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18202026 第3四半期プライムJGAAP

西松建設(1820) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益18%増

2026年度第3四半期の売上高は2,765億円(前年同期比+4.5%)、営業利益は168.5億円(同+18.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

西松建設株式会社

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2765.3億¥2647.3億+4.5%
営業利益¥168.5億¥142.8億+18.0%
経常利益¥166.1億¥139.7億+18.9%
純利益¥130.3億¥110.2億+18.2%
ROE(年換算)9.1%8.1%-

Executive Summary

完成工事高の増加と建築事業の採算改善により、増収増益かつ増益率が増収率を大きく上回る決算となった。売上高は2765.3億円(前年比+4.5%)、営業利益は168.5億円(同+18.0%)、経常利益は166.1億円(同+18.9%)、純利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)は130.3億円(同+18.2%)となった。増益の主因は建築事業の採算改善による粗利益率の約120bp向上であり、販管費率の上昇(+50bp)をこれが吸収した。

業績変動要因

【売上高】売上高は2765.3億円で前年比+4.5%増収。完成工事高が2633.0億円(同+8.1%)と中核を担った一方、開発事業等売上高は132.3億円(同-37.3%)と大幅減少した。セグメント別では建築事業が1524.1億円(構成比55.1%、同+6.8%)、土木事業が887.6億円(構成比32.1%、同+13.4%)と拡大したが、国際事業は237.8億円(同-4.8%)、アセットバリューアッド事業は110.7億円(同-39.8%)と縮小した。

【損益】営業利益は168.5億円(同+18.0%)で、増収率を大きく上回る伸び。粗利益率は11.5%から12.6%へ改善し、販管費率上昇(6.1%→6.5%)を吸収した。セグメント利益は建築事業が93.3億円(同+140.5%、利益率2.7%→6.1%)と最大の増益ドライバーとなった一方、土木事業は利益率が8.0%→7.2%へ低下、国際事業(-5.8億円)と地域環境ソリューション事業(-4.9億円)は赤字継続。税引前利益には投資有価証券売却益11.4億円が含まれ、純利益への一時的要因として明記される。経常利益と純利益の乖離は小幅で、法人税等47.0億円計上後の実効税率は約26.5%。結論として増収増益であり、建築事業の採算回復が連結業績を主導した。

セグメント別分析

建築事業は売上高1524.1億円(構成比55.1%)、営業利益93.3億円(利益率6.1%)で、前年同期の利益率2.7%から約340bp改善し連結利益の最大の寄与要因となった。土木事業は売上高887.6億円(構成比32.1%)、営業利益63.7億円(利益率7.2%)で、増収したものの利益率は前年の8.0%から約90bp低下した。国際事業は売上高237.8億円で前年比-4.8%減収、セグメント損失5.8億円と赤字が拡大した。アセットバリューアッド事業は売上高110.7億円(同-39.8%)、利益18.2億円(同-64.3%)で高利益率(16.4%)を維持するが規模・利益とも縮小した。地域環境ソリューション事業は小規模ながら損失4.9億円が継続している。主力の建築・土木事業で連結売上の87.2%を占め、建築事業の採算持続性が連結収益力を左右する構造となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は6.1%(前年同期5.4%から+70bp)、純利益率は4.7%(前年同期4.1%から+60bp)、粗利益率は12.6%(前年同期11.5%から+120bp改善)となった。【キャッシュ品質】税引前利益177.3億円には投資有価証券売却益11.4億円が含まれ、親会社株主帰属利益の一部に非経常的要因が寄与している。包括利益は193.0億円で純利益130.3億円を上回り、その他有価証券評価差額金59.7億円の寄与が大きい。【投資効率】ROE(年換算)は9.1%であり、純利益率4.8%、総資産回転率、財務レバレッジ3.51倍の組合せで構成される。ROEの押し上げには財務レバレッジの寄与が大きい。【財務健全性】自己資本比率は28.5%(前年28.6%から小幅低下)、流動比率は119.1%で流動負債3235.5億円に対し流動資産3853.4億円を有する。短期借入金は965.8億円と前年比+125.4%増加し、長期借入金は247.8億円と-38.6%減少しており、資金調達の短期化が進行している。

