| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥3960.3億 | ¥3668.1億 | +8.0% |
| 営業利益 | ¥280.3億 | ¥211.0億 | +32.8% |
| 経常利益 | ¥273.8億 | ¥202.2億 | +35.4% |
| 純利益 | ¥244.3億 | ¥175.3億 | +39.3% |
| ROE | 12.0% | 9.7% | - |
2026年3月期決算は、売上高3,960.3億円(前年比+292.2億円 +8.0%)、営業利益280.3億円(同+69.3億円 +32.8%)、経常利益273.8億円(同+71.6億円 +35.4%)、親会社株主に帰属する純利益240.7億円(同+65.2億円 +37.2%)と、増収大幅増益を達成した。粗利率は13.7%(前年12.0%から+1.7pt改善)、営業利益率は7.1%(前年5.8%から+1.3pt改善)と収益性が大きく向上した。国内建築事業の採算改善と土木事業の堅調な進捗が営業増益を牽引し、アセット・バリューアッド事業(営業利益率30.3%)の高採算が全社収益を底上げした。特別損益は投資有価証券売却益83.4億円を中心とする特別利益88.6億円から特別損失22.6億円を差し引き純額+66.0億円となり、税後で約46億円程度の一時的押し上げ要因となった。
【売上高】売上高は3,960.3億円(+8.0%)と堅調に拡大し、セグメント別では土木事業1,219.0億円(+12.9%)、建築事業2,167.4億円(+12.1%)がともに二桁成長を記録した。アセット・バリューアッド事業は254.9億円(▲5.9%)と減収ながら高採算を維持、地域環境ソリューション事業は7.5億円(+39.8%)と成長したが規模は限定的である。一方、国際事業は362.9億円(▲22.0%)と大幅減収となり、海外案件の縮小が全社の増収率を一部相殺した。完成工事売上は3,677.7億円(前年3,362.9億円から+9.4%)、開発事業等売上は282.6億円(前年304.2億円から▲7.1%)で、建設本業の好調が売上拡大を牽引した。
【損益】売上総利益は542.8億円(粗利率13.7%)で前年比+98.7億円、粗利率は前年12.0%から+1.7pt改善した。内訳では、完成工事総利益423.5億円(粗利率11.5%、前年9.9%から+1.6pt)、開発事業等総利益119.3億円(粗利率42.2%、前年35.0%から+7.2pt)と、建設・開発ともに採算向上が顕著である。販管費は262.5億円(販管費率6.6%)で前年比+32.5億円、人件費・賃借料などコスト増が売上成長率を上回るペース(+14.1%)で増加したが、粗利改善がこれを吸収し、営業利益は280.3億円(営業利益率7.1%)と前年比+32.8%の大幅増益となった。営業外損益は支払利息23.1億円(前年15.8億円から+7.3億円増加)など営業外費用が28.3億円へ拡大したが、受取配当金6.0億円・受取利息4.9億円・為替差益4.0億円など営業外収益21.9億円で部分相殺し、経常利益は273.8億円(+35.4%)となった。特別損益は投資有価証券売却益83.4億円を主とする特別利益88.6億円から、減損損失16.1億円を含む特別損失22.6億円を差し引き、純額+66.0億円を計上した。税引前利益は339.9億円、実効税率29.8%を経て、親会社株主に帰属する純利益は240.7億円(+37.2%)、純利益率6.1%(前年4.8%から+1.3pt改善)と増収増益を達成した。
土木事業は売上1,219.0億円(+12.9%)、営業利益91.2億円(+3.2%)、営業利益率7.5%で安定した収益を確保した。建築事業は売上2,167.4億円(+12.1%)、営業利益137.9億円(+114.8%)、営業利益率6.4%と大幅な利益改善を実現し、前年の低採算案件からの正常化と施工管理効率化が寄与した。国際事業は売上362.9億円(▲22.0%)、営業損失23.6億円(前年▲8.0億円の赤字から▲15.6億円悪化)、営業利益率▲6.5%と赤字が拡大し、海外案件のボラティリティが全社収益の足を引っ張った。アセット・バリューアッド事業は売上254.9億円(▲5.9%)と減収ながら営業利益77.3億円(+3.4%)、営業利益率30.3%と極めて高い収益性を維持し、全社営業利益の約27.6%を占める利益源泉となった。地域環境ソリューション事業は売上7.5億円(+39.8%)、営業損失8.1億円(前年▲7.3億円から▲0.8億円悪化)で規模が小さく収益貢献は限定的である。
