- 売上高: 896.65億円
- 営業利益: 79.89億円
- 当期純利益: 57.38億円
- 1株当たり当期純利益: 133.34円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 896.65億円 | 587.60億円 | +52.6% |
| 売上原価 | 763.33億円 | 523.39億円 | +45.8% |
| 売上総利益 | 133.31億円 | 64.21億円 | +107.6% |
| 販管費 | 53.41億円 | 51.34億円 | +4.0% |
| 営業利益 | 79.89億円 | 12.86億円 | +521.2% |
| 営業外収益 | 1.72億円 | 1.13億円 | +52.2% |
| 営業外費用 | 1.80億円 | 74百万円 | +143.2% |
| 経常利益 | 79.82億円 | 13.25億円 | +502.4% |
| 税引前利益 | 83.09億円 | 13.71億円 | +506.1% |
| 法人税等 | 25.71億円 | 4.03億円 | +538.0% |
| 当期純利益 | 57.38億円 | 9.68億円 | +492.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 57.37億円 | 9.67億円 | +493.3% |
| 包括利益 | 59.83億円 | 7.10億円 | +742.7% |
| 減価償却費 | 5.52億円 | 5.11億円 | +8.0% |
| 支払利息 | 1.73億円 | 61百万円 | +183.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 133.34円 | 22.49円 | +492.9% |
| 1株当たり配当金 | 40.00円 | 40.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,210.91億円 | 1,081.92億円 | +128.99億円 |
| 現金預金 | 156.17億円 | 156.69億円 | -52百万円 |
| 棚卸資産 | 18百万円 | 17百万円 | +1百万円 |
| 固定資産 | 336.82億円 | 360.27億円 | -23.45億円 |
| 有形固定資産 | 233.59億円 | 251.38億円 | -17.79億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 6.91億円 | -73.32億円 | +80.23億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -22.43億円 | 41.91億円 | -64.34億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.4% |
| 粗利益率 | 14.9% |
| 流動比率 | 194.3% |
| 当座比率 | 194.2% |
| 負債資本倍率 | 1.12倍 |
| インタレストカバレッジ | 46.18倍 |
| EBITDAマージン | 9.5% |
| 実効税率 | 30.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +52.6% |
| 営業利益前年同期比 | +520.9% |
| 経常利益前年同期比 | +502.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +492.9% |
| 包括利益前年同期比 | +742.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 44.61百万株 |
| 自己株式数 | 1.57百万株 |
| 期中平均株式数 | 43.03百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,698.27円 |
| EBITDA | 85.41億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 40.00円 |
| 期末配当 | 40.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| BuildingConstruction | 2.79億円 | 50.38億円 |
| CivilEngineering | 58百万円 | 24.23億円 |
| RealEstateDevelopmentAndOthers | 1.61億円 | 29.20億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,680.00億円 |
| 営業利益予想 | 100.00億円 |
| 経常利益予想 | 99.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 66.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 153.38円 |
| 1株当たり配当金予想 | 45.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の矢作建設工業は、売上・利益ともに急伸し、収益性が大幅に改善した四半期でした。売上高は896.65億円で前年比+52.6%、営業利益は79.89億円で同+520.9%、経常利益は79.82億円で同+502.0%、当期純利益は57.37億円で同+492.9%と、粗利の積み上がりと固定費の伸び抑制が効いた格好です。営業利益率は8.9%(=79.89/896.65)と推計され、前年同時期の約2.2%から約+672bpの大幅改善が示唆されます。純利益率は6.4%(=57.37/896.65)で、前年の約1.6%から約+475bp拡大しました。粗利益率は14.9%と堅調で、資材・労務コスト上昇が続く環境下でも採算案件の進捗や設計・施工力の発揮が寄与しています。販管費は53.41億円で、売上高比は約6.0%と低位に抑制され、営業レバレッジが効いています。財務面では、流動比率194.3%、当座比率194.2%と流動性は厚く、短期借入金266億円を抱える一方で現金156.17億円を確保し、運転資金の需要に対応できる体制です。インタレストカバレッジは46.18倍と極めて強固で、金利上昇環境下でも利払い耐性は高い水準です。他方、営業CFは6.91億円にとどまり、営業CF/純利益は0.12倍と低く、利益のキャッシュ転換に課題が見られます。建設業特有の受注・進捗・前受/出来高計上のタイミング差による運転資本の振れが主因と推測され、短期的な収益品質の警戒が必要です。負債資本倍率は1.12倍、Debt/EBITDAは4.46倍で、レバレッジは管理可能な範囲にあります。ROEは7.8%で、デュポン分解では総資産回転率0.579、財務レバレッジ2.12倍、純利益率6.4%の組み合わせが示されています。ROICは5.8%と目標水準(7–8%)に届かず、資本効率の一段の改善余地があります。期中EPSは133.34円、計算上の配当性向は62.2%と60%をやや上回る水準です。建設需給は底堅く、売上は高水準ですが、受注の質(採算・工期・発注者属性)と運転資本の管理が今後のキャッシュ創出力を左右します。総じて、P/Lは良好、B/Sは健全、C/Fは運転資本要因で弱含みというコントラストで、通期に向けたCF正常化が重要なカタリストとなるでしょう。
