| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥8931.0億 | ¥8367.4億 | +6.7% |
| 営業利益 | ¥638.3億 | ¥574.5億 | +11.1% |
| 経常利益 | ¥611.5億 | ¥583.9億 | +4.7% |
| 純利益 | ¥382.8億 | ¥183.7億 | +108.4% |
| ROE | 7.2% | 3.5% | - |
2026年度第3四半期累計決算は、売上高8931.0億円(前年同期比+563.6億円 +6.7%)、営業利益638.3億円(同+63.8億円 +11.1%)、経常利益611.5億円(同+27.6億円 +4.7%)、純利益382.8億円(同+199.1億円 +108.4%)と増収増益を達成した。営業利益率は7.1%で前年同期の6.9%から改善し、純利益は前年比倍増超となった。EPS142.09円は前年67.28円から+111.2%の大幅増加で、利益の質的改善が顕著である。
【売上高】トップラインは8931.0億円で前年比+6.7%の増収を達成した。セグメント別では建設関連事業が売上6733.3億円で構成比の70.1%を占め、前年比+8.7%の成長を牽引した。不動産関連事業は1703.9億円で同+2.6%、管理運営事業は1159.1億円で同+9.3%とそれぞれ安定成長を示した。海外事業は21.1億円で前年14.1億円から+49.9%と成長率は高いが規模は限定的である。第1四半期に株式会社ウッドフレンズ及び同社子会社4社が連結子会社となり、建設関連事業のセグメント資産が204.4億円、管理運営事業の資産が24.6億円増加した効果が寄与している。
【損益】営業利益は638.3億円で前年比+11.1%の増益となり、営業利益率は7.1%へ改善した。売上総利益は1283.5億円、粗利率は14.4%にとどまり業界標準と比較すると低水準である。販管費は645.2億円で売上高比7.2%を占め、粗利から販管費を差し引いた営業利益段階で638.3億円を確保した。経常利益は611.5億円で前年比+4.7%となり、営業利益との差は26.8億円の営業外費用純額である。内訳として支払利息35.3億円が計上されている一方、受取配当金や持分法投資損益が貢献している模様である。
【一時的要因】海外事業セグメントでは前年同期に減損損失146.7億円が計上されており、当期にこの特別損失が発生していないことが純利益の大幅改善に寄与している。税引前利益609.4億円に対し税金費用は226.8億円で実効税率は37.2%と高めである。経常利益と純利益の乖離は大きく、前年の減損損失の不在と税率変動が主因である。純利益382.8億円は前年183.7億円から+108.4%と倍増超となり、EPSは142.09円と大幅増加した。
この結果、当期は増収増益かつ営業・経常・純利益すべての段階で前年を上回る業績となった。
建設関連事業は売上高6733.3億円で全体の70.1%を占め、営業利益530.8億円、利益率7.9%を確保する主力事業である。前年同期の売上6194.8億円、営業利益419.3億円から増収増益を達成し、利益率も前年6.8%から+1.1pt改善した。不動産関連事業は売上1703.9億円、営業利益194.1億円で利益率11.4%と高収益性を維持している。管理運営事業は売上1159.1億円、営業利益54.7億円で利益率4.7%と相対的に低いが、前年同期の43.8億円から増益を実現した。海外事業は売上21.1億円に対し営業損失62.5億円で赤字が継続しており、前年損失42.3億円から損失幅が拡大している。全社費用の配賦後の調整額は-78.8億円で、前年-50.9億円から増加している。建設関連事業が営業利益の大部分を生み出す収益構造であり、海外事業の収益化が課題である。
【収益性】ROE 7.2%は前年5.5%から改善したが業種中央値3.7%を上回る水準である。営業利益率7.1%は前年6.9%から+0.2pt改善し、業種中央値4.1%を大きく上回る。純利益率4.3%は前年2.2%から+2.1pt改善し、業種中央値2.8%を上回る。粗利率14.4%は低水準でコスト構造が収益性を制約している。【キャッシュ品質】現金同等物1569.5億円は前年2359.8億円から-790.3億円減少したが、短期負債3681.0億円に対するカバレッジは0.43倍で流動比率264.9%と流動性は良好である。インタレストカバレッジは営業利益638.3億円÷支払利息35.3億円=18.1倍と十分な余裕がある。【投資効率】総資産回転率0.68倍(売上8931.0億円÷総資産13145.6億円)、総資産利益率2.9%(純利益382.8億円÷総資産13145.6億円)は業種中央値2.2%を上回る。【財務健全性】自己資本比率40.3%は前年39.0%から改善したが業種中央値60.5%を大きく下回り、財務レバレッジ依存度が高い。流動比率264.9%、負債資本倍率1.48倍で財務安定性は確保されている。ネットデット(有利子負債2970.7億円-現金1569.5億円=1401.2億円)対EBITDA倍率は推定EBITDA約890億円に対し1.6倍程度で、業種中央値2.31倍を下回り健全である。
