| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥6457.4億 | ¥5866.6億 | +10.1% |
| 営業利益 | ¥382.1億 | ¥266.4億 | +43.5% |
| 経常利益 | ¥439.8億 | ¥290.9億 | +51.2% |
| 純利益 | ¥309.0億 | ¥243.8億 | +26.7% |
| ROE | 7.7% | 6.9% | - |
2026年3月期決算は、売上高6,457億円(前年比+591億円 +10.1%)、営業利益382億円(同+116億円 +43.5%)、経常利益440億円(同+149億円 +51.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益310億円(同+65億円 +26.7%)と、大幅な増収増益を達成した。売上は2期連続増収で、営業利益率は5.9%(前年4.5%)と+1.4pt改善。完成工事総利益率が13.6%(前年12.1%)へ+1.5pt拡大したことが主因。粗利率は14.3%(前年12.9%)と+1.4pt改善し、販管費率8.4%(前年8.4%)を抑制する中で営業レバレッジが発現。経常利益は営業外収益89億円(受取配当45億円、為替差益16億円含む)が寄与して大幅増益。純利益段階では特別利益102億円(投資有価証券売却益95億円)を計上する一方、減損損失27億円を計上し、税引前利益503億円から純利益310億円へ圧縮。営業CFは625億円(前年264億円から+136.5%)と大幅改善し、フリーCF420億円を確保。配当は年58円で配当性向35.9%、自社株買い70億円を実施し株主還元を強化した。
【売上高】 売上高6,457億円(+10.1%)は、建設(建築+土木)セグメント3,626億円(+1.2%)が主軸で全体の56%を占め、海外グループ会社677億円(+18.7%)、国内グループ会社679億円(+16.6%)が成長を牽引した。国内投資開発は334億円(-30.0%)と大幅減収となり不動産市況の調整を反映。完成工事売上は5,872億円(+11.6%)と堅調に推移し、未成工事受入金は702億円(前年末587億円、+19.5%)へ増加、案件の進捗と受注残の積み上がりを示唆。エンジニアリング1,279億円(+0.5%)は横ばいで伸び悩み、環境・エネルギー34億円(+261.5%)は売上規模は小さいが高成長。売上構成では完成工事が91%を占め、建設業の典型的な事業構造を維持。
【損益】 営業利益382億円(+43.5%)は、完成工事総利益の拡大(799億円、前年639億円、+25.0%)と販管費の抑制(540億円、前年492億円、+9.7%)の組み合わせで実現。完成工事総利益率13.6%(前年12.1%)の改善は、建設セグメントの営業利益270億円(+62.8%)が牽引し、建築・土木の工事採算改善と大型案件の正常化が寄与。海外グループ会社は営業利益56億円(+449.1%)と急拡大し、営業利益率8.3%と全社平均を大きく上回る高採算事業に成長。一方、エンジニアリングは営業利益46億円(-42.9%)と利益率3.6%へ低下し、国内投資開発は21億円(-63.0%)と減損の影響で大幅減益。環境・エネルギーは営業損失13億円と赤字が継続。営業外では受取配当45億円、受取利息12億円、為替差益16億円などで営業外収益89億円を計上し、営業外費用32億円(支払利息26億円含む)を差し引き経常利益440億円(+51.2%)を達成。特別損益は投資有価証券売却益95億円が寄与する一方、減損損失27億円を計上し純額63億円のプラス。税引前利益503億円から法人税等127億円を控除し、非支配株主分を差し引き親会社株主帰属利益310億円(+26.7%)。結論として、建設主力の大幅増益と海外子会社の高成長による増収増益を達成したが、エンジニアリング・環境エネルギー・国内投資開発の課題が残る局面。
建設セグメント(建築+土木)は売上3,626億円(+1.2%)、営業利益270億円(+62.8%)と営業利益率7.4%で、前年の4.5%から大幅改善。完成工事総利益率の改善と工事採算の正常化が主因。エンジニアリングは売上1,279億円(+0.5%)、営業利益46億円(-42.9%)と利益率3.6%へ低下し、前年の6.3%から悪化。原価環境の厳しさと案件採算の低下が響いた。国内投資開発は売上334億円(-30.0%)、営業利益21億円(-63.0%)と利益率6.2%で、前年の11.7%から大幅悪化。減損損失22億円の計上が利益を圧迫した。国内グループ会社は売上679億円(+16.6%)、営業利益28億円(-8.8%)と利益率4.1%で、売上拡大に利益が追いつかず。海外グループ会社は売上677億円(+18.7%)、営業利益56億円(+449.1%)と利益率8.3%で、海外案件の高採算化と事業規模拡大が顕著。環境・エネルギーは売上34億円(+261.5%)、営業損失13億円と利益率-38.0%で、売上拡大にもかかわらず赤字継続。建設と海外グループが全社利益を牽引し、国内投資開発とエンジニアリングの立て直しが今後の課題。
