- 売上高: 1,452.70億円
- 営業利益: 35.08億円
- 当期純利益: 8.27億円
- 1株当たり当期純利益: 10.66円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,452.70億円 | 1,484.02億円 | -2.1% |
| 売上原価 | 1,143.17億円 | - | - |
| 売上総利益 | 340.84億円 | - | - |
| 販管費 | 271.52億円 | - | - |
| 営業利益 | 35.08億円 | 59.04億円 | -40.6% |
| 持分法投資損益 | -2.28億円 | - | - |
| 税引前利益 | 22.13億円 | 53.14億円 | -58.4% |
| 法人税等 | 9.35億円 | - | - |
| 当期純利益 | 8.27億円 | 43.79億円 | -81.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.05億円 | 42.68億円 | -88.2% |
| 包括利益 | -9.96億円 | 56.47億円 | -117.6% |
| 減価償却費 | 71.96億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 10.66円 | 88.38円 | -87.9% |
| 1株当たり配当金 | 25.00円 | 25.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,286.27億円 | - | - |
| 売掛金 | 375.88億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 357.30億円 | - | - |
| 固定資産 | 1,232.20億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 466.51億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 147.47億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -72.84億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 19.34億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 509.70億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | 74.63億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 0.3% |
| 粗利益率 | 23.5% |
| 負債資本倍率 | 1.20倍 |
| EBITDAマージン | 7.4% |
| 実効税率 | 42.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.1% |
| 営業利益前年同期比 | -40.6% |
| 税引前利益前年同期比 | -58.3% |
| 当期純利益前年同期比 | -81.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -88.2% |
| 包括利益前年同期比 | -33.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 50.86百万株 |
| 自己株式数 | 3.51百万株 |
| 期中平均株式数 | 47.43百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,401.28円 |
| EBITDA | 107.04億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 25.00円 |
| 期末配当 | 25.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,913.00億円 |
| 営業利益予想 | 38.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 0円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 0.00円 |
| 1株当たり配当金予想 | 25.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
