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18602026 第3四半期プライムJGAAP

戸田建設(1860) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益136%増

2026年度第3四半期の売上高は4,602億円(前年同期比+20.9%)、営業利益は283.9億円(同+135.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

戸田建設株式会社

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥4602.1億¥3807.5億+20.9%
営業利益¥283.9億¥120.5億+135.6%
経常利益¥330.8億¥145.6億+127.2%
純利益¥286.1億¥146.5億+95.2%
ROE7.4%4.1%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高4,602.1億円(前年同期比+794.6億円 +20.9%)、営業利益283.9億円(同+163.4億円 +135.6%)、経常利益330.8億円(同+185.2億円 +127.2%)、親会社株主に帰属する純利益286.1億円(同+139.6億円 +95.2%)と、増収大幅増益の業績となった。売上高は3期連続で前年を上回る水準で推移し、営業利益率は6.2%と前年同期の3.2%から3.0pt改善した。特別利益として投資有価証券売却益91.3億円が計上され、当期純利益を押し上げている。

業績変動要因

【売上高】売上高は4,602.1億円(前年比+20.9%)と大幅増収を達成した。セグメント別では、建築2,505.7億円(営業利益188.6億円、利益率7.5%)が最大の売上構成を占め、前年比で工事完成高が増加した。土木917.2億円(営業利益19.9億円、利益率2.2%)、国内投資開発305.9億円(営業利益30.9億円、利益率10.1%)、海外グループ会社530.2億円(営業利益61.2億円、利益率11.5%)が寄与した。国内投資開発は前年の売上高47.5億円から305.9億円へ6.4倍に急拡大し、海外も前年365.6億円から+45.0%増と高成長を示した。【損益】売上原価は3,934.5億円で売上総利益667.5億円(粗利率14.5%)を確保した。販管費は383.7億円(販管費率8.3%)で前年から増加したものの、増収効果により営業利益は283.9億円(営業利益率6.2%)と前年120.5億円から+135.6%の大幅改善となった。営業外収益では受取配当金43.1億円、受取利息9.0億円、為替差益10.2億円が加わり、営業外費用の支払利息19.6億円を控除後、経常利益は330.8億円(前年比+127.2%)となった。特別利益として投資有価証券売却益91.3億円が計上される一方、特別損失は2.6億円にとどまり、税引前利益は421.3億円に達した。法人税等135.2億円を控除し、親会社株主に帰属する純利益は286.1億円(前年比+95.2%)となった。経常利益330.8億円と純利益286.1億円の差は主に投資有価証券売却益という一時的要因と税負担によるものである。結論として、増収大幅増益であり、営業段階の収益力改善と一時的特別利益が純利益を押し上げた。

セグメント別分析

建築セグメントは売上高2,505.7億円(構成比54.4%)、営業利益188.6億円(利益率7.5%)で主力事業としての地位を占める。前年比では建築の営業利益が前年124.7億円から+51.2%増加し、全社営業利益の66.4%を占める収益源となっている。土木は売上高917.2億円、営業利益19.9億円(利益率2.2%)で前年の営業利益51.6億円から減少した。国内投資開発は売上高305.9億円、営業利益30.9億円(利益率10.1%)と高利益率を維持し、前年の営業損失から大きく黒字転換した。海外グループ会社は売上高530.2億円、営業利益61.2億円(利益率11.5%)で前年営業利益2.2億円から大幅拡大し、収益多角化に貢献している。環境・エネルギーは売上高16.7億円、営業損失11.0億円と赤字が継続しており、収益化が課題である。セグメント間では建築と海外グループ会社が高い利益率を示し、土木の利益率低下と環境・エネルギーの赤字が対照的である。

