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16052026 第1四半期プライムIFRS

INPEX(1605) 2026年度第1四半期決算 減収・営業益14%減

2026年度第1四半期の売上高は5,018億円(前年同期比-6.5%)、営業利益は2,782億円(同-14.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社INPEX

エネルギー資源/鉱業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥5018.0億¥5369.0億−6.5%
営業利益¥2782.2億¥3238.7億−14.1%
税引前利益¥2913.5億¥3353.6億−13.1%
純利益¥1189.7億¥1348.0億−11.7%
ROE(年換算)9.3%10.7%-

Executive Summary

2026年12月期第1四半期は、資源価格・生産量変動に加え高い実効税率が重なり、増収なき減益となった。売上収益は5,018.0億円(前年同期5,369.0億円、YoY-6.5%)、営業利益は2,782.2億円(同3,238.7億円、YoY-14.1%)、税引前利益は2,913.5億円(YoY-13.1%)、純利益は1,189.7億円(同1,348.0億円、YoY-11.7%)となった。減収に対し売上原価が増加したことで粗利率が低下し、法人所得税費用が税引前利益の59.2%に達したことが最終利益の下押し要因となっている。

業績変動要因

【売上高】売上収益は5,018.0億円でYoY-6.5%の減収。セグメント別では海外O&Gのイクシスプロジェクトが986.3億円(YoY+7.8%)と増収を維持した一方、その他プロジェクトは3,407.1億円(同-9.6%)、国内O&Gは579.2億円(同-11.0%)と減収し、全体の減収を主導した。その他事業(再エネ・CCS・水素等)は45.4億円(同+30.6%)と拡大したが規模は小さい。

【損益】営業利益は2,782.2億円でYoY-14.1%の減益。売上原価が2,302.5億円(同+6.0%)と減収下で増加し、粗利率は54.1%へ低下した。販管費も322.2億円(同+4.7%)と売上の減少率を上回るペースで増加し、営業レバレッジが逆方向に働いた。セグメント利益では国内O&Gが19.7億円(同-82.6%)と急減し、イクシスも703.4億円(同-5.2%)とわずかに減少した。純利益はYoY-11.7%となったが、税引前利益の減少率-13.1%に対し縮小幅がやや小さいのは持分法投資利益344.3億円(同-2.4%)が下支えしたためである。総じて減収減益の決算であり、コスト増と国内O&G採算悪化が収益性を圧迫した。

セグメント別分析

主力のイクシスプロジェクトは売上986.3億円(YoY+7.8%)、セグメント利益703.4億円(同-5.2%)、利益率71.3%と高収益を維持するが、前年の76.1%からは低下し、報告セグメント利益合計の66.4%を占める最大の利益源である。国内O&Gは売上579.2億円(同-11.0%)に対しセグメント利益19.7億円(同-82.6%)と急減し、利益率は3.4%まで低下した。その他プロジェクト(海外O&G)は売上3,407.1億円(同-9.6%)、利益351.0億円(同-1.3%)で利益率10.3%とほぼ横ばい。報告セグメントに含まれないその他事業(再エネ・CCS・水素等)は売上45.4億円(同+30.6%)ながらセグメント損失14.8億円(前年同-1.7億円)と赤字が拡大しており、新規領域の収益化が課題となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は55.4%(前年60.3%)、純利益率は23.7%(親会社帰属利益率21.8%、前年23.5%)といずれも高水準ながら前年から低下した。粗利率は54.1%で前年59.5%から約5.4pt低下し、原価増加が主因である。【キャッシュ品質】営業CF・投資CFの開示はないが、現金及び現金同等物は2,104.8億円で期首1,684.1億円から+420.8億円増加し、営業債権は減少、営業債務は増加と運転資本面では資金を補完する方向にある。【投資効率】年換算ROEは9.3%で、総資産回転率が低い資本集約型事業の特性を反映し、資産・資本規模に対する利益創出効率には改善余地がある。実効税率は59.2%と高水準で、税引前利益から純利益への転化を抑制している。【財務健全性】自己資本比率は61.0%と厚く、流動比率は約123.8%(流動資産1,228.2億円÷流動負債992.2億円)。一方、流動負債の社債及び借入金は640.8億円で前期末比+18.3%と増加しており、負債の短期化は監視項目である。

