| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥7943.1億 | ¥7274.9億 | +9.2% |
| 営業利益 | ¥553.0億 | ¥217.0億 | +154.9% |
| 経常利益 | ¥532.0億 | ¥188.4億 | +182.4% |
| 純利益 | ¥316.3億 | ¥108.2億 | +192.3% |
| ROE | 15.9% | 6.3% | - |
2026年3月期決算は、売上高7,943億円(前年比+668億円 +9.2%)、営業利益553億円(同+336億円 +154.9%)、経常利益532億円(同+344億円 +182.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益347億円(同+224億円 +192.3%)と大幅な増収増益を達成した。営業利益率は前年3.0%から7.0%へ4.0pt改善し、粗利率も10.5%(前年6.5%)へ上昇した。国内土木・建築事業の採算回復が利益押し上げの主因で、海外建設も赤字幅を79.3%縮小した。営業外では為替差益15.9億円が寄与する一方、支払利息35.5億円が負担となり、経常利益段階での上乗せは限定的だった。特別損益は合計で-7.1億円と軽微で、経常的収益が利益の大半を占める構造へ改善している。ROEは15.9%(前年7.2%)へ大幅上昇し、収益性と資本効率が同時に向上した。
【売上高】 売上高は7,943億円(前年比+9.2%)で3セグメント全てで増収を達成した。セグメント別では、国内土木が3,262億円(+6.1%)で売上構成比41.1%を占め、国内建築が2,734億円(+7.4%)で34.4%、海外建設が1,818億円(+19.8%)で22.9%となった。海外建設は売上高成長率が最も高く、東南アジアで1,730億円(前年1,450億円)、その他地域で88億円(同67億円)を計上した。完成工事高は7,710億円で売上全体の97.1%を構成し、その他売上は233億円(同244億円)と小幅減少した。地域別では日本国内が6,113億円(前年5,740億円)、東南アジアが1,730億円、その他地域が88億円と、国内が77%を占める構造は維持されている。
【損益】 売上原価は7,110億円(前年6,799億円 +4.6%)で、粗利率は10.5%(前年6.5%)へ4.0pt改善した。完成工事原価率は89.8%(前年93.7%)へ3.9pt低下し、国内案件の採算向上が顕著だった。販管費は280億円(前年259億円 +8.3%)で対売上比は3.5%(前年3.6%)へ小幅改善し、営業利益は553億円(前年217億円 +154.9%)に達した。営業外収益は26.4億円で、為替差益15.9億円と受取配当金3.9億円が主な内訳。営業外費用は47.5億円で、支払利息35.5億円が中心を占めた。経常利益は532億円(前年188億円 +182.4%)で、営業段階の大幅改善が経常利益を押し上げた。特別損益は、特別利益1.7億円(固定資産売却益1.6億円等)と特別損失8.8億円(減損損失5.4億円等)の差で-7.1億円となり、経常利益から小幅下振れた。税引前利益は525億円(前年193億円 +172.4%)、法人税等178億円(実効税率34.0%)を控除し、親会社株主に帰属する当期純利益は347億円(前年108億円 +192.3%)に着地した。結論として、国内土木・建築の高採算案件増と海外赤字縮小により増収増益を達成した。
国内土木事業は売上3,262億円(前年比+6.1%)、営業利益402億円(同+44.8%)で営業利益率12.3%(前年9.0%)へ改善した。全社営業利益の72.7%を占める主力事業で、工事採算の向上が顕著だった。国内建築事業は売上2,734億円(+7.4%)、営業利益168億円(+86.7%)で営業利益率6.1%(前年3.5%)へ2.6pt改善した。コストコントロールの進展が利益押し上げに寄与した。海外建設事業は売上1,818億円(+19.8%)と高成長だが、営業損失32億円(前年-156億円)でマージン-1.8%と赤字が継続した。損失額は前年から79.3%縮小し、改善傾向が確認できる。その他セグメント(国内開発・造船等)は売上159億円(-4.3%)、営業利益15億円(+194.0%)で営業利益率9.6%となった。
