| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥12731.4億 | ¥11773.5億 | +8.1% |
| 営業利益 | ¥987.4億 | ¥847.0億 | +16.6% |
| 経常利益 | ¥940.5億 | ¥834.1億 | +12.8% |
| 純利益 | ¥502.5億 | ¥374.7億 | +34.1% |
| ROE | 8.9% | 7.0% | - |
2026年3月期の長谷工コーポレーションは、売上高1兆2,731億円(前年比+957億円 +8.1%)、営業利益987億円(同+140億円 +16.6%)、経常利益940億円(同+106億円 +12.8%)、純利益502億円(同+127億円 +34.1%)と増収増益で着地した。営業利益率は7.8%で前年7.2%から0.6pt改善、完成工事粗利率は14.1%で前年12.5%から1.6pt上昇し、価格転嫁と案件採算の改善が収益性を牽引した。不動産関連事業が売上2,932億円(+16.0%)と2桁成長で全社を牽引し、建設関連も売上9,008億円(+7.0%)、営業利益685億円(+21.6%)と採算改善を実現した。一方、海外事業は営業損失60億円で赤字が継続し、収益性の足かせとなった。純利益の大幅増(+34.1%)は減損損失の縮小(40億円←前年168億円)が寄与したが、通期予想(営業1,100億円、純利益760億円)には未達で、営業▲10.2%、純利益▲33.9%のギャップが残った。
【売上高】売上高は1兆2,731億円で前年比+8.1%の増収。セグメント別では、不動産関連事業が2,932億円(+16.0%)で最大の成長を記録し、不動産分譲・賃貸の引渡し進捗が寄与した。建設関連事業は9,008億円(+7.0%)で増収、完成工事高は6,252億円(+4.4%)と堅調に推移した。管理運営事業は1,654億円(+8.8%)でサービス基盤の拡大が継続し、海外事業は43億円(+24.5%)と小規模ながら増収したが絶対額は僅少。トップラインは不動産と建設の両輪で成長を実現した。
【損益】営業利益は987億円で前年比+16.6%と売上成長を上回る伸びを示し、営業利益率は7.8%で前年7.2%から0.6pt改善した。粗利率は14.9%で前年14.1%から0.8pt上昇し、完成工事粗利率は14.1%で前年12.5%から1.6pt改善したことが収益性向上の主因。建設関連の営業利益は685億円(+21.6%)、不動産関連は355億円(+9.2%)、管理運営は82億円(+26.6%)と各主力セグメントが増益を達成した。販管費は911億円で前年比+11.4%と売上成長を上回る伸びとなり、販管費率は7.2%で前年6.9%から0.3pt上昇した。経常利益は940億円(+12.8%)で、営業外では持分法損益が△20億円に拡大し、支払利息は47億円で前年35億円から+33.7%増加した。純利益は502億円で+34.1%の大幅増益となったが、これは特別損失の縮小(47億円←前年229億円)が寄与した結果。減損損失は40億円で前年168億円から大幅に減少し、投資有価証券評価損は29億円で前年並みとなった。実効税率は38.6%で前年43.2%から低下し、純利益を押し上げた。結論として、価格転嫁と案件採算改善による増収増益を達成したが、海外事業の赤字継続と販管費増が課題として残る。
建設関連事業は売上9,008億円(+7.0%)、営業利益685億円(+21.6%)で営業利益率7.6%。完成工事粗利率の改善(14.1%←12.5%)が利益成長を牽引し、価格転嫁と施工効率化が寄与した。不動産関連事業は売上2,932億円(+16.0%)、営業利益355億円(+9.2%)で営業利益率12.1%と最も高水準。分譲・賃貸の引渡し進捗と高採算案件のミックス改善が増収増益を実現した。管理運営事業は売上1,654億円(+8.8%)、営業利益82億円(+26.6%)で営業利益率5.0%。管理受託の拡大と高付加価値サービスへのシフトが利益率改善に寄与した。海外事業は売上43億円(+24.5%)、営業損失60億円で営業利益率△141.0%。赤字継続で、減損損失の計上(当期1億円)と持分法投資先の業績悪化が収益性を圧迫した。セグメント間では不動産関連の高利益率が全社採算を底上げする一方、海外事業の赤字が全社営業利益率の改善を制約している。
【収益性】ROEは8.9%で前年6.6%から2.3pt改善し、純利益率の上昇(3.9%←3.2%)が主因。営業利益率は7.8%で前年7.2%から0.6pt改善し、完成工事粗利率の上昇(14.1%←12.5%)と不動産関連の高マージン化が寄与した。ROAは6.8%で前年6.1%から0.7pt上昇し、総資産回転率は0.898回で前年0.863回から改善した。【キャッシュ品質】営業CF/純利益は2.87倍で、利益の現金裏付けは極めて強い。OCF/EBITDAは1.46倍で、現金転換効率も良好。アクルーアル比率は△7.2%で、運転資本の圧縮(未成工事受入金の増加+184億円、販売用不動産の減少△579億円)が資金創出に寄与した。【投資効率】有形固定資産回転率は8.92回、棚卸資産回転率は4.35回で、資産効率は高水準を維持した。【財務健全性】自己資本比率は39.7%で前年39.0%から0.7pt改善し、流動比率は264.1%で前年237.8%から上昇した。Debt/EBITDAは3.26倍でやや高めだが、インタレストカバレッジは20.8倍で利払い能力は十分。現金/短期負債は18.66倍で短期流動性リスクは極めて低い。