主要財務指標

【収益性】ROE 7.4%(前年度7.9%から微減)、営業利益率6.2%(前年同期3.2%から+3.0pt改善)、純利益率6.2%(前年同期3.8%から+2.4pt改善)。【キャッシュ品質】現金及び預金588.1億円(前年同期829.6億円から-29.1%減少)、有価証券25.7億円を含む流動資産5,072.3億円に対し流動負債3,770.6億円で短期負債カバレッジ1.3倍。現金/短期負債比率は1.24倍で前年から低下した。【投資効率】総資産回転率0.46回転(年換算0.61回転)、ROIC 3.9%(戸田建設推計値)は資本効率の改善余地を示唆する。【財務健全性】自己資本比率38.5%(前年38.2%から微増)、流動比率134.5%、負債資本倍率1.60倍。有利子負債は短期借入金474.6億円、長期借入金1,176.2億円、社債630.5億円で合計1,651.0億円、現預金対比で正味有利子負債は1,062.9億円となる。インタレストカバレッジ(営業利益/支払利息)は14.5倍と利払余力は十分である。

キャッシュフロー分析

現金預金は前年同期829.6億円から588.1億円へ-241.5億円(-29.1%)減少した。流動資産では完成工事未収入金3,197.5億円が大きく、受注回収のタイミングが資金動向に影響する構造にある。短期借入金は前年同期655.7億円から474.6億円へ-181.2億円減少し、借入構成の短期圧縮が進んだ。長期借入金は前年1,142.9億円から1,176.2億円へ+33.3億円増加しており、資金調達を長期化した可能性がある。流動負債は前年3,717.6億円から3,770.6億円へ+53.0億円増加し、固定負債は前年1,986.1億円から2,432.8億円へ+446.7億円増加した。短期負債に対する現金カバレッジは1.24倍で前年の1.56倍から低下したが、流動比率134.5%は健全水準を維持している。投資CFでは投資有価証券が前年2,209.8億円から2,098.6億円へ-111.2億円減少し、特別利益の投資有価証券売却益91.3億円と整合する。財務構成では社債630.5億円(1年内償還社債100.5億円含む)が前年から増加し、資金調達の多様化が窺える。現金減少の主因は投資・配当・借入返済等の支出と受注回収タイミングによるもので、営業増益にもかかわらず現金残高が減少した点は運転資本管理の精緻化を要する。

収益の質

経常利益330.8億円に対し営業利益283.9億円で、非営業純増は約46.9億円である。内訳は営業外収益70.9億円(受取配当金43.1億円、受取利息9.0億円、為替差益10.2億円が主体)から営業外費用24.0億円(支払利息19.6億円等)を控除したものである。営業外収益は売上高の1.5%を占め、受取配当金と受取利息の合計52.1億円が安定的な金融収益として貢献している。特別利益93.1億円のうち投資有価証券売却益91.3億円が一時的要因として当期純利益を押し上げており、経常ベースの収益力とは区別して評価すべきである。営業CFデータが開示されていないため営業CF/純利益比率による収益の現金裏付けは算出できないが、現金預金の減少(-29.1%)と完成工事未収入金の大きさ(3,197.5億円)は、利益計上と現金回収にタイムラグが存在することを示唆する。包括利益444.5億円には為替換算調整額-24.8億円、有価証券評価差額金+181.6億円が含まれ、その他包括利益が当期純利益を上回っている。結論として、営業利益の改善は評価できるものの、純利益の大幅増加には投資有価証券売却という非反復的要因が寄与しており、持続的な収益力は営業段階の実力と営業CF回復で判断する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高6,300.0億円、営業利益315.0億円、経常利益357.0億円、親会社株主に帰属する純利益290.0億円である。第3四半期累計実績に対する進捗率は、売上高73.0%、営業利益90.1%、経常利益92.7%、純利益98.7%となる。標準進捗率(Q3累計=75%)と比較すると、売上高は標準をやや下回るが、営業利益以下は標準を大きく上回る高進捗である。純利益進捗率98.7%は第3四半期時点で通期予想をほぼ達成しており、投資有価証券売却益等の一時的要因が計画前倒しで実現した可能性がある。下期(Q4単独)では売上高1,697.9億円、営業利益31.1億円、経常利益26.2億円、純利益3.9億円の追加積み上げを見込む計算となり、下期の営業利益率は1.8%へ低下する前提である。この進捗率から、通期予想達成は射程内にあるものの、下期の利益率低下を織り込んだ保守的な見通しと評価できる。EPS予想96.62円に対し第3四半期累計実績94.37円(進捗率97.7%)で、年間配当予想25.0円(配当性向25.9%)は持続可能な範囲にある。

