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18882026 第3四半期プライムJGAAP

若築建設(1888) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益42%増

2026年度第3四半期の売上高は750.6億円(前年同期比+24.2%)、営業利益は40.8億円(同+41.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

若築建設株式会社

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥750.6億¥604.4億+24.2%
営業利益¥40.8億¥28.8億+41.9%
経常利益¥39.2億¥29.3億+33.9%
純利益¥26.5億¥21.7億+22.2%
ROE5.1%4.4%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計決算は、売上高750.6億円(前年同期比+146.2億円 +24.2%)、営業利益40.8億円(同+12.0億円 +41.9%)、経常利益39.2億円(同+9.9億円 +33.9%)、純利益26.5億円(同+4.8億円 +22.2%)と大幅な増収増益を達成した。建設事業の受注消化が進捗し、営業利益率は5.4%(前年同期4.8%から+0.6pt改善)へ上昇した。総資産1095.9億円、純資産515.3億円で自己資本比率は47.0%と安定圏を維持する。現金預金164.7億円を保有する一方、短期借入金148.2億円と流動負債480.8億円が存在し、完成工事未収入金570.3億円という大型の運転資本が建設業特有のキャッシュフロー構造を形成している。

業績変動要因

【売上高】売上高は750.6億円で前年比+24.2%増。主力の建設事業が737.5億円(前年比+14.3億円 +24.0%)と拡大し、全社売上の98.2%を占める。不動産事業は3.7億円(構成比0.5%)、その他事業が9.4億円(同1.3%)で補完する。建設事業のセグメント内訳は開示されていないが、完成工事の引渡し進捗と受注消化が売上成長の主因である。売上原価は651.0億円で粗利率は13.3%(前年13.5%から-0.2pt)と微減したが、売上増により粗利絶対額は99.5億円(前年81.7億円から+17.8億円)に拡大した。【損益】販管費は58.8億円で販管費率7.8%(前年8.8%から-1.0pt改善)となり、営業利益は40.8億円へ+41.9%増加した。営業外収益2.2億円(受取配当金1.7億円含む)から営業外費用3.9億円(支払利息1.5億円含む)を差し引いた営業外純損益は-1.7億円で、経常利益は39.2億円となった。特別損益は固定資産売却益0.6億円と固定資産除却損0.2億円が相殺し、税引前利益は39.6億円、税後純利益は26.5億円に着地した。経常利益と純利益の換算率は67.6%で、実効税率は約33.0%である。一時的要因として固定資産売却益0.6億円があるものの純利益への影響は限定的である。結論として、売上拡大と販管費率の改善により増収増益を達成した。

セグメント別分析

建設事業は売上高737.5億円(構成比98.2%)、営業利益55.0億円(利益率7.5%)を計上し、主力事業として全社業績をけん引した。前年比では売上高+14.3億円(+24.0%)、営業利益+12.4億円(+29.0%)と高い成長率を示した。不動産事業は売上高3.7億円(構成比0.5%)、営業利益2.0億円(利益率52.7%)と小規模ながら高収益率を維持した。その他事業(船舶監理業務等)は売上高9.4億円(構成比1.3%)、営業利益0.7億円を計上した。セグメント利益合計57.0億円から全社費用16.9億円を控除した営業利益は40.8億円となる。全社費用は前年比+0.9億円増加したものの、建設事業の利益拡大がこれを吸収し、全社ベースでの営業増益を実現した。建設事業と不動産事業の利益率差は45.2ptと大きく、建設事業の利益率改善余地が示唆される。

