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18782026 第3四半期プライムJGAAP

大東建託(1878) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益4%増

2026年度第3四半期の売上高は1兆4,436億円(前年同期比+6.0%)、営業利益は1,066億円(同+3.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

大東建託株式会社

不動産/不動産業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥14435.7億¥13621.8億+6.0%
営業利益¥1065.9億¥1028.0億+3.7%
経常利益¥1092.2億¥1088.3億+0.4%
純利益¥761.6億¥767.4億−0.8%
ROE(年換算)20.6%21.9%-

Executive Summary

増収増益ながら販管費増が利益率を圧迫し、純利益は前年並みにとどまった決算である。売上高は1兆4,435.7億円(前年比+6.0%)、営業利益は1,065.9億円(同+3.7%)、経常利益は1,092.2億円(同+0.4%)、親会社株主に帰属する純利益は761.6億円(同△0.9%)となった。粗利率は17.1%で前年並みを維持したが、販管費が売上高成長率を上回る+7.9%増となり、営業利益率は7.4%と前年の7.5%からわずかに低下した。

業績変動要因

【売上高】売上高は前年比+6.0%の1兆4,435.7億円。セグメント別では建設事業が3,980.8億円(前年比△0.7%)とやや減少した一方、不動産開発事業が880.0億円(前年比+160%超)と大幅に伸長し、全体の増収を牽引した。金融事業は231.0億円で前年並み。完成工事高が伸び悩む中、投資マンション・収益不動産事業収入の拡大が増収の主因である。

【損益】営業利益は+3.7%増の1,065.9億円だが、販管費が+7.9%増と売上成長を上回ったため営業利益率は7.4%(前年7.5%)へ小幅低下した。経常利益は+0.4%増の1,092.2億円で、営業外収支の改善は限定的だった。親会社株主に帰属する純利益は761.6億円で前年比△0.9%となり、増収増益ながら最終利益は伸び悩んだ。結論として、増収増益(営業・経常段階)だが純利益は減益に転じた形である。

セグメント別分析

建設事業は売上3,980.8億円・営業利益310.3億円(利益率7.4%)で、前年の365.5億円から利益は減少した。不動産賃貸事業は売上9,022.0億円規模・利益673.1億円で増益、不動産開発事業は売上880.0億円・利益95.1億円と前年比大幅増益となり、増収の主な牽引役となった。金融事業は売上231.0億円・利益43.7億円(利益率18.9%)と高採算だが規模は小さい。全社費用等の調整額は△141.0億円で前年の△126.6億円から拡大しており、セグメント合算利益に対する押し下げ要因となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率7.4%は前年の7.5%から小幅低下し、純利益率も5.3%で前年5.6%から低下した。粗利率17.1%はほぼ横ばいであり、利益率悪化は主に販管費率の上昇(9.8%、前年比増)に起因する。【キャッシュ品質】営業CFは731.5億円のマイナスで、純利益761.6億円との乖離が大きく、販売用不動産287.6億円増、売上債権367.4億円増が主因となっている。フリーCFも1,023.1億円のマイナスである。【投資効率】ROE(年換算)は20.6%と高水準だが、純利益率の低下と財務レバレッジの寄与を併せて評価する必要がある。総資産は前年比+6.2%の1兆2,983.3億円に拡大した。【財務健全性】自己資本比率は37.9%で前年の38.4%からわずかに低下、長期借入金は前年の445.3億円から1,841.1億円へ大幅増加し、資金調達構造の変化がみられる。手元現金2,045.3億円は短期借入金128.6億円を大きく上回り、短期の資金繰り懸念は限定的である。

キャッシュフロー分析

営業CFは731.5億円のマイナスとなり、前年同期の70.2億円マイナスから赤字幅が拡大した。純利益761.6億円に対する営業CFの乖離が大きく、販売用不動産の増加287.6億円、売上債権の増加367.4億円、賞与引当金の減少212.4億円、法人税等の支払454.0億円が資金流出の主因である。投資CFは291.7億円のマイナスで、設備投資155.2億円は減価償却費149.5億円をやや上回る水準である。フリーキャッシュフローは1,023.1億円のマイナスとなり、営業活動のみでは投資・株主還元を賄えていない。財務CFは670.8億円のプラスで、長期借入による調達1,864.6億円が営業・投資CFの赤字を補う構造となっており、資金調達への依存度が高まっている点は今後のモニタリング対象となる。

