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18712026 通期プライムJGAAP

ピーエス・コンストラクション(1871) 2026年度通期決算

2026年度通期の売上高は1,494億円(前年同期比+10.1%)、営業利益は129.3億円(同+5.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1493.7億¥1356.3億+10.1%
営業利益¥129.3億¥123.2億+5.0%
経常利益¥127.2億¥122.5億+3.8%
純利益¥93.3億¥82.2億+16.8%
ROE14.2%14.2%-

Executive Summary

2026年3月期は完成工事高の拡大により増収増益となったが、運転資本の悪化により営業キャッシュフローが大幅な赤字となっており、利益の質には注意が必要である。売上高は前年比+10.1%の1,493.7億円、営業利益は同+5.0%の129.3億円、純利益は同+16.8%の93.3億円となった。増収の主因は土木事業・建築事業の完成工事高拡大であり、純利益の伸びが営業利益を上回った背景には特別利益の計上と税負担の低下がある。一方、契約資産の増加と契約負債の減少が重なり、営業CFは174.7億円のマイナスに転じた。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,493.7億円で前年比+10.1%増収。土木・建築工事事業が売上高758.1億円(同+10.5%)となり全体の50.8%を占め主力事業として牽引した。建築工事事業は629.0億円(同+19.0%)と高成長だが、関係会社・その他事業は102.4億円(同-25.6%)と縮小した。

【損益】営業利益は129.3億円(同+5.0%)で、売上原価率が上昇し粗利率は16.6%と前年17.0%程度から低下、販管費も+10.3%増加したため営業利益の伸びは売上高の伸びを下回った。経常利益は127.2億円(同+3.8%)にとどまった一方、純利益は93.3億円(同+16.8%)と大きく伸長した。これは投資有価証券売却益1.4億円、固定資産売却益1.6億円を含む特別利益3.0億円が特別損失2.0億円を上回ったことと、法人税等の負担が軽減されたことが寄与した。増収増益ではあるが、営業段階での採算改善は限定的であり、純利益の伸びは一時的要因を含む点に留意が必要である。

セグメント別分析

土木工事事業は外部売上高758.1億円(前年比+10.5%)、売上総利益141.7億円(同+7.5%)、利益率18.7%と4segment中で最も高い採算を維持した。建築工事事業は外部売上高629.0億円(同+19.0%)と高成長だが、売上総利益は59.5億円(同+16.3%)、利益率9.5%にとどまり、土木事業比で920bp低い。関係会社事業は外部売上高102.4億円(同-25.6%)と減少したものの、売上総利益44.9億円、利益率43.8%と高採算を維持し連結利益を下支えした。その他事業は売上高4.1億円、利益率31.0%と小規模ながら安定的である。全体として、主力の土木事業の採算・進捗が連結業績を左右する構造にある。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.7%で前年9.1%から40bp低下、純利益率は6.2%で前年6.1%からわずかに改善した。粗利率は16.6%と前年17.0%から低下しており、工事原価の上昇を示唆する。【キャッシュ品質】営業CFはマイナス174.7億円で、純利益93.3億円を大きく下回り、利益の現金化が進んでいない状態にある。減価償却費11.1億円に対し設備投資は12.0億円と、更新投資をやや上回る水準を維持している。【投資効率】ROEは14.2%となり、純利益率6.2%、総資産回転率1.05倍、財務レバレッジ2.18倍の組み合わせで構成される。EPSは199.33円(前年175.92円、同+13.3%)、BPSは1,398.68円である。【財務健全性】自己資本比率は46.0%で前年44.2%から改善した。流動資産1,136.5億円は流動負債605.9億円を大きく上回るが、短期借入金は151.0億円(前年95.0億円、+58.9%)に増加しており、借入依存度が高まっている。

キャッシュフロー分析

営業CFは174.7億円のマイナスとなり、前年の159.5億円のプラスから大きく悪化した。主因は契約資産・売上債権の210.9億円の増加と、契約負債の86.6億円の減少であり、工事進捗に伴う請求・回収タイミングのずれが運転資本を圧迫した。仕入債務の34.1億円増加や棚卸資産の13.1億円減少は一部を補ったが、全体としては現金流出超過となった。投資CFはマイナス5.1億円で、設備投資12.0億円が固定資産売却収入等で一部相殺された。フリーCFはマイナス179.8億円となり、配当や投資を内部創出キャッシュで賄えていない。財務CFはプラス52.4億円で、短期借入金56.0億円の純増と長期借入金85.0億円の調達により、長期借入金返済43.6億円と配当支払42.6億円を賄った。この結果、現金及び預金は前年の221.0億円から93.4億円へ57.7%減少しており、当面は借入への依存度が高まっている。