【収益性】営業利益率は7.0%(前年3.0%)へ4.0pt改善し、純利益率は4.4%(前年1.5%)へ2.9pt上昇した。ROEは15.9%(前年7.2%)で、純利益率改善が主因。ROAは4.3%(前年1.6%)へ改善し、総資産回転率は1.00回転(前年1.10回転)と横ばい推移した。EBITDAは653億円(EBITDA=営業利益553億円+減価償却費99億円)で、EBITDAマージンは8.2%。【キャッシュ品質】営業CF/純利益は1.97倍で、利益の現金裏付けは良好。アクルーアル比率は-4.3%(=(純利益347億円-営業CF684億円)/総資産7,904億円)で健全な水準。OCF/EBITDAは1.05倍とキャッシュコンバージョンも高い。【投資効率】設備投資は959億円で減価償却費の9.66倍、大規模な成長投資フェーズにある。建設仮勘定(CIP)は932億円(前年461億円 +102%)で有形固定資産の43.3%を占め、稼働化前の投資が積み上がっている。【財務健全性】自己資本比率は25.2%(前年26.1%)、D/Eレシオは2.97倍(前年2.84倍)と高レバレッジ状態。流動比率は126%(前年128%)、当座比率は126%(前年128%)で短期流動性は許容範囲内。Debt/EBITDA倍率は2.07倍で投資適格圏、EBITDAインタレストカバレッジは18.38倍(=EBITDA653億円/支払利息35.5億円)と利払耐性は強固。現金/短期負債は1.35倍で手元流動性を確保している。
営業CFは684億円(前年-233億円)で大幅なプラス転換を実現した。営業CF小計は757億円(前年-102億円)で、法人税等支払47億円、利息支払35億円を含む。運転資本の変動では、未成工事受入金の増加(+102億円)と売上債権の増加(-71億円)が主な要因で、工事代金の前受が営業CF押し上げに寄与した。棚卸資産は10億円増加、仕入債務は14億円減少となり、全体として運転資本効率は改善した。投資CFは-663億円(前年-232億円)で、設備投資959億円が主因。有形固定資産の大規模な積み増しと建設仮勘定の積み上げが反映されている。一方、有価証券売却収入2.5億円や固定資産売却収入2.9億円が小幅に寄与した。フリーCF(営業CF+投資CF)は21億円(前年-465億円)と小幅なプラスに転じたが、配当81億円と自己株買い100億円の総還元181億円を賄うには不足した。財務CFは96億円(前年439億円)で、長期借入金調達349億円と社債発行199億円が流入の中心。一方、長期借入金返済98億円と社債償還100億円、配当81億円、自己株買い100億円が流出した。現金及び現金同等物は期首568億円から期末714億円へ146億円増加し、為替変動による増加30億円も寄与した。減価償却費は99億円で、設備投資959億円との差額860億円が今期の純投資額となり、外部資金で賄われた構図が明確である。
経常利益が利益の大半を構成し、特別損益は合計-7.1億円と軽微で、経常的収益への依存度が高い。営業外収益は26.4億円(対売上比0.3%)で、為替差益15.9億円、受取配当金3.9億円、受取利息2.1億円が主な内訳。為替差益は市況要因による一過性要素を含むが、規模は限定的。営業外費用は47.5億円で、支払利息35.5億円(対売上比0.4%)が中心を占め、負債増に伴う金利負担が固定的に発生している。営業CFは純利益の1.97倍で、利益の現金化能力は高く、アクルーアル比率-4.3%も健全な水準。運転資本の正常化(未成工事受入金増、工事未収入金の回収改善)が営業CF押し上げに寄与し、利益の質は高い。包括利益は442億円で、当期純利益347億円に対して95億円上振れた。内訳は有価証券評価差額金44億円、退職給付調整額31億円、為替換算調整額19億円で、含み益の積み増しとリスク資産の評価益が反映されている。のれん償却は1.2億円と軽微で、EBITDA比で約0.2%にとどまり、IFRS企業との比較歪みは限定的である。
通期予想(売上高8,180億円、営業利益590億円、経常利益540億円、純利益340億円、EPS129.88円、DPS26円)に対し、実績は売上高97.1%、営業利益93.7%、経常利益98.5%、純利益93.0%の進捗となり、営業段階を中心に小幅未達となった。海外建設の赤字継続と支払利息の増加、期末の固定資産関連費用が影響したとみられる。一方、配当は実績48円(中間17円+期末31円)とガイダンス26円を大幅に上回り、業績回復を反映した株主還元強化が確認できる。前期比では、売上高+3.0%、営業利益+6.7%、経常利益+1.5%、純利益+7.5%の予想に対し、実績は売上+9.2%、営業利益+154.9%、経常利益+182.4%、純利益+192.3%と大幅に上振れた。国内案件の想定以上の採算改善と海外赤字縮小が上振れ要因。
