| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1352.1億 | ¥1233.5億 | +9.6% |
| 営業利益 | ¥71.5億 | ¥23.2億 | +208.4% |
| 経常利益 | ¥65.7億 | ¥19.4億 | +237.5% |
| 純利益 | ¥49.7億 | ¥22.3億 | +122.9% |
| ROE | 7.0% | 3.4% | - |
2026年5月期決算は、売上高1,352.1億円(前年比+118.6億円 +9.6%)、営業利益71.5億円(同+48.3億円 +208.4%)、経常利益65.7億円(同+46.2億円 +237.5%)、親会社株主に帰属する純利益54.5億円(同+41.3億円 +308.9%)と増収大幅増益で着地した。営業利益率は5.3%へ前年1.9%から3.4pt改善、粗利率も12.1%(前年9.9%)と2.2pt上昇し、建設本体の採算改善が顕著である。建築事業(Construction)が売上924.7億円(+23.9%)、営業利益69.9億円(+170.6%)と主力事業として全社利益の大半を創出、土木事業(Engineering)も増益に転じた一方、エネルギー事業は売上▲53.4%・利益▲63.6%、不動産事業は売上▲52.3%・利益▲79.1%と大幅縮小した。営業外では受取配当金2.9億円・為替差益2.9億円が寄与したが支払利息4.9億円が増加、特別損益は投資有価証券売却益6.8億円等で特別利益20.1億円、減損損失9.1億円等で特別損失20.8億円とネット影響は軽微である。利益の質は営業段階の改善に依拠し良好だが、完成工事未収入金の膨張により営業CFは▲45.7億円のマイナス、フリーCFは▲41.1億円と資金創出力に課題を残す。
【売上高】売上高は1,352.1億円(前年1,233.5億円、+9.6%)と増収。主因は建築事業(Construction)の924.7億円(+23.9%)で、大型建築案件の進捗と受注好調が牽引した。完成工事売上高は1,269.2億円(前年1,075.6億円、+18.0%)と堅調に拡大、開発事業等売上は82.9億円(前年157.9億円、▲47.5%)と半減し、不動産・エネルギー事業の縮小を反映している。土木事業(Engineering)は380.3億円(+2.6%)と微増、エネルギー事業は34.7億円(▲53.4%)、不動産事業は25.2億円(▲52.3%)といずれも大幅減。地域別では国内売上が121,492百万円、アジア13,715百万円と海外比率は約10%で、国内建設需要が主要ドライバーである。セグメント構成では建築が68.4%、土木が28.1%を占め、建設本体への集中が進んでいる。
【損益】営業利益は71.5億円(前年23.2億円、+208.4%)と大幅増益。粗利率は12.1%(前年9.9%、+2.2pt)、販管費率は6.8%(前年8.0%、▲1.2pt)と改善し、営業利益率は5.3%(前年1.9%、+3.4pt)へ上昇した。建築事業の採算改善(営業利益率7.6%、前年2.6%、+5.0pt)が主因で、原価管理強化と価格転嫁の進展が寄与している。土木事業も営業利益3.2億円(前年1.5億円、+107.0%)と黒字幅を拡大、一方でエネルギー事業の営業利益は13.3億円(前年36.6億円、▲63.6%)と縮小した。販管費は91.6億円(前年98.8億円、▲7.3%)と減少し、広告宣伝費0.9億円、減価償却費4.8億円、研究開発費4.8億円と抑制的である。営業外では受取配当金2.9億円・為替差益2.9億円が寄与したが、支払利息4.9億円(前年3.6億円、+1.3億円)が有利子負債増加に伴い増加し、経常利益は65.7億円(前年19.4億円、+237.5%)となった。特別損益は特別利益20.1億円(投資有価証券売却益6.8億円、負ののれん0.3億円、補助金収入10.5億円等)と特別損失20.8億円(減損損失9.1億円、固定資産圧縮損10.5億円等)がほぼ相殺され、税引前利益は65.0億円となった。法人税等10.3億円を控除後、親会社株主に帰属する純利益は54.5億円(前年13.3億円、+308.9%)となり、結論として増収大幅増益で着地した。