主要財務指標

【収益性】ROE 5.1%(業種中央値3.7%を上回るが低水準)、営業利益率5.4%(前年4.8%から+0.6pt改善、業種中央値4.1%を上回る)、純利益率3.5%(業種中央値2.8%を上回る)。粗利率13.3%は前年13.5%から微減し、原価管理の強化が課題として残る。【キャッシュ品質】現金及び預金164.7億円、流動比率181.3%で短期流動性は確保されている。現金の短期負債カバレッジは1.1倍(現金164.7億円/短期借入金148.2億円)。完成工事未収入金570.3億円は売上高の76.0%に相当し、建設業特有の大型運転資本が資金サイクルに影響を与える。【投資効率】総資産回転率0.69回転(年換算)、総資産利益率2.4%(前年2.4%と横ばい、業種中央値2.2%を上回る)。ROICは算出基礎データから4.9%と推計され、資本効率は改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率47.0%(業種中央値60.5%を下回る)、有利子負債209.4億円(短期借入金148.2億円、長期借入金61.2億円)で負債資本倍率0.41倍。短期負債比率70.8%と短期借入依存度が高く、リファイナンスリスクが存在する。インタレストカバレッジは26.7倍(営業利益40.8億円/支払利息1.5億円)で利息負担能力は十分である。

キャッシュフロー分析

四半期累計のため営業CFおよび投資CFの開示はないが、貸借対照表推移から資金動向を分析する。現金預金は前年155.7億円から164.7億円へ+9.0億円増加し、営業増益が資金積み上げに寄与した。流動資産は前年773.2億円から871.6億円へ+98.4億円増加し、その主因は完成工事未収入金の+103.7億円増(前年466.6億円→当期570.3億円)である。これは売上増に伴う受注工事の未回収債権拡大を示し、運転資本は増加傾向にある。固定資産は前年145.7億円から224.3億円へ+78.6億円増加し、内訳では長期借入金が前年3.8億円から61.2億円へ+57.4億円と大幅増加した。これは資金調達の長期化を図った可能性を示す。負債面では短期借入金が前年146.4億円から148.2億円へ+1.8億円微増、流動負債合計は前年418.2億円から480.8億円へ+62.6億円増加した。短期負債に対する現金カバレッジは0.34倍(現金164.7億円/流動負債480.8億円)で、流動比率181.3%を踏まえると短期支払能力は確保されている。長期借入金の増加と無形固定資産の+4.3億円増(ソフトウェア等への投資推定)から、投資活動が活発化していることが推測される。全体として、営業増益で現金を積み増したが、運転資本の拡大と設備投資により資金需要が高まっている構造が確認できる。

収益の質

経常利益39.2億円に対し営業利益40.8億円で、営業外純損益は-1.7億円のマイナスとなった。内訳は営業外収益2.2億円(受取配当金1.7億円、受取利息0.3億円、為替差益0.2億円等)から営業外費用3.9億円(支払利息1.5億円等)を差し引いたものである。営業外収益は売上高の0.3%と小規模で、本業外収益への依存度は低い。特別損益は固定資産売却益0.6億円と固定資産除却損0.2億円が計上され、純額+0.4億円の押し上げ効果があったが、純利益への影響は1.0%程度と限定的である。税引前利益39.6億円から純利益26.5億円への換算率は66.9%で、実効税率約33.0%は通常水準である。営業CFの開示がないため利益の現金転換率は評価できないが、完成工事未収入金の大幅増加(+103.7億円)は売上増に伴う運転資本拡大を示しており、短期的には利益の現金化にタイムラグが生じている可能性がある。経常的な収益は営業利益が中心で、一時的要因は限定的であり、収益構造は本業依存型で健全である。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高1006.0億円(前年比+16.4%)、営業利益57.5億円(同+10.2%)、経常利益55.0億円(同+5.2%)、純利益37.0億円(同+4.8%)を見込む。第3四半期累計実績の進捗率は、売上高74.6%、営業利益71.0%、経常利益71.3%、純利益71.6%となり、標準進捗率75.0%(Q3時点)をやや下回る。第4四半期に売上高255.4億円(全体の25.4%)、営業利益16.7億円(同29.0%)の計上を想定しており、建設業の季節性(年度末の工事完成集中)を踏まえると実現可能な水準である。前年同期の第4四半期実績(売上高259.6億円、営業利益23.4億円)と比較すると売上はほぼ同水準だが営業利益はやや保守的な想定である。会社予想に修正は見られず、期初計画を維持している。受注残高データの開示はないが、完成工事未収入金570.3億円が売上高の76.0%に相当することから、受注済み案件の実行進捗が第4四半期の業績を左右する。通期営業利益率は5.7%(予想値)で、第3四半期累計5.4%から改善を見込む構造となっており、第4四半期の利益率改善が達成の鍵となる。

