利益11.2億円と純利益7.9億円の乖離は主に税負担によるもので、一時的要因は固定資産売却益0.07億円と限定的である。減収増益の構造である。
セグメント別分析
建設事業は売上高150.7億円、営業利益11.9億円で営業利益率7.9%となった。全体売上高の98.9%を占める主力事業であり、前年比では売上-19.4%と大幅減となったが、利益は+5.5%増加し収益性は改善した。土木建築コンサルティング全般等事業は売上高1.5億円、営業損失0.9億円で赤字継続となっている。前年営業損失1.1億円から赤字幅は縮小したが依然として収益化には至っていない。その他事業は売上高0.2億円、営業利益0.07億円で小規模ながら黒字を維持している。セグメント間では建設事業の高い利益率(7.9%)が全社収益を支える構造であり、コンサルティング事業の赤字が全体利益率を若干押し下げている。
主要財務指標
【収益性】ROE 5.9%(前年5.8%から微増)、純利益率5.2%(前年3.4%から+1.8pt改善)、営業利益率7.3%(前年5.5%から+1.8pt改善)。粗利益率20.2%を維持しつつ販管費率抑制により営業レベルの収益性が向上。【キャッシュ品質】現金預金82.1億円、流動資産154.7億円に対し流動負債51.1億円で短期負債カバレッジ1.6倍。運転資本103.5億円で資金繰りは良好。【投資効率】総資産回転率0.77回転(前年0.89回転から低下)は売上減少が影響。総資産198.7億円に対し売上152.3億円で資産効率は悪化傾向。【財務健全性】自己資本比率69.6%(前年63.1%から+6.5pt改善)、流動比率302.5%、負債資本倍率0.44倍と極めて保守的な資本構成。退職給付負債5.4億円を含むが有利子負債の開示はなく、実質無借金経営と推察される。
キャッシュフロー分析
営業CFと投資CFの四半期開示はないが、BS推移から資金動向を分析する。現金預金は前年79.8億円から82.1億円へ+2.3億円増加し、営業増益が資金積み上げに寄与したと推察される。流動資産は前年163.5億円から154.7億円へ-8.8億円減少したが、これは売上減少に伴う受取手形及び売掛金の減少(42.3億円から40.5億円へ-1.8億円)と電子記録債権の減少(15.7億円から12.8億円へ-2.9億円)が主因である。未成工事支出金は5.9億円から6.5億円へ+0.6億円増加し、工事進行中案件の仕掛在庫が若干増加している。流動負債は前年58.5億円から51.1億円へ-7.4億円減少し、工事契約負債が3.1億円から2.3億円へ減少するなど、前受金や未払工事費の減少が流動負債圧縮に寄与した。短期負債に対する現金カバレッジは1.6倍で流動性は十分である。固定資産は前年47.2億円から44.1億円へ-3.1億円減少し、有形固定資産の減価償却と無形固定資産の+0.8億円増加が混在している。純資産は132.9億円から138.4億円へ+5.5億円増加し、利益剰余金の積み上げ(純利益7.9億円から配当等を差し引いた純額)が主因と推察される。
収益の質
経常利益11.2億円に対し営業利益11.2億円で、営業外損益は概ね中立である。営業外収益の内訳は受取利息・配当金0.3億円、為替差益が一部含まれる一方、営業外費用では為替差損0.4億円を計上し、営業外純増は約0.1億円に留まった。営業外収益は売上高の0.2%程度と極めて小さく、本業の収益性が利益の大半を占める構造である。特別利益として固定資産売却益0.07億円があるが、純利益7.9億円に占める割合は1%未満であり、一時的要因の影響は軽微である。営業CFの開示がないため営業利益と現金創出の直接的な比較はできないが、現金預金が前年比+2.3億円増加し、純利益の計上と整合的な資金増加が確認できる。売上高が-19.3%と大幅減少する中で営業利益が+7.8%増加した点は、収益の質としては評価できるが、売上減少トレンドが継続する場合は販管費の固定費化や工事粗利率の変動リスクがあるため、収益の持続性には留意が必要である。
業績予想・ガイダンス
