- 売上高: 73.32億円
- 営業利益: 2.01億円
- 当期純利益: 1.12億円
- 1株当たり当期純利益: 29.72円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 73.32億円 | 81.18億円 | -9.7% |
| 売上原価 | 64.53億円 | - | - |
| 売上総利益 | 16.64億円 | - | - |
| 販管費 | 13.47億円 | - | - |
| 営業利益 | 2.01億円 | 3.17億円 | -36.6% |
| 営業外収益 | 25百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.78億円 | - | - |
| 経常利益 | 2.18億円 | 1.63億円 | +33.7% |
| 税引前利益 | 1.63億円 | - | - |
| 法人税等 | 50百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 1.12億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.38億円 | 1.12億円 | +23.2% |
| 包括利益 | 1.26億円 | 1.21億円 | +4.1% |
| 支払利息 | 8百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 29.72円 | 24.25円 | +22.6% |
| 1株当たり配当金 | 8.00円 | 8.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 62.12億円 | 75.44億円 | -13.32億円 |
| 現金預金 | 10.20億円 | 9.48億円 | +72百万円 |
| 売掛金 | 6.13億円 | 8.16億円 | -2.03億円 |
| 棚卸資産 | 20.46億円 | 21.87億円 | -1.41億円 |
| 固定資産 | 37.88億円 | 38.08億円 | -20百万円 |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 1,315.16円 |
| 純利益率 | 1.9% |
| 粗利益率 | 22.7% |
| 流動比率 | 205.5% |
| 当座比率 | 137.8% |
| 負債資本倍率 | 0.63倍 |
| インタレストカバレッジ | 25.12倍 |
| 実効税率 | 30.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -9.7% |
| 営業利益前年同期比 | -36.3% |
| 経常利益前年同期比 | +33.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +22.9% |
| 包括利益前年同期比 | +4.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 4.94百万株 |
| 自己株式数 | 272千株 |
| 期中平均株式数 | 4.66百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,315.12円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 8.00円 |
| 期末配当 | 20.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 125.00億円 |
| 営業利益予想 | 7.50億円 |
| 経常利益予想 | 7.60億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 5.30億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 113.61円 |
| 1株当たり配当金予想 | 18.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のシンクレイヤは、売上の落ち込みと営業利益の減少にもかかわらず、純利益は増益を確保したが、資本効率と持続性には課題が残る四半期であった。売上高は73.32億円で前年同期比-9.7%、営業利益は2.01億円で-36.3%と減益、営業利益率は2.74%に低下した。営業利益率は前年の約3.88%(当社試算)から約114bp縮小した。粗利益は16.64億円、粗利率は22.7%で、売上減に対して粗利の伸びが伴わず、販管費13.47億円(売上比18.4%)の固定費負担が利益を圧迫した。経常利益は2.18億円で+33.6%の増益となり、営業段階の弱さを上回る最終段の改善が見られた。税引前利益は1.63億円、法人税等0.50億円で実効税率30.7%、当期純利益は1.38億円(+22.9%)と増益に転じた。インタレストカバレッジは25.1倍と強固で、金利負担は収益性に対して小さい。バランスシートは総資産100.0億円、流動比率205.5%、当座比率137.8%と流動性は健全で、短期借入金12.0億円に対し現金10.2億円、在庫20.46億円が存在する。ROEは2.2%にとどまり、ROICは2.1%と5%未満で資本効率に明確な課題がある。営業外収入比率は18.1%と一定の寄与が見られる一方、営業外科目の内訳は限定的で、経常段の改善要因の持続性は見極めが必要。営業キャッシュフローの開示がないため、利益の質(営業CF対純利益)の検証ができず、収益の現金裏付けに不確実性がある。配当性向の計算値は100.3%と高水準で、フリーキャッシュフローが不明な中、配当の持続性には注意が必要。短期的には在庫水準の適正化と粗利率の回復が利益改善の鍵となる。中期的には案件ミックス是正・価格改定・原価低減によりROIC>5%回復が焦点。データには営業外損益と経常利益の整合に不明点があり(特別損益・科目再分類の可能性)、この点は次四半期以降の開示で確認したい。
