- 売上高: 695.70億円
- 営業利益: 61.83億円
- 当期純利益: 42.95億円
- 1株当たり当期純利益: 204.46円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 695.70億円 | 696.11億円 | -0.1% |
| 売上原価 | 393.66億円 | - | - |
| 売上総利益 | 302.45億円 | - | - |
| 販管費 | 237.62億円 | - | - |
| 営業利益 | 61.83億円 | 64.82億円 | -4.6% |
| 営業外収益 | 79百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 12.38億円 | - | - |
| 経常利益 | 58.76億円 | 53.22億円 | +10.4% |
| 法人税等 | 14.10億円 | - | - |
| 当期純利益 | 42.95億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 54.38億円 | 42.88億円 | +26.8% |
| 包括利益 | 40.00億円 | 62.48億円 | -36.0% |
| 減価償却費 | 18.55億円 | - | - |
| 支払利息 | 1.15億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 204.46円 | 155.45円 | +31.5% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 203.98円 | 154.15円 | +32.3% |
| 1株当たり配当金 | 85.00円 | 85.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 579.93億円 | - | - |
| 現金預金 | 144.78億円 | - | - |
| 売掛金 | 125.38億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 190.76億円 | - | - |
| 固定資産 | 235.92億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 31.06億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -59.47億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 7.8% |
| 粗利益率 | 43.5% |
| 流動比率 | 275.0% |
| 当座比率 | 184.6% |
| 負債資本倍率 | 0.86倍 |
| インタレストカバレッジ | 53.77倍 |
| EBITDAマージン | 11.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.1% |
| 営業利益前年同期比 | -4.6% |
| 経常利益前年同期比 | +10.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +26.8% |
| 包括利益前年同期比 | -36.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 26.58百万株 |
| 自己株式数 | 237千株 |
| 期中平均株式数 | 26.60百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,532.94円 |
| EBITDA | 80.38億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 85.00円 |
| 期末配当 | 85.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
ローランド株式会社(連結、JGAAP)の2025年度Q3は、売上高69,570百万円(前年比-0.1%)と横ばいながら、営業利益は6,183百万円(-4.6%)と小幅減益、当期純利益は5,438百万円(+26.8%)と大幅増益でした。粗利益は30,245百万円で粗利率43.5%と高水準を維持し、付加価値創出力は堅調です。一方で営業利益率は8.9%(6,183/69,570)と前年からやや低下し、固定費負担や販売費の上振れによる営業レバレッジの負の影響が示唆されます。経常利益5,876百万円に対し支払利息は115百万円と軽微で、インタレストカバレッジは53.8倍と極めて健全です。デュポン分析では純利益率7.82%、総資産回転率0.838回、財務レバレッジ2.06倍の積でROEは13.47%と同業平均を上回る良好な資本効率を示します。総資産は83,032百万円、純資産40,384百万円、負債34,903百万円で、負債資本倍率0.86倍と過度なレバレッジは見られません。流動比率275%、当座比率185%と流動性は厚く、棚卸資産19,076百万円を含む運転資本は36,908百万円と潤沢です。営業CFは3,106百万円で、当期純利益に対する営業CF/純利益比率は0.57と低めであり、利益の現金化はやや弱含みです。EBITDAは8,038百万円、EBITDAマージン11.6%と、製品ミックスや価格維持により収益基盤は維持されています。投資CFと現金残高は不記載項目に該当し、フリーCFも0として表示されています(データ制約に留意)。配当は年間0円、配当性向0%と保守的で、内部留保を優先する姿勢がうかがえます。棚卸資産回転は概算で177日(19,076/39,366×365日)とやや重く、在庫最適化がキャッシュ創出力の鍵となります。税金等1,410百万円から推計する実効税率は約20.6%(税金/〔税金+純利益〕)で、税負担は適正レンジに収まっています。営業減益にもかかわらず純利益が増加した点は、金融収支や特別要因の寄与の可能性があり、一過性か持続的かの見極めが必要です。総じて、財務安全性は高く、収益性は堅調だが、営業CFの弱さと在庫の重さが短期的な課題です。為替の追い風/向かい風、需要の季節性、チャネル在庫の動向が今後の業績トラジェクトリーを左右します。電子楽器大手としてブランド力は強みで、価格維持と製品ミックス改善がROEの持続性を支えますが、固定費吸収度の管理が近因の焦点です。
