- 売上高: 9,078.72億円
- 営業利益: 812.85億円
- 当期純利益: 657.71億円
- 1株当たり当期純利益: 378.30円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 9,078.72億円 | 9,522.98億円 | -4.7% |
| 売上原価 | 7,688.33億円 | 8,621.63億円 | -10.8% |
| 売上総利益 | 1,390.39億円 | 901.34億円 | +54.3% |
| 販管費 | 577.54億円 | 496.01億円 | +16.4% |
| 営業利益 | 812.85億円 | 405.33億円 | +100.5% |
| 営業外収益 | 50.74億円 | 122.51億円 | -58.6% |
| 営業外費用 | 24.51億円 | 30.36億円 | -19.3% |
| 経常利益 | 839.08億円 | 497.48億円 | +68.7% |
| 税引前利益 | 962.07億円 | 661.74億円 | +45.4% |
| 法人税等 | 304.36億円 | 193.78億円 | +57.1% |
| 当期純利益 | 657.71億円 | 467.95億円 | +40.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 636.42億円 | 448.49億円 | +41.9% |
| 包括利益 | 811.03億円 | 94.41億円 | +759.1% |
| 減価償却費 | 75.81億円 | 77.83億円 | -2.6% |
| 支払利息 | 13.45億円 | 10.76億円 | +25.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 378.30円 | 243.99円 | +55.0% |
| 1株当たり配当金 | 65.00円 | 65.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 15,403.15億円 | 15,996.98億円 | -593.83億円 |
| 現金預金 | 2,526.36億円 | 2,406.89億円 | +119.47億円 |
| 固定資産 | 9,761.69億円 | 8,291.39億円 | +1,470.30億円 |
| 有形固定資産 | 3,003.42億円 | 2,467.45億円 | +535.97億円 |
| 無形資産 | 847.22億円 | 275.38億円 | +571.84億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 694.25億円 | -1,083.23億円 | +1,777.48億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 130.72億円 | -459.79億円 | +590.51億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 7.0% |
| 粗利益率 | 15.3% |
| 流動比率 | 121.4% |
| 当座比率 | 121.4% |
| 負債資本倍率 | 1.72倍 |
| インタレストカバレッジ | 60.43倍 |
| EBITDAマージン | 9.8% |
| 実効税率 | 31.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -4.7% |
| 営業利益前年同期比 | +100.5% |
| 経常利益前年同期比 | +68.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +41.9% |
| 包括利益前年同期比 | +759.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 183.17百万株 |
| 自己株式数 | 18.73百万株 |
| 期中平均株式数 | 168.23百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,627.64円 |
| EBITDA | 888.66億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 65.00円 |
| 期末配当 | 145.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Construction | 117.01億円 | 287.70億円 |
| Development | 29.85億円 | 125.86億円 |
| Engineering | 92.89億円 | 398.57億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 20,900.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,480.00億円 |
