- 売上高: 94.22億円
- 営業利益: 1.79億円
- 当期純利益: -4.53億円
- 1株当たり当期純利益: -1.56円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 94.22億円 | 88.06億円 | +7.0% |
| 売上原価 | 78.65億円 | 65.56億円 | +20.0% |
| 売上総利益 | 15.58億円 | 22.50億円 | -30.8% |
| 販管費 | 13.79億円 | 15.48億円 | -10.9% |
| 営業利益 | 1.79億円 | 7.01億円 | -74.5% |
| 営業外収益 | 15百万円 | 19百万円 | -19.2% |
| 営業外費用 | 2.35億円 | 57百万円 | +315.0% |
| 経常利益 | -41百万円 | 6.64億円 | -106.2% |
| 税引前利益 | -2.08億円 | 7.43億円 | -127.9% |
| 法人税等 | 57百万円 | 4.52億円 | -87.4% |
| 当期純利益 | -4.53億円 | -1.27億円 | -256.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -2.64億円 | 2.90億円 | -191.0% |
| 包括利益 | -2.64億円 | 2.90億円 | -191.0% |
| 減価償却費 | 50百万円 | 21百万円 | +132.5% |
| 支払利息 | 2.35億円 | 55百万円 | +331.4% |
| 1株当たり当期純利益 | -1.56円 | 1.71円 | -191.2% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 74.79億円 | 124.15億円 | -49.36億円 |
| 現金預金 | 17.84億円 | 29.66億円 | -11.82億円 |
| 売掛金 | 25百万円 | 5.51億円 | -5.26億円 |
| 固定資産 | 17.25億円 | 18.00億円 | -75百万円 |
| 有形固定資産 | 10.68億円 | 7.90億円 | +2.78億円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 24.62億円 | -39.76億円 | +64.38億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -10.25億円 | -7.06億円 | -3.19億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -26.49億円 | 47.71億円 | -74.20億円 |
| フリーキャッシュフロー | 14.37億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 1.9% |
| 総資産経常利益率 | -0.4% |
| 1株当たり純資産 | 37.34円 |
| 純利益率 | -2.8% |
| 粗利益率 | 16.5% |
| 流動比率 | 363.6% |
| 当座比率 | 363.6% |
| 負債資本倍率 | 0.45倍 |
| インタレストカバレッジ | 0.76倍 |
| EBITDAマージン | 2.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.0% |
| 営業利益前年同期比 | -74.5% |
| 経常利益前年同期比 | -55.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -72.4% |
| 包括利益前年同期比 | -72.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 170.04百万株 |
| 自己株式数 | 283株 |
| 期中平均株式数 | 170.04百万株 |
| 1株当たり純資産 | 37.35円 |
| EBITDA | 2.29億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 103.00億円 |
| 営業利益予想 | 5.00億円 |
| 経常利益予想 | 4.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2.80億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 1.65円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q4の株式会社fantasistaは、売上が伸びた一方で利益が大幅悪化し、最終赤字に転落した厳しい決算です。売上高は94.22億円で前年比+7.0%と増収を確保しました。粗利は15.58億円で粗利率16.5%と開示に整合し、売上総利益の絶対額は前年から増えた可能性が高い一方、費用側の増勢がそれを上回りました。販管費は13.79億円と高止まりし、営業利益は1.79億円(前年比-74.5%)まで縮小しました。営業利益率は1.90%と、前年約7.97%(当社試算)から約-607bpの大幅悪化です。営業外費用が2.35億円(主に支払利息)と重く、経常損失は0.41億円となりました。経常段階から税前にかけて約1.67億円規模の特別損失が発生した公算が高く、税引前損失は2.08億円です。最終損益は-2.64億円(前年比-72.4%)の純損失となり、EPSは-1.56円に低下しました。ROEは-4.2%で資本効率は低迷、ROICも3.3%と警戒水準(<5%)にあります。営業キャッシュフローは24.62億円と黒字で、投資CF-10.25億円を差し引いたフリーCFは14.37億円と潤沢でした。もっとも、営業CF/純利益は-9.33倍と、最終赤字が拡大したことにより品質指標は警告閾値を大きく下回っています。資金面では財務CFが-26.49億円と大幅流出で、借入返済等による実質的なデレバレッジを進めたとみられます。流動比率は363.6%と潤沢で満期ミスマッチの懸念は低い一方、インタレストカバレッジは0.76倍にとどまり、短期的な利払い負担は依然重いです。総じて、増収にもかかわらず原価・販管費・営業外費用の増加、さらに特損が重なり、損益・資本効率ともに悪化しました。今後は費用構造の是正、利息負担の軽減、ROICの底上げが最重要課題です。営業CFは強いものの、利益ベースの収益性改善が伴わなければ持続的な価値創造にはつながりにくい点に留意が必要です。短期的にはコスト是正と財務費用の減圧が、来期の黒字化・資本効率回復への前提条件になります。
