| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥20578.0億 | ¥19443.6億 | +5.8% |
| 営業利益 | ¥1186.7億 | ¥710.3億 | +67.1% |
| 経常利益 | ¥1223.2億 | ¥716.6億 | +70.7% |
| 純利益 | ¥1329.5億 | ¥621.4億 | +114.0% |
| ROE | 13.3% | 6.7% | - |
2026年3月期決算は、売上高2兆578.0億円(前年比+1,134.4億円 +5.8%)、営業利益1,186.7億円(同+476.4億円 +67.1%)、経常利益1,223.2億円(同+506.6億円 +70.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,266.2億円(同+606.0億円 +91.8%)。営業利益率は5.8%(前年3.7%から+2.1pt改善)、完成工事総利益率11.9%(同+2.6pt)、開発事業総利益率18.6%(同+3.5pt)と採算が大幅に改善した。特別利益964.0億円(うち投資有価証券売却益881.7億円)が税前利益を押し上げ、純利益の約21%を一時的項目が占める。セグメント別では当社建設事業が営業利益906.8億円(+60.7%)と牽引、投資開発事業は高収益率31.5%を維持した。
【売上高】売上高は前年比+5.8%の2兆578.0億円。完成工事高1兆8,453.0億円(前年比+8.8%相当)が主力で、建設市況の回復と大型案件の寄与を受けた。開発事業等売上は2,125.0億円(前年比-14.4%)と減少したが高粗利を維持。セグメント別では、当社建設事業が売上1兆4,774.8億円(前年比+7.0%)で全体の71.8%を占め、その他事業4,892.9億円(-1.5%)、投資開発事業531.5億円(-0.8%)と続く。当社建設事業は受注環境の改善と工事進捗に伴う売上計上が進んだ一方、開発事業は案件タイミングの影響で横ばい圏内にとどまった。
【損益】営業利益は前年比+67.1%の1,186.7億円。粗利率は12.5%(前年10.1%から+2.4pt)へ上昇し、販管費率6.8%(前年6.4%から+0.4pt)の微増を大きく上回る粗利改善が奏功した。完成工事総利益率は11.9%(前年9.3%から+2.6pt)、開発事業総利益率は18.6%(前年15.1%から+3.5pt)と、ともに大幅改善。工事損失引当金は645.4億円(前年1,040.0億円から-37.9%)へ減少し、不採算案件の整理と原価コントロールの進展がうかがえる。セグメント別営業利益は、当社建設事業906.8億円(+60.7%、利益率6.1%)、その他305.3億円(+22.4%、利益率6.2%)、投資開発事業167.3億円(-0.8%、利益率31.5%)。営業外では受取配当金56.7億円、為替差益27.3億円などが寄与し営業外収益144.8億円を計上、営業外費用108.3億円(支払利息75.7億円含む)を差し引き経常利益1,223.2億円(+70.7%)を確保した。特別利益は964.0億円(投資有価証券売却益881.7億円、負ののれん発生益59.3億円等)、特別損失は253.9億円(減損損失244.5億円等)で、税引前利益1,933.4億円。法人税等642.5億円を控除後、親会社株主に帰属する当期純利益は1,266.2億円(+91.8%)。特別利益の寄与が大きく、純利益の約21%を一時的項目が占める点で収益の質には留意が必要である。結論として増収増益だが、持続的な収益性向上は粗利率改善に依拠し、一時益の反動を来期に吸収できるかが鍵となる。
当社建設事業は売上1兆4,774.8億円(前年比+7.0%)、営業利益906.8億円(同+60.7%、利益率6.1%)で、全営業利益の約76%を稼ぐ主力。完成工事総利益率11.9%(前年9.3%から+2.6pt)の大幅改善により、増収以上のペースで増益を実現した。建設市況の回復と原価管理の徹底、案件ミックスの改善が寄与したと推察される。投資開発事業は売上531.5億円(-0.8%)、営業利益167.3億円(-0.8%、利益率31.5%)で、売上は微減ながら高収益率を維持。開発事業等総利益率18.6%(前年15.1%から+3.5pt)と採算は改善しており、不動産市況の底堅さと良質案件の選別が効いている。その他事業(エンジニアリング、グリーンエネルギー、建物ライフサイクル、子会社各種事業含む)は売上4,892.9億円(-1.5%)、営業利益305.3億円(+22.4%、利益率6.2%)で、減収にもかかわらず増益を達成し、効率改善が進んだ。道路舗装事業(日本道路株式会社)の売上高は1,557.5億円、営業利益105.9億円と推定され、利益率6.8%と安定している。全体として、建設事業の収益力強化が業績を牽引し、投資開発の高収益・その他の効率化が補完する構図。
