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18122026 第3四半期プライムJGAAP

鹿島建設(1812) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益82%増

2026年度第3四半期の売上高は2兆1,461億円(前年同期比+5.9%)、営業利益は1,718億円(同+81.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

鹿島建設株式会社

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥21460.5億¥20263.9億+5.9%
営業利益¥1718.1億¥946.1億+81.6%
経常利益¥1671.5億¥1012.3億+65.1%
純利益¥1233.4億¥755.9億+63.2%
ROE(年換算)12.2%7.9%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は、売上高の伸び以上に工事採算の改善が進み、増収増益となった。売上高は2兆1,460.5億円(前年比+5.9%)、営業利益は1,718.1億円(同+81.6%)、経常利益は1,671.5億円(同+65.1%)、純利益は1,233.4億円(同+63.2%)となった。営業利益率は8.0%と前年同期の4.7%から大きく改善し、完成工事粗利益率の上昇と主力の建築・土木事業の増益が全社業績を牽引した。

業績変動要因

【売上高】売上高は2兆1,460.5億円で前年比+5.9%増収。完成工事高が1兆9,387.7億円(前年比+9.1%)と拡大し、建築事業(外部売上8,655.0億円、+15.7%)と土木事業(3,144.4億円、+5.4%)が伸長した。一方、海外関係会社は7,424.4億円で前年比-3.7%と減収であり、全体成長の重荷となった。開発事業等は46.6億円で+45.7%と大きく伸びた。

【損益】営業利益は1,718.1億円(前年比+81.6%)で、完成工事粗利益率が12.9%(前年8.9%)へ約403bp改善したことが主因。販管費は1,220.7億円で+4.3%増にとどまり、売上増を下回ったため販管費率は5.7%へ低下した。特別利益では投資有価証券売却益138.4億円を含む特別損益132.8億円の純益があり、税引前利益1,804.3億円の一部は一時的要因を含む。純利益(親会社株主帰属)は1,222.1億円(前年比+64.0%)。増収増益であり、増益の主因は工事採算改善による営業レバレッジの発現である。

セグメント別分析

建築事業は外部売上高8,655.0億円(前年比+15.7%)、セグメント利益643.2億円(同+79.9%)となり、利益額で最大の事業である。土木事業は外部売上高3,144.4億円(同+5.4%)、利益573.8億円(同+134.4%)と利益率18.2%まで大幅改善し、全社マージンの押し上げに寄与した。開発事業等は売上高494.1億円(同+40.7%)、利益94.1億円(同+82.7%)で利益率19.0%と高水準を維持。国内関係会社は売上高2,797.4億円(同+9.6%)、利益205.6億円(同+77.9%)と改善したが、海外関係会社は売上高7,425.4億円(同-3.7%)、利益192.2億円(同+11.4%)にとどまり、利益率2.6%と他セグメントに比べ低い水準にある。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.0%で前年同期の4.7%から改善し、売上総利益率も13.7%(前年10.4%)へ上昇した。純利益率は5.7%で前年の3.7%から改善している。【キャッシュ品質】特別利益に投資有価証券売却益138.4億円が含まれ、税引前利益1,804.3億円には一時的要因が混在するため、経常的な収益力は営業利益1,718.1億円を軸に評価する必要がある。【投資効率】年換算ROEは12.2%であり、純利益率と資産効率、財務レバレッジの組み合わせによって支えられている。【財務健全性】自己資本比率は37.8%で前年から改善し、純資産は1兆3,502.6億円(前年比+5.7%)に増加した。有利子負債(短期借入金・長期借入金・社債等)は増加傾向にあり、短期資金への依存度が高まっている点は留意点である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の直接開示はないが、BS推移からは資金動向がうかがえる。現金及び預金は3,561.9億円で前年末の3,544.9億円からほぼ横ばいであり、大幅な資金増減は生じていない。一方、販売用不動産は3,371.7億円で前年同期比+32.2%増加し、開発事業への投資が資金を吸収している。短期借入金は+16.1%増加し、コマーシャルペーパーや1年内償還予定社債も含め短期資金調達への依存がやや高まっている。未成工事受入金は2,027.4億円で前年末比-18.9%減少し、工事進捗に伴う前受資金の取り込みが縮小した。これらから、収益改善局面にある一方で、不動産投資と工事進行に伴う運転資金需要が資金繰り管理の重要な論点となっている。