営業CFは1,574億円で前年39億円から大幅改善し、営業CF/純利益は2.87倍と利益の現金裏付けは強固。小計(運転資本変動前)は1,949億円で前年302億円から大幅増加し、棚卸資産の減少542億円(販売用不動産の圧縮)と売上債権の減少114億円が資金創出に寄与した。未成工事受入金は184億円増加し、受注進捗に伴う前受金の積み上がりが運転資本を改善した。法人税等の支払は△279億円で前年△259億円から増加し、営業CFは税前利益の拡大を反映して増加した。投資CFは△532億円で、有形固定資産及び無形固定資産の取得△211億円、投資有価証券の取得△347億円が主な支出。貸付金の回収345億円が資金流入を支えたが、ネットで資金流出となった。財務CFは△533億円で、長期借入金の調達801億円に対し返済△267億円、社債償還△409億円、配当支払△247億円、自己株買い△200億円が主な支出。FCFは1,041億円で、配当・自己株買い・有利子負債返済を賄う十分な資金創出力を維持した。現金及び預金は2,799億円で期首比+523億円増加し、流動性は盤石。
経常的収益は営業利益987億円で構成され、完成工事と不動産販売が主体。営業外収益は37億円で売上高比0.3%と軽微であり、受取配当金6億円、為替差益9億円が含まれる。一時的項目は特別損失47億円で、減損損失40億円(前年168億円)、固定資産除却損2億円、投資有価証券評価損29億円が計上された。前年の特損229億円から大幅に縮小し、純利益の増益に寄与したが、減損リスクは海外・不動産資産に継続的に存在する。アクルーアル比率は△7.2%で、運転資本の圧縮(未成工事受入金+184億円、販売用不動産△579億円)が利益を上回る現金創出を実現した。営業CF/純利益は2.87倍、OCF/EBITDAは1.46倍と、収益の現金裏付けは極めて強固。経常利益と純利益の乖離は特損縮小と実効税率低下(38.6%←43.2%)で説明でき、収益の質は高いと評価できる。
通期予想は売上高1兆3,800億円、営業利益1,100億円、経常利益1,050億円、純利益760億円、EPS249.39円だったが、実績は売上高1兆2,731億円(予想比△7.8%)、営業利益987億円(△10.2%)、経常利益940億円(△10.4%)、純利益502億円(△33.9%)と全項目で未達となった。未達の主因は、海外事業の赤字継続(営業損失60億円)、持分法損失の拡大(△20億円)、支払利息の増加(47億円←予想考慮外)、販管費の伸び(+11.4%)が示唆される。未成工事受入金の積み上がり(632億円←前年448億円)は来期の売上原資を支えるが、海外事業の採算改善と販管費の統制が今後の課題となる。
年間配当は1株当たり95円で、配当性向は50.7%と持続可能な水準。配当金総額は247億円で、FCF1,041億円に対しFCFカバレッジは4.21倍と内部資金で十分に賄える。自己株買いは200億円(期中平均株式数ベースで約7.0%に相当)を実施し、配当と合わせた総還元性向は約81.6%に上昇した。FCFベースの総還元性向は42.9%で、キャッシュフローの範囲内での還元を維持している。配当性向は67.4%(会社開示)と高めだが、現預金2,799億円と営業CFの潤沢さから配当継続性は高い。中期的には、Debt/EBITDAの低下局面では総還元性向の調整余地を残すことが妥当だが、当面の配当維持・緩やかな増配余地はある。
海外事業の赤字継続: 営業損失60億円で利益率△141.0%と大幅な赤字。持分法投資先の損失拡大(△20億円)と減損リスクが収益性を圧迫し、全社ROEの改善を制約している。海外拠点の採算改善と投資先の業績回復が喫緊の課題。
有利子負債と金利負担の上昇: 長期借入金は3,350億円で前年比+700億円(+26.4%)増加し、Debt/EBITDAは3.26倍とやや高水準。支払利息は47億円で前年35億円から+33.7%増加し、金利上昇局面では利払い負担の拡大が経常利益を圧迫するリスクがある。インタレストカバレッジ20.8倍で短期的な懸念は低いが、デレバレッジの進展が望まれる。
投資有価証券の評価変動: 投資有価証券は1,463億円で前年比+435億円(+42.4%)増加し、評価差額金は106億円の益計上。当期の投資有価証券評価損は29億円で、市場価格変動の影響がPLに顕在化するリスクが高まっている。持合株式や政策保有株式の含み益/損のボラティリティが収益・株主資本に影響を及ぼす可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.8% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +2.2pt |
| 純利益率 | 3.9% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +0.4pt |
自社は営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、セクター内では上位の収益性を維持している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.1% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | -1.8pt |
売上高成長率は中央値を若干下回るが、IQRのレンジ内に収まっており、セクター平均的な成長スピードを維持している。
※出所: 当社集計
完成工事粗利率の改善トレンド(14.1%←12.5%)は価格転嫁と案件採算改善の成果を示し、建設関連事業の収益基盤は強化されている。未成工事受入金の積み上がり(632億円←448億円)は来期の売上原資を確保しており、トップラインの持続的成長が期待される。営業CF/純利益2.87倍、FCF1,041億円と現金創出力は極めて強く、配当・還元の持続性は高い。
海外事業の赤字継続(営業損失60億円)とガイダンス未達(営業▲10.2%、純利益▲33.9%)は収益構造の課題を示唆し、採算改善と投資先の業績回復が中期的な焦点となる。販管費の伸び(+11.4%)が売上成長(+8.1%)を上回るトレンドは営業レバレッジの低下を示し、コスト統制の徹底が求められる。Debt/EBITDA3.26倍と支払利息の増加(+33.7%)は金利負担の上昇を反映しており、デレバレッジの進展が財務健全性の観点から重要となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。