キャッシュフロー計算書の開示がないため、貸借対照表推移から資金動向を分析する。現金預金は前年2359.8億円から1569.5億円へ-790.3億円(-33.5%)減少し、資金用途として第1四半期の子会社取得(ウッドフレンズ等の連結で建設関連事業資産+204.4億円、管理運営事業資産+24.6億円)が含まれる。運転資本は6069.9億円と大きく、完成工事未収入金1371.0億円の回収タイミングが資金繰りに影響する。短期借入金は前年150.0億円から7.4億円へ-142.6億円(-95.1%)大幅減少し、短期負債圧縮が進んだ。長期借入金は2963.3億円で大きな変動はなく、有利子負債合計は2970.7億円である。自己資本は5291.6億円で前年5320.3億円から微減しており、利益剰余金の積み上げと配当支払のバランスを示している。短期負債に対する現金カバレッジは0.43倍と低いが、流動資産9751.0億円の大部分が営業債権や完成工事未収入金であり、流動比率264.9%で流動性リスクは限定的である。
経常利益611.5億円に対し営業利益638.3億円で、非営業純減は約26.8億円である。主な内訳は支払利息35.3億円のマイナス要因に対し、受取配当金や持分法投資損益がプラス寄与している。営業外収益の詳細開示はないが、営業外費用純額が売上高の0.3%と限定的で営業利益の質は良好である。経常利益611.5億円から税引前利益609.4億円への差は2.1億円の特別損失純額であり、前年同期の海外事業減損損失146.7億円が当期は発生していないことが純利益改善の主因である。純利益382.8億円に対し税金費用226.8億円で実効税率37.2%は高めだが、繰延税金資産290.4億円が計上されており税務上の繰越欠損金等の活用余地がある。営業キャッシュフローの開示がないため利益の現金裏付けは確認できないが、純利益の大幅改善は主に前年の特別損失不在によるものであり、営業段階の増益率+11.1%が持続的な収益力改善を示している。
通期予想は売上高12400.0億円(前年比+5.3%)、営業利益970.0億円(同+14.5%)、経常利益900.0億円(同+7.9%)、純利益580.0億円(EPS予想219.15円)である。第3四半期累計の進捗率は売上高72.0%、営業利益65.8%、経常利益67.9%、純利益66.0%となり、標準進捗75%を下回る。建設業の季節性として第4四半期に売上・利益が集中する傾向があり、現状の進捗率は許容範囲内と考えられる。営業利益の残り331.7億円、純利益の残り197.2億円を第4四半期に計上する計画であり、期末工事の竣工・引渡しと原価管理が達成の鍵となる。受注残高データの開示がないため将来の売上可視性は確認できないが、第1四半期の子会社連結化効果が通期にも寄与する見込みである。通期配当予想45.0円に対し中間配当40.0円実施済みで、期末配当は5.0円の予定である。予想純利益580.0億円に対する配当性向は20.8%と余裕があり、配当継続性は高い。
年間配当は45.0円(中間40.0円実施済み、期末5.0円予定)で、前年配当データは開示されていないが通期EPS予想219.15円に対する配当性向は20.5%と保守的な水準である。第3四半期累計EPS142.09円に対する中間配当40.0円の配当性向は28.2%であり、期末の利益積み上げを見込んだ配当計画となっている。自社株買い実績の記載はなく、総還元性向は配当のみで20.5%である。配当性向が低めであることから内部留保による財務基盤強化と成長投資のバランスを重視していると推察される。現金預金1569.5億円と十分な流動性を有しており、配当支払能力に懸念はない。
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 建設業界における同社の財務指標は以下の通り。 収益性: 営業利益率7.1%は業種中央値4.1%を大きく上回り、業種上位の収益性を確保している(n=4、2025-Q3)。純利益率4.3%も業種中央値2.8%を上回る。ROE 7.2%は業種中央値3.7%を倍近く上回り、株主資本効率は業種内で高位である。 健全性: 自己資本比率40.3%は業種中央値60.5%を大きく下回り、財務レバレッジ依存度が高い。流動比率264.9%は業種中央値207%を上回り、短期支払能力は良好である。ネットデット/EBITDA倍率は推定1.6倍で業種中央値2.31倍を下回り、有利子負債負担は相対的に軽い。 成長性: 売上高成長率+6.7%は業種中央値-3.5%を大きく上回り、業種内で成長を維持している数少ない企業である(2025-Q3)。総資産利益率2.9%は業種中央値2.2%を上回る。 総合評価として、同社は収益性・成長性で業種上位に位置するが、自己資本比率の低さが財務健全性の課題である。粗利率の低さは業界共通の構造的課題を反映しているが、営業利益率では同業他社を上回る効率性を示している。 (業種: 建設業、比較対象: 2025年第3四半期、n=4社、出所: 当社集計)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。