【収益性】営業利益率は7.1%(前年5.8%から+1.3pt改善)、純利益率は6.1%(前年4.8%から+1.3pt改善)、粗利率は13.7%(前年12.0%から+1.7pt改善)と、建築・土木の採算向上が収益性を押し上げた。ROEは12.0%(前年10.3%程度から+1.7pt改善)で、純利益率の改善と財務レバレッジ(総資産/純資産 約3.36倍)、資産回転率(売上高/総資産 約0.58回転)の積で説明可能である。【キャッシュ品質】営業CF30.4億円は純利益244.3億円に対しOCF/純利益0.12倍と極めて低く、完成工事未収入金の増加(+511.4億円)と未成工事支出金の増加(+72.2億円)が資金を吸収した。EBITDA(営業利益280.3億円+減価償却費50.6億円=約330.9億円)に対するOCFカバレッジは0.09倍にとどまり、運転資本の膨張がキャッシュ創出を圧迫している。【投資効率】総資産回転率は約0.58回転(売上高3,960.3億円÷総資産6,860.1億円)、EBITDAインタレストカバレッジは約14.3倍(EBITDA約330.9億円÷支払利息23.1億円)と利払い耐性は強固である。【財務健全性】自己資本比率は29.8%(前年30.6%から▲0.8pt低下)、D/Eレシオは2.36倍(有利子負債約1,925億円÷純資産816.4億円、非支配株主持分除くベース)と高水準である。流動比率は112.4%、当座比率は112.3%と流動性は最低限確保しているが、短期借入金658.6億円(+53.7%)と短期化が進行しており、リファイナンスリスクに注意を要する。Debt/EBITDAは約5.8倍(有利子負債約1,925億円÷EBITDA約330.9億円)で、投資適格水準(2.5倍以下)を大きく上回る。
営業CFは30.4億円(前年58.9億円から▲48.3%)と大幅に減少し、純利益244.3億円に対しOCF/純利益0.12倍と乖離が大きい。小計(運転資本変動前)は93.2億円と堅調だったが、完成工事未収入金の増加(▲504.8億円)と未成工事支出金の増加(▲72.2億円)が資金を吸収した一方、未成工事受入金の増加(+130.4億円)と仕入債務の増加(+75.0億円)が部分的に相殺した。投資CFは▲74.6億円(前年▲362.5億円から縮小)で、有形・無形固定資産の取得233.5億円を投資有価証券の売却263.5億円等で一部ファンドした。フリーCFは▲44.1億円で当期の配当原資を賄えず、財務CFが+79.8億円(社債発行200億円、CP純増100億円、長期借入金純増▲193.9億円)で補填した。短期借入金が+230.1億円と急増し、資金調達の短期化が進行している。期末現金は482.7億円へ+48.7億円増加したが、短期負債の膨張と運転資本の吸収がキャッシュ品質の低下要因となった。
経常利益273.8億円の内訳は営業利益280.3億円を中核とし、営業外収益21.9億円(受取配当金6.0億円、受取利息4.9億円、為替差益4.0億円等、売上高比0.6%)から営業外費用28.3億円(支払利息23.1億円等)を差し引いた。営業外収益の構成はバランスしており、経常的収益への依存度が高い。特別利益88.6億円(うち投資有価証券売却益83.4億円)と特別損失22.6億円(うち減損損失16.1億円)の純額+66.0億円が税引前利益を一時的に押し上げ、税後で約46億円程度が最終益を底上げした。経常利益と純利益の乖離はこの特別損益に起因し、来期は一時益の剥落が見込まれる。アクルーアル品質はOCF/純利益0.12倍と弱く、完成工事未収入金・未成工事支出金の増加が主因で、期末計上と回収タイミングのミスマッチが顕著である。翌期上期の回収進捗と運転資本の正常化が収益の質の改善に不可欠である。
会社計画は売上高4,400.0億円(前年比+11.1%)、営業利益285.0億円(同+1.7%)、経常利益265.0億円(同▲3.2%)、純利益195.0億円(同▲20.2%)、EPS519.19円、年間配当110円を見込んでいる。売上高は引き続き拡大を想定する一方、営業利益はほぼ横ばい、経常・純利益は減益予想となっている。これは当期に計上した特別利益(投資有価証券売却益等)の剥落を織り込んだ保守的なガイダンスと解される。進捗率は第2四半期末時点で売上高90.0%、営業利益98.3%、経常利益103.3%、純利益125.3%と、上期に計画を上回る進捗を見せており、通期目標達成の確度は高い。国際事業の損益改善度合いと建築・土木のコア採算維持、運転資本の正常化が下期の焦点となる。
