| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥4396.1億 | ¥4251.6億 | +3.4% |
| 営業利益 | ¥336.2億 | ¥352.4億 | -4.6% |
| 経常利益 | ¥332.6億 | ¥340.5億 | -2.3% |
| 純利益 | ¥289.8億 | ¥257.8億 | +12.4% |
| ROE | 13.8% | 15.0% | - |
2026年3月期決算は、売上高4,396億円(前年比+144億円 +3.4%)、営業利益336億円(同-16億円 -4.6%)、経常利益333億円(同-8億円 -2.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益290億円(同+32億円 +12.4%)。増収減益の構図で、完成工事総利益は598億円(粗利率14.6%)と前年比+1.8%改善した一方、販管費が303億円へ+18.0%増加し営業利益率は7.6%に低下(前年8.3%から-0.7pt)。純利益の増益は投資有価証券売却益104億円を含む特別利益106億円の一時的要因が大きく、税引前利益は431億円(+12.4%)。経常段階の利益は小幅減だが、特別損益改善により純利益は二桁増となった。
【売上高】完成工事高は4,092億円(前年比+2.8%)で、セグメント別では土木事業1,409億円(+6.1%)、建築事業2,623億円(+0.4%)、連結子会社938億円(+15.9%)、その他100億円(+37.6%)。土木が堅調に伸長する一方、建築は横ばい圏にとどまり、連結子会社の二桁成長が全体を下支え。完成工事総利益率は14.6%と前年14.5%から+0.1pt改善し、原価管理は小幅ながら奏功。一方で販管費は303億円(+45.7億円 +17.8%)と大幅増加し、特に広告宣伝費・退職給付費用・減価償却費の増勢が顕著。販管費率は6.9%と前年6.0%から+0.9pt上昇し、営業レバレッジが後退した。
【損益】営業利益336億円は前年比-4.6%で、土木154.8億円(利益率11.0%、前年比+2.0%)が高マージンを維持する一方、建築243.7億円(利益率9.3%、前年比-9.4%)は原価上昇と案件ミックスの影響で減益。連結子会社は20.2億円(+90.6%)と大幅増益だが、利益率2.2%と低位。営業外収支では受取配当金7.7億円、持分法損益-1.1億円、支払利息6.6億円、為替差損2.8億円でネット-3.6億円。経常利益333億円は営業段階の減益を反映し-2.3%。特別利益では投資有価証券売却益104億円が寄与し、特別損失は投資有価証券評価損2.0億円、固定資産除売却損1.2億円で計7.7億円にとどまった。税引前利益431億円(+12.4%)から法人税等132億円(実効税率30.8%)を控除し、親会社株主帰属純利益290億円(+12.4%)。結論として増収ながら営業段階は減益、純利益の増益は特別利益に起因した増収減益(営業)・増益(純利益)の決算。
土木事業は営業利益154.8億円(前年比+2.0%)、利益率11.0%と最も高収益なセグメント。建築事業は営業利益243.7億円(-9.4%)、利益率9.3%で、売上横ばいながら原価上昇と販管費増により減益。連結子会社は営業利益20.2億円(+90.6%)と大幅改善だが、利益率2.2%と低位で全社平均を希釈。その他(調査・研究受託等)は営業利益10.0億円(+46.6%)、利益率10.0%と堅調。建築が売上の59.7%を占め主力だが、土木の高マージン構造が全社収益を下支えしている。
【収益性】営業利益率7.6%(前年8.3%から-0.7pt)、純利益率6.6%(前年6.1%から+0.5pt)。ROE13.8%は良好だが、特別利益の寄与を除くと実力値は10%台前半とみられる。粗利率14.5%は前年から+0.1pt改善し原価管理は小幅前進だが、販管費率6.9%(+0.9pt)の上昇が営業マージンを圧迫。【キャッシュ品質】営業CF284億円、営業CF/純利益0.98倍と概ね整合。OCF/EBITDA0.76倍(営業CF284億円÷EBITDA373億円)は基準0.9を下回り、未成工事受入金の期中減少(前年353億円→今期317億円)がキャッシュ創出を圧迫。FCF221億円はプラスだが、設備投資25億円に対し減価償却37億円と投資抑制が続く。【投資効率】総資産回転率1.07回転、有形固定資産回転率12.3回転。【財務健全性】自己資本比率50.9%(前年46.3%から+4.6pt)、Debt/Equity比率13.7%、Debt/EBITDA0.74倍、インタレストカバレッジ50.6倍と極めて堅固。流動比率161%、当座比率161%で流動性は十分だが、負債の91.9%が流動負債に集中。現預金662億円に対し有利子負債274億円でネットキャッシュポジション。
営業CFは284億円(前年比+154.4%)で、営業利益336億円に減価償却37億円を加えた営業CF小計422億円から、運転資本変動で完成工事未収入金の改善139億円がプラス寄与した一方、未成工事受入金の減少(-367億円)が大きくキャッシュアウト要因となった。法人税支払135億円を差し引き284億円を創出。投資CFは-64億円で、設備投資25億円、子会社株式取得34億円、投資有価証券取得17億円を実施する一方、政府補助金0.3億円、有形固定資産売却1.8億円が一部相殺。財務CFは-138億円で、長期借入38億円に対し長期返済43億円、短期借入はほぼ横ばい、配当支払128億円を実施。FCFは221億円(営業CF+投資CF)で、配当支払後の余剰は+83億円。現金同等物期首558億円から期末646億円へ+88億円増加。未成工事受入金(前受金)の減少が営業CFを圧迫する構図は建設業特有で、受注・前受金の再積み上がりが来期CF改善の鍵となる。