通期業績予想に対する進捗率は、売上高70.8%(標準進捗75%比-4.2pt)、営業利益123.9%(標準進捗75%比+48.9pt)、経常利益118.4%(標準進捗75%比+43.4pt)、純利益125.2%(標準進捗75%比+50.2pt)となっている。営業利益以下の進捗率が標準を大幅に上回っており、通期予想は保守的な水準に設定されていると判断される。売上高の進捗は標準をやや下回るが、建設業特有の工事進行基準や竣工時期の偏りを考慮すると、第4四半期に売上62.7億円(前年比では増加)を見込む前提となる。会社は通期売上215.0億円(前年比-9.3%)、営業利益9.0億円(前年比-19.3%)、経常利益9.5億円(前年比-18.4%)、純利益6.5億円(前年比-4.8%)と減益を予想しており、Q3累計の増益基調とは対照的である。この乖離は第4四半期における大型工事の竣工遅延や利益率の悪化を織り込んでいる可能性がある。予想修正の記載はないが、現行の進捗率を前提とすると通期予想の上方修正余地があると考えられる。
株主還元
年間配当は中間配当21.0円、期末配当予想29.0円の合計50.0円となっている。前年年間配当50.0円と同額であり、配当維持の方針が確認できる。ただし会社の通期業績予想における年間配当予想は26.0円と記載されており、開示間での矛盾がある。配当性向は純利益7.9億円に対し配当総額約2.1億円(1株50円×発行済株式数4,170千株)で約26.6%となる。通期予想純利益6.5億円に対する年間配当26円では配当性向約16.7%となり、いずれのシナリオでも配当性向は30%以下と保守的な水準に留まる。現金預金82.1億円を保有しており、配当の支払能力は十分である。自社株買いの実績に関する記載はなく、株主還元は配当に集中している。総還元性向は配当性向と同じ約26.6%(実績ベース)または16.7%(会社予想ベース)となる。
リスク要因
受注・工事進捗の変動リスク: 建設事業が売上の98.9%を占めるため、受注残高や工事の進捗状況が業績に直結する。Q3累計で売上が前年比-19.3%と大幅減少しており、今後の受注回復が見られない場合は通期業績予想の未達リスクが高まる。資材・労務費の高騰リスク: 建設業は資材価格や人件費の変動に業績が左右される。粗利益率20.2%を維持しているが、今後の資材費上昇や労働力不足が利益率を圧迫する可能性がある。金額としては売上高の約80%を占める工事原価121.5億円のうち、1%の原価増でも1.2億円の利益減となる。為替・金融市場変動リスク: 営業外費用で為替差損0.4億円を計上しており、海外取引または外貨建資産の保有に伴う為替リスクが存在する。今後の円安進行は追加の為替差損を生む可能性がある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)建設業種内の財務指標比較では、当社の営業利益率7.3%は業種中央値4.1%(IQR 1.9%-5.8%)を大きく上回り、収益性の面で業種内上位に位置する。純利益率5.2%も業種中央値2.8%(IQR 1.3%-4.0%)を上回り、コスト管理の優位性が確認できる。ROE 5.9%は業種中央値3.7%(IQR 1.7%-6.6%)を上回り、資本効率も相対的に良好である。自己資本比率69.6%は業種中央値60.5%(IQR 56.2%-67.8%)を上回り、財務健全性は業種内でも高水準にある。流動比率302.5%は業種中央値207%(IQR 190%-318%)の上位に位置し、短期支払能力も十分である。一方、売上高成長率-19.3%は業種中央値-3.5%(IQR -13.7%-6.2%)を大きく下回り、トップライン成長の面では業種内で最も厳しい水準となっている。総資産利益率4.0%は業種中央値2.2%(IQR 1.0%-3.6%)を上回るが、総資産回転率0.77回転は売上減少により前年から低下しており、資産効率改善の余地がある。(業種: 建設業 N=4社、比較対象: 2025年度Q3、出所: 当社集計)
決算上の注目ポイント