【収益性】営業利益率5.8%(前年3.7%から+2.1pt)、純利益率6.5%(同3.4%から+3.1pt)と大幅改善。完成工事総利益率11.9%(前年9.3%から+2.6pt)、開発事業総利益率18.6%(同15.1%から+3.5pt)と、ともに原価コントロールと案件ミックス改善が奏功した。販管費率6.8%(前年6.4%から+0.4pt)の微増にとどめ、営業レバレッジが効いた。ROE13.3%(前年7.6%相当から+5.7pt)と大幅改善、杜邦分解では純利益率6.5%×総資産回転率0.775×財務レバレッジ2.65で約13.3%の水準。純利益率の大幅向上が主因だが、一時的な投資有価証券売却益の寄与が約21%含まれる点は持続性評価で割り引く必要がある。ROA(経常利益ベース)4.7%(前年2.8%から+1.9pt)も改善した。【キャッシュ品質】営業CF416.4億円/純利益1,329.5億円=0.31倍、OCF/EBITDA0.27倍と低位で、利益の現金化に課題が残る。営業CF小計732.7億円から運転資本の増加(完成工事未収入金増▲1,307.3億円等)と法人税支払▲335.7億円が大きく控除され、営業CF水準が抑制された。フリーCF347.8億円(営業CF416.4億円+投資CF▲68.6億円)はプラス確保。設備投資は986.5億円で減価償却費335.1億円の約2.9倍と積極的。【投資効率】総資産回転率0.775回(前年0.782回とほぼ横ばい)。固定資産回転率3.1回(前年3.2回相当)、売上債権回転期間168日(前年157日から+11日)と回収サイトがやや長期化。棚卸資産は商品12.0億円と軽微、棚卸回転日数は2.1日と在庫リスクは限定的。【財務健全性】自己資本比率37.7%(前年34.1%から+3.6pt)、流動比率130.0%(前年125.5%から+4.5pt)と改善。有利子負債3,663.4億円(短期借入金2,373.8億円、長期借入金1,289.3億円、社債1,560.0億円、1年内償還社債100.0億円)でDebt/Equity比率0.38倍、Debt/EBITDA2.41倍、インタレストカバレッジ(EBITDA/支払利息)20.1倍と信用指標は概ね良好。短期負債比率64.8%と高く、現金・預金2,379.9億円/短期有利子負債(短期借入金+1年内償還社債)2,473.8億円=0.96倍で、短期流動性はタイトだが工事前受金1,837.1億円が運転資金の緩衝材となる。純現金・預金(現預金+短期有価証券-有利子負債)は▲525.5億円で実質ネット負債状態だが、営業CFの改善により資金繰りリスクは限定的と見る。
営業CF416.4億円は前年比▲73.8%と大幅減。営業CF小計732.7億円(税引前利益1,933.4億円に減価償却335.1億円等を加減)から、運転資本の増加(完成工事未収入金増▲1,307.3億円、買掛金増+235.4億円、前受金増+142.2億円等)が大きく控除され、法人税等支払▲335.7億円も重なり営業CF水準が抑制された。工事損失引当金の減少▲394.6億円(取り崩し)も一時的にOCFを押し下げた。投資CFは▲68.6億円で、有形固定資産取得▲986.5億円が主体、売却+52.7億円、子会社取得▲81.6億円等が加減された。投資有価証券の売却による収入は営業CFの受取利息・配当金に一部含まれる可能性があるが、明示された売却収入は投資CFに計上されていない。財務CFは▲1,205.9億円で、社債発行+400.0億円、償還▲300.0億円、長期借入+400.3億円、返済▲667.2億円、配当▲288.7億円、自社株買い▲100.1億円等が内訳。フリーCF347.8億円(営業CF+投資CF)は前年比▲79.2%と減少したが、プラスを維持。現金・預金は期首2,941.6億円→期末2,379.9億円へ561.7億円減少し、為替効果+21.6億円を加味した純減は▲836.5億円。運転資本の膨張とCapex拡大がキャッシュアウトを押し上げており、来期は完成工事未収入金の回収加速と工事損失引当金の正常化によるOCF改善が鍵となる。