株主還元

年間配当予想は131.00円(中間配当5.00円、期末配当126.00円)で、前年配当121.00円から+10.00円増配となる。第2四半期末時点で中間配当5.00円を実施済みであり、期末配当126.00円を予定する。通期純利益予想37.0億円(EPS 291.18円)に対する配当性向は45.0%である。第3四半期累計の純利益26.5億円(EPS 204.59円)から試算すると、四半期ベースの配当性向は約64.0%となる。自社株買いに関する開示はなく、株主還元は配当のみで構成される。配当性向45.0%は適正水準であり、現金預金164.7億円と営業増益基調を踏まえると配当維持の持続性は確保されている。ただし、完成工事未収入金の回収動向や運転資本需要の変動が配当余力に影響を与える可能性があるため、営業CFの実績確認が重要である。前年比+8.3%の増配は株主還元強化の姿勢を示すものであり、通期予想達成を前提に配当政策は安定的と評価できる。

リスク要因

  1. 短期借入依存によるリファイナンスリスク: 短期借入金148.2億円が有利子負債の70.8%を占め、借換え時の金利上昇や資金調達環境の悪化が財務コストを押し上げる可能性がある。インタレストカバレッジは26.7倍と余裕があるものの、短期負債比率70.8%は業界標準40%を大幅に上回り、資金繰りの脆弱性が懸念される。

  2. 完成工事未収入金の回収リスク: 完成工事未収入金570.3億円は売上高の76.0%に相当し、建設業特有の大型運転資本が資金サイクルに影響を与える。受注先の信用リスクや支払遅延が発生した場合、キャッシュフロー悪化と運転資金需要の増加を招き、短期借入依存度がさらに高まるリスクがある。