NISSHA株式会社の2025年度第3四半期(IFRS、連結)では、売上高1,452.70億円(前年比-2.1%)と微減の中で、営業利益35.08億円(同-40.6%)、当期純利益5.05億円(同-88.2%)と利益の落ち込みが大きく、収益性の劣化が鮮明です。粗利益率は23.5%(340.84億円)と一定の水準を維持した一方で、販管費率は18.7%(271.52億円/売上)まで上昇し、営業利益率は2.41%に低下しました。税引前利益は22.13億円にとどまり、実効税率は42.3%と高止まりしたことが純利益圧迫の一因です。包括利益は-9.96億円と、その他包括損失(OCI)の発生により純利益を下回っており、為替や有価証券評価など非営業要因の逆風が示唆されます。デュポン分析では、純利益率0.3%、総資産回転率0.588、財務レバレッジ2.17倍の結果、ROEは0.4%と低水準にとどまりました。営業キャッシュフローは147.47億円と堅調で、EBITDA107.04億円を上回るキャッシュ創出を実現しており、キャッシュフローの質は相対的に良好です。投資CFは-72.84億円で、設備投資は48.69億円(減価償却71.96億円、D/C比0.68倍)と抑制的で、フリーキャッシュフローは74.63億円の黒字です。財務CFは19.34億円のプラスで、自社株買い-16.40億円を実施しつつも、純現金同等物残高は509.70億円と流動性は厚めです。貸借対照表は総資産2,470.77億円、純資産1,137.01億円、自己資本比率44.9%とバランスは良好で、負債資本倍率1.20倍にとどまります。運転資本効率は、期末残高ベース試算で売掛金回収約94日、在庫保有約114日、買掛金支払約103日、キャッシュコンバージョンサイクルは約106日とやや長めです。売上が小幅減少に対し営業利益が大幅減となっており、営業レバレッジの高さと固定費負担の増加が示唆されます。EPSは10.66円まで低下し、1株当たり純資産は2,401.28円と厚みがある一方、ROE0.4%は資本効率面の課題を示します。配当関連データは未記載が多いものの、配当性向(計算値)は503.5%と利益ベースでの負担感が強く、FCFカバレッジ2.93倍からはキャッシュフロー面では当期支払いを吸収可能であったと読み取れます。なお、営業外、利息、流動比率などの情報がXBRLで未記載のため、金利負担や短期流動性の精緻な評価には制約があります。今後は粗利率の維持・改善、販管費の適正化、税率の正常化がROE回復の鍵となります。外部環境の変動(為替・原材料価格)に伴うOCI変動のコントロールも純資産変動の安定化に重要です。
ROE分解(デュポン): 純利益率0.3% × 総資産回転率0.588 × 財務レバレッジ2.17倍 = ROE0.4%(報告値一致)。純利益率は0.35%(5.05/1,452.70)と極めて低く、最も大きなROE低下要因。営業利益率は2.41%(35.08/1,452.70)で、前年から大幅悪化(営業利益-40.6%)しており、粗利率23.5%に対し販管費率18.7%が重くのしかかった形。税引前利益率1.52%(22.13/1,452.70)に対し実効税率42.3%が純利益をさらに圧縮。EBITDAマージン7.4%(107.04/1,452.70)から営業利益率2.41%へのギャップは減価償却負担(71.96億円)に加え、費用の固定化を示唆。営業レバレッジ: 売上-2.1%に対し営業利益-40.6%と感応度が高く、固定費比率の上昇または価格/ミックス悪化の可能性がある。粗利率の持ち直しが見られない限り、わずかな売上変動でも利益が大きく振れる体質。利益の質: 営業CF147.47億円が純利益5.05億円の約29.2倍と、利益水準の低さに対しキャッシュ創出は強い。これは在庫・売掛など運転資本の回収寄与の可能性が高いが、持続性は未確定。その他包括損益がマイナスで包括利益-9.96億円となっており、非営業のボラティリティも留意点。
売上は1,452.70億円で前年比-2.1%。小幅減収に対し利益は大幅減益(営業-40.6%、純利益-88.2%)で、ミックス/価格や固定費負担増が示唆される。研究開発費の開示がなく成長投資の質判断は限定的。設備投資は48.69億円と減価償却71.96億円を下回り、維持更新中心の可能性が高い(D/C=0.68倍)。フリーキャッシュフローは74.63億円と正だが、利益成長に直結する攻めの投資は抑制的に見える。売掛金・在庫の期末残高はそれぞれ375.88億円、357.30億円で、期末換算法のCCCは約106日と回転は重い。短期的な需要弱含みや価格競争が続く前提では、売上の持続性は外部環境に左右されやすい。利益の質は現状キャッシュには裏付けられるが、低い営業利益率と高税率がEPS成長を阻害。見通しとしては、(1) 粗利率の改善(コスト低減・価格施策)、(2) 販管費の弾力化、(3) 税率の正常化が実現すれば、売上横ばいでも利益回復余地あり。逆に外部環境悪化(為替、原材料)や需要軟調が続けば、営業レバレッジの負の側面が顕在化しやすい。
