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13792026 第3四半期プライムJGAAP

ホクト(1379) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益8%増

2026年度第3四半期の売上高は637.1億円(前年同期比+3.4%)、営業利益は43.8億円(同+8.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

ホクト株式会社

食品/水産・農林業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥637.1億¥616.0億+3.4%
営業利益¥43.8億¥40.5億+8.1%
経常利益¥52.7億¥49.5億+6.5%
純利益¥48.3億¥29.7億+62.7%
ROE7.8%5.2%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計決算は、売上高637.1億円(前年同期比+21.1億円 +3.4%)、営業利益43.8億円(同+3.3億円 +8.1%)、経常利益52.7億円(同+3.2億円 +6.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益48.3億円(同+18.6億円 +62.7%)となった。売上高は2期連続増収で推移し、営業利益率は6.9%(前年同期6.6%から+0.3pt改善)と収益性が向上。純利益の大幅増益は営業増益に加え、特別利益19.0億円(前年同期は未計上)と為替差益4.6億円等の非経常項目が寄与した結果である。EPS(基本)は154.34円(前年同期93.69円から+64.7%)へ大幅上昇し、1株あたり利益は過去最高水準に達している。

業績変動要因

【売上高】国内きのこ事業が408.4億円(前年同期398.3億円から+2.5%)と主力事業で堅調に推移し、海外きのこ事業61.2億円、加工品事業61.9億円、化成品事業116.7億円が売上を構成。全セグメント合計で前年同期比+3.4%の増収を達成した。国内きのこ事業は売上構成比64.1%を占め、化成品事業が18.3%で続く。為替差益4.6億円が営業外収益に計上されており、海外事業の円換算効果がトップラインを下支えした可能性がある。【損益】売上原価は460.9億円で売上総利益176.2億円(粗利率27.7%)を確保。販管費は132.4億円(販管費率20.8%)で、営業利益43.8億円(営業利益率6.9%)へ改善。営業外収益10.3億円(内訳:受取配当金2.8億円、為替差益4.6億円等)が経常利益を52.7億円へ押し上げた。特別利益19.0億円が税引前利益70.5億円を大きく押し上げ、法人税等22.2億円差し引き後の純利益48.3億円は前年同期比+62.7%の大幅増益となった。経常利益52.7億円に対し純利益48.3億円で、税引前利益70.5億円から純利益への乖離が大きい点は、特別利益19.0億円の一時的要因が主因である。特別損失1.2億円は固定資産除売却損等で限定的。結論として、主力の国内きのこ事業が安定増収を牽引し、営業利益率改善と非経常利益の寄与により増収増益を達成した。

セグメント別分析

国内きのこ事業は売上高408.4億円(構成比64.1%)、営業利益45.0億円(利益率11.0%)と最大の主力事業である。海外きのこ事業は売上高61.2億円、営業利益7.8億円(利益率12.7%)で利益率が最も高く、効率的な収益構造を持つ。加工品事業は売上高61.9億円、営業利益4.7億円(利益率7.6%)、化成品事業は売上高116.7億円、営業利益4.7億円(利益率4.0%)で、化成品は売上規模に対し利益率が低い。セグメント間で利益率に最大8.7ptの差異があり、海外きのこ事業と国内きのこ事業の高収益性が全社営業利益を牽引している。全社費用18.4億円を差し引いた連結営業利益は43.8億円となった。

主要財務指標

【収益性】ROE 7.8%(過去開示値として参考)、営業利益率6.9%(前年同期6.6%から+0.3pt改善)。純利益率7.6%は特別利益寄与により前年同期4.8%から+2.8pt上昇。【キャッシュ品質】現金及び預金186.2億円、流動性の高い有価証券48.8億円を含む現金同等物は235.0億円に達し、短期負債273.6億円に対する現金カバレッジは0.86倍。営業外収益に受取配当金2.8億円と為替差益4.6億円が計上されるが、営業CFデータ未開示のため利益の現金転換率は評価保留。【投資効率】総資産回転率0.55回(売上637.1億円÷総資産1150.8億円)で資本効率は限定的。売掛金99.8億円(前年同期70.8億円から+40.9%増)は売上増を上回るペースで増加し、運転資本効率の悪化を示唆。仕掛品比率57.2%(仕掛品4.7億円÷棚卸資産23.1億円×100)は製造プロセスの長期化リスクを示す。【財務健全性】自己資本比率53.9%、流動比率154.6%(流動資産423.1億円÷流動負債273.6億円)で流動性は良好。負債資本倍率0.85倍(負債530.2億円÷自己資本620.6億円)、Debt/Capital比率25.3%(有利子負債209.8億円÷(有利子負債+自己資本)×100)は保守的水準。一方で短期借入金96.3億円(前年同期71.0億円から+35.7%)の急増は満期ミスマッチリスクを高め、短期負債比率45.9%は短期調達依存度の上昇を示す。

