- 売上高: 587.52億円
- 営業利益: 105.40億円
- 当期純利益: 80.80億円
- 1株当たり当期純利益: 73.85円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 587.52億円 | 566.21億円 | +3.8% |
| 売上原価 | 236.97億円 | - | - |
| 売上総利益 | 329.25億円 | - | - |
| 販管費 | 215.32億円 | - | - |
| 営業利益 | 105.40億円 | 113.92億円 | -7.5% |
| 営業外収益 | 13.10億円 | - | - |
| 営業外費用 | 4.23億円 | - | - |
| 経常利益 | 109.34億円 | 122.80億円 | -11.0% |
| 法人税等 | 39.21億円 | - | - |
| 当期純利益 | 80.80億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 61.81億円 | 80.79億円 | -23.5% |
| 包括利益 | 51.38億円 | 90.87億円 | -43.5% |
| 支払利息 | 42百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 73.85円 | 95.42円 | -22.6% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 73.61円 | 95.13円 | -22.6% |
| 1株当たり配当金 | 26.00円 | 26.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 848.86億円 | - | - |
| 現金預金 | 460.51億円 | - | - |
| 売掛金 | 93.59億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 129.78億円 | - | - |
| 固定資産 | 734.13億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 10.5% |
| 粗利益率 | 56.0% |
| 流動比率 | 304.0% |
| 当座比率 | 257.5% |
| 負債資本倍率 | 0.31倍 |
| インタレストカバレッジ | 251.87倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +3.8% |
| 営業利益前年同期比 | -7.5% |
| 経常利益前年同期比 | -11.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -23.5% |
| 包括利益前年同期比 | -43.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 93.42百万株 |
| 自己株式数 | 10.23百万株 |
| 期中平均株式数 | 83.70百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,437.35円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 26.00円 |
| 期末配当 | 26.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| DCIProducts | 146.92億円 | -3.32億円 |
| DentalProducts | 2.59億円 | 121.82億円 |
| IndustrialProducts | 51.07億円 | 5.96億円 |
| SurgicalProducts | 41.69億円 | 22.76億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 806.55億円 |
| 営業利益予想 | 131.50億円 |
| 経常利益予想 | 138.40億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 83.72億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 99.14円 |
| 1株当たり配当金予想 | 28.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
