- 売上高: 90.76億円
- 営業利益: 4.54億円
- 当期純利益: 2.82億円
- 1株当たり当期純利益: 45.82円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 90.76億円 | 121.15億円 | -25.1% |
| 売上原価 | 73.21億円 | 104.71億円 | -30.1% |
| 売上総利益 | 17.55億円 | 16.44億円 | +6.7% |
| 販管費 | 13.01億円 | 12.01億円 | +8.3% |
| 営業利益 | 4.54億円 | 4.42億円 | +2.7% |
| 営業外収益 | 34百万円 | 38百万円 | -9.9% |
| 営業外費用 | 46百万円 | 27万円 | +17232.2% |
| 経常利益 | 4.42億円 | 4.80億円 | -7.9% |
| 税引前利益 | 4.49億円 | 4.22億円 | +6.2% |
| 法人税等 | 1.66億円 | 1.52億円 | +9.6% |
| 当期純利益 | 2.82億円 | 2.71億円 | +4.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.04億円 | 2.93億円 | +3.8% |
| 包括利益 | 4.55億円 | 2.94億円 | +54.8% |
| 1株当たり当期純利益 | 45.82円 | 44.56円 | +2.8% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 45.30円 | 44.05円 | +2.8% |
| 1株当たり配当金 | 21.00円 | 21.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 144.54億円 | 169.57億円 | -25.03億円 |
| 現金預金 | 83.70億円 | 102.30億円 | -18.60億円 |
| 固定資産 | 43.36億円 | 41.16億円 | +2.20億円 |
| 有形固定資産 | 27.87億円 | 28.93億円 | -1.06億円 |
| 無形資産 | 2.49億円 | 1.95億円 | +54百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.3% |
| 粗利益率 | 19.3% |
| 流動比率 | 338.3% |
| 当座比率 | 338.3% |
| 負債資本倍率 | 0.38倍 |
| 実効税率 | 37.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -25.1% |
| 営業利益前年同期比 | +2.5% |
| 経常利益前年同期比 | -8.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +3.7% |
| 包括利益前年同期比 | +54.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 7.35百万株 |
| 自己株式数 | 683千株 |
| 期中平均株式数 | 6.65百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,036.92円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 21.00円 |
| 期末配当 | 29.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 215.00億円 |
| 営業利益予想 | 9.00億円 |
| 経常利益予想 | 9.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 6.50億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 97.89円 |
| 1株当たり配当金予想 | 26.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のテノックスは売上が大幅減少する中でも営業利益を小幅増益で確保し、コストコントロールと案件ミックス改善が効いた決算でした。売上高は90.76億円で前年同期比-25.1%と大きく減少しましたが、営業利益は4.54億円で+2.5%と増益を確保しました。営業利益率は5.0%(=4.54/90.76)と推計され、前年同期の約3.7%(逆算値)から約+134bp改善したとみられます。粗利益率は19.3%で、売上総利益17.55億円からも案件採算は一定程度守られています。一方で営業外では収益0.34億円に対し費用0.46億円と差し引きマイナスで、経常利益は4.42億円(-8.0%)と営業段階の改善を相殺しました。当期純利益は3.04億円で+3.7%増益、実効税率は37.0%と平常域でした。デュポン分解では純利益率3.4%、総資産回転率0.483、財務レバレッジ1.38倍からROEは2.2%(半期ベース、年換算約4.4%)にとどまり、収益性の平凡さが示唆されます。総資産187.89億円に対し現金預金83.70億円、負債合計52.13億円と実質的なネットキャッシュ基調で流動性は盤石(流動比率338%)です。営業外収入比率は11.3%と開示されていますが、今期はむしろ営業外費用が勝り、非営業要因は利益押し下げに寄与しました。ROICは5.5%と公表ベンチマーク7-8%に届かず、中期的な投下資本効率の改善余地が大きいです。営業CF情報が未開示のため、収益のキャッシュ化(営業CF/純利益)の評価はできず、利益の質に関する不確実性が残ります。配当性向は計算値で120.8%とされ、半期時点では利益を上回る可能性が示唆されるため、通期の回復前提や内部留保活用の度合いが重要です。売上の急減に対して利益を守れた点は前向きですが、案件ボリュームの回復や資本効率(ROE・ROIC)の底上げが次の焦点です。建設・地盤改良の特性上、受注・進捗による期ズレが大きく、下期偏重の利益実現が起こりやすい点は留意が必要です。今後は受注残の積み上がり、原材料・労務コストの落ち着き、および工程管理による粗利維持が通期の鍵となります。総じて、財務体質は強固、利益率は改善、ただしトップライン縮小と非営業費用増が課題というバランスの決算です。キャッシュフローデータの不足が分析精度の制約であり、営業CFの確認が次四半期の最重要チェックポイントです。