キャッシュフロー分析

営業CF・投資CF・財務CFの詳細開示がないため、BS推移から資金動向を分析する。現金預金は前年同期152.6億円から186.2億円へ+33.6億円(+22.0%)増加し、営業増益と特別利益が資金積み上げに寄与したと推定される。運転資本面では売掛金が+29.0億円増加(+40.9%)し、売上増(+3.4%)を大きく上回る伸びで資金繰りを圧迫。買掛金は22.2億円(前年同期17.2億円から+5.0億円、+29.0%)へ増加し、仕入先支払の増加が確認できるが、売掛金増加による運転資本悪化を相殺するには不十分。投資有価証券は116.1億円(前年同期83.7億円から+32.4億円、+38.7%)へ大幅増加し、資産運用拡大が現金を吸収した可能性がある。財務面では短期借入金が+25.3億円増加し、運転資本悪化と投資有価証券増加に対する資金調達と考えられる。短期負債273.6億円に対する現金カバレッジは0.86倍で、流動性は一定確保されているが、売掛金増加と短期借入依存度上昇は今後のキャッシュ創出力のモニタリングを要する。

収益の質

経常利益52.7億円に対し営業利益43.8億円で、非営業純増は約8.9億円。内訳は営業外収益10.3億円(受取配当金2.8億円、為替差益4.6億円等)から営業外費用1.5億円(支払利息1.1億円等)を差し引いたもの。営業外収益10.3億円は売上高637.1億円の1.6%を占め、経常的な金融収益と為替変動要因が含まれる。さらに特別利益19.0億円が税引前利益70.5億円を押し上げ、純利益48.3億円の約39.3%が特別項目に依存する構造となっている。特別損失1.2億円は限定的で、ネットでは特別損益が+17.8億円の利益貢献。営業CFデータ未開示のため営業CF/純利益比率は算出不能だが、売掛金の急増(+40.9%)と仕掛品比率の高さ(57.2%)は利益の現金転換に遅延リスクがあることを示唆する。収益の質は営業ベースでは改善しているが、純利益の大幅増益は一時的要因への依存度が高く、継続性には不確実性が残る。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高847.0億円(前期比+1.9%)、営業利益58.3億円(前期比-12.0%)、経常利益62.8億円(前期比-9.7%)を見込む。第3四半期累計の進捗率は売上75.2%、営業利益75.1%、経常利益83.9%で、売上・営業利益は標準進捗(75%)並み、経常利益は+8.9ptの高進捗となっている。経常利益の高進捗は営業外収益(為替差益等)と特別利益の寄与が大きく、通期予想では下期に非経常利益の減少を織り込んでいる可能性がある。営業利益の通期予想が前期比-12.0%の減益見込みである点は、下期に利益率の低下または費用増を想定していることを示唆する。通期EPS予想184.00円に対し、第3四半期累計EPS154.34円で進捗率83.9%と高く、下期の1株利益は29.66円の見込みとなる。通期配当予想45円(中間10円、期末40円)は第3四半期時点で中間配当10円を実施済みと推定される。予想修正の開示はなく、現時点では期初予想を据え置いている。

株主還元

通期配当予想は年間45円(中間10円、期末40円)で、前期実績との比較データがないため前年比評価は保留。第3四半期累計の純利益48.3億円に対し、通期予想の配当総額は約14.6億円(45円×発行済株式約32,459千株(自己株式除く))となり、通期ベースの配当性向は約34.5%と推定される。配当性向は60%以下の持続可能な水準にあり、現預金186.2億円と利益剰余金502.8億円を勘案すると配当支払能力は十分。自社株買いの開示はなく、株主還元は配当に集中している。配当利回りや総還元性向の算出には通期実績と自社株買い有無の確認が必要だが、現時点では配当のみで配当性向34.5%と保守的な還元方針を維持している。