株式会社ナカニシの2025年度Q3(累計)実績は、売上高が587.5億円(前年比+3.8%)と増収を確保する一方、営業利益は105.4億円(同-7.5%)と減益で、利益率に圧力がかかった決算となりました。粗利益は329.2億円、粗利益率は56.0%と引き続き高水準ですが、前年からのマージン低下が示唆されます。営業利益率は約17.9%(=105.4億円/587.5億円)で、同社の高い収益力は維持しつつも、コスト上昇や販管費増(あるいはプロダクトミックス/為替影響)によりレバレッジが効きにくくなったとみられます。経常利益は109.3億円、支払利息は4.18千万円に留まり、インタレストカバレッジは約252倍と極めて健全です。当期純利益は61.8億円(前年比-23.5%)で、営業減益率(-7.5%)を上回る落ち込みとなっており、税負担や営業外要因の影響が示唆されます。実効税率は開示上0.0%と表示されていますが、数値(税金39.2億円/経常109.3億円)から近似すると約36%であり、税負担は通常水準に近いと推定されます。デュポン分解では、純利益率10.52%、総資産回転率0.362回、財務レバレッジ1.36倍から推計ROEは5.17%で、報告ROEと整合します。総資産は1,624.7億円、純資産は1,195.6億円、負債合計は371.0億円で、負債資本倍率0.31倍、流動比率304%、当座比率258%と、バランスシートの防御力は非常に強固です。運転資本は569.6億円と厚く、在庫は129.8億円(売上高比約22%)で、COGSベースの在庫日数は概算で約200日とやや厚めです。営業CF、投資CF、フリーCF、減価償却費は「未記載(0表示)」であり、キャッシュフロー品質の定量判断はできませんが、利益水準と在庫水準からは運転資本の吸収がCFに影響している可能性に留意が必要です。EPSは73.85円で、純利益の伸び悩みが1株価値創出の鈍化として現れています。売上の底堅さに対して利益の伸びが相対的に弱く、短期的にはコストコントロールとミックス改善が課題です。一方で、低レバレッジ・高流動性という財務基盤は、コスト上昇下でも投資と配分の柔軟性を維持する支えになります。中期的には、製品ミックス改善、価格見直し、為替ヘッジ、サプライチェーンの効率化がマージン回復の主なドライバーとなる見通しです。配当情報は未記載のため判定不能ですが、バランスシートの強さから持続可能性は利益水準と投資計画のバランス次第と考えます。データ制約(CF・減価償却・株式数・配当未記載)を前提に、実在する非ゼロデータで判断すると、同社は高い利益率と健全な財務を維持しつつ、短期的なマージン圧力に直面している局面と総括できます。
デュポン分解:ROE 5.17% = 純利益率10.52% × 総資産回転率0.362回 × 財務レバレッジ1.36倍。純利益率は10.52%(= 61.81億円/587.52億円)で、高収益ながら前年からの低下が示唆されます。営業利益率は約17.9%で、インフレ(人件費・原材料・物流)、為替、プロダクトミックス(高付加価値比率の変動)や販管費(販売体制・R&D・販促)の上振れがマージンを圧迫した可能性。経常段階では金利負担が小さいため収益悪化の主因は営業段階に所在。税負担近似(約36%)を踏まえると、税後収益の感応度は高く、税率正常化によるROEの抑制が見られます。総資産回転率0.362回は、在庫厚め(在庫129.8億円、COGS236.97億円に対し在庫日数約200日)も一因で、資産効率の改善余地があります。営業レバレッジの観点では、売上+3.8%に対し営業利益-7.5%と負のレバレッジが発生しており、固定費の吸収不足や単価下落/コスト上昇が示唆されます。インタレストカバレッジ約252倍と財務費用影響は軽微で、ビジネス面の改善が利益率回復の鍵です。
売上は+3.8%と堅調で、需要の底堅さや価格施策の寄与が示唆されますが、利益は営業段階でマイナス、純利益は-23.5%と伸び悩み。成長の質は現時点で「売上主導・利益抑制型」。粗利率56.0%は高水準であり、中期的な価格権限や製品優位性の根拠となる一方、販管費・製造固定費の増勢を吸収しきれていません。期中の為替(円安)効果は売上に追い風となりやすい一方、部材コストやグローバル販管費にも波及しうるため、純粋な増益寄与は限定的になり得ます。短期見通しでは、在庫是正・コスト最適化・ミックス改善により営業利益率の反発余地がある一方、需要の地域・製品ミックス次第で回復軌道は不確実。中期では新製品投入、プレミアム帯比率の引上げ、自動化投資の歩留まり改善が成長の質を高めるカタリスト。売上の持続可能性は医療・歯科需要のディフェンシブ性に支えられるが、設備投資サイクルや新興国需要の変動には留意。