収益の質

純利益93.3億円のうち、特別利益3.0億円(投資有価証券売却益1.4億円、固定資産売却益1.6億円)と特別損失2.0億円(減損損失0.6億円、固定資産除売却損1.2億円)の差引1.0億円が一時的な押上げ要因となっている。営業外損益は収益3.2億円に対し費用5.4億円(うち支払利息3.6億円)で、経常的な金融費用負担が経常利益を圧迫している。営業CFが純利益を大きく下回る点は収益の質における最大の懸念材料であり、契約資産の増加と契約負債の減少という発生主義上のアクルーアルが利益と現金の乖離を生んでいる。包括利益は119.1億円と純利益93.3億円を上回り、有価証券評価差額金14.8億円と退職給付に係る調整額11.6億円が押し上げ要因となっている。純利益と包括利益の乖離は主に評価性項目によるものであり、事業の経常的な収益力とは区別して理解する必要がある。

業績予想・ガイダンス

次期(2027年3月期)会社予想は売上高1,426.0億円(前期比-4.5%)、営業利益108.0億円(同-16.5%)、経常利益106.0億円(同-16.6%)、純利益89.0億円(同+4.8%)である。売上高・営業利益・経常利益はいずれも減少を見込む一方、純利益は増加予想となっており、当期に計上された特別損益や税負担の影響を除いた本業ベースでは減益局面を織り込んだ計画とみられる。営業利益の減益率が売上高の減少率を上回る予想であり、工事採算の一段の低下を前提とした保守的な見通しと解釈できる。EPS予想は166.67円である。

株主還元

当期の年間配当は中間40円、期末80円の合計120円である。配当性向は60.2%で、純利益93.3億円に対して配当総額約56.9億円が支払われた計算となる。自社株買いは0.01億円と僅少であり、総還元性向は配当性向とほぼ同水準にとどまる。一方、フリーCFはマイナス179.8億円であり、当期の配当はフリーキャッシュフローではなく借入等の資金調達によって賄われている。次期の会社予想配当は101円であり、当期比19円の減配を見込む。予想EPS166.67円に対する予想配当性向は約60.6%となり、利益連動による還元方針が概ね維持される見通しである。

リスク要因

  1. 運転資本悪化とキャッシュ品質: 営業CFはマイナス174.7億円で、純利益93.3億円との乖離が大きい。契約資産・売上債権が210.9億円増加し、契約負債が86.6億円減少したことが要因であり、利益の現金化の遅れが継続的な監視ポイントとなる。

  2. 借入依存度の上昇: 短期借入金は151.0億円(前年95.0億円、+58.9%)、長期借入金は99.4億円(同47.0億円、+111.5%)と大幅に増加した。現金及び預金は93.4億円へ57.7%減少しており、資金調達環境や借換え条件への感応度が高まっている。

  3. 事業構成・採算面の偏り: 土木工事事業が外部売上高の50.8%を占め、連結業績への影響度が大きい。建築工事事業は19.0%の増収を示す一方、利益率9.5%と土木事業の18.7%を下回り、粗利率も全社で16.6%へ低下しており、原価上昇の転嫁力が課題となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.7%5.3% (3.3%–6.6%)+3.3pt
純利益率6.2%4.0% (2.7%–5.0%)+2.3pt

収益性は営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、業種内では相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)10.1%9.8% (-3.6%–14.8%)+0.2pt

売上成長率は業種中央値とほぼ同水準であり、業種平均並みの伸びを示している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収増益とROE14.2%は良好だが、営業利益率は前年から40bp低下しており、粗利率16.6%の低下傾向から工事原価上昇の転嫁状況がモニタリングポイントとなる。

  2. 営業CFがマイナス174.7億円、フリーCFがマイナス179.8億円と大幅な資金流出となっており、契約資産の回収と契約負債(前受金)の回復を通じたキャッシュ創出力の正常化が今後の観察点である。

  3. 次期会社予想は減収減益(純利益を除く)と19円の減配を見込んでおり、当期の増益基調がそのまま継続する前提ではない点を踏まえた読み方が求められる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,483円
base(基準)1,537円
bull(強気)1,576円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,399円
調整後予想EPS186.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向60.6%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.10倍 / 8.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,496円〜1,580円、ω±0.1で 1,534円〜1,542円。

注記:

  • のれん償却 0.4円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。