- 売上高: 1,127.48億円
- 営業利益: 7.98億円
- 当期純利益: 7.19億円
- 1株当たり当期純利益: 49.89円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,127.48億円 | 713.51億円 | +58.0% |
| 売上原価 | 1,107.16億円 | 694.65億円 | +59.4% |
| 売上総利益 | 20.32億円 | 18.86億円 | +7.8% |
| 販管費 | 12.34億円 | 12.10億円 | +2.0% |
| 営業利益 | 7.98億円 | 6.76億円 | +18.0% |
| 営業外収益 | 17百万円 | 12百万円 | +47.4% |
| 営業外費用 | 93百万円 | 64百万円 | +46.1% |
| 経常利益 | 7.22億円 | 6.24億円 | +15.7% |
| 税引前利益 | 7.21億円 | 6.24億円 | +15.6% |
| 法人税等 | 3百万円 | -1.87億円 | +101.4% |
| 当期純利益 | 7.19億円 | 8.11億円 | -11.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7.18億円 | 8.11億円 | -11.5% |
| 包括利益 | 7.18億円 | 8.11億円 | -11.5% |
| 減価償却費 | 39百万円 | 43百万円 | -8.9% |
| 支払利息 | 19百万円 | 9百万円 | +110.5% |
| 1株当たり当期純利益 | 49.89円 | 56.29円 | -11.4% |
| 1株当たり配当金 | 0.50円 | 0.50円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 156.84億円 | 131.27億円 | +25.57億円 |
| 現金預金 | 34.70億円 | 41.41億円 | -6.72億円 |
| 売掛金 | 11.57億円 | 8.89億円 | +2.67億円 |
| 棚卸資産 | 31.86億円 | 23.96億円 | +7.91億円 |
| 固定資産 | 39.45億円 | 33.99億円 | +5.46億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -6.89億円 | 2.62億円 | -9.51億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 5.90億円 | -59百万円 | +6.48億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 0.6% |
| 粗利益率 | 1.8% |
| 流動比率 | 176.1% |
| 当座比率 | 140.3% |
| 負債資本倍率 | 1.28倍 |
| インタレストカバレッジ | 42.61倍 |
| EBITDAマージン | 0.7% |
| 実効税率 | 0.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +58.0% |
| 営業利益前年同期比 | +18.0% |
| 経常利益前年同期比 | +15.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -11.4% |
| 包括利益前年同期比 | -11.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 14.49百万株 |
| 自己株式数 | 77千株 |
| 期中平均株式数 | 14.41百万株 |
| 1株当たり純資産 | 597.62円 |
| EBITDA | 8.37億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.50円 |
| 期末配当 | 1.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Machinery | 8百万円 | 6百万円 |
| PreciousMetal | 1,109.98億円 | 9.16億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,360.00億円 |
| 営業利益予想 | 16.00億円 |
| 経常利益予想 | 14.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 9.40億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 65.23円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の中外鉱業は、売上が大幅増の一方で利益率が低下し、営業CFがマイナスとなるなど、量の拡大と資金繰り負担が併存する決算でした。売上高は1,127.48億円で前年同期比+58.0%と大幅増収、営業利益は7.98億円で+18.0%、経常利益は7.22億円で+15.7%と増益を確保しました。最終利益は7.18億円で-11.4%と減益となり、利益率の低下が鮮明です。営業利益率は約0.71%と極薄で、前年同期の約0.95%から約24bp縮小したと推計されます。純利益率も0.64%程度に低下し、前年の約1.14%から約50bpの縮小と見られます。粗利益率は1.8%にとどまり、売上総利益は20.32億円と、売上拡大に比し粗利の伸びが限定的でした。販管費は12.34億円で、粗利の約61%を吸収しており、営業レバレッジが効きにくい収益構造です。営業外費用は0.93億円で、営業外収支はネットでマイナス0.76億円と、経常段階への圧迫要因となりました。ROEは8.3%(デュポン分解:純利益率0.6%×総資産回転率5.744×レバレッジ2.28倍)で、極めて高い総資産回転がROEを下支えしています。ROICは9.1%と、商社ベンチマークの8%超を上回り、投下資本効率は良好です。一方で営業CFは-6.89億円と純利益を大幅に下回り(営業CF/純利益=-0.96倍)、収益のキャッシュ化に課題が見られます。流動比率は176.1%、当座比率は140.3%と短期流動性は健全で、現金34.70億円は短期借入金16.95億円を上回ります。Debt/EBITDAは約4.26倍、インタレストカバレッジは42.6倍と、支払能力・金利耐性は現状十分です。資源価格や為替の影響を受けやすいビジネスモデルで、マージンの薄さゆえにスプレッド劣化時の利益感応度は高い点に留意が必要です。商社固有の持分法投資利益は未開示で構成比の評価ができず、一過性要因と経常性の切り分けにも制約があります。総じて、売上の強い伸長と高い資産回転が収益性を支える一方、利益率の圧縮と営業CFの弱さが質の課題として顕在化しました。今後は運転資本の効率化による営業CFの改善と、粗利率・営業利益率の底上げが持続的ROE維持の鍵となります。ROICが9%台に乗っている点はポジティブで、資本効率の維持・向上と資源・非資源ポートフォリオの最適化が示唆されます。