| 経常利益予想 | 1,520.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 1,370.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 826.63円 |
| 1株当たり配当金予想 | 125.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度第2四半期の大成建設は、売上が減少する中でも利益が大幅に改善し、利益率の回復が鮮明な好決算でした。売上高は9,078.72億円で前年同期比-4.7%と減収でしたが、営業利益は812.85億円で+100.5%と倍増し、経常利益は839.08億円(+68.7%)、当期純利益は636.42億円(+41.9%)と大幅増益を確保しています。粗利率は15.3%(売上総利益1,390.39億円)で、コスト管理と採算改善が進んだことを示唆します。営業利益率は約8.9%(=812.85/9,078.72)と、前年の推計約4.3%から約+469bp拡大したと推定され、収益性の回復が定量的に確認できます。販管費は577.54億円で売上比6.4%と抑制され、営業レバレッジが効いた形です。営業外では受取配当金30.33億円、受取利息7.92億円などにより営業外収益50.74億円、営業外費用24.51億円と純増要因になっています。税前利益962.07億円に対し法人税等304.36億円で実効税率は31.6%と妥当な水準です。キャッシュフローは営業CF694.25億円で、純利益636.42億円に対して営業CF/純利益1.09倍と利益の現金化は概ね良好です。総資産は25,164.84億円、純資産9,253.90億円、負債合計15,910.94億円で、負債資本倍率は1.72倍とやや高めながら、インタレストカバレッジ60.43倍と利払い余力は非常に強固です。流動比率121.4%、当座比率121.4%と1.0倍超を確保する一方、ベンチマークの150%には届かず、短期借入金1,650.34億円を含む流動負債12,687.16億円の管理が引き続き論点です。自己株買いは-625.41億円と株主還元を積極化しており、計算上の配当性向は60.4%で閾値に近接、還元の持続性はフリーCFの動向次第です。デュポン分解では純利益率7.0%、総資産回転率0.361、財務レバレッジ2.72倍からROE6.9%で、主に利益率の改善がROEの押し上げに寄与したとみられます。商社型の指標は原則非適用ながら、提示ROIC5.3%は目標レンジ7–8%に対して控えめで、投下資本効率の一段の改善余地が示唆されます。営業外収入比率は8.0%と限定的で、収益の質は営業主導に回帰しています。データ制約として投資CF、設備投資、受注高・受注残高の開示がなく、FCFや収益持続性の精緻な評価には限界があります。総じて、低迷していた現場採算の反転とコストコントロールの奏功が増益の主因で、今後は原材料・労務費の動向、受注単価と案件ミックス、運転資本の管理が持続性の鍵になります。
DuPont視点の分解(純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ)に基づくと、ROE6.9% = 7.0% × 0.361 × 2.72です。今期のROE改善の主要因は純利益率の上昇で、営業利益の倍増(+100.5%)と営業利益率の拡大(推計+469bp)が示すとおり収益性が主導要因です。総資産回転率は売上減少(-4.7%)の影響で低下方向に働いた可能性が高く、ROE押し下げ要因と推定されます。財務レバレッジは2.72倍で安定的にROEを補助しているものの、過度なレバレッジ依存ではありません。利益率改善のビジネス上の理由は、工事採算の改善(原価低減、設計・エンジニアリング付加価値の高い案件比率上昇)、販管費の伸び抑制(売上比6.4%)、および不採算案件の減少にあると考えられます。これらは案件ミックスとコスト環境に依存するため、資材価格・労務費の変動により揺り戻しリスクはありますが、原価管理の構造的改善が含まれるなら一定の持続性が見込めます。懸念トレンドとして、売上成長率(-4.7%)に対して販管費の絶対額は減少データ不在ながら売上比が上昇していない点は健全ですが、今後売上が伸び悩む局面ではスケールメリットの剥落に注意が必要です。
売上は9,078.72億円で前年同期比-4.7%と減収ですが、利益は大幅増で、数量よりも単価・採算改善が成長ドライバーでした。営業利益率約8.9%、EBITDAマージン9.8%はゼネコンとして高水準で、短期的には利益の質が向上しています。営業外収入比率8.0%と営業主導の利益体質に回帰しており、一時的な投資売却益への依存は示されていません(有価証券売却益は未記載)。持続可能性の判定には、受注高・受注残高、案件ミックス(民間/官公庁、海外/国内、設計・施工一括)の情報が不可欠ですが未記載のため、現時点では採算改善の一部は循環要因(資材価格の落ち着き、期ズレ)による可能性を残します。今後は原材料(鋼材、セメント)、労務費の伸び、インフレ転嫁の契約条項、JV案件の損失引当の有無が利益持続性の鍵です。保守的な前提では、売上横ばい〜緩やか、利益率は足元高水準から平準化を想定するのが妥当です。