年間配当は48円(中間17円+期末31円、前年12円)で4倍増となった。配当性向は54.5%(=配当総額81億円/親会社株主に帰属する当期純利益347億円 ※信託口への配当含む)で、持続可能な水準。一方、自己株買いを100億円実施しており、配当81億円と合わせた総還元は181億円で総還元性向は約52%となった。フリーCFは21億円にとどまり、FCFカバレッジは0.15倍(=FCF21億円/配当+自己株買い181億円)と、総還元が内部創出CFを上回る構造。外部資金調達(社債・借入)により還元資金を補完しており、今後はCIPの稼働化と営業CFの厚み回復が還元持続性の鍵となる。配当利回りは実績ベースで約2.0%程度(株価2,400円前提)、配当性向54.5%は成長投資と還元のバランスを意識した水準と評価できる。
建設仮勘定(CIP)の固定資産振替遅延リスク: CIPが932億円(有形固定資産の43.3%)に積み上がり、稼働開始の遅延や当初想定との乖離が発生すれば、減価償却費の先送りと固定費吸収不全による収益性悪化が懸念される。今後の稼働進捗と投資回収ペースのモニタリングが必要。
高レバレッジによる金利上昇リスク: D/Eレシオ2.97倍と高レバレッジで、金利上昇局面では支払利息の増加が経常利益を圧迫する。今期の支払利息は35.5億円だが、長期借入金+235億円、社債+99億円の増加により、来期以降の利払負担は増加見込み。Debt/EBITDA 2.07倍と利払耐性は現状良好だが、投資回収の遅延や営業CF減少が重なればレバレッジ管理が課題となる。
海外建設事業の損益ボラティリティ: 海外建設は売上1,818億円(全社の22.9%)で営業損失32億円(マージン-1.8%)と赤字が継続。損失額は前年比79.3%縮小したが、地域・案件ミックスや為替変動により損益は不安定で、想定外の追加コストが発生すれば全社利益への下押し圧力となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.0% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +1.4pt |
| 純利益率 | 4.0% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +0.5pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、国内土木・建築の採算改善が競合比較でも優位性を示している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 9.2% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | -0.7pt |
売上高成長率は業種中央値に近接し、建設業界全体の受注環境回復の波に乗っている。
※出所: 当社集計
国内土木・建築の採算改善が営業利益率7.0%(前年3.0%)へ押し上げ、ROE15.9%と資本効率が大幅向上した。営業CF/純利益1.97倍と利益の現金裏付けも良好で、経常的収益の拡大が確認できる。海外建設は赤字幅を79.3%縮小し、次期以降の黒字転換が全社利益の上振れドライバーとなる。
建設仮勘定(CIP)が932億円(有形固定資産の43.3%)に積み上がり、大規模な成長投資フェーズが最終段階にある。稼働化のタイミングと収益貢献が次期以降の焦点で、減価償却費の増加をカバーする案件ポートフォリオの構築が鍵となる。D/Eレシオ2.97倍と高レバレッジだが、Debt/EBITDA 2.07倍、EBITDAインタレストカバレッジ18.38倍と利払耐性は強固で、投資回収が計画通り進めば財務健全性は維持可能。
配当48円(前年12円の4倍)と株主還元を強化し、自己株買い100億円も実施した。総還元性向約52%だが、FCFカバレッジ0.15倍と内部創出CFは不足しており、今後は営業CFの厚み回復と配当基軸の持続的還元方針がバランス改善の条件となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。