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18022026 第3四半期プライムJGAAP

大林組(1802) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益46%増

2026年度第3四半期の売上高は1兆8,324億円(前年同期比-3.6%)、営業利益は1,427億円(同+46.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 大林組

建設・資材/建設業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥18324.3億¥19003.8億−3.6%
営業利益¥1427.2億¥976.0億+46.2%
経常利益¥1516.5億¥1062.0億+42.8%
純利益¥1348.8億¥985.9億+36.8%
ROE(年換算)14.4%10.9%-

Executive Summary

売上高が減少する中で工事採算の改善により営業利益が大幅増益となったことが本決算の最重要ポイントである。売上高は1兆8,324.3億円(前年比-3.6%)、営業利益は1,427.2億円(同+46.2%)、経常利益は1,516.5億円(同+42.8%)、純利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)は1,317.6億円(同+37.3%)となった。売上減少下での大幅増益の主因は、国内建築を中心とした工事採算の改善であり、粗利率は14.4%と前年同期の10.9%から約3.5pt上昇した。なお純利益には投資有価証券売却益399.1億円を含む特別利益が寄与しており、一時的要因を除いた本業の改善度合いを合わせて確認する必要がある。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は1兆8,324.3億円で前年同期比-3.6%となった。主力の国内建築が同-16.9%と大きく減少し全社を押し下げた一方、海外土木が+33.1%、不動産が+49.0%と大きく伸長し、減収幅を緩和した。海外建築は359.5億円でほぼ横ばい、国内土木は319.8億円で堅調に推移した。完成工事高は1兆7,279.3億円(同-5.4%)だが、完成工事総利益は2,408.9億円(同+27.5%)と増加し、完成工事総利益率は13.9%へ約3.6pt改善した。

【損益】営業利益は1,427.2億円(同+46.2%)、営業利益率は7.8%と前年同期の5.1%から大幅に改善した。国内建築の営業利益率は9.3%(前年4.3%)へ急改善し、連結営業利益の約53.9%を占める最大の牽引役となった。工事損失引当金は41.7億円と前年の167.3億円から大幅に減少し、不採算工事の負担軽減が採算改善を後押しした。経常利益1,516.5億円は営業外収支89.2億円の黒字(受取配当金60.1億円等)を加えて形成され、営業外収益への依存度は低い。純利益1,317.6億円には投資有価証券売却益399.1億円を含む特別利益405.8億円が寄与しており、一過性要因を含む点に留意が必要である。総じて減収増益の決算である。

セグメント別分析

5セグメント中、国内建築が売上高8,470.5億円(構成比46.2%)で最大だが前年同期比-16.9%と減収し、営業利益率は9.3%(前年4.3%)へ急改善した。国内土木は売上高3,197.6億円(同+4.8%)、営業利益率9.9%と安定した収益性を維持している。海外建築は売上高3,595.1億円でほぼ横ばい、営業利益率2.7%と5セグメント中最低で、国内事業との収益性差が大きい。海外土木は売上高2,323.1億円(同+33.1%)、営業利益率4.7%へ改善し増収増益となった。不動産は売上高588.6億円(同+49.0%)、営業利益率20.5%と最も高収益なセグメントであり、連結利益への質的な寄与が大きい。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は7.8%で前年同期の5.1%から改善し、純利益率は7.2%(前年約5.0%)へ上昇した。粗利率14.4%は建設業として構造的に低い水準だが、前年同期の10.9%から約3.5pt改善しており方向性は良好である。【キャッシュ品質】現金及び預金は3,350.9億円で前年末の3,947.3億円から減少し、未成工事受入金は2,730.7億円(前年末比+41.2%)と工事前受資金が積み上がっている一方、未成工事支出金も577.2億円(同+50.3%)へ増加し、進行案件への資金投下が拡大している。【投資効率】ROEは年換算14.4%であり、純利益率の改善と財務レバレッジを背景に高水準を維持している。【財務健全性】自己資本比率は39.7%で前年末の39.8%からほぼ横ばいであり、総資産3兆1,457.1億円、純資産1兆2,483.0億円と資本基盤は安定している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示データは限られるため、BSの推移から資金動向を分析する。現金及び預金は前年末の3,947.3億円から当期末3,350.9億円へ596.4億円減少した。この間、未成工事支出金が193.2億円増加し進行工事への資金投下が拡大した一方、未成工事受入金は796.4億円増加しており、工事前受金の積み増しが資金繰りを支えている。自己株式は前年同期比311.6億円増加しており、株主還元関連の資金支出が現金減少の一因となった可能性がある。有形固定資産は756.8億円へ増加傾向にあり、事業基盤への継続投資がうかがえる。全体として、営業活動に伴う前受金増加と投資・株主還元による資金使用が並行して進んでいる状況である。