ROE分解: ROE 13.47% = 純利益率7.82% × 総資産回転率0.838回 × 財務レバレッジ2.06倍。純利益率は製品ミックスと価格維持で高位を確保、総資産回転は0.84回と資産効率は中庸、過度なレバレッジに依存しない構造。
利益率の質: 粗利率43.5%は音響・電子楽器として競争力のある水準。営業利益率8.9%(6,183/69,570)は前年から低下、販促費や固定費の上振れが示唆。EBITDAマージン11.6%と非現金費用控除後も2桁を維持。推計実効税率は約20.6%(1,410/〔1,410+5,438〕)で税負担は適正。
営業レバレッジ: 売上-0.1%に対し営業利益-4.6%と感応度は高め。固定費ベースの高さや費用先行の影響で、売上の微減が利益に増幅して表出。コスト弾力性の改善(可変費化、販管費コントロール)余地がある。
売上持続可能性: 売上は横ばい(-0.1%)。主要製品(電子ピアノ、シンセ、電子ドラム等)の価格維持は効いているとみられるが、市況は踊り場。為替と北米/欧州需要、チャネル在庫の正常化が持続性の鍵。
利益の質: 営業減益にもかかわらず純利益が+26.8%増。金融収支・特別要因の寄与の可能性があるため、持続性評価には平常化ベースでの比較が必要。営業CF/純利益0.57と現金化は弱く、利益の質は中立〜やや慎重評価。
見通し: 短期は在庫圧縮と費用最適化によりCF改善余地。中期は新製品サイクルと価格戦略が粗利率を下支え。マクロ鈍化局面では固定費吸収がリスク。為替(円安)は円換算売上・利益の追い風になり得るが、価格転嫁の継続性が焦点。
流動性: 流動比率275%、当座比率185%と高水準。運転資本36,908百万円で短期資金需要は十分に賄える。棚卸資産は流動資産の33%(19,076/57,993)を占め、在庫管理が重要。
支払能力: インタレストカバレッジ53.8倍で利払い余力は極めて高い。負債資本倍率0.86倍とバランス良好。ROAは約6.6%(5,438/83,032)と資産収益性は堅調。
資本構成: 総資産83,032百万円、純資産40,384百万円、負債34,903百万円。財務レバレッジ2.06倍は健全域。自己資本比率は不記載(0表示)だが、実質は約48.6%(40,384/83,032)と推計され、資本基盤は厚い。
利益の質: 営業CF/純利益0.57と、利益の現金化が弱い四半期。EBITDAに対する営業CF比率は約38.6%(3,106/8,038)で運転資本の吸収が示唆。
FCF分析: 投資CFおよびフリーCFは不記載扱い(0表示)。一般にEBITDA規模からみて正常化ベースでは正のFCF創出余地はあるが、今期は在庫/受取債権の増勢がFCFを圧迫した可能性。CapExの把握ができず定量的評価は限定的。
運転資本: 棚卸資産回転日数は概算177日(19,076/39,366×365)。運転資本/売上比率は約53%(36,908/69,570)と高めで、在庫および与信の引き締めがCF改善の主導因となり得る。
配当性向評価: 年間配当0円、配当性向0%。内部留保・成長投資を優先する方針が示唆される。
FCFカバレッジ: FCFデータ不記載(0表示)につき定量評価不可。営業CFが利益を下回っているため、仮に配当を再開する場合はFCFの安定化が前提。
配当方針見通し: 財務余力は厚い一方、在庫調整とCF改善が先行課題。自己株や配当再開の余地は中期的にあるが、運転資本の正常化および投資計画の見極めが条件。
ビジネスリスク:
- 需要の季節性・景気感応度による販売ボラティリティ
- チャネル在庫積み上がりによる値引き圧力と在庫評価損リスク
- 新製品サイクルの遅延やヒット依存
- 為替変動(USD/EUR対JPY)による収益変動
- 部材調達・サプライチェーン制約(電子部品、物流コスト)
- 競合(ヤマハ等)との価格競争・ブランド競争
財務リスク:
- 営業CF/純利益の乖離拡大(現金化の弱さ)
- 棚卸資産回転の鈍化によるキャッシュ創出力低下
- 固定費負担増による営業レバレッジ悪化
- 金利上昇局面での運転資金調達コスト上昇(現状は低感応)
主な懸念事項:
- 売上横ばいでも営業減益となったコスト構造
- 在庫の重さ(約177日)とCF圧迫
- 純利益増益の一過性要因の有無(非経常の影響可能性)
重要ポイント:
- ROE13.5%と資本効率は良好だが、営業レバレッジ悪化が課題
- 流動性・支払能力は極めて健全(当座比率185%、ICR53.8倍)
- 営業CFは弱含み(利益対比0.57倍)で在庫最適化が最優先テーマ
- 粗利率43.5%とEBITDAマージン11.6%で価格・ミックスは堅調
- 配当はゼロで内部留保優先、CF正常化が還元再開の前提
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益比率(>1.0への回復)
- 棚卸資産回転日数・在庫金額の推移
- 販管費率と固定費の弾力性
- 為替感応度(円安/円高の影響)
- 受注・バックログ、チャネル在庫水準
- EBITDAとCapEx(FCF創出力)
セクター内ポジション:
電子楽器大手としてブランド力・粗利率で相対優位。一方、在庫回転と営業CFは同業上位(例:在庫回転の速い総合楽器大手)と比し改善余地があり、固定費吸収度の管理が差別化要因となる。
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