ROEは計算上8.3%で、純利益率0.6%×総資産回転率5.744×財務レバレッジ2.28倍に分解されます。変化が最も大きい要素は、売上+58%に対して営業利益+18%、純利益-11%という乖離から示唆される利益率(純利益率)の低下です。一方で総資産回転率は5.74倍と極めて高く、在庫・売掛を活用した大量取引により資産効率でROEを補っています。利益率低下のビジネス上の背景は、粗利率1.8%の薄さ、販管費が粗利の6割超に達するコスト構造、ならびに営業外費用0.93億円の負担によるものです。総じてマージン圧力は短期的には販売ミックス・資源価格・為替スプレッドの影響が強く、構造的な薄利多売モデルに起因する面もあり、持続性は限定的で改善には価格転嫁や高付加価値比率の拡大が必要です。懸念されるトレンドとして、売上成長率(+58%)に対し営業利益成長率(+18%)が大幅に劣後しており、営業レバレッジの低下が確認されます。
売上は+58.0%と大幅成長で、ボリューム増や市況高(資源・金属価格)および取扱量の拡大が示唆されますが、詳細なセグメント内訳は未開示です。営業利益は+18.0%にとどまり、売上総利益率1.8%の薄さが伸びの阻害要因です。経常・最終段階では営業外費用や税効果の影響で増益幅がさらに縮小し、純利益は-11.4%となりました。営業外収益の内訳(受取配当・有価証券売却益・受取利息)が未記載で、投資損益の寄与の評価に制約があります。ROICは9.1%と資本効率は良好で、投下資本当たりの収益創出力はベンチマークを上回ります。今後の持続性は、(1) 粗利率の改善(商品・顧客ミックス、価格決定力)、(2) 運転資本回転の維持・改善(在庫・与信管理)、(3) マクロでは資源価格・為替の安定性、の3点に依存します。足元の営業CFマイナスは成長投資・在庫積み増しに伴う一時的側面が想定される一方、継続する場合は成長品質に陰りとなるため注視が必要です。
流動比率176.1%、当座比率140.3%と短期流動性は健全です。負債資本倍率1.28倍は保守的レンジ内で、D/E>2.0の警戒水準には達していません。短期借入金16.95億円に対して現金34.70億円、売掛11.57億円、棚卸31.86億円があり、短期負債89.07億円に対する流動資産156.84億円のバッファは十分で、満期ミスマッチリスクは管理可能と評価します。長期借入金18.70億円を含む有利子負債合計は約35.65億円(推計)で、Debt/EBITDA約4.26倍は許容範囲内です。インタレストカバレッジ42.6倍と金利耐性は強固です。オフバランス債務の開示はなく、リース等の潜在債務は評価困難です。
営業CFは-6.89億円で純利益7.18億円に対し-0.96倍と品質面の警告シグナルです。売上急増局面での運転資本の増勢(在庫・売掛の積み上がり)が主因である可能性が高く、一次的か否かは今後の在庫回転・回収動向で検証が必要です。設備投資(-5.64億円)を踏まえると、推計FCFは約-12.5億円と見られ、財務CF+5.90億円で賄う構図です。運転資本操作の兆候として、売上成長に相応した営業CFの伴走が乏しい点が挙げられ、季節性や市況の影響を勘案しても慎重な観察が必要です。営業外キャッシュの内訳は未記載で、非反復的要素の影響評価には限界があります。
配当性向は計算値で3.0%と低位で、純利益水準からみると支払い余力は大きいと推察されます。一方、営業CFがマイナスで推計FCFも赤字であるため、短期的には配当は内部CFではなく運転資本の回収や財務余力に依存しやすい局面です。年間配当金総額・FCFカバレッジが未開示のため、厳密な持続可能性評価には制約があります。今後は営業CFの黒字化と在庫・与信の圧縮が確認できれば、低配当性向のもとでの増配余地も見込まれますが、当面はキャッシュ創出力の回復が前提条件です。
ビジネスリスク:
- 資源・非鉄金属価格のボラティリティによる粗利率の変動
- 為替(主にUSD/JPY)変動によるスプレッド・在庫評価への影響
- 薄利多売モデルに伴う価格競争・スプレッド縮小リスク
- 在庫評価損・市況反転時の在庫回転悪化
- 取引先信用リスク(与信拡大局面での貸倒・遅延)
財務リスク:
- 営業CFマイナス継続による運転資本ファイナンス依存
- 金利上昇局面での借入コスト上昇(短期借入金16.95億円保有)
- Debt/EBITDA約4.26倍とレバレッジ上昇余地の限定化
- 営業外費用増加(為替差損・評価損等)の利益圧迫
主な懸念事項:
- 営業CF/純利益が-0.96倍と収益のキャッシュ化に難
- 粗利益率1.8%、営業利益率0.71%とマージンが極薄
- 売上成長率に対し利益成長が劣後(営業+18% vs 売上+58%)
- 持分法投資利益の未開示により利益の持続性評価に制約
重要ポイント:
- 高い総資産回転(5.74倍)とROIC 9.1%が資本効率を牽引
- 売上は強いがマージン圧力でROEは薄利多売依存
- 営業CFが純利益を大幅に下回り、成長の資金繰り面の質が課題
- 流動性・金利耐性は現状健全だが、運転資本次第で変動リスク
- 商社型リスク(資源・為替・与信)への露出が大きい
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益と在庫・売掛回転日数
- 粗利益率および営業利益率(四半期bp変化)
- 為替差損益・評価損益を含む営業外収支の推移
- Debt/EBITDAとネットDEレシオの動向
- ROICの維持(>8%)とセグメント別資本効率
- 持分法投資利益(資源/非資源)の開示・寄与度
セクター内ポジション:
中小型の資源・金属系商社として、ROICは業界目標を上回り資本効率は良好。一方でマージンは業界内でも薄く、営業CFの弱さが質的なディスアドバンテージ。レバレッジは中庸、短期流動性は優位。市況・為替感応度が高くディフェンシブ性は限定的。
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