経常的な収益基盤は完成工事と開発事業の営業利益で、営業利益1,186.7億円が中核。営業外収益144.8億円(受取利息38.7億円、受取配当金56.7億円、為替差益27.3億円等)は売上高対比0.7%と適度な水準。一方、特別利益964.0億円(投資有価証券売却益881.7億円、負ののれん発生益59.3億円、固定資産売却益23.0億円等)が税引前利益1,933.4億円の約50%を占め、純利益1,329.5億円の約21%を一時的項目が押し上げた。特別損失253.9億円(減損損失244.5億円、固定資産除売却損1.1億円、投資有価証券評価損8.3億円等)を差し引いても、非経常純額710.1億円(特別利益-特別損失)が純利益に大きく寄与している。営業CF/純利益比率0.31倍は、利益の大半が現金化されていない状況を示し、運転資本の増加(売掛金増+1,427.2億円相当、前受金増+182.5億円、買掛金増+239.5億円等の複合)が主因。アクルーアル品質はOCF/EBITDA0.27倍と低く、一時的な投資有価証券売却益のキャッシュイン効果が営業CFに反映されていないことも影響。経常利益1,223.2億円と純利益1,329.5億円の差は税負担と特別損益の複合で、税引前利益1,933.4億円→法人税等642.5億円控除→非支配株主利益24.7億円控除の結果、親会社株主帰属純利益1,266.2億円となる構造。包括利益1,576.2億円(その他包括利益+246.7億円)は、有価証券評価差額金+102.3億円、退職給付調整額+168.8億円、為替換算調整+14.4億円等が純利益に上乗せされ、株主資本の増加要因となった。総じて、P/Lは良好だが一時益依存度が高く、来期の持続的収益力は粗利率改善と工事採算の維持に左右される。
会社計画は売上高2兆3,100.0億円(前年比+12.3%)、営業利益1,530.0億円(同+28.9%)、経常利益1,480.0億円(同+21.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,240.0億円(同-6.7%)、EPS191.40円、DPS38.50円。純利益は一時的な投資有価証券売却益の反動で減益見込みだが、営業・経常利益は増益を計画。営業利益率は通期見込み6.6%(当期実績5.8%から+0.8pt)とさらなる改善を織り込む。売上高の増収は建設事業の受注消化と開発事業の案件積み上げを前提とし、完成工事高の伸長と粗利率維持が前提。当期実績比で、売上+12.3%に対し営業利益+28.9%と営業レバレッジが効く計画だが、販管費増加率のコントロールが鍵。純利益の減益は特別利益の反動を織り込んだ保守的見通しで、基礎収益の底上げは継続する見込み。配当性向は通期予想ベースで20.1%(38.5円/191.4円)と当期実績40.1%から低下するが、これは通期配当総額の再設定を含む可能性があり、会社説明資料での配当方針の確認が必要。受注残の開示は本データ内にないが、前受金1,837.1億円(前年比+11.0%)の増加は受注環境の底堅さを示唆する。上期進捗は本データの範囲外だが、通期で売上+12.3%、営業利益+28.9%を達成するには、下期に粗利率・販管費コントロールの一層の強化が必要と見る。
実績配当は中間配当22円、期末配当50円の合計72円(前年17.5円から+54.5円)。当期純利益1,329.5億円に対し総配当額262.0億円で配当性向19.7%、親会社株主帰属純利益1,266.2億円対比では20.7%。参考として負ののれん発生益59.3億円を除いた配当性向は20.5%。自社株買いは100.1億円を実施し、総還元額362.1億円、総還元性向28.6%(純利益対比)。フリーCF347.8億円に対し総還元額362.1億円は1.04倍で概ね均衡、配当のみではFCFの0.75倍と持続可能な水準。配当方針は中期経営計画で配当性向40%程度を目安としている可能性があるが、当期実績は19.7%とそれを大きく下回る。会社計画の通期配当38.5円(EPS191.4円前提)は配当性向20.1%で、減配というより一時益の反動を織り込んだ水準調整と見る。過去の配当性向推移は本データ内に明示されていないが、前年配当17.5円から当期72円への大幅増配は一時的増益を株主還元に反映した結果で、来期38.5円は持続的な配当水準への回帰と解釈できる。増配余地は、営業CFの純利益並みへの改善と投資有価証券売却などの一時CFに依らない現金創出の積み上げが条件となる。現金・預金2,379.9億円と内部留保は厚く、財務面での配当支払い能力は問題ない。