流動性は流動比率304%、当座比率258%と非常に高く、短期支払能力は盤石。運転資本は569.6億円と厚く、過剰在庫化リスクとCF圧迫の可能性には注意。支払能力は負債資本倍率0.31倍、総資産1,624.7億円に対し負債371.0億円と低レバレッジで、金利上昇耐性は高い。自己資本比率は未記載(0表示)だが、実質的には純資産/総資産≒73.6%と推定され、資本構成は極めて保守的。支払利息は4.18千万円にとどまり、利子負担の収益への影響は極小。総じて、バランスシートは強固で、逆風下でも投資継続や配当余力の基盤となる。
営業CF、投資CF、フリーCF、減価償却費は未記載(0表示)につき、定量的なCF品質評価は不可能。したがって営業CF/純利益、FCFマージン、減価償却・CAPEXバランス等の通常分析は留保する。一方、利益水準(営業利益105.4億円、純利益61.8億円)と運転資本の厚み(在庫129.8億円、運転資本569.6億円)から推測すると、在庫積み増しや売上伸長局面での運転資本吸収が営業CFを一時的に抑制している可能性がある。COGS対比の在庫日数は概算約200日(=129.8/236.97×365)で、在庫水準の最適化がCF改善の主因となり得る。減価償却費未記載のため、利益の現金化度(アクルアル比率)判定はできないが、高粗利+低レバレッジの事業特性から、中期的には安定したCF創出が期待される構造。今後は営業CF/純利益>1.0の回復、在庫回転の改善、CAPEXと減価償却の整合を注視したい。
配当金・配当性向・FCFカバレッジは未記載(0表示)であり、実績ベースの持続可能性評価は不可。EPSは73.85円で、仮に標準的な配当性向30%と仮置きすると、1株配当は概念上約22円水準が視野だが、実際の方針やCFは不明。バランスシートは純資産1,195.6億円、低レバレッジ(負債資本倍率0.31倍)で耐性が高く、配当の安全余地は利益・投資・在庫是正の進捗に依存。FCF未記載のためFCFカバレッジ検証はできないが、在庫削減や運転資本効率化が実現すれば配当原資の安定性は高まる。会社の配当方針(連結配当性向、DOE、安定配当方針等)の確認が不可欠で、次回開示での指針更新に注目。
ビジネスリスク:
- 製造コスト上昇(原材料・人件費・物流)による粗利率圧迫
- プロダクトミックス悪化・価格競争による営業利益率低下
- 在庫高止まりによる値引き・陳腐化リスク
- 主要地域(米欧中)の需要変動や歯科投資サイクルの遅延
- 為替変動(円高局面)による海外売上・利益の逆風
- サプライチェーン制約や部材調達リスク
- 規制・認証の遅延(医療機器関連)による新製品投入遅れ
財務リスク:
- 在庫積み上がりに伴う営業CFの一時的悪化
- 税率上振れ(実効税率の正常化)による純利益ボラティリティ
- 金利上昇局面での資金調達コスト増(影響は限定的だが無視不可)
- 為替評価差によるBS・PLの変動性
主な懸念事項:
- 売上増にもかかわらず営業減益(-7.5%)となった要因の特定
- 在庫日数が概算200日と厚めで、回転改善の必要性
- 純利益の落ち込み(-23.5%)に対する税負担・営業外影響の内訳
- CF・減価償却・配当データ未記載に伴う定量評価の限界
重要ポイント:
- 売上は+3.8%と堅調だが、営業利益-7.5%でマージン圧力が顕在化
- 粗利率56.0%と高収益構造は維持、在庫厚めで資産効率に改善余地
- ROE 5.17%は純利益率低下と資産回転率の低さが押し下げ要因
- 財務健全性は極めて高く、低レバレッジ・高流動性が強み
- CF・配当情報未記載のため、配当持続性やFCF評価は保留
注視すべき指標:
- 営業利益率の回復(販管費率・製造固定費吸収)
- 在庫回転日数・総資産回転率の改善
- 営業CF/純利益、フリーCF、CAPEXと減価償却の整合
- 為替感応度(円高/円安)と価格改定の進捗
- 地域別・製品別ミックス(高付加価値比率)の動向
- 実効税率の平常化水準
セクター内ポジション:
国内医療・歯科関連機器の中で、同社は高い粗利率と低レバレッジという質の高い収益・財務プロファイルを維持。一方、今期は営業レバレッジの発揮が弱く、利益面で一部同業(軽量資産モデルや価格転嫁の進んだ企業)に見劣り。資産効率とマージンの同時改善が進めば、同セクター内の相対的地位は再び上位に戻る余地。
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