- 売上高: 16,373.09億円
- 営業利益: 1,046.49億円
- 当期純利益: 880.54億円
- 1株当たり当期純利益: 98.76円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 16,373.09億円 | 15,535.34億円 | +5.4% |
| 売上原価 | 12,124.07億円 | - | - |
| 売上総利益 | 3,411.27億円 | - | - |
| 販管費 | 2,058.69億円 | - | - |
| 営業利益 | 1,046.49億円 | 1,326.33億円 | -21.1% |
| 持分法投資損益 | 40.92億円 | - | - |
| 税引前利益 | 1,173.86億円 | 1,378.13億円 | -14.8% |
| 法人税等 | 393.93億円 | - | - |
| 当期純利益 | 880.54億円 | 984.20億円 | -10.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 698.23億円 | 785.69億円 | -11.1% |
| 包括利益 | 1,123.81億円 | 871.64億円 | +28.9% |
| 減価償却費 | 699.45億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 98.76円 | 105.10円 | -6.0% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 98.71円 | 105.09円 | -6.1% |
| 1株当たり配当金 | 46.00円 | 46.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 18,153.43億円 | - | - |
| 売掛金 | 6,605.12億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 6,817.98億円 | - | - |
| 固定資産 | 14,879.66億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 8,387.23億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,068.47億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -579.31億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -643.44億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 3,587.11億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | 489.16億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.3% |
| 粗利益率 | 20.8% |
| 負債資本倍率 | 1.13倍 |
| EBITDAマージン | 10.7% |
| 実効税率 | 33.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.4% |
| 営業利益前年同期比 | -21.1% |
| 税引前利益前年同期比 | -14.8% |
| 当期純利益前年同期比 | -10.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -11.1% |
| 包括利益前年同期比 | +28.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 713.53百万株 |
| 自己株式数 | 15.83百万株 |
| 期中平均株式数 | 707.03百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,245.54円 |
| EBITDA | 1,745.94億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 46.00円 |
| 期末配当 | 46.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 33,000.00億円 |
| 営業利益予想 | 2,100.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 1,300.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 185.55円 |
| 1株当たり配当金予想 | 46.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
いすゞ自動車の2026年度Q2(上期)の連結決算は、売上高が16,373.09億円で前年比+5.4%と増収ながら、営業利益は1,046.49億円(-21.1%)と減益となり、収益性の鈍化が際立つ決算でした。粗利益は3,411.27億円で粗利率は20.8%と一定の水準を確保した一方、販管費は2,058.69億円(売上比12.6%)と重く、営業利益率は6.4%にとどまりました。税引前利益は1,173.86億円で、持分法投資利益40.92億円の貢献を含みますが、当期純利益は698.23億円(-11.1%)となり、実効税率は33.6%でした。デュポン分析では、純利益率4.3%、総資産回転率0.482倍、財務レバレッジ2.17倍により、ROEは4.5%と自動車商用車メーカーとしては控えめな水準です。EBITDAは1,745.94億円、EBITDAマージン10.7%で、減価償却費699.45億円を十分に賄うキャッシュ創出力を維持しています。営業キャッシュフローは1,068.47億円と純利益の1.53倍で、利益のキャッシュ化は良好です。フリーキャッシュフロー(FCF)は489.16億円を確保し、設備投資は578.16億円にとどめています。財務キャッシュフローは-643.44億円で、配当金支払-366.54億円と自己株買い-189.08億円の株主還元を実施しつつ、ネットで資金流出となりました。自己資本比率は41.3%、負債資本倍率は1.13倍とバランスシートの健全性は良好です。運転資本のうち、売掛金6,605.12億円と棚卸資産6,817.98億円に対し、買掛金6,840.51億円で、簡便計算のネット運転資本は約6,582.6億円と資金を要する構造です。売上が伸びる一方で営業利益が縮小しており、短期的には負の営業レバレッジが働いた可能性が高い点が懸念されます。営業利益率6.4%に対し、税前利益率7.2%と、営業外収益・費用の詳細開示はないものの、持分法利益等の非営業要素が一定の下支えになっています。配当性向は94.0%と高く、FCFカバレッジは0.75倍の開示で、株主還元の持続性はキャッシュ創出に依存度が高い局面です。現金及び同等物は3,587.11億円と潤沢で短期耐性は十分ですが、売上伸長に伴う運転資本需要と在庫厚みはキャッシュ滞留リスクにもつながり得ます。総じて、増収下での利益率低下と高い還元水準のバランス、ならびに運転資本効率の改善が今後の注目点です。開示にN/A項目が多く、営業外や負債内訳、配当方針の詳細が不明な点は分析上の不確実性として留意が必要です。