ステップ1: ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ=6.4%×0.579×2.12≈7.8%。 ステップ2: 足元の改善寄与度が最も大きいのは純利益率(営業利益率の大幅改善が主因)で、次いで総資産回転率の上昇が寄与、財務レバレッジは安定的に推移。 ステップ3: 純利益率の改善は、粗利率の維持・改善(14.9%)と販管費の売上比抑制(約6.0%)による営業レバレッジ効果、ならびに営業外の中立(営業外収益1.72億円・費用1.80億円でネットほぼゼロ)が背景。 ステップ4: 粗利率の改善は、採算性の高い案件進捗や原価管理の浸透など構造的要因も示唆される一方、建設進捗や出来高計上の期ズレに左右される一時性も内包するため、完全に持続的とは言い切れない。 ステップ5: 売上成長率(+52.6%)に対し販管費は売上比で低下しており(約6.0%)、短期的には良好だが、資材・労務インフレや下請ひっ迫が続く場合は粗利圧迫・販管費の再上昇リスクに注意。
売上は前年比+52.6%の急伸で、旺盛な建設需要と大型案件の進捗が示唆される。営業利益は+520.9%と大幅増益で、営業利益率は約8.9%(前年約2.2%)へ拡大。純利益も+492.9%で、純利益率は6.4%(前年約1.6%)に改善。営業外は中立、税負担は実効税率30.9%と平常水準。今後の持続性は、受注残の質(採算・工程)、資材・労務コストのトレンド、価格転嫁力、ならびに官公需・民間非住宅の案件ミックスに依存。期中のCFが弱い点は、成長の裏側で運転資本吸収が強まっている可能性を示し、成長の質を見極めるうえで、前受金・未成工事支出金・完成工事未収入金の動向確認が必要。通期は高水準の売上・利益を見込める一方、粗利率の持続と原価見積差異リスクの管理が鍵。
流動比率194.3%、当座比率194.2%と短期流動性は健全。総資産1,547.74億円に対し負債816.84億円、純資産730.89億円で、負債資本倍率1.12倍は許容範囲。短期借入金266億円に対し現金156.17億円、流動資産1,210.91億円・流動負債623.31億円で、満期ミスマッチリスクは低い。長期借入金115億円と合わせた有利子負債は推計381億円、ネット有利子負債は約225億円。インタレストカバレッジ46.18倍で利払い余力は非常に高い。オフバランスの偶発債務(工事保証・瑕疵担保等)は業界上一般的だが、本資料では開示なし。債務償還能力はDebt/EBITDA4.46倍で中立、追加レバレッジには慎重姿勢が望ましい。
営業CFは6.91億円にとどまり、営業CF/純利益は0.12倍と品質面で警戒シグナル(ベンチマーク>1.0倍)。建設業特有の運転資本の振れ(未成工事支出金・完成工事未収入金・前受金等)が主因とみられ、利益計上とキャッシュ回収のタイムラグが顕在化。投資CF・FCFは未記載で持続可能性評価に制約があるが、財務CFは-22.43億円(純返済・配当等)でキャッシュアウト。短期的には、運転資本の改善(出来高に対する回収の前倒し、前受金の確保)がCF正常化の鍵。設備投資の実額未開示のため、維持投資水準と更新投資のバランス確認が必要。運転資本操作の兆候として、売上急増局面での未収増・支払サイト短縮が想定され、次四半期以降の回収進捗を注視。
計算上の配当性向は62.2%と目安の60%をやや上回るため、増配余地は利益成長とCF次第。営業CFが純利益の0.12倍と低く、FCF情報未開示のため、短期的な配当原資は内部留保と借入余力に依存しやすい。ネット有利子負債約225億円、インタレストカバレッジ46倍で財務耐性はあるが、配当の持続性評価には通期のCF創出(運転資本の解放)確認が前提。今期は利益水準が高く、安定配当維持は可能性が高い一方、増配や自己株買いの積極化はCFの裏付けが必要。
ビジネスリスク:
- 資材・労務コスト上昇による粗利率圧迫
- 大口案件の進捗遅延・工期延伸に伴う原価上振れ
- 受注競争激化による見積マージン低下
- 官公需比率の変動や補正予算の不確実性
- サプライチェーン逼迫による納期遅延・コスト増
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.12倍と低水準による短期的キャッシュ創出力の弱さ
- 短期借入金266億円依存によるロールオーバー・金利上昇リスク
- Debt/EBITDA4.46倍のレバレッジ上振れリスク(業況悪化時)
- 大型案件の工事未収金増による運転資本吸収拡大
主な懸念事項:
- 収益のキャッシュ転換の鈍さ(運転資本の重さ)
- ROIC5.8%と資本効率の物足りなさ
- 利益率の改善が一過性(工程・案件ミックス)である可能性
- 原価見積差異・品質是正費用の発生リスク
重要ポイント:
- P/Lは売上・利益とも大幅増、営業・純利益率が大きく改善
- 流動性は厚く、利払い余力は高いが、営業CFは弱く収益品質に課題
- レバレッジは中立~やや高め(Debt/EBITDA4.46倍)で慎重な資本政策が必要
- ROE7.8%、ROIC5.8%と資本効率はなお改善余地
- 通期カタリストは運転資本の解放とCF正常化
注視すべき指標:
- 受注残と採算(粗利率)のトレンド
- 完成工事未収入金・未成工事支出金・前受金の推移(営業CF先行指標)
- 資材・労務コスト指数と価格転嫁進捗
- Debt/EBITDAおよびネット有利子負債の推移
- 配当性向と内部留保の積み上がり
セクター内ポジション:
国内中堅ゼネコンの中で、今期は利益率回復が先行し業界平均を上回る伸長を示す一方、営業CFの弱さが相対的な弱点。財務体質は平均以上の流動性と高い利払い余力で安定的だが、資本効率(ROIC)は上位企業に比べて見劣り。
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