リスク要因

国内消費動向と価格競争リスク:国内きのこ事業が売上構成比64.1%を占め、国内消費の停滞や競合による価格下落が収益を圧迫する。国内市場の成熟化により売上成長率+2.5%は限定的であり、主力事業の成長鈍化が全社業績を制約する。運転資本悪化と流動性リスク:売掛金が前年同期比+40.9%増と売上増を大幅に上回るペースで拡大し、運転資本効率が悪化。短期借入金も+35.7%増の96.3億円へ増加し、短期負債比率45.9%は満期ミスマッチリスクを高める。営業CFデータ未開示のため利益の現金転換が不明確で、下期に営業CFが純利益を下回る場合はリファイナンス圧力が高まる。投資有価証券の評価変動リスク:投資有価証券116.1億円(前年同期比+38.7%)の増加は時価評価差額のボラティリティを高め、包括利益と自己資本に影響を与える。有価証券評価差額金が14.5億円計上されており、市場環境の悪化時には評価損が発生し資本基盤を圧迫する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 食品製造業における本決算の特徴として、ROE 7.8%は業種一般の水準と比較してやや保守的な資本効率を示す。営業利益率6.9%は食品製造業の中では標準的な水準にあり、特に国内きのこ事業の利益率11.0%は高収益セグメントとして評価できる。自己資本比率53.9%は食品製造業の健全性基準を満たし、流動比率154.6%も良好で短期支払能力は業種平均を上回る。一方で総資産回転率0.55回は業種内でやや低位にあり、資本効率の改善余地がある。売掛金回転期間の長期化と仕掛品比率57.2%は運転資本管理面で業種内での課題を示唆する。配当性向34.5%は業種一般の株主還元水準と比較して保守的であり、内部留保重視の財務方針が窺える。総じて、収益性と財務健全性は業種標準を満たすが、資本効率と運転資本管理の改善が業種内での競争力向上の鍵となる。(比較対象:食品製造業(過去決算期)、出所:当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントとして、第一に純利益の大幅増益(+62.7%)は特別利益19.0億円と為替差益4.6億円に大きく依存しており、営業ベースの利益成長は+8.1%と限定的である点。営業利益率は6.9%へ改善したが、通期予想では営業利益が前期比-12.0%の減益見込みであり、下期の収益性低下が織り込まれている。下期の営業利益動向と営業CF創出力が業績持続性の鍵となる。第二に、売掛金の急増(+40.9%)と仕掛品比率の高さ(57.2%)は運転資本効率の悪化を示し、短期借入金の増加(+35.7%)と合わせて資金繰りリスクが高まっている。営業CFデータの開示待ちであり、下期に利益の現金転換が確認できるかがモニタリングポイント。第三に、投資有価証券の増加(+38.7%)は資産運用拡大を示すが、有価証券評価差額金14.5億円の変動リスクがあり、市場環境次第で包括利益が変動する可能性がある。配当は現行方針で持続可能だが、FCFの確認が不可欠。構造的には国内きのこ事業が安定収益基盤を提供する一方、資本効率と運転資本管理の改善余地が大きく、今後の経営施策が注目される。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、国内きのこ事業と化成品事業の増益を軸に営業増益を確保し、特別利益の計上により最終利益が大幅に増加した。売上高は前年同期比3.4%増の637.09億円、営業利益は同8.1%増の43.80億円、経常利益は同6.5%増の52.66億円となった。営業利益の売上高を上回る増加により、営業利益率は前年同期の6.6%から6.9%へ約30bp改善した。粗利益率も前年同期の27.4%から27.7%へ約30bp上昇しており、売上総利益は176.22億円と同4.6%増加した。販管費は132.41億円で前年同期比3.4%増となり、売上成長率と同水準にとどまったため、販管費率は20.8%で概ね横ばいである。経常利益率は8.0%から8.3%へ約24bp上昇し、本業改善に加えて営業外収支の黒字が寄与した。営業外収益には為替差益4.62億円、受取配当金2.82億円が含まれ、経常利益には市場・為替環境および保有金融資産からの影響もある。当期純利益は48.29億円で前年同期比62.7%増となり、純利益率は4.8%から7.6%へ約276bp上昇した。もっとも、税引前利益70.48億円には保険金収入18.96億円を中心とする特別利益19.01億円が含まれる。特別損失は1.19億円であり、特別損益の純額17.82億円が最終利益の急増の主因である。したがって、純利益の伸び率は営業段階の収益力の改善を上回っており、持続的な利益評価では営業利益および経常利益の伸長を中心にみる必要がある。主力の国内きのこ事業は売上高408.45億円、セグメント利益45.02億円で、セグメント利益の72.4%を占めた。化成品事業は売上高116.73億円、セグメント利益4.66億円となり、売上・利益ともに高い伸びを示した。一方、海外きのこ事業は売上高61.22億円、セグメント利益7.78億円で減益となった。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75.2%、営業利益75.1%、経常利益83.9%、親会社株主に帰属する当期純利益83.8%である。営業利益の進捗は標準的な75%近辺にあり、経常利益・純利益の先行は為替差益および特別利益の寄与を含む。財務面では流動比率154.6%、D/Eレシオ0.85倍、インタレストカバレッジ41.71倍と、現時点の流動性と利払い余力は良好である。