売上減少下での営業利益率改善: 売上高-19.3%の大幅減収にもかかわらず営業利益率が5.5%から7.3%へ改善した点は、原価管理と固定費抑制の効果を示している。ただし売上減少トレンドが継続する場合、販管費の固定費部分が利益率を圧迫するリスクがあるため、受注動向と工事進捗の回復が持続性の鍵となる。営業利益進捗率と通期予想の乖離: Q3累計の営業利益進捗率123.9%に対し、通期予想は9.0億円(減益予想)と保守的な設定となっている。第4四半期に大型工事の損失や竣工遅延を織り込んでいる可能性があるが、現状の進捗を前提とすると上方修正の余地がある。キャッシュフロー開示の欠如: 営業CF・投資CFの四半期開示がないため、営業利益の現金裏付けや設備投資水準の評価が困難である。BS推移からは現金預金の増加と流動性の高さが確認できるが、利益の質を総合的に評価するには年度末のCF計算書の確認が必要となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比19.3%減となる一方、採算改善により営業利益は同7.8%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は同23.0%増となった。売上高は152.26億円、営業利益は11.15億円、経常利益は11.23億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は8.14億円である。売上減少にもかかわらず営業利益が増加したため、収益性の改善は明確である。粗利益率は20.2%と前年同期の15.1%から約510bp拡大した。営業利益率は7.3%と前年同期の5.5%から約184bp上昇した。親会社株主帰属純利益率は5.3%と前年同期の3.5%から約185bp改善した。売上原価は前年同期の160.11億円から121.46億円へ24.1%減少し、売上高の減少率を上回る低下が粗利率上昇の主因である。これに対し販管費は19.65億円と前年同期比8.2%増加し、販管費率は12.9%と前年同期の9.6%から約328bp上昇した。したがって、増益は原価率改善が販管費負担の上昇を吸収した構図である。主力の建設事業では売上高が150.66億円と前年同期比19.4%減少した一方、セグメント利益は11.95億円と同5.4%増加し、利益率は7.9%へ改善した。連結営業利益のほぼ全額を建設事業が創出しており、同事業の案件採算と工事進捗が業績の中心的な決定要因である。経常利益は営業利益を0.08億円上回る水準にとどまり、営業外損益は収益力を大きく変える規模ではない。特別利益0.07億円の固定資産売却益は純利益に対して軽微であり、純利益の改善は主として本業の採算改善による。通期会社予想に対する第3四半期累計の営業利益進捗率は123.9%、親会社株主帰属純利益進捗率は125.2%であり、利益面では予想を既に上回っている。通期予想は売上高215.00億円、営業利益9.00億円、親会社株主帰属純利益6.50億円であり、今後は高採算案件の完成・進捗、販管費率、ならびに工事原価の維持が焦点となる。
収益性分析
デュポン分析では、報告ROE 7.8%は純利益率5.3%×総資産回転率1.022倍×財務レバレッジ1.44倍で構成される。ROEはベンチマーク上の要注意域である8%をわずかに下回るが、低レバレッジを維持しながら純利益率5%超を確保している点は保守的な資本構成と整合する。収益性改善の最大要因は、粗利益率が前年同期比約510bp上昇したことである。売上原価は前年同期比24.1%減と売上高減少率19.3%を上回って低下しており、工事採算の改善、又は高採算工事の売上計上構成が利益率を押し上げたとみられる。営業利益率は7.3%へ約184bp改善した一方、販管費率は約328bp上昇しており、売上規模の縮小に対して販管費が増加した点は営業レバレッジ上の注意点である。建設事業の利益率は前年同期の6.1%から7.9%へ約186bp上昇し、連結の収益性改善を主導した。土木建築コンサルティング全般等事業は売上高1.41億円、セグメント損失0.87億円であり、前年同期の売上高1.53億円、損失1.05億円から赤字幅は縮小したものの、なお収益性の希薄化要因である。その他事業は売上高0.19億円、セグメント利益0.07億円で、規模は限定的である。CFA 5因子では税負担係数が0.720と正常域、金利負担係数が1.014と高く、利払い負担が収益性を制約する構造にはない。年換算ROAは、親会社株主帰属純利益8.14億円を年換算した約10.85億円と前年同期・当期平均総資産を用いると約5.3%となり、資産効率は中位水準である。採算改善の持続性は、低原価率を維持できるか、特に販管費の増加が一過性にとどまるかに依存する。