  3. 粗利率低下と資本効率の改善余地: 粗利率13.3%は前年13.5%から-0.2pt低下し、原価管理の強化が課題となる。ROE 5.1%、ROIC推計4.9%と資本効率は低位であり、売上成長が利益率改善を伴わない場合、中長期的な企業価値向上が制約される。建設資材価格の上昇や人件費増加が原価を圧迫する可能性があり、受注時の採算管理と価格転嫁力の強化が求められる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 建設業セグメント(N=4社、2025年第3四半期時点)における若築建設の相対的位置を分析する。収益性ではROE 5.1%が業種中央値3.7%(IQR 1.7%〜6.6%)を上回り、業種内では上位に位置する。営業利益率5.4%も業種中央値4.1%(IQR 1.9%〜5.8%)を上回り、収益性は業種標準以上である。純利益率3.5%も業種中央値2.8%(IQR 1.3%〜4.0%)を超える。一方、健全性では自己資本比率47.0%が業種中央値60.5%(IQR 56.2%〜67.8%)を大きく下回り、業種内では低位に位置する。流動比率1.81倍(181.3%)は業種中央値2.07倍(IQR 1.90〜3.18倍)を下回り、短期流動性も業種平均以下である。効率性では総資産利益率2.4%が業種中央値2.2%(IQR 1.0%〜3.6%)をわずかに上回る。成長性では売上高成長率+24.2%が業種中央値-3.5%(IQR -13.7%〜6.2%)を大幅に上回り、業種内で最も高い成長率を示す。総括すると、若築建設は売上成長と収益性で業種平均を上回る一方、財務健全性では業種下位に位置し、短期借入依存の高さが相対的な弱点となっている。(業種: 建設業、比較対象: 2025年第3四半期、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントとして以下3点が挙げられる。第一に、売上高+24.2%成長と営業利益+41.9%増の高成長を実現しており、建設事業の受注消化が業績拡大の主軸となっている点である。営業利益率5.4%は前年から+0.6pt改善し、販管費率の低下が利益率向上に寄与した。第二に、完成工事未収入金570.3億円という大型運転資本の存在と短期借入金148.2億円への依存が資金サイクルの特徴となっている点である。売上増に伴い運転資本は拡大傾向にあり、営業CFの実績と完成工事の回収動向が今後のキャッシュフロー質を左右する。第三に、長期借入金が前年3.8億円から61.2億円へ+57.4億円増加し、資金調達の長期化を図った点である。短期借入依存度70.8%は業種標準を大幅に上回るため、長期借入による負債構成の改善は財務安定性向上に寄与する可能性がある。配当は年間131円(配当性向45.0%)で増配方針を維持しており、株主還元姿勢は明確である。通期業績予想の進捗率は約71〜75%で標準範囲内にあり、予想達成の蓋然性は高い。粗利率13.3%と資本効率(ROE 5.1%、ROIC推計4.9%)の改善が中長期の課題として残る。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、完成工事高の拡大と建設事業の採算改善を主因に増収増益となった。売上高は前年同期比24.2%増の750.60億円、営業利益は同41.9%増の40.80億円である。経常利益は同33.9%増の39.18億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同21.7%増の26.01億円となった。売上総利益は99.55億円と前年同期の84.98億円から17.1%増加した。粗利益率は13.3%で、前年同期の14.1%から約70bp低下した。これに対し、営業利益率は5.4%と前年同期の4.8%から約70bp上昇した。販管費は58.75億円と前年同期比4.5%増にとどまり、売上高の24.2%増を大きく下回ったことが営業レバレッジとして作用した。純利益率は3.5%で前年同期とほぼ同水準であり、営業段階での改善が税負担および営業外費用の増加で一部相殺された。実効税率は33.0%で、税引前利益の増加率35.2%に対し純利益の増加率が21.7%にとどまる主因である。営業外収益2.23億円のうち受取配当金は1.66億円であり、売上高に対する比率は0.3%と低く、本業利益を大きく歪める水準ではない。特別利益0.62億円は固定資産売却益、特別損失0.21億円は固定資産除却損であり、税引前利益への純寄与は0.41億円にとどまる。主力の建設事業は売上高737.45億円、セグメント利益55.03億円と大幅な増収増益で、全社成長の中核を担った。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.6%、営業利益71.0%、経常利益71.2%、親会社株主帰属利益70.3%である。売上高は標準的な75%進捗にほぼ沿う一方、利益進捗は約4~5ポイント下回るため、第4四半期の工事採算および完成時期が通期達成の焦点となる。流動比率181.3%、インタレストカバレッジ26.67倍は流動性と利払い余力を支えるが、有利子負債の短期偏重と長期借入金の急増は資金運営上の監視項目である。

収益性分析

年換算ROEは6.7%であり、デュポン3因子では純利益率3.5%×総資産回転率0.913倍×財務レバレッジ2.13倍に分解される。ROEはベンチマーク上の8%を下回り、低めの純利益率が資本収益性の主な制約である。一方、総資産回転率0.913倍は建設業として大きく低い水準ではなく、売上拡大が資産効率を支えている。財務レバレッジ2.13倍はROEを押し上げる一方、負債依存度を高める要因でもある。収益性の最も明確な改善点は営業利益率で、前年同期比約70bp拡大して5.4%となった。粗利益率は約70bp低下したものの、販管費率は前年同期の9.3%から7.8%へ約150bp低下しており、増収による固定費吸収が粗利率低下を上回った。CFA5因子では税負担係数0.657、金利負担係数0.970、EBITマージン5.4%である。金利負担係数は0.90を上回り、支払利息1.53億円はEBIT40.80億円に対して限定的である。営業利益の増益率41.9%が売上成長率24.2%を上回っており、現時点の増益は営業レバレッジを伴う。本社費用を中心とするセグメント調整額は△16.87億円で前年同期の△16.00億円から0.87億円増加しており、事業規模拡大局面でも全社費用の抑制継続が利益率持続性の条件となる。