建築事業(Construction)は売上924.7億円(前年746.4億円、+23.9%)、営業利益69.9億円(前年25.8億円、+170.6%)、営業利益率7.6%(前年3.5%、+4.1pt)と高採算化が進展した。大型建築案件の進捗と原価管理の強化が奏功し、完成工事粗利率は前年の4.9%から10.7%へ改善している。主要顧客として野村不動産への売上が159.9億円(全社売上の11.8%)を占め、顧客集中度はやや高い。土木事業(Engineering)は売上380.3億円(前年370.6億円、+2.6%)、営業利益3.2億円(前年1.5億円、+107.0%)と微増収ながら利益率は0.8%(前年0.4%)へ改善した。不動産事業(RealEstate)は売上25.2億円(前年52.8億円、▲52.3%)、営業利益5.1億円(前年24.2億円、▲79.1%)と大幅減で、利益率は20.1%(前年45.9%)と低下した。販売用不動産の回転遅延が影響している。エネルギー事業(Energy)は売上34.7億円(前年74.5億円、▲53.4%)、営業利益13.3億円(前年36.6億円、▲63.6%)と縮小したが、利益率は38.3%(前年49.1%)と高水準を維持している。太陽光発電所の売却案件減少が主因である。その他セグメントは売上10.4億円、営業損失1.7億円と赤字で、新規事業の立ち上げコストを反映している。セグメント間の利益移転や調整項目は全社費用18.2億円で、報告セグメント計の営業利益89.6億円から調整後の連結営業利益71.5億円となった。
【収益性】営業利益率5.3%(前年1.9%、+3.4pt)、純利益率4.0%(前年1.1%、+2.9pt)、粗利率12.1%(前年9.9%、+2.2pt)と収益性は大幅に改善した。完成工事粗利率は10.7%(前年4.9%、+5.8pt)、開発事業等粗利率は33.2%(前年43.8%、▲10.6pt)である。ROE 7.6%(前年2.0%)は過去実績を上回り、デュポン分解では純利益率4.0%×総資産回転率0.856×財務レバレッジ2.21倍の構成である。【キャッシュ品質】営業CF/純利益▲0.84倍と品質面で要注意である。主因は完成工事未収入金の増加(営業CF項目で売上債権▲102.8億円)と販売用不動産の積み上がり(不動産在庫▲33.3億円)で、運転資本の膨張が顕著である。EBITDA 87.2億円(営業利益71.5億円+減価償却費15.7億円)に対しOCFは▲45.7億円でキャッシュコンバージョンは▲0.52倍と弱い。【投資効率】総資産回転率0.856回/年(前年0.877回/年)とやや低下、ROIC(税引後営業利益/(有利子負債+純資産))は推計6.1%と改善傾向である。設備投資は21.4億円で対売上比1.6%、減価償却費15.7億円を上回る投資を実施している。【財務健全性】自己資本比率45.2%(前年47.2%、▲2.0pt)とやや低下、流動比率208.8%、当座比率208.8%で短期流動性は良好である。有利子負債は359.3億円(前年286.1億円、+25.6%)へ増加、Debt/EBITDA 4.12倍とレバレッジはやや重い。短期借入金156.0億円(前年130.0億円)、長期借入金203.3億円(前年156.1億円)と短期負債比率43.4%は高めで、リファイナンス負担が増大している。現金及び預金199.2億円は短期借入金の1.28倍で、最低限の緩衝材は確保されている。工事損失引当金は2.3億円(前年10.3億円、▲77.6%)と減少し、原価見積精度は改善している。
営業CFは▲45.7億円(前年37.9億円、▲220.5%)とマイナスに転じた。主因は完成工事未収入金の増加(売上債権▲102.8億円)と販売用不動産の積み上がり(不動産在庫▲33.3億円)で、運転資本の膨張が顕著である。未成工事受入金は+17.7億円と前受金の増加が資金流入に寄与したが、売上債権と在庫の増加を相殺できなかった。税引前利益65.0億円に対し営業CF▲45.7億円でキャッシュ転換は弱く、利益の質は低下している。投資CFは4.6億円の流入で、投資有価証券の売却収入35.2億円が設備投資▲21.4億円と無形固定資産取得▲2.0億円を上回った。フリーCFは▲41.1億円(前年▲0.8億円)とマイナス幅が拡大し、本業からの資金創出力は脆弱である。財務CFは52.6億円の調達で、長期借入金の調達78.6億円と短期借入金の純増41.2億円が資金源となり、長期借入金の返済▲46.6億円と配当▲17.7億円、自社株買い▲19.4億円を賄った。期末現金及び預金は199.2億円(前年181.4億円、+9.8%)へ増加し、現預金残高は短期的な資金繰りを確保しているが、営業CFのマイナスが継続する場合、有利子負債の増加と金利負担の上昇が懸念される。受取利息0.4億円、支払利息4.9億円と金利収支は▲4.5億円で、有利子負債の増加に伴い支払利息が増加傾向にある。