株主還元

年間配当予想は25.0円(中間配当14.5円、期末配当10.5円)で、前年配当25.0円と同額である。通期予想純利益290.0億円に対する配当性向は25.9%、第3四半期累計純利益286.1億円に対する実績配当性向は約26.2%となる。配当総額は約75億円(発行済株式数から自己株式を除く300,205千株×25円)で、現金預金588.1億円に対する配当総額比率は12.8%である。自社株買いに関する開示はないため配当のみの還元であり、総還元性向は配当性向と同じ25.9%である。配当性向は建設業として標準的な水準にあり、現預金残高と営業増益の実績から配当の持続性は確保されていると評価できる。ただし営業CFの開示がないため、キャッシュベースでの配当カバレッジは確認できず、受注回収と営業CFの回復が配当の長期持続性を左右する。

リスク要因

  1. 完成工事未収入金3,197.5億円(総資産の31.7%)の回収タイミングリスク: 受注型ビジネスで工事進捗と回収にタイムラグがあり、現金預金が前年比-29.1%減少した背景には回収サイクルの変動が影響している可能性がある。受注残高や工事進行基準の適用状況により短期流動性が変動するリスクがある。
  2. 粗利率14.5%の低位と原価上昇リスク: 建設業の業種中央値と比較しても粗利率が低く、資材価格・人件費の上昇が利益率をさらに圧迫する可能性がある。営業利益率6.2%の改善は評価できるが、原価管理の持続性が重要である。
  3. 一時的利益への依存リスク: 投資有価証券売却益91.3億円が純利益の約32%を占め、経常的な収益力との乖離がある。特別利益は非反復的であり、次年度以降の利益水準が経常ベースへ回帰する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)建設業種(n=4、2025年Q3中央値)との比較では、収益性面で営業利益率6.2%は業種中央値4.1%(IQR: 1.9%〜5.8%)を上回り、純利益率6.2%も業種中央値2.8%(IQR: 1.3%〜4.0%)を大きく上回る。ROE 7.4%は業種中央値3.7%(IQR: 1.7%〜6.6%)を上回り、業種内では相対的に高い収益性を示す。売上高成長率+20.9%は業種中央値-3.5%(IQR: -13.7%〜+6.2%)を大幅に上回り、業種内で最も高い成長を達成している。健全性面では自己資本比率38.5%は業種中央値60.5%(IQR: 56.2%〜67.8%)を大きく下回り、財務レバレッジが高い構造にある。流動比率134.5%は業種中央値207%(IQR: 190%〜318%)を下回るものの、短期支払能力は確保されている。ネットデット/EBITDA倍率は業種中央値2.31(IQR: 0.06〜11.12)と幅があるが、当社の有利子負債1,651.0億円に対しEBITDA推計値(営業利益+減価償却費)は十分なカバレッジを示す。総資産利益率(ROA)は2.8%で業種中央値2.2%(IQR: 1.0%〜3.6%)を上回る。結論として、戸田建設は建設業種内で高い収益性と成長性を示すが、自己資本比率の低さと流動比率の相対的低位が財務健全性の課題である。(業種: 建設業、比較対象: 2025年Q3決算期、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下の通り。1)営業利益率6.2%への改善と主力建築セグメントの収益拡大: 前年同期3.2%から3.0pt改善し、建築セグメントが営業利益の66.4%を占める収益構造が確立された。海外グループ会社の高利益率(11.5%)も収益多角化に寄与しており、構造的な収益力改善の兆しがある。2)投資有価証券売却益91.3億円の一時的押上げ効果: 純利益の約32%を占める一時的要因であり、経常ベースの収益力とは区別して評価する必要がある。包括利益には有価証券評価差額金+181.6億円も含まれ、保有有価証券の評価益が資本蓄積に貢献している。3)現金預金の大幅減少(-29.1%)と受注回収サイクルの管理: 営業増益にもかかわらず現金が減少した背景には、完成工事未収入金3,197.5億円の大きさと回収タイミングの影響がある。短期借入金の圧縮(-27.6%)と長期借入金の増加(+2.9%)により借入構成を長期化しており、流動性管理が重要なモニタリングポイントとなる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q3累計は、完成工事高の増加と採算改善を軸に、売上高・営業利益ともに大幅増益となった。売上高は4,602.06億円で前年同期比20.9%増加した。営業利益は283.86億円で同135.6%増加し、売上高の伸びを大きく上回った。経常利益は330.79億円で同127.2%増加した。親会社株主に帰属する四半期純利益は283.23億円で同101.5%増加した。粗利益率は14.5%となり、前年同期の12.3%から約219bp改善した。営業利益率は6.2%となり、前年同期の3.2%から約301bp上昇した。経常利益率は7.2%となり、前年同期の3.8%から約337bp改善した。純利益率は6.2%となり、前年同期の3.7%から約246bp拡大した。営業増益の主因は、建築セグメントの利益増加、国内投資開発事業の黒字転換、および海外グループ会社の収益改善である。建築のセグメント利益は188.60億円と前年同期比51.2%増加した。海外グループ会社のセグメント利益は61.24億円と前年同期の2.20億円から大幅に拡大した。一方、土木セグメント利益は19.95億円と前年同期比61.3%減少しており、主力建築以外の採算動向には濃淡がある。税引前利益421.26億円には投資有価証券売却益91.28億円を中心とする特別利益93.06億円が含まれており、純利益の一部は非経常的要因に支えられている。営業外収益70.90億円のうち受取配当金は43.09億円であり、政策保有を含む投資有価証券2,098.62億円からの収益も経常利益を支えた。年換算ROEは9.7%で、収益性の改善を反映しているが、一般的な優良基準である15%にはなお距離がある。通期会社予想に対するQ3累計の進捗率は売上高73.0%、営業利益90.1%、経常利益92.7%、純利益97.7%であり、利益面は計画を上回る進捗である。もっとも、純利益進捗には投資有価証券売却益の寄与があるため、通期の上振れ余地は工事採算および海外・投資開発事業の再現性で評価する必要がある。品質アラートである粗利益率14.5%は20%未満であり、建設業の工事原価構造を反映する水準ではあるものの、資材費・労務費・外注費の上昇や不採算工事発生に対する利益感応度が残る。

