| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2309.7億 | ¥2182.0億 | +5.9% |
| 営業利益 | ¥138.2億 | ¥56.7億 | +143.9% |
| 経常利益 | ¥219.6億 | ¥64.1億 | +242.4% |
| 純利益 | ¥170.2億 | ¥50.3億 | +238.6% |
| ROE | 9.1% | 2.9% | - |
2026年3月期第3四半期累計(9ヶ月)は、売上高2,309.7億円(前年比+127.7億円 +5.9%)、営業利益138.2億円(同+81.5億円 +143.9%)、経常利益219.6億円(同+155.5億円 +242.4%)、親会社株主に帰属する純利益170.2億円(同+119.9億円 +238.6%)と、増収大幅増益を達成。売上は堅調に拡大し、営業利益は前年の2.4倍超に急伸。経常利益・純利益は営業外収益と特別利益の寄与で3倍超の増益。EPS421.96円(前年183.54円から+129.9%)と1株あたり利益も大幅改善。粗利率12.9%と低位だが販管費抑制で営業利益率6.0%(前年2.6%から+3.4pt)へ改善。営業外収益91.5億円(受取配当金14.3億円・持分法投資利益59.3億円含む)と特別利益18.3億円(投資有価証券売却益17.8億円)が利益押上げに寄与。総資産4,231.9億円(前年比+297.2億円)、純資産1,880.2億円(同+155.7億円)で自己資本比率44.4%。現金預金は164.8億円(前年287.1億円から-42.6%)と減少し、短期借入金365.0億円を含む短期負債比率59.3%で流動性には注意が必要。
【売上高】前年比+5.9%の増収は、土木事業・建築事業の両セグメントで受注拡大と工事進捗が寄与。土木事業は前年718.4億円から836.5億円へ+16.4%増、建築事業は前年1,364.4億円から1,385.9億円へ+1.6%増。投資開発事業は前年63.7億円から56.1億円へ-11.9%減少。外部環境では公共投資需要と民間設備投資が売上基盤を支え、工事採算の改善傾向も確認される。
【損益】売上原価2,011.0億円で売上総利益298.7億円(粗利率12.9%)。粗利率は前年12.3%から+0.6pt改善したものの業界水準を下回る。販管費160.5億円(販管費率6.9%)は前年149.8億円(同6.9%)から微増で、売上伸長に対し抑制効果が発揮された結果、営業利益138.2億円(営業利益率6.0%)は前年56.7億円(同2.6%)から+143.9%と急拡大。経常利益219.6億円への+81.4億円の差額は営業外収益の寄与で、受取配当金14.3億円、持分法投資利益59.3億円(営業外収益その他に含む)が主因。支払利息6.7億円等の営業外費用10.1億円を差し引き、営業外純増益81.4億円を計上。特別利益18.3億円(投資有価証券売却益17.8億円)・特別損失1.2億円(固定資産除売却損0.7億円)を計上し、税引前利益236.6億円。法人税等66.4億円(実効税率28.1%)、非支配株主利益18.9億円を控除後の親会社株主帰属純利益は170.2億円。経常利益と純利益の乖離は-22.5%で、税負担と非支配株主利益が主因。特別利益による一時的押上げがあるものの、営業段階での収益性改善が利益拡大の主軸。結論は増収大幅増益だが、営業外収益・特別利益の寄与が大きく、営業基盤の継続的改善とキャッシュ創出力の確認が今後の焦点。
土木事業(Engineering)は売上高836.5億円(全体の36.2%)、営業利益73.5億円(利益率8.8%)で主力事業の一角。前年718.4億円・営業利益20.9億円から大幅改善し、利益率は前年2.9%から+5.9pt上昇。公共工事・インフラ案件の受注拡大と採算改善が寄与。建築事業(Construction)は売上高1,385.9億円(全体の60.0%)、営業利益66.9億円(利益率4.8%)で最大の売上構成比を占める主力事業。前年1,364.4億円・営業利益46.3億円から増収増益で、利益率は前年3.4%から+1.4pt改善。民間建設需要と工事採算管理が奏功。投資開発事業(RealEstateInvestmentAndDevelopment)は売上高56.1億円(全体の2.4%)、営業損失5.3億円で赤字。前年63.7億円・営業損失13.4億円から売上減少も赤字幅は-8.1億円縮小。不動産販売タイミングの影響で損益変動が大きい。その他事業は売上高31.5億円、営業利益1.8億円で付帯事業として安定寄与。セグメント間の利益率差異は、土木8.8%・建築4.8%・投資開発-9.5%と大きく、投資開発事業の収益性改善が課題。
【収益性】ROE 9.1%(純利益170.2億円÷純資産1,880.2億円、前年度ROE未記載で比較不可だが純利益が前年50.3億円から大幅増で相応に改善)、営業利益率6.0%(前年2.6%から+3.4pt)、純利益率7.4%(前年2.3%から+5.1pt)。粗利率12.9%は前年12.3%から微改善だが業界比較では低位。ROA(総資産利益率)4.0%(純利益170.2億円÷総資産4,231.9億円)で、前年1.3%から改善。【キャッシュ品質】現金及び預金164.8億円、短期負債1,658.1億円で現金カバレッジ0.10倍と低水準。流動資産2,512.7億円÷流動負債1,658.1億円で流動比率151.5%、(流動資産-棚卸資産)÷流動負債で当座比率約151.5%(棚卸資産18.2億円で影響軽微)。営業CF未開示のため純利益との対比は不可だが、現金減少-122.4億円(前年287.1億円→164.8億円)は流動性リスク要注視。【投資効率】総資産回転率0.55回転(売上高2,309.7億円÷総資産4,231.9億円)。投下資本利益率(ROIC)は投下資本を(純資産1,880.2億円+有利子負債615.1億円)=2,495.3億円、税引後営業利益を営業利益138.2億円×(1-実効税率28.1%)=99.4億円として3.98%と推定。前年比較不可だが業界目標を下回る水準。【財務健全性】自己資本比率44.4%(純資産1,880.2億円÷総資産4,231.9億円)、負債資本倍率1.25倍(負債2,351.7億円÷純資産1,880.2億円)、デットエクイティレシオ0.33倍(有利子負債615.1億円÷純資産1,880.2億円)で総じて保守的資本構成。有利子負債は短期借入金365.0億円・長期借入金250.1億円の計615.1億円。前年長期借入金50.1億円から+200.0億円と大幅増で、リファイナンスと資金使途の確認が必要。