収益性分析

デュポン3因子では、年換算ROE 10.4%は純利益率7.6%×総資産回転率0.738回×財務レバレッジ1.85倍で構成される。ROEは「良好」とされる10%水準をわずかに上回るが、純利益率には保険金収入を中心とした特別損益の純額17.82億円が反映されている。したがって、当期のROE押上げに最も大きく寄与した要素は、営業収益力の改善以上に最終利益率の上昇である。営業利益率は約30bp改善しており、売上高3.4%増に対し販管費を同3.4%増に抑制したこと、粗利益率が約30bp上昇したことが営業レバレッジの改善要因である。年換算ROAは、年換算純利益64.39億円と平均総資産約1,113.52億円を用いて約5.8%となり、資産集約的な生産設備を有する事業構造の下で中位の水準にある。総資産の49.9%を有形固定資産が占めるため、資産回転率0.738回の改善には、既存生産設備の稼働率、単価、販売数量の継続的な改善が重要となる。CFA5因子では、税負担係数は0.685であり、実効税率31.5%に対応する。金利負担係数は1.609倍で、営業外収支が純費用ではなく純収益であることを示す。受取配当金2.82億円および為替差益4.62億円が経常利益を補完している一方、為替差益は再現性が限定的である。セグメント利益率は国内きのこ事業11.0%、海外きのこ事業12.7%、加工品事業7.6%、化成品事業4.0%であり、海外きのこ事業が高い利益率を維持する一方、化成品事業は増益後も相対的に低採算である。国内きのこ事業の利益率は前年同期の10.5%から11.0%へ改善し、主力事業の収益性が底上げされた。海外きのこ事業は利益率が14.5%から12.7%へ低下しており、売上減少とあわせて収益性の回復が課題である。全社費用は前年同期の16.58億円から18.35億円へ10.7%増加し、売上成長率を上回るため、今後の営業レバレッジを左右する監視項目である。

成長性評価

売上成長は前年同期比3.4%増であり、主力の国内きのこ事業が外部顧客向け売上高407.62億円、同2.3%増と拡大を牽引した。化成品事業の外部顧客向け売上高は106.34億円で同14.7%増となり、全社増収への寄与が大きい。加工品事業の外部顧客向け売上高は61.89億円で同2.5%減、海外きのこ事業は61.22億円で同0.4%減となり、成長は事業別にばらつく。セグメント利益では、国内きのこ事業が前年同期比7.9%増、加工品事業が同28.9%増、化成品事業が同67.0%増となった一方、海外きのこ事業は同12.9%減益である。会社の通期予想は売上高847.00億円、営業利益58.30億円、経常利益62.80億円、親会社株主に帰属する当期純利益57.60億円である。第3四半期累計の売上高進捗率75.2%および営業利益進捗率75.1%は標準進捗率75%と整合的であり、本業ベースでは会社計画に沿った推移と評価できる。経常利益と純利益の進捗率はそれぞれ83.9%、83.8%と標準を約9pt上回るが、為替差益および保険金収入の影響を含むため、第4四半期の経常・最終利益を機械的に外挿することは適切ではない。通期予想は営業利益が前期比12.0%減、経常利益が同9.7%減を見込んでおり、第4四半期には前年同期比で慎重な収益前提を置いている。売上の持続性は国内きのこ事業の販売数量・単価、化成品事業の増収継続、ならびに減益となった海外きのこ事業の採算回復に依存する。