収益性分析

デュポン分析では、年換算ROE 9.7%は、純利益率6.2%×総資産回転率0.608回×財務レバレッジ2.60倍に分解される。ROEを支える最大の改善要因は、資産回転やレバレッジよりも純利益率、特に営業利益率の約301bp改善である。売上原価率は前年同期の87.7%から85.5%へ約219bp低下し、売上拡大に加えて完成工事の採算が改善したことを示す。営業利益は163.38億円増加した一方、販管費は348.35億円から383.68億円へ10.1%増にとどまり、売上高20.9%増を下回ったため、営業レバレッジが有効に作用した。建築は売上高2,505.70億円、セグメント利益188.60億円、利益率7.5%であり、前年同期の4.7%から大幅に改善した主力事業である。土木は売上高917.25億円、セグメント利益19.95億円、利益率2.2%であり、前年同期の5.6%から低下した。国内投資開発は売上高305.92億円、セグメント利益30.92億円、利益率10.1%となり、前年同期の16.18億円の損失から黒字転換した。国内グループ会社は売上高441.83億円、セグメント利益13.41億円、利益率3.0%で、前年同期の5.2%から低下した。海外グループ会社は売上高530.24億円、セグメント利益61.24億円、利益率11.6%となり、収益性の最も高いセグメントとなった。環境・エネルギーは売上高16.72億円に対し11.00億円のセグメント損失であり、損益改善の阻害要因である。CFA5因子では税負担係数は0.672で、実効税率32.1%に対応する。税引前利益には投資有価証券売却益91.28億円が含まれるため、年換算ROEおよび純利益率には非経常的な押上げが含まれる。金利負担係数1.484は、営業外の受取配当金・為替差益および特別利益が支払利息を上回る収益構造を表しており、財務コスト負担の重さを示すものではない。低粗利警告の根本原因は、建設請負が材料費、労務費、外注費を多く含む原価集約型の事業である点にある。粗利益率は前年同期から改善しているため短期的には改善傾向だが、20%未満という水準は工事原価の変動が営業利益に及ぼす影響の大きさを意味し、投資判断上は建築・土木別の採算維持を継続監視する必要がある。