流動比率121.4%、当座比率121.4%と1.0倍超で、短期支払能力は確保されていますが、ベンチマーク150%には届かず注意域です。負債資本倍率1.72倍は保守的な閾値(<1.5倍)を上回り、やや高めのレバレッジですが、インタレストカバレッジ60.43倍と利払い余力は極めて強固です。短期借入金1,650.34億円と長期借入金2,072.04億円を合わせた有利子負債残高に対し、現金預金2,526.36億円と潤沢な運転資本(2,715.99億円)で満期ミスマッチリスクは抑制されています。固定負債3,223.78億円と長期資産のバランスも概ね許容範囲です。オフバランス債務(保証、完成保証、リース)は未記載のため評価不能ですが、業界特性上の保証債務には引き続き留意が必要です。
営業CFは694.25億円で純利益636.42億円に対して1.09倍と良好な現金化を示し、利益の質は高いと評価できます。投資CF・設備投資が未記載のためFCFは算出不可で、配当や自己株買いを含む総還元の持続可能性評価に制約があります。自己株買いは-625.41億円と大型で、営業CFの大半を吸収する規模であり、持続には安定的なFCF創出(運転資本の健全化、設備・不動産投資の最適化)が前提となります。運転資本の詳細(受取勘定、棚卸、未成工事受入金/支払金)の内訳は未記載のため、期ズレによる営業CFのブースト/ドラッグの識別は困難です。営業CF/純利益が閾値0.8倍を上回るため、足元での運転資本操作の強い兆候は見られません。
計算上の配当性向は60.4%で、ベンチマーク(<60%)に近接しやや高めです。営業CFは堅調ですが、投資CFとFCFが未記載のため、配当+自己株買いを含む総還元のフルカバレッジは評価不能です。自己株買い625.41億円の実施により株主還元は積極化しており、今後の持続性は案件採算の維持と運転資本の安定、投資計画の強度に依存します。純資産8,597.71億円、1株当たり純資産5,627.64円とバッファは厚く、短期の配当継続余力は高いとみられますが、中期的にはFCF創出力の確認が必要です。
ビジネスリスク:
- 資材価格・労務費の上昇による工事原価の悪化(マージン圧迫)
- 大型案件の工程遅延・設計変更によるコスト超過リスク
- 受注環境の変動(民間投資サイクル、官公庁予算の変動)
- 海外案件・JVに伴うカントリー/契約リスクと損失引当リスク
- 案件ミックス変化(低採算比率上昇)による営業利益率の低下
財務リスク:
- 負債資本倍率1.72倍とやや高めのレバレッジに伴う調達環境悪化時の再調達リスク
- 短期負債1,650.34億円のロールオーバーリスク(現預金とのバランスは良好)
- 運転資本の変動による営業CFのブレ拡大
- 投資有価証券4,685.37億円の評価変動リスク(含み損益の損益・資本への影響)
主な懸念事項:
- 売上減少(-4.7%)下での高収益維持の持続可能性
- 受注高・受注残の未開示による来期以降の見通し不確実性
- ROIC5.3%と投下資本効率の伸び悩み
- 一時点のコスト追い風(資材価格の落ち着き)反転時の利益ボラティリティ
重要ポイント:
- 減収ながら営業利益が+100.5%の大幅増、営業利益率は約8.9%と大きく改善
- 営業CF/純利益1.09倍で利益の現金化は良好、キャッシュの質は高い
- 流動比率121%と短期資金は確保も、負債資本倍率1.72倍でレバレッジはやや高め
- 自己株買い625億円超で還元積極化、配当性向は約60%と高止まり
- ROE6.9%は利益率改善が主因、総資産回転率は売上減で逆風
注視すべき指標:
- 受注高・受注残(Book-to-Bill、受注残の粗利率)
- 案件ミックス(民間/官公庁、海外/国内、設計・施工一括比率)
- 原材料価格指数(鋼材、セメント)と労務費動向、スライド条項の適用状況
- 不採算案件の引当動向と完成工事補償・保証債務
- 運転資本回転(未成工事支出金・受入金のバランス)
- FCF(投資CF、設備投資)と総還元(配当+自社株買い)のカバレッジ
- ROICと資産入替の進捗(低ROIC資産の売却・最適化)
セクター内ポジション:
一般的に総合建設の営業利益率は低中位のシングル・ディジットに収れんしやすい中、当社の今期水準(約8.9%)は相対的に高水準で収益性改善を示す。一方、売上は減少しており、持続性の確認には受注残・案件ミックスの精査が必要。レバレッジはやや高めだが利払い余力は業界内でも強固な部類。
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