成長性評価
売上高は前年同期比19.3%減の152.26億円であり、成長性の評価ではまず売上規模の縮小を重視する必要がある。建設事業の売上高減少額は36.23億円で、連結売上高減少額36.35億円の大半を占める。土木建築コンサルティング全般等事業の売上高も前年同期比8.1%減少しており、主力以外の事業も増収による補完には至っていない。他方、建設事業のセグメント利益は0.62億円増加しており、現時点の利益成長は売上拡大よりも案件採算の改善に支えられている。通期売上高予想215.00億円に対する進捗率は70.8%で、標準的な第3四半期進捗率75%を4.2ポイント下回る。一方、通期営業利益予想9.00億円に対する進捗率は123.9%で標準を48.9ポイント上回り、経常利益も予想9.50億円に対して118.2%進捗している。親会社株主帰属純利益は通期予想6.50億円に対して125.2%進捗している。利益進捗の大幅な先行は、第3四半期までの高い工事採算、完成時期の偏り、又は通期予想の保守性を示唆する。売上進捗が標準を下回る一方で利益進捗が大幅に上回るため、通期では売上規模より利益率の持続性がより重要な変数となる。工事採算は資材費、労務費、外注費、および案件ごとの原価見通しに左右されるため、第4四半期の利益率が第3四半期累計並みに維持されるかを確認したい。
財務健全性
流動比率は302.5%、当座比率も302.5%であり、短期流動性は非常に厚い。流動資産154.66億円は流動負債51.13億円の約3.0倍で、運転資本は103.53億円のプラスである。現金預金は82.12億円と総資産の41.3%、流動負債の1.6倍を占め、短期債務への対応余力は高い。負債資本倍率は0.44倍であり、D/E比率2.0倍超の警戒水準から大きく距離がある。負債合計は60.31億円、純資産は138.39億円で、自己資本を中心とした資本構成である。前年同期比では負債合計が17.51億円減少する一方、純資産は5.48億円増加しており、財務安全性は改善した。固定負債には退職給付に係る負債5.37億円が含まれ、固定負債9.18億円の約58%を占めるため、中長期的には退職給付債務の推移を注視する必要がある。契約負債は2.28億円であり、建設事業における前受・進捗に関連する資金の一部を構成する。のれんは0.04億円で純資産に対する比率は実質的にゼロであり、買収価値の維持に対する貸借対照表上の依存は極めて限定的である。無形固定資産は2.74億円、総資産比1.4%にとどまり、無形資産集中による資産価値毀損リスクは低い。
B/S変動のポイント
のれん: 0.08億円から0.04億円へ0.03億円減少(-42.9%)- 金額および純資産に占める比率は極めて小さく、のれん減損・M&A価値への依存リスクは限定的。無形固定資産: 1.95億円から2.74億円へ0.79億円増加(+40.4%)- 総資産比は1.4%にとどまり資産集中リスクは低いが、投資内容と将来の費用化・収益寄与を確認したい。現金預金: 102.30億円から82.12億円へ20.18億円減少(-19.7%)- 減少後も流動負債51.13億円を上回り、短期流動性は高い。負債合計: 77.82億円から60.31億円へ17.51億円減少(-22.5%)- 流動負債の圧縮を中心に資本構成が改善し、負債資本倍率0.44倍の保守性を支える。純資産: 132.91億円から138.39億円へ5.48億円増加(+4.1%)- 利益剰余金の蓄積等を通じた自己資本の増加が、財務耐性を補強している。
キャッシュフロー品質
現金預金は82.12億円で、流動負債51.13億円を上回る。建設事業では工事進捗、出来高請求、発注先への支払時期により運転資本が変動しやすいため、電子記録債権12.79億円および契約負債2.28億円の推移は資金回収・前受金の状態を把握するうえで重要である。工事損失引当金は0.01億円と小規模であり、現時点で開示された引当金残高からは大規模な不採算工事の顕在化は読み取りにくい。
配当持続性