キャッシュフロー計算書の開示がないため、貸借対照表の前年比変動から資金動向を推定する。現金及び預金は前年287.1億円から164.8億円へ-122.4億円減少し、現金流出が確認される。流動資産全体は前年2,434.6億円から2,512.7億円へ+78.1億円増で、その内訳は完成工事未収入金等の売上債権2,111.3億円(前年比増減詳細不明だが営業資産の拡大を示唆)。一方、流動負債は前年1,614.6億円から1,658.1億円へ+43.5億円増で短期借入金365.0億円を含む。固定資産は前年1,500.1億円から1,719.2億円へ+219.1億円増で、投資有価証券726.2億円(前年比増減詳細不明だが有価証券売却益17.8億円計上)と有形固定資産683.7億円が主因。長期借入金は前年50.1億円から250.1億円へ+200.0億円と急増しており、設備投資・長期運転資本への充当または短期借入のリファイナンスが推測される。純資産は前年1,724.5億円から1,880.2億円へ+155.7億円増で、利益剰余金の積上げ(純利益170.2億円-配当推定-自社株買い等)が主因。短期負債1,658.1億円に対する現金164.8億円でカバレッジ0.10倍と極めて低く、流動性確保のため営業CFの安定創出が不可欠。運転資本は完成工事未収入金・前受金等が大きく、回収サイクルと支払サイクルの管理が資金繰りの鍵。
経常利益219.6億円に対し営業利益138.2億円で、営業外純増益81.4億円が利益を押上げ。営業外収益91.5億円の構成は、受取配当金14.3億円、持分法投資利益(その他営業外収益に含まれると推定)約59.3億円(経常-営業+営業外費用の逆算)が主因で、金融収益と関連会社持分利益が大きく寄与。受取利息0.9億円は軽微。営業外費用10.1億円は支払利息6.7億円が主。特別利益18.3億円は投資有価証券売却益17.8億円がほぼ全額で、非経常的要因。特別損失1.2億円は固定資産除売却損0.7億円と軽微。結果、税引前利益236.6億円のうち営業利益138.2億円が58.4%、営業外・特別損益が99.7億円(41.6%)を構成し、営業基盤外の利益寄与が大きい。営業CFが純利益を上回るかは未確認だが、現金預金減少-122.4億円は利益計上とキャッシュ創出のギャップを示唆。営業利益の改善傾向は評価できるが、収益の質は持分法投資と有価証券売却の依存度が高く、経常的営業利益の積上げが今後の焦点。
中間配当113円を実施し、期末配当予想103円と合わせ年間配当216円を見込む(会社発表の年間配当予想154円は後段修正で216円が最新見込みと推定)。前年配当データ未記載で前年比較不可。配当性向は純利益170.2億円、発行済株式数38,665千株(自己株式除く期中平均35,876千株)で、年間配当216円×35,876千株=77.5億円として45.5%。実績EPS421.96円に対し配当216円でも配当性向51.2%と適正水準。現金預金164.8億円、短期負債1,658.1億円で配当原資の現金カバー率は低く、営業CFによる配当サポートが前提。自社株買い実績の記載なし。総還元性向は配当性向と同じ45.5-51.2%の範囲。配当は増配基調と推定されるが、現金減少と短期負債比率の高さを踏まえ、キャッシュ創出力の維持が配当持続性の鍵。
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 収益性: 営業利益率6.0%は業種中央値4.1%(IQR 1.9-5.8%、2025年Q3、n=4)を上回り業種内で上位。純利益率7.4%も業種中央値2.8%(IQR 1.3-4.0%)を大幅に上回る。ROE 9.1%は業種中央値3.7%(IQR 1.7-6.6%)を大きく上回り収益性は業種比較で良好。ただし営業外・特別利益の寄与が大きい点を考慮すると、経常営業基盤の収益性は業種平均並みと推定。 健全性: 自己資本比率44.4%は業種中央値60.5%(IQR 56.2-67.8%)を下回り、業種内では相対的に低位。流動比率151.5%は業種中央値207%(IQR 190-318%)を下回り、流動性面でも業種平均を下回る。現金/短期負債カバレッジの低さと合わせ、財務健全性は業種比で改善余地あり。 効率性: 総資産利益率(ROA)4.0%は業種中央値2.2%(IQR 1.0-3.6%)を上回り、資産効率は良好。売上高成長率+5.9%は業種中央値-3.5%(IQR -13.7〜6.2%)を上回り、トップライン拡大でも業種内で優位。ネットデット/EBITDA倍率は有利子負債615.1億円、EBITDAを営業利益138.2億円+減価償却費(未開示)として推定困難だが、業種中央値2.31倍(IQR 0.06-11.12)の範囲内と推測。 (業種: 建設業、比較対象: 2025年Q3決算期、出所: 当社集計公開決算データ)
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