ROEはデュポン分解で、ROE = 純利益率(3.4%)× 総資産回転率(0.483)× 財務レバレッジ(1.38倍)= 約2.2%(半期ベース)です。構成要素のうち今期の変化が最も大きいのは総資産回転率の低下(売上-25.1%に起因)で、他方で営業費用の抑制により純利益率は改善しました。売上急減にもかかわらず営業利益が+2.5%増となったため、営業利益率は前年同期推計3.66%から5.0%へ約+134bp上昇しています。この改善は案件ミックス(採算の良い地盤改良・基礎補強比率の上昇)や現場の進捗管理、販管費のコントロールの寄与が考えられます。一方、営業外で費用超過(0.46億円>0.34億円)のため経常利益率は相対的に抑制され、純利益率の改善幅は限定的でした。営業利益率の改善はコスト管理に依存する部分が多く、受注ボリュームや工期進捗の期ズレに左右されやすい業態特性を踏まえると、一部は一時的(プロジェクトミックス・進捗の偏り)である可能性があります。懸念トレンドとしては、売上減速が続けば総資産回転率の低迷がROEの頭打ち要因となる点、また営業外費用の増加が経常段階の伸びを阻害している点が挙げられます。販管費の絶対額は13.01億円(販管費率14.3%)で、売上が落ちる局面では固定費負担が重くなりやすいため、さらなる固定費の柔軟化が必要です。
売上は-25.1%と大幅減、期ズレ・受注構成の変化や前期の高水準反動が示唆されます。営業利益は+2.5%と耐性を示しましたが、経常利益は-8.0%と非営業要因で伸び悩みました。粗利率19.3%、営業利益率5.0%と採算は悪化しておらず、むしろ改善していますが、持続には受注残の積み上げが不可欠です。純利益3.04億円、EPS45.82円と下支えはできたものの、ROIC5.5%は目標水準(7-8%)に届いていません。短期的には下期の工事進捗と受注回復が成長ドライバーで、中期的には地盤改良需要(再開発、防災・インフラ更新)や民需回復が追い風となり得ます。逆風要因は原材料・労務コストの不安定さと競争入札環境です。非営業費用の増加が続くと経常段階の伸びを削るため、財務収支・投資有価証券の見直しも論点です。
流動比率338.3%、当座比率338.3%と極めて良好で、短期債務42.72億円に対して現金83.70億円を保有し、満期ミスマッチリスクは低いです。負債資本倍率0.38倍と保守的な資本構成で、D/E>2.0の警告水準からは十分に遠いです。総負債52.13億円<現金83.70億円で、実質的にネットキャッシュ基調と評価できます(有利子負債の内訳は未開示)。固定負債9.41億円と長期の負担も軽微です。自己資本135.76億円と厚い資本クッションがあり、財務弾力性は高いです。オフバランスの保証・リース等は資料から特定できず、現時点で重大なオフバランス債務は把握できません。
営業CF、投資CF、フリーCFが未開示のため、営業CF/純利益やFCFの持続可能性を定量評価できません。建設・地盤改良業の特性上、受取前受金や出来高基準の計上により運転資本が期ズレし、利益と営業CFに乖離が出やすい点は構造的リスクです。今期は売上が大きく減少しており、売上債権・棚卸資産の減少で営業CFが一時的に押し上げられる可能性と、前受金の減少や手持ち案件の期ズレで押し下げられる可能性の両面があります。現金83.70億円と運転資本101.82億円の水準から短期の資金繰り懸念は限定的ですが、営業CFデータなしでは利益のキャッシュ化の質は判断不能です。運転資本操作の兆候(売上債権回収サイト延伸、前受金の減少等)は確認できず、次四半期で要検証です。
配当データは未開示ですが、計算上の配当性向は120.8%と示され、半期時点では利益を上回る可能性が示唆されます。FCFカバレッジは算出不可のため、内部留保やネットキャッシュで配当を賄っているかは判断できません。通期で利益が下期偏重で積み上がる前提なら一時的な高配当性向は許容され得ますが、通期のROE・ROICが低位にとどまる場合は持続性に留意が必要です。保守的な財務体質により短期的な減配リスクは高くない一方、成長投資とのバランスを踏まえた配当方針の再確認が望まれます。
ビジネスリスク:
- 受注ボリュームの変動と工期進捗の期ズレに伴う売上・利益の振れ
- 原材料(鋼材、セメント)および労務コストの上昇による粗利圧迫
- 競争入札環境の激化による価格下落圧力
- 公共投資の政策動向や民間再開発サイクルの影響
- プロジェクト実行リスク(地中障害、設計変更、天候遅延)
財務リスク:
- 営業外費用の増加による経常利益の抑制
- 営業CFの不確実性(運転資本の振れによるキャッシュ創出の変動)
- ROICが目標未達(5.5%)で資本効率が低位にとどまるリスク
- 配当性向の高止まり(120.8%)に伴うキャッシュアウト過多の可能性
主な懸念事項:
- 売上-25.1%の急減に対する受注残・パイプラインの水準
- 総資産回転率の低迷がROEを抑制している点
- 営業外費用超過(0.46億円>0.34億円)の継続性
- 営業CF未開示による利益の質の検証不能
重要ポイント:
- 売上は大幅減だが営業利益は増加、営業利益率は約+134bp改善と採算は良化
- 経常利益は非営業費用超過で減益、利益の質は営業段階が主導
- ROE2.2%(半期)・ROIC5.5%と資本効率は伸びしろ大
- 流動比率338%、実質ネットキャッシュで財務余力は厚い
- 配当性向120.8%は通期回復前提、持続性の検証が必要
注視すべき指標:
- 受注高・受注残とブック・トゥ・ビル
- 粗利益率・案件ミックス(地盤改良 vs 既製杭等)
- 総資産回転率と下期の売上回復度合い
- 営業CF/純利益比率、前受金・売上債権の動き
- 営業外収支(受取配当・有価証券評価/売却、支払利息)
- ROICと投下資本の回収状況
セクター内ポジション:
同業の基礎・地盤改良プレイヤーと比べ、財務安全性は高い一方、足元のトップライン縮小と資本効率の低さが相対的な弱み。案件採算の底堅さは強みで、受注モメンタムの回復が相対評価の鍵。
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