- ROE分解(デュポン):ROE -4.2% = 純利益率 -2.8% × 総資産回転率 1.024 × 財務レバレッジ 1.45倍。
- 変化が大きい要素:純利益率の悪化が最大のドライバー。営業利益率の約-607bp低下(当社推計)に加え、営業外費用(支払利息2.35億円)と特別損失(推計約1.67億円)が純利益を大きく押し下げました。
- ビジネス上の背景:増収(+7.0%)にもかかわらず、原価上昇・販管費の伸長により営業レバレッジが逆回転。さらに利息負担と特損が重なり、経常・最終段階で赤字化しました。
- 持続性評価:原価・販管費増は構造的(賃金・外注・物価)要因を含む可能性があり持続しやすい一方、特損は一過性の可能性。利息負担はデレバレッジ進展で漸減余地があるが、足元では重い。
- 懸念トレンド:売上成長率(+7%)に対し営業利益が-74.5%と大幅悪化。費用の伸びが売上を上回る「負の営業レバレッジ」が顕著で、ROICは3.3%と資本コストを下回る公算が大きい。
売上は94.22億円(+7.0%)でトップラインの伸長は確認できますが、粗利率16.5%・営業利益率1.9%への圧縮から収益の質は低下しました。営業外費用(利息2.35億円)と推計特損(約1.67億円)がボトムラインを悪化させ、最終赤字(-2.64億円)に至っています。営業CFは24.62億円と強く、運転資本の解放等が寄与した可能性が高い一方、利益成長の持続性を裏づけるものではありません。費用最適化、価格改定・ミックス改善、受注選別などで営業利益の回復が図れれば来期のリバウンド余地はありますが、ROICが3.3%にとどまる点は構造的な収益力の弱さを示唆します。短期見通しはコスト是正と利払い負担の軽減の進捗に依存、中期は資産回転の改善(不採算資産圧縮)と高採算案件比率の引き上げがカギです。
- 流動性:流動資産74.79億円/流動負債20.57億円で流動比率363.6%、当座比率も同水準と極めて潤沢。満期ミスマッチリスクは低位。
- 資本構成:負債合計28.52億円、純資産63.51億円で負債資本倍率0.45倍と保守的。自己資本は厚いが、利益剰余金が-49.37億円と過去損失の累積が大きい。
- 有利子負債:短期0.51億円、長期7.29億円。対照的に支払利息2.35億円が大きく、実効金利やその他金融費用の内訳精査が必要。インタレストカバレッジ(EBIT/利息)は0.76倍と警戒水準で、利払い能力に注意。
- オフバランス:リースや保証等の開示はN/Aで不明。現時点で明示的なオフバランス債務の情報はありません。
- 警告条件:流動比率<1.0やD/E>2.0には該当せず、明示警告なし。ただし利息負担に関する運営上の警戒は必要。
- 営業CF対純利益:-9.33倍(<0.8)で品質警告。最終赤字下で営業CFが大きくプラスなため、運転資本の解放や一時要因の寄与が大きい可能性。
- FCF:14.37億円(営業CF24.62−投資CF10.25)で潤沢。設備投資は4.08億円と抑制的。
- 資金使途:財務CF-26.49億円は借入返済等の可能性が高く、実質的なデレバレッジを示唆。短期的な利払い圧力は残るが、中期的には金利負担緩和に資する方向。
- 運転資本:売掛金0.25億円・買掛金0.01億円等の開示は品目定義の違いがあり比較困難だが、営業CFの強さから期末にかけた運転資本の縮小(回収進捗・在庫圧縮等)の可能性が高い。
- 総評:キャッシュ創出は良好だが、損益ベースの収益性改善が伴っていないため、品質面の不一致が残る。
配当情報は未記載のため、実績・方針・配当性向の定量評価は不可。最終赤字のため当期ベースの利益配当余力は限定的とみられる一方、FCFは14.37億円と潤沢で、仮に配当を実施してもキャッシュ面では賄える余地はあります。ただし、営業CF/純利益が警告域で品質ギャップが大きく、安定配当には損益の黒字化・利息負担の軽減が前提。現時点では配当の持続可能性評価は不確実性が高く、来期の収益回復・FCFの継続性・純資産保全(自己資本充実)の観点から慎重に見る必要があります。
ビジネスリスク:
- 原価上昇・販管費増によるマージン圧縮(営業利益率が約-607bp悪化)
- 特別損失発生(推計約1.67億円)に伴う一過性損益変動リスク
- ROIC 3.3%と資本コスト下回りによる価値毀損リスク
- 受注・案件ミックスの変化による粗利率変動
- 価格転嫁の遅れに伴う営業レバレッジの逆回転
財務リスク:
- インタレストカバレッジ0.76倍と利払い余力の脆弱性
- 支払利息2.35億円の高さ(実効金利・金融費用の上振れ)
- 負の利益剰余金(-49.37億円)による将来の資本政策制約
- のれん(3.28億円)・無形資産(3.33億円)の減損リスク
- 一時的な運転資本解放に依存したキャッシュ創出の反動リスク
主な懸念事項:
- 営業利益の急減と最終赤字転落
- 費用構造の硬直性と価格改定の遅れ
- 特損の内容不開示による透明性不足
- ROE/ROICの低迷による資本効率悪化
- 来期黒字化の前提となる利息負担軽減の実現度
重要ポイント:
- 増収にもかかわらず営業利益率は約1.9%まで低下し、ROE/ROICともに低迷
- 利息負担と特損により経常・最終で赤字化、資本効率はマイナス圧力
- 営業CFは強くFCFも潤沢だが、利益との乖離が大きく品質面に課題
- 財務CFの大幅マイナスはデレバレッジ進展を示唆、今後の利息削減余地
- 来期の焦点はコスト是正・価格転嫁・資産効率改善(不採算資産の圧縮)
注視すべき指標:
- 営業利益率と粗利率の四半期推移(価格転嫁とコストコントロール)
- 支払利息の推移とインタレストカバレッジの改善度
- 特別損益の内容・一過性評価(減損・評価損等の開示)
- ROICと資産回転率(不採算資産売却・運転資本効率)
- 営業CFの持続性(運転資本の反動有無)
セクター内ポジション:
同規模の国内プロジェクト型企業と比べ、2025年度は収益性・資本効率で劣後。流動性とレバレッジは健全だが、利息負担と利益率の低さが相対的な弱み。デレバレッジ進展が続けば財務面は改善余地。
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