今期の純利益増益(+12.4%)は投資有価証券売却益104億円を含む特別利益106億円に強く依存し、経常段階の収益力は前年比-2.3%と減速。営業外損益は受取配当7.7億円、支払利息6.6億円でネット小幅、持分法損益-1.1億円が一部圧迫。アクルーアル比率は(営業CF284億円-純利益290億円)/総資産=-0.1%と極めて低位で、会計上の裁量は限定的。営業CF/純利益0.98倍と高く、純利益の現金裏付けは堅固。一方、OCF/EBITDA0.76倍は未成工事受入金の減少が主因で、経常的な現金創出力の評価は営業利益段階で行う必要がある。包括利益は499億円(純利益290億円+その他包括利益201億円)で、有価証券評価差額金152億円、退職給付調整額30億円が大きく寄与し、純資産押し上げに貢献。経常的収益の質は営業・経常段階では横ばい圏だが、特別損益の変動が純利益を押し上げた構図である。
2027年3月期通期予想は売上高4,900億円(前年比+11.5%)、営業利益340億円(+1.1%)、経常利益336億円(+1.0%)、親会社株主帰属純利益222億円(-27.5%)、EPS141.51円。純利益の大幅減は今期の特別利益(投資有価証券売却益104億円)の反動を前提としており、コア収益ベースでは営業・経常ともに横ばい想定。売上は二桁増を見込む一方、営業利益がわずか+1.1%にとどまる前提は、原価環境の慎重見積もりと案件ミックスの保守設定を示唆。進捗率は売上89.7%、営業利益98.9%、純利益130.5%(特別利益反動で分母が小さいため超過)。受注高・前受金の積み上がり次第で上振れ余地がある一方、資材・外注・人件費の上振れはガイダンス下振れリスクとなる。
年間配当80円(中間40円+期末40円)で、EPS189.68円に対し配当性向42.2%。前年配当60円(DPS30円×2)から実質+33%の増配。配当総額128億円に対しFCF221億円で、FCFカバレッジ1.73倍と内部資金で十分賄える水準。2027年3月期配当予想は年42円で、EPS予想141.51円に対し配当性向29.7%と一時益剥落後の保守運用。純資産配当率(DOE)は6.8%と過去実績からやや上昇。自社株買いは僅少(購入3百万円)で、総還元は配当中心。財務健全性は極めて高く(自己資本比率50.9%、Debt/EBITDA0.74倍)、配当持続性は良好。今後は営業CFの安定化と運転資本効率の改善が、配当の成長性と安定性を一段と高める鍵となる。
建築事業の収益力低下リスク: 建築営業利益は前年比-9.4%と減益で、利益率9.3%は土木11.0%を下回る。資材・外注・人件費の上昇と案件ミックスの影響が継続すれば、主力セグメント(売上59.7%)の収益悪化が全社利益を圧迫。工事損失引当金は6.0億円(前年9.7億円から-37.4%)と改善したが、大型案件の進捗・コスト見積差異による利益ボラティリティは残存。
運転資本変動によるCF不安定化リスク: 未成工事受入金は前年353億円から今期317億円へ-36.7億円減少し、営業CFを圧迫。未成工事支出金も54.5億円(前年35.8億円から+52.2%)と増加し、運転資本の変動が大きい。受注回復と前受金の積み上げが進まなければ、OCF/EBITDA0.76倍(基準0.9未満)の状態が継続し、キャッシュ創出力が低迷。
投資有価証券の市況変動リスク: 投資有価証券495億円(総資産の12.0%)まで増加し、有価証券評価差額金220億円と含み益が拡大。今期は有価証券売却益104億円を計上したが、市況悪化時には評価損計上(今期も2.0億円の評価損を計上)や包括利益の縮小を通じて純資産・株主資本が変動。Debt/Equity13.7%と低位だが、OCI変動への感応度は上昇している。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.6% | 5.5% (3.5%–7.2%) | +2.1pt |
| 純利益率 | 6.6% | 3.5% (2.5%–4.4%) | +3.1pt |
営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、収益性は建設業界内で上位水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.4% | 9.8% (-2.1%–15.1%) | -6.5pt |
売上高成長率は業種中央値9.8%を下回り、成長ペースはやや鈍化している。
※出所: 当社集計
営業段階の収益力は販管費増により減益(営業利益-4.6%)だが、土木の高マージン(11.0%)が全社収益を下支え。純利益の増益(+12.4%)は投資有価証券売却益104億円の一時的要因が大きく、来期ガイダンスは純利益-27.5%と反動減を織り込む。コア収益は営業・経常段階で横ばい圏と評価すべきで、建築事業の原価是正と土木の高採算案件深耕が収益回復の鍵となる。
財務健全性は極めて良好(自己資本比率50.9%、Debt/EBITDA0.74倍、インタレストカバレッジ50.6倍)で、配当性向42.2%、FCFカバレッジ1.73倍と株主還元も持続可能。一方、OCF/EBITDA0.76倍と運転資本変動(未成工事受入金の減少)がキャッシュ創出を圧迫しており、受注・前受金の積み上げと回収サイクル改善が来期CF改善のカタリスト。設備投資は減価償却を下回る水準(CapEx25億円/減価償却37億円)が継続し、中期の生産性向上・競争力強化に向けた投資加速が課題となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。