- 売上高: 216.52億円
- 営業利益: 13.91億円
- 当期純利益: 3.57億円
- 1株当たり当期純利益: 639.54円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 216.52億円 | 227.87億円 | -5.0% |
| 売上原価 | 215.77億円 | - | - |
| 売上総利益 | 12.10億円 | - | - |
| 販管費 | 5.73億円 | - | - |
| 営業利益 | 13.91億円 | 6.36億円 | +118.7% |
| 営業外収益 | 50百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 3.08億円 | - | - |
| 経常利益 | 13.57億円 | 3.77億円 | +259.9% |
| 法人税等 | 14百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 3.57億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.83億円 | 3.57億円 | +203.4% |
| 包括利益 | 11.55億円 | 3.74億円 | +208.8% |
| 支払利息 | 44百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 639.54円 | 210.93円 | +203.2% |
| 1株当たり配当金 | 40.00円 | 40.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 284.51億円 | - | - |
| 現金預金 | 47.02億円 | - | - |
| 固定資産 | 140.35億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 117.58億円 | - | - |
| 無形資産 | 50百万円 | - | - |
| 投資有価証券 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 5.0% |
| 粗利益率 | 5.6% |
| 流動比率 | 107.8% |
| 当座比率 | 107.8% |
| 負債資本倍率 | 2.65倍 |
| インタレストカバレッジ | 31.61倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -5.0% |
| 営業利益前年同期比 | +1.2% |
| 経常利益前年同期比 | +2.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +2.0% |
| 包括利益前年同期比 | +2.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 2.25百万株 |
| 自己株式数 | 558千株 |
| 期中平均株式数 | 1.69百万株 |
| 1株当たり純資産 | 7,047.49円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Ship | 214.40億円 | 19.67億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 465.00億円 |
| 営業利益予想 | 26.00億円 |
| 経常利益予想 | 24.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 20.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 1,180.00円 |
| 1株当たり配当金予想 | 40.00円 |