財務健全性

流動資産423.08億円に対し流動負債273.62億円で、運転資本は149.46億円、流動比率は154.6%である。当座比率も146.2%であり、短期債務に対する即時換金性の高い資産のカバーは良好である。現金預金は186.23億円で、短期借入金96.28億円に対して約1.93倍であり、短期借入金単独に対する現金カバーは確保されている。有利子負債は209.80億円、純資産は620.62億円で、有利子負債ベースのD/Eは約0.34倍、総負債ベースのD/Eは0.85倍である。Debt/Capital比率は25.3%で、40%未満という投資適格の目安を下回る。支払利息1.05億円に対するインタレストカバレッジは41.71倍と高く、収益からの利払い余力は強い。短期負債比率は45.9%で40%を上回る品質警告に該当する。これは有利子負債のうち短期借入金96.28億円が45.9%を占めることを示し、前年同期比35.7%増である。現金預金の増加と長期借入金の前年同期比10.4%減少を踏まえると直ちに資金繰り逼迫を示すものではないが、金利上昇局面や借換条件の変化に対する感応度は高まる。売掛金は前年同期の70.84億円から99.79億円へ28.95億円、40.9%増加し、売上高の3.4%増を大きく上回った。買掛金も同28.6%増の22.25億円であるが、売掛金の増加額が上回っており、販売代金の回収期間と与信管理は注視を要する。投資有価証券は32.37億円、38.7%増の116.11億円となり、総資産の10.1%を占める。評価差額金の増加を伴うため、純資産の市場価格変動に対する感応度が上昇している。仕掛品は46.54億円で、原材料・仕掛品・製品合計に占める比率は57.2%となり、40%超の品質警告に該当する。生産リードタイム、需要予測、原材料価格および滞留在庫の状況次第では、評価損や資金滞留のリスクとなる。資産除去債務10.68億円は将来の撤去・原状回復に関するオフバランスではない認識済み債務であり、固定負債の一部として管理されている。

B/S変動のポイント

売掛金: +28.95億円(+40.9%)- 売上高の前年同期比3.4%増を大幅に上回る増加。売上債権の回収期間、取引条件および取引先与信の管理が重要。投資有価証券: +32.37億円(+38.7%)- 総資産の10.1%を占めるまで増加。評価差額金の拡大を伴っており、株式市場の変動が純資産に与える影響を監視する必要がある。短期借入金: +25.31億円(+35.7%)- 有利子負債に占める短期負債比率を45.9%へ押し上げた。現金預金は短期借入金を上回るが、借換条件と金利感応度が監視項目。買掛金: +4.95億円(+28.6%)- 仕入・調達規模の拡大または支払債務の増加を示す。売掛金の増加額を下回るため、ネット運転資本の動向を注視。無形固定資産: -0.34億円(-25.0%)- 総資産に占める比率は0.1%と小さく、無形資産またはのれんに起因する大きなバランスシート依存はみられない。

キャッシュフロー品質

営業キャッシュフロー、投資キャッシュフローおよび財務キャッシュフローの数値に基づく定量評価は構成していない。利益の発生内容では、当期純利益48.29億円に対して特別損益の純額が17.82億円を占めるため、最終利益の現金創出力を評価する際には保険金収入の一時性を控除して捉える必要がある。売掛金は前年同期比28.95億円増加しており、売上成長を大幅に上回る運転資本の増加である。買掛金は4.95億円増、電子記録債務は前年同期比8.62億円減の37.25億円であり、運転資本の変動は資金効率に影響しうる。仕掛品46.54億円が在庫構成の57.2%を占めることも、在庫回転と資金滞留を確認すべき要因である。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり10.00円であり、第3四半期累計純利益48.29億円に対する配当性向は6.9%である。この6.9%は既払の中間配当のみを対象とする配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。会社の通期配当予想は1株当たり55.00円である。期中平均株式数31,292,300株と通期純利益予想57.60億円を基準にした予想配当性向は約29.9%となる。予想配当性向は60%未満であり、利益水準に対する配当負担は低い。利益剰余金は502.83億円、純資産は620.62億円であり、資本蓄積の観点でも配当余力は大きい。もっとも、当第3四半期累計の純利益には保険金収入を主因とする一過性の特別利益が含まれるため、配当の持続性は通期の営業利益58.30億円計画の達成と、運転資本・設備投資を含む資金配分に依存する。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:国内きのこ事業はセグメント利益の72.4%を占める主力事業であり、需要、販売単価、栽培コスト、エネルギー・資材価格の変動が連結収益へ大きく波及する。、中優先度:海外きのこ事業は売上高が前年同期比0.4%減、セグメント利益が同12.9%減であり、高い利益率を維持しつつも採算悪化が継続するリスクがある。、中優先度:化成品事業は売上高14.7%増、セグメント利益67.0%増と改善したが、利益率は4.0%にとどまり、原材料コストや販売構成の変化に対する利益感応度が高い。、中優先度:仕掛品46.54億円が在庫構成の57.2%を占める。生鮮・加工・製造を含む食品関連事業では、需要変動、品質劣化、製造計画のずれが在庫評価および廃棄ロスにつながる可能性がある。、中優先度:為替差益4.62億円が営業外収益に含まれており、為替相場の反転は経常利益の押下げ要因となる。が挙げられます。