キャッシュフロー分析

本決算ではCF計算書データが個別開示されていないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は538.3億円で前年末比+23.9%増加した一方、完成工事未収入金は2568.5億円と前年比+25.7%増加し、流動資産全体が861.98億円(+28.8%)拡大した。この増加は完成工事高の拡大に対応する回収サイクル上の未収債権増によるものであり、現金の増加のみに起因するものではない。資金調達面では短期借入金が537.4億円増加する一方、長期借入金が155.9億円減少し、資金調達構造が短期化した。この短期資金への依存度上昇は、完成工事未収入金の回収動向と併せて資金繰りの観点から注視すべき点である。

収益の質

営業利益・経常利益の伸び(+18.0%、+18.9%)は粗利益率の改善という経常的要因に主導されており、収益の質は相対的に高い。ただし税引前利益177.3億円には投資有価証券売却益11.4億円(特別利益の主要構成要素)が含まれ、これは非経常的要因として区別すべきである。この一時的要因を除いても営業利益・経常利益は増益基調にあるが、純利益にはその寄与が一部含まれる点に留意が必要である。営業外収益17.1億円は受取配当金4.8億円と為替差益5.8億円が主体であり、事業本体の収益力とは区別される項目を含む。一方、営業外費用19.5億円のうち支払利息15.5億円が最大の構成要素であり、有利子負債増加に伴う金融費用の増加が今後の収益の質に影響しうる。包括利益193.0億円と純利益130.3億円の乖離は主に有価証券評価差額金59.7億円によるもので、アクルーアルというより市場価格変動要因である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高69.1%、営業利益64.8%、経常利益66.4%、純利益69.8%である。営業利益の進捗率は標準的な第3四半期進捗率75%を10.2ポイント下回っており、通期営業利益260.0億円の達成には第4四半期に91.5億円の営業利益計上が必要となる。売上高・純利益の進捗率は相対的に高く、建設業の季節性を踏まえれば第4四半期の完成工事の集中による回復余地はあるが、営業利益面では建築事業の採算維持が達成の鍵となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり100.00円で、当第3四半期累計の実績利益に基づく配当性向は31.8%であった。通期会社予想の年間配当220.00円と予想EPS476.17円に基づく予想配当性向は約46.2%であり、いずれも60%未満の水準にある。予想利益の達成を前提とすれば、利益面からの配当負担は過大ではないと評価できる。ただし通期営業利益の進捗率は64.8%であり、期末配当の裏付けとなる第4四半期の収益実現状況が今後の確認点となる。

リスク要因

  1. 短期資金への依存: 短期借入金は965.8億円と前年同期比+125.4%増加し、長期借入金は247.8億円と-38.6%減少した。短期負債比率は79.6%に達し、資金調達構造が短期側に集中しており、借換え条件の変化が資金コスト・流動性に影響しうる。

  2. 建築事業への利益集中: 建築事業のセグメント利益は93.3億円で連結営業利益の過半を占める最大の利益源であり、当該事業の工事採算悪化や大型案件の原価上振れが連結利益に直接影響する構造にある。

  3. 通期営業利益進捗の遅れ: 通期営業利益予想260.0億円に対する進捗率は64.8%で、標準的な進捗率75%を10.2ポイント下回る。第4四半期に91.5億円の営業利益計上が必要であり、土木事業の利益率低下や国際事業の赤字継続を建築事業の採算改善が補えるかが焦点となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(construction)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.1%
純利益率4.7%

同業種内での相対位置づけを判断するための中央値データは現時点で不足している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)4.5%

同業種内での相対位置づけを判断するための中央値データは現時点で不足している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は6.1%へ改善し、建築事業の利益率回復(前年同期比+約340bp)が当期業績の最大の構造的変化として確認できる。粗利益率の改善が販管費率上昇を吸収した点は利益の質の観点でも注目される。

  2. ROE9.1%は財務レバレッジ3.51倍の寄与を大きく受けており、純利益率・資産効率の改善に加え負債活用による増幅効果を含む。この点は短期借入金の125.4%増加、短期負債比率79.6%という財務構成の変化と併せて確認する必要がある。

  3. 税引前利益には投資有価証券売却益11.4億円が含まれるが、これを除いても営業利益・経常利益は増益基調にある。年間配当220.00円の会社予想に基づく予想配当性向は約46.2%であり、通期予想達成を前提とすれば配当面の負担は過大ではないと読み取れる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,927円
base(基準)5,085円
bull(強気)5,200円
算出前提
1株純資産(BPS)4,853円
調整後予想EPS531.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向46.2%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.05倍 / 9.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,945円〜5,232円、ω±0.1で 5,080円〜5,093円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。