年間配当は230円(第2四半期末100円、期末130円)で配当性向は49.5%と厚い水準である。前年の年間配当100円から大幅に増配し、増益を株主還元に反映した。もっとも当期のフリーCFは▲44.1億円で配当総額87.3億円を賄えず、実質的には借入増加と投資有価証券のリサイクルによる資金調達で配当原資を補填した。来期ガイダンスの年間配当110円は配当性向約56%相当で、一時益剥落後もコミットメントを維持する姿勢を示しているが、OCFの正常化と負債の長期化が持続可能な還元の前提となる。自社株買いの記載はなく、総還元政策は配当中心である。
運転資本膨張と資金効率: 完成工事未収入金+511.4億円、未成工事支出金+72.2億円の増加により営業CFが30.4億円にとどまり、OCF/純利益0.12倍、OCF/EBITDA0.09倍と極めて低い水準にある。期末計上・回収タイミングのミスマッチが持続すれば、キャッシュ創出力の脆弱性が増し、追加借入やCPロールへの依存が高まる。翌期上期の回収進捗が鍵となる。
短期負債集中とリファイナンスリスク: 短期借入金658.6億円(+53.7%)、CP300億円、1年内償還社債190億円など短期負債が急増し、流動負債比率は75.8%と高止まりしている。D/Eレシオ2.36倍、Debt/EBITDA約5.8倍と高レバレッジ下で、金利上昇局面や信用環境の変化時にはロールオーバーコストが上昇し、財務健全性に影響を及ぼす可能性がある。長期借入金は▲48.0%と減少しており、満期ミスマッチが拡大している。
国際事業の赤字拡大とボラティリティ: 国際事業は営業損失23.6億円(前年▲8.0億円から▲15.6億円悪化)、営業利益率▲6.5%と赤字が拡大し、為替リスク・カントリーリスク・工期遅延などの不確実性が高い。全社営業利益の約8%相当を損失で相殺しており、早期の採算是正と案件選別が進まない場合、全社収益の下振れ要因となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.1% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +1.5pt |
| 純利益率 | 6.2% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +2.7pt |
自社の営業利益率7.1%・純利益率6.2%は業種中央値を上回り、収益性は上位水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.0% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | -1.9pt |
売上高成長率8.0%は業種中央値9.8%をやや下回り、成長ペースは中位レベルにとどまる。
※出所: 当社集計
国内建築・土木の採算改善が営業利益率を7.1%(前年5.8%から+1.3pt)へ押し上げ、ROEは12.0%まで改善した。アセット・バリューアッド事業の高採算(営業利益率30.3%)が全社収益性を底上げしており、建設本業の採算向上とポートフォリオミックスの改善が収益構造の転換点にある。今後はコア採算の持続性(価格転嫁定着と原価管理の高度化)が鍵となる。
営業CFは30.4億円と純利益244.3億円に対し0.12倍と極めて低く、完成工事未収入金・未成工事支出金の増加が資金を吸収した。短期借入金は+53.7%の658.6億円へ急増し、短期負債比率75.8%、D/Eレシオ2.36倍と財務レバレッジが高止まりしている。翌期上期の運転資本の正常化(回収進捗)と負債の長期化が、安定的な株主還元と財務健全性の維持に不可欠である。
特別利益(投資有価証券売却益等)の一時的押し上げ約46億円が当期純利益を底上げしており、来期ガイダンスは純利益195.0億円(▲20.2%)とこの剥落を織り込んだ保守的水準である。国際事業の赤字(▲23.6億円、前年から▲15.6億円悪化)の是正と受注・回収効率の改善が、来期の実力線の試金石となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。