ステップ1(ROE分解): ROE 2.2% = 純利益率1.9% × 総資産回転率0.733 × 財務レバレッジ1.63倍。ステップ2(変化が大きい要素): 今期は売上減少(-9.7%)と営業利益の大幅減(-36.3%)から、純利益率が主たる押し下げ要因。総資産回転率は0.733と低めで、資産効率もROEを抑制。レバレッジは1.63倍と穏健でROE押し上げ効果は限定的。ステップ3(ビジネス上の理由): 売上総利益率22.7%に対し販管費比率18.4%と固定費負担が重く、売上減少がそのまま営業利益率低下(約-114bp)に波及。案件ミックスや価格競争、資材・部材コスト上昇、在庫評価の影響が示唆される。ステップ4(持続性評価): 原価・販管費は一部固定的で短期的なマージン圧迫は継続リスク。一方、価格転嫁やプロジェクト採算の改善が進めば回復余地はあるが、確度は見極め段階。ステップ5(懸念トレンド): 売上成長率(-9.7%)に対し販管費の絶対額は13.47億円と高止まりしており、営業レバレッジが逆回転。資本効率(ROIC 2.1%)は目標水準(>7-8%)から大きく下振れ、改善が急務。
売上は73.32億円で前年比-9.7%と縮小し、需要環境の弱さまたは案件の期ずれが示唆される。粗利率は22.7%で一定の採算を維持するも、販管費比率18.4%との組み合わせで営業余力は限定的。営業利益は2.01億円(-36.3%)と大きく減少し、営業段の収益エンジンは弱い。一方、経常利益2.18億円(+33.6%)、純利益1.38億円(+22.9%)は非営業要因や税負担の影響により底上げされた可能性。営業外収入比率18.1%と非コアの寄与が目立つため、成長の質はやや脆弱。短期見通しは、在庫20.46億円の消化進展と案件採算の改善が売上・粗利の下支え要因。中期的には、需要サイクル回復とコストコントロールで営業利益率の回復余地(目標イメージ: 3%台後半)を想定するが、実行度合い次第。データ制限(受注残・セグメント内訳・R&D/減価償却の非開示)により、成長の持続性評価には不確実性が残る。
流動比率205.5%、当座比率137.8%と流動性は健全で、明示的な警告水準(<1.0)には該当しない。負債資本倍率0.63倍、自己資本61.44億円と資本構成は保守的。短期借入金12.0億円に対し現金10.2億円、売掛6.13億円があり、満期ミスマッチは限定的だが、在庫20.46億円への依存が高く、在庫回転低下時の資金繰り負荷には留意。固定負債8.33億円、長期借入金4.48億円と長短バランスはおおむね良好。インタレストカバレッジ25.1倍で金利耐性は強い。オフバランスの開示情報はなく、リースや保証・受注保証の潜在債務は不明。
営業CF/純利益は未開示で品質評価は保留。営業段の減益に対し純利益が増益であること、非営業の寄与が大きいことから、キャッシュ創出が利益に追随していないリスクは意識すべき。フリーキャッシュフローは未開示のため、配当・設備投資のカバレッジ評価は不可能。運転資本では在庫20.46億円が流動資産の中で最大項目であり、在庫変動による営業CFの振れに注意(在庫積み上がりはCF悪化要因)。売掛金は6.13億円と相対的に小さく、回収リスクは限定的とみられるが、詳細の回収条件は不明。
配当性向(計算値)100.3%は警戒水準であり、利益水準から見た配当の余裕度は薄い。営業CF・FCFの開示がなく、FCFカバレッジは評価不能。純利益が非営業要因で押し上げられている可能性を踏まえると、キャッシュベースでの配当原資の確度は低下しうる。バランスシートは健全で短期的な支払い能力はあるものの、ROIC 2.1%と資本効率が低い現状では、成長投資と配当の両立に制約が生じやすい。方針面の開示が不足しているため、次回決算での通期配当見通し・株主還元方針の確認が必要。
ビジネスリスク:
- 売上減少に伴う固定費吸収悪化による利益率低下(営業レバレッジの逆回転)
- 案件ミックス・価格競争・資材高による粗利率圧迫
- 在庫水準の高止まりによる陳腐化・評価損・値引き販売リスク
- 需要サイクル(通信・放送インフラ/設備投資)の変動リスク(業界固有)
- サプライチェーンの部材調達遅延による案件期ずれ
財務リスク:
- ROIC 2.1%と資本効率低迷に伴う資本コスト未満の投下資本運用リスク
- 配当性向100.3%(計算値)に伴う還元持続性の低下リスク
- 在庫依存度の高さに起因する運転資本の資金拘束・営業CF悪化リスク
- 短期借入金12.0億円のロールオーバー依存(市場金利上昇時のコスト増)
主な懸念事項:
- 営業段の減益に対し経常・純利益が増益という構図の持続性
- 営業CF未開示で利益の現金裏付けが検証できない点
- 粗利率改善の道筋(価格転嫁、部材コスト低下、設計最適化)の不透明さ
- 在庫回転と評価の適正性(滞留・陳腐化リスク)
重要ポイント:
- 売上-9.7%、営業利益-36.3%で営業利益率は2.74%へ約-114bp低下
- 経常・純利益は増益だが非営業の寄与が相対的に大きく、質には留意
- ROE 2.2%、ROIC 2.1%と資本効率は目標水準を相当下回る
- 流動性は健全(流動比率205%)も、在庫高水準がCFのボラティリティ要因
- 配当性向100%超(計算値)で、FCF不明の中では還元余力に慎重姿勢が必要
注視すべき指標:
- 粗利率と販管費比率(四半期推移、bpでの改善・悪化)
- 在庫回転日数と在庫評価損の有無
- 受注残・案件採算(ミックス変化と価格改定の進捗)
- 営業キャッシュフロー/純利益比率(>1.0への回復)
- ROIC(WACC超えへの改善、少なくとも>5%)
- 非営業損益の内訳(持続性の確認)
セクター内ポジション:
同業内での流動性とレバレッジは保守的だが、収益力・資本効率は相対的に見劣り。営業外要因への依存度が高まっており、コア事業のマージン回復が評価の鍵。
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