運転資本リスク: 完成工事未収入金9,531.9億円(前年比+18.4%)と大幅増加し、営業CF/純利益0.31倍と利益の現金化が低位。売上債権回転期間168日(前年157日から+11日)と回収サイトが長期化しており、大型案件の回収遅延や不良債権化のリスクがある。工事前受金1,837.1億円の緩衝はあるが、運転資本の膨張が資金繰りを圧迫し、短期負債比率64.8%と高い中で流動性タイト化の懸念が残る。
工事採算リスク: 工事損失引当金は645.4億円(前年1,040.0億円から-37.9%)へ減少したが、資材・人件費の高騰と人手不足が継続する環境下で、固定価格契約の採算悪化や工期遅延による原価上振れが再発する可能性がある。完成工事総利益率11.9%は改善したが、価格転嫁の遅れや天候・災害リスクにより、来期以降に引当金の再積み増しが必要となれば利益・CFを圧迫する。
一時益依存リスク: 当期純利益1,329.5億円のうち特別利益964.0億円(投資有価証券売却益881.7億円、負ののれん59.3億円等)が約21%を占め、持続的収益力の評価が難しい。来期計画では純利益1,240.0億円(-6.7%)と減益見込みで、営業利益の増益が一時益の反動を吸収しきれるかが鍵。投資有価証券の簿価3,033.4億円(前年比+1.3%)は依然高水準で、市場変動による評価損リスクも残る。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.8% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +0.2pt |
| 純利益率 | 6.5% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +2.9pt |
営業利益率は業種中央値5.5%を0.2pt上回り、純利益率6.5%は中央値3.5%を2.9pt大きく上回る。一時的な投資有価証券売却益の寄与が大きいが、基礎収益の改善も寄与している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 5.8% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | -4.1pt |
売上高成長率5.8%は業種中央値9.8%を4.1pt下回る。建設市況の回復ペースが同業他社比やや緩やかで、受注環境の差が反映されている。
※出所: 当社集計
粗利率改善とROE向上: 完成工事総利益率11.9%(前年9.3%から+2.6pt)、開発事業総利益率18.6%(同+3.5pt)と採算が大幅改善し、ROE13.3%(前年7.6%相当から+5.7pt)まで回復した。原価コントロールと案件ミックスの良化が継続すれば、持続的な収益性向上が期待できる。来期計画では営業利益率6.6%(当期5.8%から+0.8pt)とさらなる改善を織り込んでおり、経営効率の改善トレンドが注目される。
一時益依存と収益の質: 投資有価証券売却益881.7億円を含む特別利益964.0億円が純利益の約21%を占め、営業CF/純利益0.31倍と利益の現金化が低位。来期は純利益1,240.0億円(-6.7%)と減益見込みで、一時益の反動を基礎収益の増益で吸収できるかが評価の分岐点。運転資本の膨張(完成工事未収入金+18.4%)を来期に是正し、OCF/純利益0.8倍超への回復が、持続的成長とバリュエーション向上の鍵となる。
短期流動性と資本効率のバランス: 自己資本比率37.7%(+3.6pt)と改善したが、短期負債比率64.8%と高く、現金・預金2,379.9億円/短期有利子負債2,473.8億円=0.96倍で短期流動性はタイト。工事前受金1,837.1億円が緩衝材だが、営業CFの改善と短期負債の適度な長期化(社債発行+400億円の一部)により、財務の安定性が高まる余地がある。設備投資986.5億円(減価償却の約2.9倍)と積極的で、中期成長に布石を打つ局面。
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