収益の質

営業利益の増益は完成工事粗利益率の改善という経常的な要因に主導されており、収益の質は総じて良好である。ただし税引前利益1,804.3億円には投資有価証券売却益138.4億円という一時的要因が含まれ、純利益ベースの増益率(+63.2%)は営業利益の増益率(+81.6%)と単純比較できない点に留意が必要である。営業外収支は受取利息139.9億円、受取配当金66.0億円がある一方、支払利息184.8億円を計上し、営業外費用合計278.1億円が営業外収益合計231.5億円を上回り、46.6億円の純負担となっている。包括利益は1,458.9億円で親会社株主分1,457.4億円となり、純利益1,233.4億円との間に有価証券評価差額金376.2億円のプラスが上乗せされる一方、為替換算調整額-134.9億円が押し下げる構成であり、包括利益と純利益の乖離は主に市場変動要因による。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高70.8%(予想3兆300億円)、営業利益75.4%(予想2,280億円)、経常利益74.0%(予想2,260億円)である。営業利益は9カ月経過時点の標準進捗75%をわずかに上回り、通期予想達成に向けて順調な進捗を示している。一方、売上高進捗は標準を下回るため、第4四半期に8,849.5億円程度の売上計上が必要となる。当四半期に業績予想の修正が行われており、通期営業利益予想は前期比+50.1%と増益計画を維持している。EPS予想は364.11円である。

株主還元

第2四半期の配当は1株当たり56.00円であり、通期配当予想は132.00円である。当四半期の配当予想修正は行われていない。通期予想の親会社株主帰属純利益1,700億円と配当予想132円を期中平均株式数4億6,721万株に基づいて機械的に算出すると、配当性向は概ね36%程度となり、一般的な持続可能性の目安である60%を下回る水準にある。利益剰余金は1兆384.5億円と厚く、配当継続の裏付けとなる内部留保は確保されている。

リスク要因

  1. 工事採算変動リスク: 完成工事粗利益率は12.9%と前年の8.9%から大幅改善したが、資材価格、労務費、外注費の変動や設計変更により、この改善水準が反転する可能性がある。建築・土木事業の利益額が全社利益の大半を占めるため、採算悪化時の影響は大きい。

  2. 海外関係会社の収益性: 海外関係会社は売上高7,425.4億円(前年比-3.7%)、利益率2.6%と他セグメントに比べ低水準にある。為替やカントリーリスク、海外プロジェクトの採算変動に対する脆弱性が残る。

  3. 短期資金調達への依存: 短期借入金は前年比+16.1%増加し、コマーシャルペーパーや1年内償還予定社債への依存も見られる。市場環境の変化時には借換えコストや資金調達条件への影響が想定される。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.0%
純利益率5.7%

自社の営業利益率・純利益率は業種中央値との比較データが不足するため、絶対水準としての評価にとどまる。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.9%

売上高成長率も同様に業種中央値との比較データが不足するため、自社実績のみを示す。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率8.0%への改善(前年4.7%)と営業利益+81.6%の増益は、完成工事粗利益率の改善(8.9%→12.9%)に主導された経常的な収益力向上を示している。

  2. 通期営業利益予想への進捗率は75.4%で、9カ月時点の標準進捗75%をわずかに上回っており、通期計画達成に向けて順調な進捗にある。

  3. 販売用不動産の32.2%増加と短期借入金の16.1%増加は、開発投資に伴う資金需要の高まりを示しており、今後の資金調達構成と回収状況が注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,176円
base(基準)3,253円
bull(強気)3,317円
算出前提
1株純資産(BPS)2,898円
調整後予想EPS389.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向36.2%
予想EPSの信頼度調整×1.070(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.12倍 / 8.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,161円〜3,348円、ω±0.1で 3,244円〜3,266円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。