流動性: 現金同等物509.70億円と営業CF147.47億円により手許流動性は厚い。流動比率・当座比率は未記載で定量評価は制約あり。運転資本に関し、売掛金375.88億円、在庫357.30億円、買掛金321.29億円で、期末時点のバランスは概ね中庸だが回転日数はやや長い。支払能力: 自己資本比率44.9%、負債資本倍率1.20倍とバランスシートは健全。利息や有利子負債の内訳が未記載のため金利感応度・カバレッジの精緻な把握は不可。資本構成: 総資産2,470.77億円、純資産1,137.01億円(資本剰余金106.53億円、利益剰余金768.20億円)。ROE0.4%と資本効率は低く、還元/投資/構造改革の最適化が課題。包括損失の発生(-9.96億円)は純資産の変動要因で、為替・評価差損の管理が重要。
利益の質: 営業CF147.47億円が純利益5.05億円の29.2倍と非常に厚く、利益計上額に比べ実現キャッシュは強い。EBITDA107.04億円に対し営業CFは1.38倍で、運転資本の回収寄与が推測される。FCF分析: フリーキャッシュフローは74.63億円(提供値)で黒字。設備投資48.69億円は減価償却71.96億円を下回り、投資キャッシュは抑制的。投資CF合計-72.84億円とのギャップはその他投資(有価証券・M&A・無形資産等)の支出が示唆されるが内訳は未記載。運転資本: 期末残高ベースの目安として、売掛金回収約94日、在庫約114日、買掛金約103日、CCC約106日。期中変動データが無いため継続性の評価は限定的。総じて当期のキャッシュフロー品質は良好だが、来期も同水準の運転資本改善が続く保証はない。
配当データが未記載のため総額や四半期配当は不明。計算上の配当性向は503.5%と利益水準に対しては過大で、当期利益ベースの持続可能性は低いシグナル。ただしフリーキャッシュフローによるカバレッジは2.93倍と示され、キャッシュフロー面では当期の配当支払い(推定)を十分に賄えた可能性が高い。自社株買いは-16.40億円を実施しており、総還元の一部を自己株取得で実行。今後の配当方針は、(1) 利益水準の回復、(2) 税率正常化、(3) 運転資本の安定的マネジメントが前提となる。利益変動が大きい局面では、固定配当よりも柔軟な総還元(配当+自己株)の組合せが財務の健全性維持に資する可能性。
ビジネスリスク:
- 需要変動による売上の振れと高い営業レバレッジに伴う利益感応度の高さ
- 価格競争・製品ミックス悪化による粗利率低下リスク
- 原材料・エネルギー価格や為替変動に伴うコスト・OCIのボラティリティ
- 在庫積み上がりや回転悪化による運転資本負担増
- 税務負担の高止まり(実効税率42.3%)による純利益圧迫
- サプライチェーン混乱や主要取引先動向への依存
財務リスク:
- 利息・有利子負債内訳未開示による金利感応度の不確実性
- 包括損失の発生による純資産の変動リスク
- 利益水準低下局面での配当継続に伴う資本効率の悪化
- 運転資本の逆回転時におけるキャッシュフロー悪化の可能性
主な懸念事項:
- 営業利益率2.41%とROE0.4%の低水準が継続する懸念
- 販管費率18.7%の高止まりと固定費硬直化
- 高い実効税率の継続がEPS回復を阻害
- OCIマイナスに起因する包括利益の弱さ
重要ポイント:
- 微減収ながら大幅減益で、営業レバレッジの負の側面が顕在化
- 粗利率23.5%維持も販管費率上昇で営業利益率は2.41%へ低下
- ROE0.4%と資本効率は不十分、税率高止まりが純利益を圧迫
- 営業CF147.47億円、FCF74.63億円とキャッシュ創出は堅調
- 自己資本比率44.9%、手許現金509.70億円で財務耐性は高い
- 配当性向(計算値)503.5%は利益ベースでの負担感が強いが、FCFカバレッジ2.93倍で当期負担は吸収
- 包括損失-9.96億円と非営業のボラティリティに留意
注視すべき指標:
- 粗利益率と価格/ミックス動向
- 販管費率と固定費削減の進捗
- 営業利益率の回復度合いと営業レバレッジの感応度
- 実効税率の正常化(~30%台)
- 在庫・売掛金回転(CCCの短縮)
- FCFの持続性とキャッシュコンバージョン(営業CF/EBITDA)
- OCIの変動(為替/評価差)と純資産への影響
- 還元方針(配当+自己株)のバランス
セクター内ポジション:
同業国内メーカー群と比較すると、自己資本比率は良好だが、営業利益率およびROEは下位水準。キャッシュ創出力は当期強いものの、利益水準の低さから資本効率での見劣りが目立つ。改善余地は粗利率・固定費・税率の三点で大きい。
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