財務リスクとしては、中優先度:短期借入金は96.28億円で前年同期比35.7%増、有利子負債に占める短期負債比率は45.9%と品質警告水準の40%を上回る。現金預金は186.23億円でカバーされるものの、借換金利と金融機関の融資条件の変化を監視する必要がある。、中優先度:売掛金は前年同期比40.9%増であり、売上の伸びを大きく超過している。回収条件の変化または取引先信用リスクが顕在化した場合、資金効率および損失リスクに影響する。、中優先度:投資有価証券は116.11億円、純資産の18.7%に相当し、評価差額金を通じた株価変動が自己資本に影響する。、低優先度:有利子負債209.80億円に対し、D/E約0.34倍、Debt/Capital比率25.3%、インタレストカバレッジ41.71倍であり、現時点のレバレッジと利払い能力は保守的である。が挙げられます。

主な懸念事項としては、保険金収入18.96億円を中心とする特別損益の純額17.82億円により、純利益の前年同期比62.7%増は本業の利益成長を大きく上回る。評価上は営業利益43.80億円と経常利益52.66億円の持続性を区分する必要がある。、全社費用は18.35億円で前年同期比10.7%増となり、売上高成長率3.4%を上回った。事業別の増益が継続しても、間接費の増加が全社営業利益率の改善を制約する可能性がある。、業績予想上、第3四半期までの経常・純利益進捗は先行しているが、その主因には為替差益と特別利益があるため、第4四半期の利益水準を累計進捗率のみから判断しないことが重要である。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、営業利益率は約30bp改善し、売上高3.4%増を上回る営業利益8.1%増を達成した。、国内きのこ事業はセグメント利益の72.4%を占め、利益率も11.0%へ改善して連結収益の中核である。、純利益率と年換算ROE 10.4%は特別利益の寄与を受けており、経常的な収益力との区分が必要である。、流動比率154.6%、D/Eレシオ0.85倍、インタレストカバレッジ41.71倍は、現時点で安定した流動性・支払能力を示す。、売掛金の40.9%増、短期借入金の35.7%増、仕掛品構成比57.2%は、資金効率と運転管理に関する重要な監視項目である。が挙げられます。

注視すべき指標は、国内きのこ事業の売上成長率、セグメント利益率および販売単価、海外きのこ事業の売上・利益の回復度合い、化成品事業の低い利益率4.0%の改善持続性、売掛金99.79億円の回収状況および売上高に対する比率、仕掛品46.54億円の水準、在庫構成比および在庫評価、短期借入金96.28億円、短期負債比率45.9%および借換条件、為替差益および特別利益を除く経常的な利益成長、通期営業利益予想58.30億円に対する第4四半期の達成状況です。

セクター内ポジションについては、営業利益率6.9%は一般的な8%を「良好」とする目安には届かない一方、純利益率7.6%と年換算ROE 10.4%は良好レンジに位置する。ただし、純利益率とROEには一時的な保険金収入の寄与がある。流動比率154.6%、当座比率146.2%、Debt/Capital比率25.3%、インタレストカバレッジ41.71倍は、流動性・ソルベンシー面で保守的なポジションを示す。