収益の質は営業段階の改善に依拠し良好である。営業利益71.5億円の大半は建築事業の採算改善(営業利益69.9億円、営業利益率7.6%)で、原価管理強化と価格転嫁の進展が寄与している。営業外収益は7.1億円で、受取配当金2.9億円と為替差益2.9億円が主要項目であり、売上比0.5%と影響は軽微である。営業外費用は13.0億円で支払利息4.9億円が中心、為替差損0.9億円等を含む。特別損益はネットで▲0.7億円と影響は小さく、特別利益20.1億円(投資有価証券売却益6.8億円、補助金収入10.5億円等)と特別損失20.8億円(減損損失9.1億円、固定資産圧縮損10.5億円等)がほぼ相殺されている。補助金収入と固定資産圧縮損は再生可能エネルギー事業等への補助金交付に伴う会計処理で、実質的な損益影響は限定的である。アクルーアル比率は(純利益49.7億円−営業CF▲45.7億円)/総資産1,579.8億円=6.0%と中立〜やや注意水準で、営業CFが純利益を下回っており会計利益とキャッシュ創出に乖離が見られる。包括利益は67.0億円(純利益49.7億円+その他包括利益12.3億円)で、有価証券評価差額金4.5億円と退職給付に係る調整額6.7億円が主要項目である。経常的収益の観点では、営業利益の改善が中核で、営業外・特別損益の影響は限定的であり、利益の質は概ね良好と評価できる。
通期業績予想(2027年5月期)は売上高1,370.0億円(前年比+1.3%)、営業利益63.0億円(同▲11.9%)、経常利益57.0億円(同▲13.2%)、純利益33.0億円(同▲33.6%)、EPS50.00円を見込む。当期実績との対比では、売上高は1,352.1億円で予想比▲1.3%と微減、営業利益は71.5億円で予想63.0億円を+13.5%上回り、経常利益65.7億円(予想比+15.2%)、純利益54.5億円(予想比+65.2%)といずれも上振れ着地した。会社計画は来期の採算悪化を織り込んでおり、建築事業の利益率低下や原価上昇圧力を前提としている模様である。配当予想は10.00円だが、当期実績25.00円(普通配当20.00円+特別配当5.00円)を下回る水準で、来期の配当方針については決算説明会資料で普通配当25.00円への引き上げを示唆しており、予想10.00円との乖離に注意が必要である。進捗率は当期が通期の最終実績のため該当しないが、来期の利益計画が保守的か否かは受注動向と原価見積の精度次第である。
年間配当は1株25.00円(中間配当10.00円、期末配当15.00円)で、前年10.00円から+150.0%増配した。内訳は普通配当20.00円と特別配当5.00円で、配当性向は40.9%(配当総額約17.7億円/純利益54.5億円)と適正レンジである。配当総額17.7億円は営業CF▲45.7億円を上回り、フリーCF▲41.1億円の下での還元となっている。自社株買いは19.4億円を実施し、総還元額は約37.1億円で総還元性向は68.1%と高水準だが、FCFがマイナスのため外部資金(借入)に依存した還元である。DOEは約2.5%(配当総額17.7億円/期首純資産664.3億円)と算出され、配当性向と合わせて株主還元姿勢は積極的である。決算説明会資料では来期の配当予想として普通配当25.00円(特別配当なし)を示唆しており、増配継続の方針が窺えるが、営業CFの正常化と有利子負債の抑制が還元持続の前提条件となる。発行済株式数89,255千株、自己株式9,458千株で期末株主資本は712.0億円、1株あたり純資産(BPS)は892.21円である。
運転資本膨張リスク: 完成工事未収入金564.9億円(前年末461.6億円、+22.4%)と販売用不動産192.9億円(前年末159.7億円、+20.8%)の増加により、営業CFは▲45.7億円とマイナスに転じた。売上債権回転日数(DSO)は推計153日(564.9億円÷(1,352.1億円/365日))と長期化しており、回収遅延や顧客信用リスクの高まりが懸念される。不動産在庫の回転期間は約52日(192.9億円÷(1,352.1億円/365日))だが、市況変動時の評価損や販売遅延リスクを伴う。運転資本の正常化が遅れる場合、資金繰り圧迫と追加借入の必要性が高まる。