第2四半期配当は1株当たり26.00円である。通期会社予想の年間配当は1株当たり52.00円であり、中間配当と同額の期末配当26.00円を前提とする構成である。通期予想純利益6.50億円と期中平均株式数665.3万株を用いた予想配当性向は約53.2%であり、配当のみの基準で60%未満という持続可能性の目安に収まる。第3四半期累計の親会社株主帰属純利益8.14億円は通期予想を上回っており、現時点の利益水準では年間配当52円の利益カバーは厚い。純資産138.39億円、現金預金82.12億円、負債資本倍率0.44倍という財務余力も配当継続を支える。なお、ここで示した53.2%は配当金のみを純利益で除した配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 建設事業の売上高が前年同期比19.4%減少しており、連結利益の大半を担う主力事業の工事量・完成時期の変動が業績を左右する。、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 建設事業の利益率は7.9%へ改善したが、資材価格、労務費、外注費の上昇又は見積原価の悪化が生じた場合、固定価格契約を中心に採算が反転するリスクがある。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 技能労働者不足・高齢化、安全規制への対応、天候・自然災害による工期遅延は、建設業固有の工事原価および完成時期の変動要因である。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 土木建築コンサルティング全般等事業は0.87億円のセグメント損失を計上しており、赤字幅は縮小したものの、黒字化の遅れは連結利益率の制約となる。が挙げられます。
財務リスクとしては、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 販管費は前年同期比8.2%増加し、販管費率は約328bp上昇した。売上の回復が遅れる場合、固定的な費用負担が営業利益率を圧迫する。、低優先度(発生可能性: 低、影響度: 中): 退職給付に係る負債は5.37億円で固定負債の主要項目であり、割引率や年金資産の変動が将来的な負債・費用に影響し得る。、低優先度(発生可能性: 低、影響度: 低): 為替差損0.40億円を計上しており、営業外損益として経常利益を押し下げた。ただし、営業利益11.15億円に対する規模は限定的である。が挙げられます。
主な懸念事項としては、最重要監視項目は、売上高減少局面で実現した粗利益率20.2%が第4四半期以降も維持できるかである。、通期営業利益予想に対して第3四半期累計が123.9%進捗しているため、利益予想と実績の乖離が通期着地でどのように整理されるかが重要である。、現時点の流動比率302.5%、負債資本倍率0.44倍からは、流動性不足や過大レバレッジに起因する重大な財務リスクは確認されない。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、売上高は19.3%減少したが、粗利益率が約510bp改善し、営業利益は7.8%増加した。、主力の建設事業は売上減少下でもセグメント利益を5.4%伸ばし、連結営業利益を実質的に牽引した。、販管費率が約328bp上昇しているため、採算改善の恩恵を維持するには費用コントロールが必要である。、流動比率302.5%、負債資本倍率0.44倍、現金預金82.12億円という保守的な財務基盤は下方局面への耐性を支える。、年間配当予想52円に対する予想配当性向は約53.2%であり、利益予想ベースでは持続可能な範囲にある。が挙げられます。
注視すべき指標は、建設事業の売上高、セグメント利益率、および粗利益率、販管費の増減率と販管費率、通期営業利益予想9.00億円に対する実績・予想の乖離、電子記録債権12.79億円、契約負債2.28億円、および現金預金82.12億円の推移、工事損失引当金および退職給付に係る負債の推移です。
セクター内ポジションについては、営業利益率7.3%と純利益率5.3%は示された一般ベンチマークでは良好域に位置する一方、ROE 7.8%は要注意域の境界近辺である。もっとも、これは財務レバレッジ1.44倍、負債資本倍率0.44倍という保守的な資本構成の反映でもある。建設会社としては、売上規模の回復よりも主力工事の採算維持と販管費吸収力が相対的な収益力を決める局面にある。