キャッシュフロー分析

本決算ではキャッシュ・フロー計算書の営業CF・投資CF・財務CFの明細は開示されていないため、貸借対照表の変動から資金動向を分析する。現金及び現金同等物は2,104.8億円となり、前連結会計年度末の1,684.1億円から420.8億円増加した。営業債権は2,538.2億円で前期末比92.3億円減少、棚卸資産も2.1億円減少しており、運転資本面で資金滞留は見られない。一方、営業債務は2,282.2億円で前期末比105.3億円増加し、短期資金を補完する方向に働いている。財務活動面では自己株式取得99.8億円、配当支払583.2億円が確認でき、これらの資金需要を上回る現金増加が生じている点は、事業からの現金創出力が総還元額を上回っていることを示唆する。

収益の質

当四半期利益の質を見ると、営業利益2,782.2億円のうち持分法投資利益が344.3億円(営業利益の12.4%)を占め、連結事業のみならず持分法適用会社の業績にも収益が依存している。金融収益289.9億円は金融費用158.5億円を上回り、純金融収益131.4億円が税引前利益を押し上げる経常的な要因として寄与している。一方、法人所得税費用は1,723.8億円で実効税率は59.2%(前年59.8%)と高水準であり、税前利益2,913.5億円に対して純利益への転化率は約40.8%にとどまる。包括利益は2,316.0億円と純利益1,189.7億円を大きく上回るが、その差の大半は在外営業活動体の換算差額1,117.4億円によるものであり、事業の経常的な収益力とは区別して評価すべき非現金・非経常的な変動である。

業績予想・ガイダンス

当四半期において業績予想の修正が行われた一方、配当予想の修正はなく、通期の普通株式配当予想は1株当たり108円(中間・期末とも54円均等)で維持されている。売上高・利益の通期予想額は開示情報に含まれないため、進捗率の算定は行っていない。

株主還元

通期の普通株式配当予想は1株当たり108円で据え置かれている。期中平均株式数11億6,298万株を用いた概算年間配当総額は約1,256億円である。当四半期の配当支払額は583.2億円(親会社帰属分)で、当四半期の親会社帰属利益1,094.1億円に対する配当性向は約53.3%となる。自己株式取得99.8億円を加えた当四半期の総還元額は683.0億円であり、親会社帰属利益に対する総還元性向は約62.4%と、配当性向とは区別して評価する必要がある。利益剰余金は3兆3,955.7億円、親会社所有者帰属持分は4兆8,899.4億円と厚い資本基盤があり、当四半期の還元は資本の範囲内に収まっている。

リスク要因

  1. 高税負担リスク: 実効税率は59.2%(法人所得税費用1,723.8億円÷税引前利益2,913.5億円)と高水準で、税前利益の強さに対して純利益・ROEへの転化を大きく抑制している。

  2. 主力プロジェクトへの利益集中: イクシスプロジェクトのセグメント利益703.4億円は報告セグメント利益合計の66.4%を占め、同プロジェクトの操業・採算変動が全社業績に直結する構造である。

  3. 国内O&Gおよび新規事業の採算変動: 国内O&Gのセグメント利益は前年比82.6%減の19.7億円に急落し、再エネ・CCS・水素等を含むその他事業はセグメント損失14.8億円へ拡大しており、資源価格・案件別の収益変動が顕在化している。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率55.4%––
純利益率23.7%––

自社の営業利益率・純利益率はいずれも高水準にあるが、業種中央値データが未整備のため相対比較は限定的である。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−6.5%––

売上高成長率はマイナスであり、資源価格・生産量の動向による減収局面にあることを示す。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率55.4%、親会社帰属利益率21.8%は高水準を維持するが、いずれも前年同期から低下しており、粗利率の約5.4pt低下が収益性悪化の起点となっている。

  2. 実効税率59.2%という高い税負担が、税引前利益の減少率-13.1%に比べ純利益の減少率-11.7%(持分法利益による下支え)との差異を生む一方、最終利益の伸びを構造的に制約している点は注目される。

  3. イクシスプロジェクトへの利益集中度(報告セグメント利益合計の66.4%)が高く、同案件の稼働・採算動向が全社業績の変動要因として引き続き重要である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。