レバレッジと金利負担リスク: 有利子負債は359.3億円(前年286.1億円、+25.6%)へ増加し、Debt/EBITDA 4.12倍とハイイールド閾値(3.5倍)を超える水準である。短期借入金156.0億円(有利子負債の43.4%)と短期負債比率が高く、金利上昇局面での更新コスト増とリファイナンスリスクが高まっている。支払利息は4.9億円(前年3.6億円、+36.1%)と増加傾向で、営業利益に対する利払い負担率は6.9%と上昇した。長期借入金は203.3億円へ+30.2%増加し、満期構成の長期化は進んでいるが、営業CFのマイナスが継続する場合、デットサービスカバレッジ(営業CF/有利子負債)の悪化が懸念される。
セグメント集中と採算変動リスク: 建築事業(Construction)が売上の68.4%、営業利益の97.7%を占める高集中構造で、同事業の採算変動が全社業績に直結する。今期は営業利益率7.6%と改善したが、来期予想では営業利益▲11.9%と減益を見込んでおり、受注環境の変化や原価上昇圧力が利益率を圧迫するリスクがある。主要顧客として野村不動産への売上が159.9億円(全社売上の11.8%)と集中度が高く、特定顧客への依存度上昇は受注変動リスクを高める。エネルギー事業と不動産事業は売上・利益ともに大幅縮小し、事業ポートフォリオの多様性が低下している。工事損失引当金は2.3億円(前年10.3億円、▲77.6%)と減少したが、大型案件の原価見積差異が発生した場合、特別損失計上のリスクがある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.3% | 5.5% (3.5%–7.2%) | -0.3pt |
| 純利益率 | 3.7% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +0.2pt |
営業利益率は業種中央値5.5%に対し5.3%と▲0.3ptの僅差で、業種内では中位に位置する。純利益率は3.7%で中央値3.5%を+0.2pt上回り、営業外・特別損益の影響が軽微で利益の質は良好である。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 9.6% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | -0.3pt |
売上高成長率9.6%は業種中央値9.8%とほぼ同水準で、業種内では標準的な成長ペースである。建築需要の堅調さを反映しているが、エネルギー・不動産事業の縮小が成長率を一部抑制している。
※出所: 当社集計
建設本体の採算改善と利益の質: 営業利益率は5.3%へ前年1.9%から3.4pt改善し、粗利率も12.1%(前年9.9%、+2.2pt)と上昇した。建築事業の営業利益率7.6%(前年3.5%)と原価管理強化・価格転嫁の進展が確認でき、特別損益のネット影響も軽微(▲0.7億円)で利益の質は営業起因で良好である。来期の会社予想では営業利益▲11.9%と減益を見込むが、当期実績は予想を上振れており実行力を示した。受注環境と原価安定が継続すれば、採算改善の持続可能性は一定程度見込める。
キャッシュ創出力と運転資本の正常化が最重要課題: 営業CFは▲45.7億円とマイナス、営業CF/純利益▲0.84倍でキャッシュ転換の弱さが鮮明である。主因は完成工事未収入金564.9億円(前年末+103.3億円)と販売用不動産192.9億円(同+33.2億円)の積み上がりで、運転資本の膨張が顕著である。フリーCFは▲41.1億円で、配当17.7億円と自社株買い19.4億円の総還元37.1億円は外部資金(借入)に依存している。来期の還元持続には、(1) 完成工事未収入金の回収進展、(2) 不動産在庫の回転、(3) 営業CFの黒字化が前提条件となる。
レバレッジ上昇と金利負担増への注視: 有利子負債は359.3億円(前年286.1億円、+25.6%)へ増加し、Debt/EBITDA 4.12倍とやや重い。短期借入金156.0億円(有利子負債の43.4%)と短期負債比率が高く、金利上昇局面でのリファイナンスリスクが高まっている。支払利息は4.9億円(前年3.6億円、+36.1%)と増加傾向で、営業利益に対する利払い負担率は6.9%と上昇した。現預金199.2億円は短期借入金の1.28倍で最低限の緩衝材はあるが、営業CFのマイナスが継続する場合、デットサービスカバレッジの悪化と追加借入の必要性が懸念される。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。