成長性評価

売上高の増収は、建築の外部売上高が2,499.58億円と前年同期比14.0%増加したことに加え、海外グループ会社が530.24億円と45.1%増加し、国内投資開発が289.91億円と510.0%増加したことが牽引した。完成工事高は4,093.95億円で前年同期比12.0%増加し、連結売上の拡大を支えた。建築の利益成長は主力事業としての収益力回復を示す一方、土木利益の減少は工種別・案件別の採算差を示唆する。国内投資開発の黒字転換と海外事業の大幅増益は成長ドライバーであるが、建設請負より案件性・市況影響を受けやすい可能性があり、持続性は今後の利益率で確認を要する。環境・エネルギーの赤字継続はポートフォリオ内の改善課題である。会社通期予想は売上高6,300.00億円、営業利益315.00億円、経常利益357.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益290.00億円である。Q3累計の売上高進捗率73.0%は季節性を考慮した標準進捗75%を約2ポイント下回る。これに対して営業利益進捗率90.1%は標準を約15ポイント、経常利益進捗率92.7%は約18ポイント、純利益進捗率97.7%は約23ポイント上回る。営業・経常利益の高進捗は採算改善を示すが、純利益の高進捗には投資有価証券売却益を含む特別利益の寄与があり、これを経常的な収益力として外挿すべきではない。未成工事受入金は731.40億円、未成工事支出金は280.94億円で、未成工事勘定では前受超過の構造にある。

財務健全性

流動比率は134.5%、当座比率も134.5%であり、流動資産5,072.34億円が流動負債3,770.64億円を1,301.70億円上回る。流動比率は150%の健全目安には届かないものの、100%を明確に上回っており、短期的な満期ミスマッチは限定的である。現金預金588.07億円は短期借入金474.56億円の1.24倍であり、短期借入金に対する現金カバーは確保されている。有利子負債は1,650.76億円、Debt/Capital比率は29.8%で、40%未満の投資適格目安に収まる。負債資本倍率は1.60倍であり、2.0倍超の積極的レバレッジ警戒水準には達していない。インタレストカバレッジは14.49倍と強く、支払利息19.59億円に対する営業利益の余力は十分である。前年同期比では、現金預金が241.57億円減少して588.07億円となった一方、短期借入金は181.16億円減少して474.56億円となっており、短期資金の縮小を伴う資金構成の調整がみられる。長期借入金は1,176.20億円で、資金調達は長期負債にも依存する構成である。完成工事未収入金は3,197.45億円と総資産の31.7%を占め、建設業として請求・回収管理が流動性の重要な規定要因となる。未成工事受入金731.40億円は未成工事支出金280.94億円を450.46億円上回り、進行中工事に関する前受資金が運転資金を補完している。投資有価証券は2,098.62億円で総資産の20.8%を占め、純資産に対しても大きい。含み益・評価差額の変動は純資産および包括利益の変動要因となり得る。のれんは15.26億円、純資産比0.4%にとどまり、M&A由来の資産価値への依存度は低い。無形固定資産も総資産比1.2%であり、無形資産集中リスクは限定的である。

B/S変動のポイント

現金預金: △241.57億円(前年同期比△29.1%)- 現金残高は588.07億円へ減少した。ただし短期借入金も減少しており、短期資金の圧縮を伴う変動である。完成工事未収入金の回収と進行工事の資金収支を監視する必要がある。短期借入金: △181.16億円(前年同期比△27.6%)- 474.56億円へ減少。現金/短期借入金は1.24倍であり、短期負債に対する現金カバーは維持されている。のれん: △5.96億円(前年同期比△28.1%)- 15.26億円へ減少。JGAAPにおけるのれん償却の影響を反映する動きであり、純資産比0.4%と残高は小さい。