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内海造船株式会社の2026年度Q2(連結、JGAAP)の決算は、売上高が前年同期比△5.0%の216.5億円と縮小する一方、営業利益が13.91億円(+118.7%)と大幅に改善し、利益率の回復が鮮明となった。営業利益率は6.4%(前年は約2.9%と推定)まで上昇し、売上減少の中でも収益性が向上している。経常利益は13.57億円、当期純利益は10.83億円(+203.2%)と、財務費用の軽微さ(支払利息0.44億円、インタレストカバレッジ31.6倍)と低実効税率(約1.0%)が純利益押上げに寄与した。デュポン分析では、純利益率5.0%、総資産回転率0.518回、財務レバレッジ3.50倍からROEは9.07%と算出され、自己資本効率は造船セクターとしては健全な水準。総資産は418.4億円、純資産は119.4億円で、実質的な自己資本比率は約28.6%(公表資料の0.0%は不記載扱い)と資本基盤は一定の厚みがある。流動比率は107.8%と最低限の流動性を確保し、運転資本は20.53億円とプラスを維持している。売上総利益は12.10億円、営業利益がそれを上回る構造は、販管費の純減または営業外要因・補助金等の組替効果の可能性を示唆し、費用構造の見直しや採算性の高い案件構成が進展したとみられる。営業CF・投資CF・財務CFは不記載(0表示)であり、キャッシュフローの裏付けは現時点で確認できないため、利益の現金化や運転資本の実態は不確実性が残る。配当は年間0円、配当性向0%で内部留保を優先する方針が継続している。売上が縮小する中で利益が大幅増となったことから、販売価格の是正、原材料価格(鋼材等)やエネルギーコストの落ち着き、為替環境、工程進捗に伴う収益認識の改善などが複合的に作用した可能性が高い。財務レバレッジは3.50倍と効率性の押上げ要因である一方、負債資本倍率2.65倍と負債依存度の高さには注意が必要。税負担が極めて軽い(実効税率約1%)点は一過性要因(繰越欠損金の活用、税額控除等)の可能性があり、通期持続性は予断を許さない。EPSは639.54円で、逆算上の期中平均株式数は約169万株規模と推定されるが、発行済株式数は不記載である。今後の収益持続性は受注残やブック・トゥ・ビル、前受金の動向、工程進捗に依存するため、受注環境の定点観測が重要となる。全体として、利益率とROEの回復、インタレストカバレッジの高水準はポジティブだが、キャッシュフロー情報欠落と負債依存のバランス、低税率の持続性が主要な論点である。データの制約上、CF品質・在庫水準・資本的支出の評価は保留となるため、次四半期の開示更新での補完が必要である。
ROE分解(デュポン):純利益率5.0% × 総資産回転率0.518回 × 財務レバレッジ3.50倍 = ROE9.07%。売上総利益率5.6%、営業利益率6.4%、経常利益率6.3%、純利益率5.0%と、営業段階以降の費用圧縮および営業外費用の軽さが純利益率を支える構図。営業利益が売上総利益を上回る点は、販管費の純受取化(補助金・雑収入計上等)や費用の期ズレ・組替の可能性があり、反復性の見極めが必要。前年同期比で売上は△5.0%も、営業利益は+118.7%と大幅増で、明確な正の営業レバレッジが働いた。支払利息は0.44億円と利益規模に比して軽微で、インタレストカバレッジ31.6倍と安全域が大きい。実効税率は約1.0%(14百万円/経常利益13.57億円)と極端に低く、特殊要因(繰越欠損金、税額控除、海外損益通算等)の寄与が推察されるが、恒常化は期待しづらい。総資産回転率0.518回は造船業の長工期・前受金慣行を考えれば平均的〜やや低速で、案件ミックスと進捗に左右されやすい。総じて利益率は改善局面にあり、価格是正・コストコントロールの成果が出ている可能性が高いが、非再現的要素の混在余地がある。
売上は216.5億円で前年同期比△5.0%と縮小。にもかかわらず営業利益+118.7%・純利益+203.2%は、案件採算の改善、原材料・資材価格の安定化、工程進捗に伴う収益認識・検収の前倒し等が寄与した可能性。売上総利益率5.6%→営業利益率6.4%への改善は、販管費負担の軽減または営業外収益の取り込みが示唆され、一時的要因の影響度合いを次四半期以降で検証する必要がある。持続可能性の観点では、受注残とブック・トゥ・ビル(受注/売上)、新造船市況(ハンディ・中小型バルカー、フェリー等)の価格動向がカギ。為替(円安)はドル建て建造契約の採算を押し上げる一方、資材輸入コストも通じて逆風となりうる。営業レバレッジが強く働いた今期はベースの改善が確認できるが、売上のマイナス成長が継続するなら利益改善の持続には限界がある。短期見通しは、原価管理と価格転嫁の継続、工程進捗の平準化が達成できれば営業利益率5%超の維持余地。中期では、設備投資・生産性向上(ブロック外注管理、スマートヤード化)により総資産回転率の改善が実現すればROE10%台に接近可能。現時点ではCFデータが不在で、利益成長の現金裏付けの確認ができない点が制約となる。