成長性評価

売上成長の中心は建設事業であり、同事業の外部顧客向け売上高は前年同期比24.0%増の737.45億円となった。建設事業のセグメント利益は55.03億円で同29.0%増、セグメント利益率は7.5%と前年同期の7.2%から約30bp改善した。不動産事業の売上高は3.74億円で前年同期比1.6%減少したが、セグメント利益は1.97億円で同12.6%増、利益率は52.7%と高水準である。その他の船舶監理業務は売上高9.39億円で同58.6%増、セグメント利益0.66億円で同94.1%増となった。営業利益寄与額が最大の主力事業は建設事業であり、報告セグメント利益合計57.01億円に対する寄与は96.5%である。完成工事高724.78億円が連結売上高の96.6%を占めるため、工事進捗、個別案件の原価管理および完成時期が売上・利益の持続性を左右する。完成工事総利益率は12.8%であり、建設事業の成長は維持されている一方、低粗利率への警告が示す通り、資材費・労務費・外注費の上昇を価格転嫁で吸収できるかが重要である。通期予想の売上高1,006.00億円、営業利益57.50億円に対して、第4四半期には255.40億円の売上高と16.70億円の営業利益が必要となる。第4四半期に必要な営業利益率は6.5%で第3四半期累計の5.4%を上回るため、採算の良い工事の完成寄与が通期達成に必要となる。

財務健全性

流動比率および当座比率はともに181.3%で、流動資産871.56億円が流動負債480.82億円を390.74億円上回る。流動性は健全な水準にあるが、流動負債は負債総額580.53億円の82.8%を占め、建設工事の入出金時期に資金繰りが影響を受けやすい構造である。有利子負債は209.38億円で、短期借入金148.20億円が70.8%、長期借入金61.18億円が29.2%を占める。品質アラートである短期負債比率71%は40%の警告水準を上回り、借換え・金融機関とのコミットメント維持に関するリファイナンスリスクを示す。もっとも、現金預金164.74億円は短期借入金の1.11倍であり、短期借入金に対する即時の現金カバーは確保されている。完成工事未収入金570.32億円を含む豊富な流動資産も支払能力を補完するが、回収遅延が生じた場合には短期負債への依存度が高まる。負債資本倍率は1.13倍で2.0倍の警戒水準を下回り、Debt/Capital比率も28.9%と40%未満である。インタレストカバレッジ26.67倍は、金利上昇や借入更新時の調達条件悪化に対する現時点の耐性を示す。長期借入金は前年同期の3.78億円から61.18億円へ57.40億円増加しており、短期資金の長期化による満期構成の改善余地がある一方、借入総額の増加としても評価する必要がある。無形固定資産は9.39億円、総資産比0.9%であり、無形資産への集中やのれん価値への依存は限定的である。退職給付に係る負債27.17億円は固定負債の27.2%を占めるため、金利・運用環境および退職給付債務の再測定も中長期の負債管理上の論点となる。

B/S変動のポイント

長期借入金: +57.40億円(+1,518.5%)の61.18億円。借入期間の長期化は短期借入依存の緩和に資する可能性がある一方、有利子負債の増加と将来の利払い負担を伴う。無形固定資産: +4.27億円(+83.4%)の9.39億円。総資産比は0.9%にとどまり、資産構成および収益性への影響は限定的である。完成工事未収入金: +244.93億円(+53.4%)の570.32億円。完成工事高の増加と整合的だが、総資産の52.0%を占めるため、回収時期と貸倒リスクの監視が重要である。預り金: +44.62億円(+79.4%)の100.84億円。工事進捗に伴う資金受入れが運転資金を支える一方、将来の精算・支出局面での資金流出要因となる。

キャッシュフロー品質

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり0円である。会社の通期配当予想は1株当たり131円であり、期中平均株式数12,715,925株を基準とした年間配当総額は約16.66億円となる。通期の親会社株主帰属利益予想37.00億円に対する予想配当性向は約45.0%で、配当のみの基準として60%未満に収まる。第3四半期累計の親会社株主帰属利益26.01億円は通期予想の70.3%であり、通期利益計画の達成が配当方針維持の前提となる。自己株式は4.75億円で前年同期の5.18億円から減少しているが、当期の自己株式取得額は示されていないため、配当性向は配当金のみで評価している。