キャッシュフロー品質

配当持続性

Q2配当は1株当たり20.00円であり、開示された累計配当性向は22.8%である。これは配当金のみを親会社株主に帰属する利益で除した比率であり、自社株買いを含む総還元性向とは区別される。通期会社予想の年間配当45.00円と予想EPS96.62円に基づく予想配当性向は約46.6%で、60%未満の持続可能性目安の範囲にある。Q3累計の親会社株主に帰属する利益は283.23億円と通期予想290.00億円の97.7%に達しており、現時点の利益進捗は年間配当の利益面での裏付けとなる。もっとも、Q3累計利益には投資有価証券売却益91.28億円が含まれるため、配当余力の評価では工事利益および経常利益の継続性を重視すべきである。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:建築が最大の利益貢献事業であるため、資材価格、労務費、外注費の上昇、固定価格案件の原価超過、工期遅延が連結利益に大きく影響する。粗利益率14.5%は前年同期比で改善したものの、原価変動に対する利益感応度は残る。、高優先度:土木セグメント利益は前年同期の51.56億円から19.95億円へ61.3%減少した。大型案件の採算、工事進捗、設計変更または原価上昇により、工種間で収益性が大きく変動するリスクが示されている。、中優先度:海外グループ会社は売上高45.1%増、セグメント利益61.24億円へ急拡大したが、海外不動産・ホテル等を含む事業では現地景気、為替、金利、物件需給および運営コストの変動リスクを負う。、中優先度:環境・エネルギーは11.00億円のセグメント損失であり、事業規模が小さい一方で継続赤字がポートフォリオの収益性を希薄化する。、中優先度:建設業固有の人手不足・技能労働者の高齢化、建設資材価格変動、天候・自然災害による工期遅延、安全・品質に係る追加費用は、完成工事採算と売上計上時期を左右する。が挙げられます。

財務リスクとしては、中優先度:完成工事未収入金3,197.45億円は総資産の31.7%を占める。発注者の支払遅延や検収の遅れは、現金預金588.07億円を上回る規模の運転資金負担につながり得る。、中優先度:投資有価証券2,098.62億円は総資産の20.8%を占め、投資有価証券売却益91.28億円が当期税引前利益を押し上げた。株価変動は包括利益、純資産および将来の売却益の再現性に影響する。、低優先度:有利子負債1,650.76億円は存在するが、Debt/Capital比率29.8%、インタレストカバレッジ14.49倍、現金/短期借入金1.24倍であり、現時点の利払い・借換え余力は良好である。が挙げられます。

主な懸念事項としては、営業利益の大幅増益は評価できるが、税引前利益から純利益にかけては投資有価証券売却益を含む特別利益純額90.47億円の影響を受けるため、利益の経常性を区分して評価する必要がある。、現金預金は前年同期比29.1%減少した。短期借入金も27.6%減少しているため一律に悪化とはいえないが、未収入金の回収と進行工事の前受金の維持が資金余力を左右する。、のれんは前年同期比28.1%減少して15.26億円となった。純資産比0.4%と小さく減損リスクは限定的だが、JGAAPの償却により利益が押し下げられる構造である。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高20.9%増に対して営業利益135.6%増となり、粗利益率および販管費効率の改善による営業レバレッジが確認できる。、主力の建築はセグメント利益188.60億円、利益率7.5%へ改善し、連結増益の中核である。、土木の減益、環境・エネルギーの赤字、海外・投資開発の高い利益変動性は、事業別の収益安定性を評価する上での焦点となる。、通期利益予想に対する進捗は高いが、投資有価証券売却益を除く経常的な工事採算の持続性が重要である。、流動性、利払い能力および資本構成は概ね安定的であり、のれん負担も軽い。が挙げられます。

注視すべき指標は、建築・土木別の完成工事総利益率および工事損失引当金、完成工事未収入金3,197.45億円の回収および未成工事受入金731.40億円の推移、土木セグメントの利益率回復と環境・エネルギー事業の赤字縮小、海外グループ会社の売上・利益率、為替差益および海外不動産市況、投資有価証券の評価差額、売却益への依存度および政策保有株式の資本効率、現金預金588.07億円、短期借入金474.56億円、有利子負債1,650.76億円の推移、通期営業利益315.00億円に対する工事採算ベースの達成度です。

セクター内ポジションについては、年換算ROE 9.7%と純利益率6.2%は一定の収益性を示すが、一般的な優良基準であるROE15%、営業利益率15%には届かない。一方、Debt/Capital比率29.8%、インタレストカバレッジ14.49倍、のれん/純資産0.4%は、資本構成とM&A資産リスクの面で保守的な位置付けである。