流動性:流動資産284.5億円、流動負債263.9億円で流動比率107.8%、当座比率も同水準(棚卸資産不記載)。運転資本は20.53億円とプラスだが、造船特有の前受金・仕掛増減により変動が大きい点に留意。支払能力:総資産418.4億円、負債316.3億円、純資産119.4億円で実質自己資本比率は約28.6%。負債資本倍率2.65倍とレバレッジはやや高めだが、インタレストカバレッジ31.6倍と利払い余力は高い。資本構成:財務レバレッジ3.50倍がROEを押し上げる一方、景気後退や案件遅延時には下押しリスクが増幅されやすい。長短構成は未開示(流動負債が総負債の約83%を占める)で、短期負債偏重の可能性があり、借換え・運転資金の季節性に注意。税負担の軽さは資本増強には追い風だが、一過性であれば翌期以降の当期利益・内部留保の伸びにブレが出る可能性がある。
営業CF・投資CF・財務CFが不記載(0表示)であるため、利益の現金化状況は評価不能。営業利益13.91億円・純利益10.83億円に対する営業CF/純利益比率は算出不能(0表記)で、短期的な運転資金の吸収/放出、出来高基準による検収タイミングの影響度を判断できない。フリーキャッシュフローも不明で、配当・負債償還能力の実質的カバレッジ評価は保留。造船業は仕掛金・前受金の変動が大きく、四半期単位で営業CFが振れやすい。次回開示では、受取手形・売掛金、前受金、仕掛・棚卸、買掛の増減を用いた運転資本ブリッジが重要。減価償却費が不記載(0表示)でEBITDAの評価ができないため、キャッシュEarningsの実力把握に制約がある。CapExの不明確さも将来FCF予測の精度を低下させる。
当期は年間配当0円、配当性向0%で内部留保重視。FCFが不明なためFCFカバレッジの実態評価は不可。純利益の増加(10.83億円)により理論上の配当余力は拡大しているが、運転資金需要(工程進捗・材料手当)と短期負債の高さを踏まえると、流動性の安定化が優先される公算。今後の配当方針は、受注残の質と利益の現金化(営業CFの安定化)、レバレッジの漸進的低下、CapEx計画の規模に依存。中期的には、営業利益率5%超を維持し、営業CFが通期でプラス・安定基調に入れば、限定的な復配余地が生じる可能性があるが、現時点での持続可能性判断は差し控える。
ビジネスリスク:
- 案件採算のブレ(長工期・固定価格契約におけるコスト超過)
- 鋼材・資材・エネルギー価格の変動と価格転嫁遅延
- 為替変動(USD/JPY)による売上・原価双方への影響
- 受注残の質低下や受注キャンセル・延期リスク
- 工程遅延(人手不足、サプライチェーン遅延、設備トラブル)
- 市況悪化による新造船価格の下落とタームの悪化
- 競争激化(国内外中小造船所との価格競争)
財務リスク:
- 短期負債偏重によるリファイナンス・流動性リスク
- 運転資本の季節性・進捗差による営業CFのボラティリティ
- 低税率の一過性に伴う翌期以降の純利益反落リスク
- レバレッジ(負債資本倍率2.65倍)に起因する景気後退時の財務耐性低下
- 金利上昇による利払い負担増加(カバレッジ低下)
主な懸念事項:
- キャッシュフロー計数の不開示により利益の質評価が困難
- 営業利益が売上総利益を上回る計上構造の再現性
- 売上減少下での利益率改善の持続性(一次要因の可能性)
重要ポイント:
- 売上減少にもかかわらず営業利益+118.7%・ROE9.07%と収益性が急改善
- 財務レバレッジ3.50倍とインタレストカバレッジ31.6倍で効率性は高いが負債依存度は要監視
- 実効税率約1%は一過性の可能性が高く、来期の純利益率は平常化リスク
- CF情報が不在で利益の現金裏付けを検証できず、評価レンジは拡がる
- 受注残・ブック・トゥ・ビル・前受金動向が今後の持続性判断の最重要指標
注視すべき指標:
- 受注残高とブック・トゥ・ビル(四半期受注/売上)
- 前受金・仕掛金・棚卸(WIP)の増減と営業CF
- 売上総利益率・営業利益率のトレンド(5%超維持可否)
- 為替(USD/JPY)と鋼材価格指標
- 金利感応度(有利子負債の固定/変動構成)
- 設備投資額・減価償却費(EBITDAとFCFの差)
- 売掛金・買掛金の回転日数(DPO/DSO)
セクター内ポジション:
国内中小型造船セクターの中では、今期は利益率・ROEの回復が目立つ一方、負債依存とCF情報の不透明さがバリュエーションのディスカウント要因となりうる。受注・工程の安定度合いが高まれば、同業比での収益性ギャップ縮小余地。
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