収益の質

当期の増益は本業の採算改善と一時的要因の双方から構成されており、両者を区別して評価する必要がある。営業利益・経常利益の改善は、工事損失引当金が167.3億円から41.7億円へ大幅減少したことに示される不採算工事の減少が主因であり、営業外収益(受取配当金60.1億円、受取利息37.3億円等)への依存度は低く、経常的な収益力の改善と捉えられる。一方、税引前利益には投資有価証券売却益399.1億円を主因とする特別利益405.8億円が含まれ、特別損益純額392.9億円は税引前利益1,909.3億円の約20.6%を占める。このため純利益の伸び(+37.3%)には資産売却による一過性の押し上げが含まれ、経常利益(+42.8%)や営業利益(+46.2%)を中心に本業の実力を評価することが望ましい。包括利益は1,540.0億円で純利益1,348.8億円を上回り、有価証券評価差額金175.6億円の増加がその主因である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対するQ3累計の進捗率は、売上高71.3%、営業利益73.2%、経常利益74.0%、純利益77.5%であり、概ね標準的な75%近辺で推移している。営業利益・経常利益の進捗はやや標準を下回るが、純利益は投資有価証券売却益を含み先行している。通期計画は売上高2兆5,700億円(同-0.8%)、営業利益1,950億円(同+36.9%)、経常利益2,050億円(同+34.7%)であり、下期は国内建築の売上回復度合いと工事採算の維持が計画達成の鍵となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり41.00円であり、通期会社予想の年間配当は87.00円である。予想EPS244.03円に基づく配当性向は約35.7%であり、一般的な持続可能性目安である60%を下回る水準にある。自己株式は前年同期の148.3億円から459.9億円へ311.6億円増加しており、株主還元姿勢の一端がうかがえるが、当期の自社株買い支出額は残高変動のみからは特定できないため、配当性向と総還元性向は区別して捉える必要がある。

リスク要因

  1. 国内建築の減収継続リスク: 主力の国内建築は外部売上高が前年同期比-16.9%と大きく減少しており、収益性は改善したものの、出来高減少が続く場合は全社売上の回復を阻害しうる。

  2. 海外事業の低採算構造: 海外建築の営業利益率は2.7%、海外土木は4.7%であり、国内建築(9.0%)、国内土木(9.9%)を下回る。原価超過や工期遅延、為替変動が収益性に影響しうる。

  3. 工事債権・短期資金構造: 完成工事未収入金は1兆1,688.5億円と総資産の約37%を占め、回収遅延時の流動性への影響が想定される。また短期負債比率が相対的に高く、借換え・資金調達環境の変化を注視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.8%
純利益率7.4%

業種内での相対位置を示す中央値データは未提供であり、自社数値単独での参照情報となる。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−3.6%

売上高は減収だが、増益との組み合わせは業種内での採算改善局面を示唆する。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上減少下で営業利益が+46.2%増加し、粗利率・営業利益率が大幅に改善した点は、工事損失引当金の大幅減少に示される不採算工事の縮小を伴う構造的な採算改善として読み取れる。

  2. 国内建築は減収ながら営業利益率が4.3%から9.3%へ急改善し、連結営業利益の過半を占める牽引役となった一方、海外建築・海外土木は国内事業に比べ低い利益率にとどまり、事業間の収益性のばらつきが確認できる。

  3. 純利益には投資有価証券売却益399.1億円を含む特別利益が寄与しており、通期進捗率77.5%という高い数値には一時的要因が含まれる。営業利益・経常利益の進捗(73.2%・74.0%)を併せて確認することが、業績の質の理解に資する。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,038円
base(基準)2,126円
bull(強気)2,189円
算出前提
1株純資産(BPS)1,816円
調整後予想EPS272.8円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.6%
予想EPSの信頼度調整×1.118(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.17倍 / 7.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,067円〜2,189円、ω±0.1で 2,119円〜2,138円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。