【収益性】営業利益率5.9%(前年4.5%、+1.4pt改善)、純利益率4.8%(前年4.2%、+0.6pt改善)と収益性は向上。完成工事総利益率13.6%(前年12.1%、+1.5pt改善)が主因で、販管費率8.4%(前年8.4%、横ばい)を維持。ROE7.7%は前年7.3%からやや改善し、過去3年平均7.5%程度と推定。【キャッシュ品質】営業CF625億円は純利益310億円の2.02倍と高品質で、OCF/EBITDA1.28倍(EBITDA=営業利益382億円+減価償却104億円=486億円)と良好。アクルーアル比率-2.5%と低く、キャッシュ転換力は高い。【投資効率】総資産回転率0.65回(売上6,457億円/平均総資産9,610億円)と重厚長大型の建設業として標準的。ROIC推定6.3%(NOPAT約262億円/投下資本4,170億円)で、WACC推定2.5%程度を上回り価値創造を実現。【財務健全性】自己資本比率40.4%(前年38.3%、+2.1pt改善)、Debt/Equity0.50倍(有利子負債2,039億円/自己資本4,032億円)と安全性は高い。Debt/EBITDA4.2倍とやや高めだが、インタレストカバレッジ14.7倍(営業CF625億円/支払利息26億円、営業利益ベースでは14.7倍)と利払い耐性は強固。流動比率136%(流動資産4,794億円/流動負債3,517億円)と流動性は十分。
営業CF625億円は前年264億円から+136.5%と大幅改善。営業CF小計753億円(運転資本変動前)に対し、運転資本は売上債権増加-25億円、仕入債務増加+120億円、前受金(未成工事受入金)増加+119億円、販売用不動産減少+133億円、未成工事支出金増加-103億円などで純増115億円のキャッシュ流入に寄与。法人税等支払-159億円、利息・配当受取56億円、利息支払-25億円を反映し、営業CF625億円を確保。投資CFは-205億円で、設備投資-272億円(減価償却104億円の2.6倍)と成長投資を積極化する一方、投資有価証券売却+139億円が部分的に相殺。子会社株式取得-71億円、事業譲渡-13億円などM&A関連投資も実施。フリーCF420億円(営業CF625億円+投資CF-205億円)は前年-347億円から大幅改善し、配当-108億円、自社株買い-70億円の株主還元を十分にカバー。財務CFは-438億円で、長期借入による調達+180億円、短期借入返済-167億円、社債償還-102億円で純返済を進め、配当と自己株式取得で株主還元を実施。現金同等物は期末846億円(期首861億円、-15億円)と微減だが、潤沢な流動性を維持。
収益の質は、経常利益440億円の構成要素として本業(営業利益382億円)が87%を占め、営業外収益89億円(受取配当45億円、受取利息12億円、為替差益16億円等)が13%を占める構造。営業外収益のうち受取配当と受取利息は安定的で、為替差益は市況連動だが過度に依存しておらず、持続性は高い。特別損益は投資有価証券売却益95億円が純利益を押し上げる一時的要因で、減損損失27億円を差し引き純額63億円のプラス。経常利益と純利益の乖離(経常440億円に対し純利益310億円)は、特別利益の貢献と法人税等127億円の控除に起因し、持続的収益力は経常段階の440億円を基準とするのが妥当。アクルーアル比率-2.5%(営業CF625億円-純利益310億円=315億円、純利益比で約1.0倍)と低く、営業CFが純利益を大きく上回るため、利益の現金裏付けは強固。包括利益658億円は純利益310億円を大きく上回り、その他包括利益283億円(有価証券評価差額金241億円、退職給付調整額37億円等)が寄与。有価証券評価差額の拡大は株式市況の好転を反映し、自己資本の積み上がりを支える。総じて、経常段階の収益は安定的で、特別損益の変動を除けば持続性は高いが、来期予想では特別益の反動減を織り込み経常利益400億円(-9.1%)と保守的に設定している。
通期予想は売上高7,530億円(前年比+16.6%)、営業利益390億円(同+2.1%)、経常利益400億円(同-9.1%)、親会社株主帰属利益350億円(同+8.4%)。売上は2桁成長を見込む一方、営業利益は横ばい圏で営業利益率5.2%(当期5.9%)へ低下を前提。経常利益の減益は、当期の営業外収益(投資有価証券売却益等)の反動減と営業外費用の平準化を織り込む。純利益は特別損益の正常化を前提に微増を見込む。進捗率は売上85.8%(5,866億円→6,458億円/7,530億円)、営業利益98.0%(266億円→382億円/390億円)、経常利益110.0%(291億円→440億円/400億円)と、経常段階で既に通期予想を達成し、営業利益も進捗率98%と保守的な設定。配当予想は年30円(当期58円)と大幅減額で、通期ベースでの保守姿勢を反映。期中の上方修正や追加還元の余地は大きく、通期見通しは慎重なスタンスを維持。