収益の質

当期の利益は会計発生高の影響を強く受けており、現金創出力との乖離が目立つ。特別損益は特別利益5.5億円、特別損失1.8億円と純額3.7億円で税引前利益への影響は軽微であり、一時的要因による利益の押し上げは小さい。営業外収益65.6億円は売上高の0.5%未満にとどまり、為替差益7.9億円を含むが、経常的な収益構造の中核ではない。一方で、販売用不動産・売上債権の増加を伴う営業CFの大幅マイナスは、当期利益が現金として裏付けられていないことを示しており、純利益761.6億円と営業CF△731.5億円の乖離は収益の質の観点で注視すべき点である。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対する進捗率は、売上高72.9%、営業利益79.0%、経常利益79.1%、純利益80.2%(純利益は親会社株主帰属ベース、通期計画950億円に対する進捗)であり、利益面は標準的な進捗率75%を上回っている。ただし通期計画の売上高成長率+7.5%に対し累計成長率は+6.0%とやや下回っており、Q4にかけての売上積み上げが必要となる。営業利益は通期+13.6%成長を計画しており、進捗率の高さは期初の保守的な計画設定も一因と考えられる。当四半期において業績予想および配当予想の修正が行われている点は、計画と実績の対応関係を注視する材料となる。

株主還元

2025年10月1日付で1株を5株とする株式分割が実施されている。分割前基準で見た第2四半期配当は342円であり、単純に親会社株主帰属純利益で除した配当性向は100%を超える水準となるが、分割の影響を踏まえた比較には注意を要する。通期の期末配当は分割考慮後の金額で開示されており、分割を考慮しない場合の期末配当は373円、年間配当は715円となる。自社株買いは19.7億円実施された。フリーキャッシュフローが1,023.1億円のマイナスとなっている中での還元実施であり、還元の原資は営業キャッシュ創出ではなく手元資金・調達に依存している点は留意点である。

リスク要因

  1. キャッシュフロー品質: 営業CFは731.5億円のマイナスで、純利益761.6億円との乖離が大きい。販売用不動産287.6億円増、売上債権367.4億円増が主因であり、回収・販売進捗の遅延が生じれば追加資金調達への依存が強まる可能性がある。

  2. 借入依存度の上昇: 長期借入金は前年の445.3億円から1,841.1億円へ大幅増加した。長期借入による収入1,864.6億円が財務CFを支え、営業・投資CFの赤字を補う構造となっており、営業CF改善が遅れる場合はこの調達依存構造が継続する可能性がある。

  3. 販管費増加による利益率圧迫: 販管費は前年比+7.9%増と売上高成長率+6.0%を上回り、営業利益率を7.4%へ小幅低下させた。この傾向が継続する場合、増収が営業利益に十分反映されない構造が定着する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(real_estate)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.4%8.0% (2.8%–11.2%)−0.6pt
純利益率5.3%4.4% (1.2%–7.2%)+0.8pt

営業利益率は業種中央値をわずかに下回るが、純利益率は中央値を上回っており、営業段階と最終段階での位置づけが異なる。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)6.0%18.5% (6.9%–54.7%)−12.5pt

売上高成長率は業種中央値および下位四分位(6.9%)にも届かず、業種内で成長速度が低い位置づけにある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+6.0%・営業利益+3.7%の増収増益にもかかわらず、純利益は△0.9%となった点は、販管費増加による営業利益率の小幅低下と整合的である。増収の質を評価する上で、販管費率の推移が今後の注目点となる。

  2. 営業CFが731.5億円のマイナスとなり、純利益との乖離が大きい。販売用不動産・売上債権の増加が主因であり、期末に向けた在庫回転・債権回収の進捗が、利益の現金裏付けを判断する上での重要な確認事項となる。

  3. 長期借入金が前年の445.3億円から1,841.1億円へ大幅増加し、営業CF赤字を財務調達で補う構造となっている。自己資本比率37.9%、手元現金2,045.3億円という財務基盤の中で、この調達構造がどの程度継続するかが構造的な観察点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,960円
base(基準)2,021円
bull(強気)2,071円
算出前提
1株純資産(BPS)1,487円
調整後予想EPS307.5円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.062(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.36倍 / 6.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,963円〜2,082円、ω±0.1で 2,007円〜2,042円。

注記:

  • のれん償却 3.7円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。