ROEは4.5%(純利益率4.3% × 総資産回転率0.482 × 財務レバレッジ2.17)で、利幅と回転率の双方が抑制的。営業利益率は6.4%(1,046.49/16,373.09)で、販管費率12.6%が重石。粗利率20.8%に対しEBITDAマージン10.7%、EBITマージン6.4%と、製造固定費・販管費の影響で段階的に圧縮。税前利益率は7.2%(1,173.86/16,373.09)。実効税率は33.6%で純利益率をさらに押し下げ。営業レバレッジは売上+5.4%に対し営業利益-21.1%で、近似DOLは約-3.9倍(短期的なコスト上振れやミックス悪化の示唆)。EBITDA/減価償却費=2.5倍とキャッシュ創出余力は確保。持分法投資利益40.92億円は税前の約3.5%相当で、非営業面が利益を下支え。資産回転率0.482倍(上期時点)は資産規模に対する売上効率が中庸。総じて、価格転嫁やコストコントロールの追加進展がROE改善の鍵。
売上高は+5.4%で堅調なトップライン成長。一方、営業利益-21.1%、純利益-11.1%と利益面は調整局面。販管費率12.6%の上昇圧と固定費吸収不足が示唆され、短期的な利益の質は弱含み。EBITDAは1,745.94億円と絶対水準は高いが、マージンは10.7%に鈍化。持分法投資利益の貢献(40.92億円)は安定的だが、コアの自力収益性改善が課題。上期の在庫6,817.98億円は販売計画と整合的な水準か精査が必要で、在庫正常化は下期の粗利率回復余地にも影響。売上の持続性は主力商用車・ピックアップ需要と海外展開に依存するが、短期はコストバランスの再調整が焦点。下期にかけた価格施策、コスト低減、稼働効率改善が利益の回復要因。研究開発費の開示が無く、電動化・安全技術投資のペース感は不明。マクロ逆風(金利・資材・物流)緩和が進めば利益率反転の余地。
総資産33,972.03億円、純資産15,667.18億円、自己資本比率41.3%と健全。負債資本倍率1.13倍でレバレッジは適度。現金等3,587.11億円を保有し短期耐性は高い。流動資産18,153.43億円、売掛金6,605.12億円、棚卸資産6,817.98億円に対し、買掛金6,840.51億円で、簡便計算のネット運転資本は約6,582.59億円(AR+在庫-AP)。流動性指標(流動比率・当座比率)は未開示で精緻評価は不可だが、手元流動性は厚い。借入内訳・金利費用未開示につき利払い負担は不明も、自己資本比率と現金残高から支払能力は良好と判断。固定資産14,879.66億円と設備投資578.16億円は維持・更新中心の規模感。包括利益1,123.81億円は純利益を上回り、その他包括損益のプラスが資本を下支え。
営業CF1,068.47億円は純利益の1.53倍でキャッシュ創出の質は良好。EBITDA1,745.94億円と一致し、非現金費用(減価償却699.45億円)がCFを下支え。FCFは489.16億円(営業CF1,068.47−設備投資578.16)で、投資後もプラスを確保。運転資本面では売掛・在庫が大きく、売上拡大局面の資金需要増が示唆されるため、在庫回転・回収期間の改善が次期CFの鍵。財務CF-643.44億円は主に配当-366.54億円と自己株買い-189.08億円によるもの。開示のFCFカバレッジは0.75倍だが、当社試算では配当ベースのFCFカバレッジ約1.34倍(489.16/366.54)、総還元(配当+自社株)ベースでは約0.88倍(489.16/(366.54+189.08))。営業CF対EBITDA比は約61%で、運転資本の吸収を一定程度示唆。引き続き在庫・売掛の圧縮がFCF拡大のレバレッジ。
配当性向(計算値)94.0%は高水準で、利益成長鈍化局面では余裕度が限定的。FCFカバレッジ(開示)0.75倍は慎重にみればFCFが還元水準にやや不足の示唆。当社再計算では配当単独はFCFで約1.34倍カバー可能だが、自己株買いを含む総還元ではFCFを上回る。営業CF/純利益1.53倍と現金残高3,587.11億円により短期的な継続性は担保されるが、中期的には利益率回復と運転資本効率改善が前提。DOEは未開示で、資本政策の定量目標は不明。利益変動に応じた柔軟な自己株買い調整余地はあるが、現行の高配当性向は利益下振れ時に修正リスク。
ビジネスリスク:
- 商用車・ピックアップ需要の景気感応度
- 原材料・物流コスト高止まりによる利幅圧迫
- 販売ミックス変化(地域・車型)による粗利率変動
- サプライチェーン制約(半導体、部材)
- 環境規制・排出規制への適応コスト
- 品質・リコール対応コストの発生リスク
- 為替変動(USD、THB等)の採算影響
財務リスク:
- 運転資本増加によるキャッシュ滞留・FCF圧迫
- 高配当性向・自己株買い継続による資本余力低下
- 金利上昇局面での調達コスト増(利息情報未開示で把握困難)
- 海外子会社・持分法投資の利益変動
主な懸念事項:
- 売上増にもかかわらず営業減益(負の営業レバレッジ)
- 販管費率の上昇と固定費吸収不足
- 在庫水準の上振れによるCF遅延リスク
- 高水準の配当性向に伴う柔軟性低下
重要ポイント:
- 売上は堅調も、営業利益率6.4%と収益性に課題
- ROEは4.5%で改善余地が大きい(価格施策と効率化が鍵)
- 営業CFは堅調でFCFも黒字、短期の資金耐性は高い
- 高還元方針は続くが、利益とFCFの伸びが持続性の前提
- 運転資本効率(在庫・売掛)改善が次のアップサイド要因
注視すべき指標:
- 営業利益率と粗利率の四半期トレンド
- 販管費率と固定費吸収の改善度
- 在庫・売掛の回転指標(在庫回転日数・DSO)
- 価格転嫁とコスト差益(price-cost spread)
- FCFと総還元(配当+自己株)カバレッジ
- ROEブリッジ(純利益率・回転率・レバレッジの寄与)
セクター内ポジション:
国内商用車同業と比べ、ASEANを中心とした外需ドライバーとピックアップ領域の強みを持つ一方、足元はコスト上振れ・販管費の重さで収益性が抑制。財務体質とキャッシュ創出力は相対的に堅実で、運転資本効率とマージンの回復が進めば同業比での収益性格差縮小余地。
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