配当は年58円(中間20円、期末38円)で配当性向35.9%(親会社株主帰属利益310億円ベース)。前年配当14.5円から大幅増配し、フリーCF420億円に対し配当総額108億円でFCFカバレッジ3.9倍と余裕がある。自社株買いは70億円を実施し、配当と合わせた総還元額178億円、総還元性向は約57%(178億円/310億円)。自己株式は期末発行済み株式数3.18億株のうち2,197万株(6.9%)を保有。来期配当予想は年30円と当期比-48%の大幅減額だが、EPS予想118.23円ベースで配当性向25.4%と保守的設定。業績次第では増配余地があり、FCFカバレッジも持続可能な水準。株主還元方針は配当性向30~40%程度を目安に、機動的な自己株式取得を組み合わせる資本配分を実施しており、配当の持続性とキャッシュ創出力は良好。
工事採算リスク: 未成工事支出金244億円(前年141億円、+73.0%)と仕掛工事が増加する中、工事損失引当金30億円(前年41億円、-27.8%)は減少したが、大型案件の固定価格契約比率の上昇や資材・人件費の上振れにより工事採算が悪化すれば、損失引当金の追加計上と利益率の低下リスクが顕在化する。完成工事総利益率13.6%は改善したが、国内投資開発セグメントでの減損損失27億円の発生事例もあり、案件別の採算管理と引当水準のモニタリングが必要。
レバレッジリスク: Debt/EBITDA4.2倍とやや高めで、有利子負債2,039億円(短期借入528億円、長期借入1,137億円、社債630億円)に対し、インタレストカバレッジ14.7倍と利払い耐性は強いが、利益後退局面でのレバレッジ上昇リスクが残る。固定負債比率60.4%(固定負債2,435億円/自己資本4,032億円)と固定長期適合率64.9%(固定資産5,191億円/(自己資本4,032億円+固定負債2,435億円))で適正範囲だが、営業CF625億円からの持続的な有利子負債削減ペースと金利上昇時の耐性を注視する必要がある。
セグメント収益性リスク: 国内投資開発セグメントは営業利益率6.2%(前年11.7%)、エンジニアリング3.6%(前年6.3%)、環境・エネルギーは営業損失-13億円(赤字継続)と、主力建設以外のセグメントで収益力低下が顕著。国内投資開発では減損損失22億円を計上し、販売用不動産468億円(前年594億円、-21.2%)の在庫圧縮が進む中、市況悪化時の評価損リスクが残存。エンジニアリングは売上横ばいで利益半減し、環境・エネルギーは売上拡大にもかかわらず赤字域で、これらセグメントの立て直しが遅れれば全社ROE7.7%の改善ペースが鈍化するリスクがある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.9% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +0.4pt |
| 純利益率 | 4.8% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +1.3pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、建設業界の中で収益性は上位に位置する。完成工事総利益率の改善と海外高採算案件の寄与が業界比較での優位性を支える。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 10.1% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | +0.2pt |
売上成長率は業種中央値並みで、建設需要の回復局面において標準的な成長ペースを維持。海外グループ会社の高成長が全社成長を下支えしている。
※出所: 当社集計
建設主力の採算改善と海外高マージンの拡大により、営業利益率5.9%(前年4.5%、+1.4pt)、純利益率4.8%(前年4.2%、+0.6pt)と収益性が向上。完成工事総利益率13.6%(前年12.1%、+1.5pt)の改善が主因で、海外グループ会社の営業利益率8.3%が全社マージンを押し上げる構造が定着。今後も海外高採算案件の比率上昇と国内大型案件の採算管理徹底が、ROE7.7%から8%台への押し上げに寄与する可能性。
営業CF625億円(純利益の2.02倍)とキャッシュ創出力が強化され、フリーCF420億円で配当108億円と自社株買い70億円の総還元178億円を賄い、総還元性向57%と株主還元と成長投資を両立。Debt/EBITDA4.2倍とレバレッジはやや高めだが、インタレストカバレッジ14.7倍と利払い耐性は強く、営業CF拡大ペースが継続すれば有利子負債の圧縮余地は大きい。来期予想は経常利益400億円(-9.1%)と保守的だが、進捗率110%で既達しており上方修正余地を残す。
国内投資開発(営業利益率6.2%、前年11.7%)とエンジニアリング(同3.6%、前年6.3%)の収益力低下、環境・エネルギーの赤字継続(営業損失13億円)が全社ROE押し上げの阻害要因。国内投資開発では減損損失27億円を計上し、販売用不動産468億円の在庫リスクが残存。今後のモニタリングポイントは、赤字セグメントの黒字化ペース、完成工事総利益率の持続性、受注残高と受注残/売上高比率(前受金702億円の推移)、工事損失引当金の動向、Debt/EBITDAの改善ペース。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。