リスク評価

ビジネスリスクとして、建設事業への収益集中: 建設事業は報告セグメント利益合計の96.5%を占める。大型工事の進捗遅延、設計変更、原価超過または完成時期のずれが連結業績へ大きく波及する。、低粗利リスク: 粗利益率13.3%は20%未満の品質アラートに該当する。前年同期比約70bpの低下は、資材価格、労務費、外注費の上昇を受けた採算圧迫の可能性を示し、価格転嫁と案件選別が重要となる。、建設業固有の施工リスク: 人手不足・技能労働者の高齢化、資材価格変動、天候・自然災害、安全規制対応は、工期と原価の双方に影響する。、完成工事未収入金の回収リスク: 完成工事未収入金は570.32億円と総資産の52.0%を占め、発注者別の回収遅延や信用悪化が運転資金に与える影響は大きい。が挙げられます。

財務リスクとしては、リファイナンスリスク: 有利子負債209.38億円のうち短期借入金が148.20億円、短期負債比率は70.8%であり、品質アラートの40%基準を上回る。現金預金は短期借入金の1.11倍であるものの、金融市場環境や借入条件の変化を受けやすい。、借入増加リスク: 長期借入金は前年同期比1,518.5%増の61.18億円であり、資金調達の長期化は満期分散に資する一方、総有利子負債と支払利息の増加につながり得る。、金利上昇リスク: 支払利息は前年同期の1.00億円から1.53億円へ53.0%増加した。現状のインタレストカバレッジは26.67倍と強いが、借入増加局面での金利上昇は利益を圧迫する。が挙げられます。

主な懸念事項としては、優先度高: 第4四半期に必要な営業利益率6.5%は累計実績5.4%を上回るため、通期営業利益予想57.50億円の達成には採算改善が必要である。、優先度高: 完成工事未収入金は前年同期比244.93億円増、53.4%増となっており、売上成長に伴う増加である一方、回収サイトの悪化が生じないかを監視する必要がある。、優先度中: 預り金は前年同期比44.62億円増、79.4%増の100.84億円であり、工事進捗に伴う資金受入れが流動性を支える一方、進捗・精算局面での資金流出を伴う。、優先度中: 総資産回転率0.913倍と年換算ROE6.7%は、増収下でも資本収益性がなお8%未満にとどまることを示す。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高24.2%増に対して営業利益41.9%増となり、販管費の伸び抑制を通じた営業レバレッジが顕在化している。、建設事業のセグメント利益率は7.5%へ改善したが、連結粗利益率は13.3%へ低下しており、工事原価の管理力が収益持続性を左右する。、通期営業利益予想に対する進捗率は71.0%であり、第4四半期の利益率改善が計画達成の焦点となる。、流動比率181.3%、インタレストカバレッジ26.67倍は財務耐性を示す一方、短期借入金148.20億円と長期借入金の急増は資本構成の変化として注視を要する。、通期配当予想131円に基づく予想配当性向は約45%であり、通期利益計画が達成されれば利益対比での配当負担は過大ではない。が挙げられます。

注視すべき指標は、完成工事総利益率および連結粗利益率、第4四半期の営業利益率と通期営業利益予想57.50億円の達成状況、完成工事未収入金570.32億円の回収状況、短期借入金148.20億円の借換え条件と有利子負債の満期構成、建設事業の受注・完成工事高の動向、資材費、労務費、外注費の上昇に対する価格転嫁状況です。

セクター内ポジションについては、営業利益率5.4%は一般的な8%超の良好水準には届かず、年換算ROE6.7%も8%未満である。一方、流動比率181.3%、Debt/Capital比率28.9%、インタレストカバレッジ26.67倍は、収益性に比べて流動性・債務返済余力が相対的に堅固であることを示す。