- 売上高: 61.77億円
- 営業利益: -11.09億円
- 当期純利益: -13.17億円
- 1株当たり当期純利益: -178.71円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 61.77億円 | 55.49億円 | +11.3% |
| 売上原価 | 39.30億円 | - | - |
| 売上総利益 | 16.19億円 | - | - |
| 販管費 | 28.97億円 | - | - |
| 営業利益 | -11.09億円 | -12.77億円 | +13.2% |
| 営業外収益 | 34百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 49百万円 | - | - |
| 経常利益 | -11.21億円 | -12.92億円 | +13.2% |
| 当期純利益 | -13.17億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -11.45億円 | -13.17億円 | +13.1% |
| 包括利益 | -9.32億円 | -13.98億円 | +33.3% |
| 減価償却費 | 2.42億円 | - | - |
| 支払利息 | 42百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | -178.71円 | -205.71円 | +13.1% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 235.43億円 | - | - |
| 現金預金 | 42.00億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 9.52億円 | - | - |
| 固定資産 | 52.98億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 44.38億円 | - | - |
| 無形資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -38.95億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 12.53億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -18.5% |
| 粗利益率 | 26.2% |
| 流動比率 | 214.9% |
| 当座比率 | 206.2% |
| 負債資本倍率 | 1.20倍 |
| インタレストカバレッジ | -26.40倍 |
| EBITDAマージン | -14.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +11.3% |
| 営業利益前年同期比 | +57.1% |
| 経常利益前年同期比 | -14.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -15.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 7.29百万株 |
| 自己株式数 | 871千株 |
| 期中平均株式数 | 6.41百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,972.07円 |
| EBITDA | -8.67億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 12.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 215.00億円 |
| 営業利益予想 | 4.00億円 |
| 経常利益予想 | 2.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 31.20円 |
| 1株当たり配当金予想 | 15.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
池上通信機株式会社(6771)の2026年度第2四半期(連結、JGAAP)では、売上高が61.77億円と前年同期比+11.3%の増収となった一方、営業損失は110.9億円ではなく11.09億円で、損失幅は前年から大きく縮小した(営業利益前年比+57.1%)。粗利益は16.19億円、粗利率は26.2%と一定の採算は確保しているが、販管費等の固定費が約27.28億円(粗利益16.19億円−営業利益(▲11.09億円))と重く、営業赤字を継続している。経常損失は11.21億円、当期純損失は11.45億円(EPS▲178.71円)で、実効税率は0.0%(欠損に伴う税負担軽微)。デュポン分析では、純利益率▲18.54%、総資産回転率0.213回、財務レバレッジ2.29倍からROEは▲9.05%となり、低い資産効率と赤字率が自己資本収益性を押し下げている。営業CFは▲38.95億円と損益以上に悪化し、現金創出力の面で課題が顕著である。投資CFや現金等の残高は0と表示されており不記載の可能性があるため、投資活動と水準資金の評価は限定的である。財務CFは+12.53億円と資金調達に依存しており、営業キャッシュアウトの補填に用いられた可能性が高い。貸借対照表は総資産289.75億円、純資産126.51億円で、負債資本倍率は1.20倍、実質的な自己資本比率は約43.7%(純資産/総資産の概算)とみられる。流動比率214.9%、当座比率206.2%と短期流動性は高水準で、運転資本は125.89億円と潤沢だが、営業CFの大幅マイナスから運転資本の増加が資金を吸収している示唆がある。EBITDAは▲8.67億円、マージン▲14.0%で、インタレストカバレッジは▲26.4倍と利払い耐性は損益・CFの面で脆弱である。売上拡大にもかかわらず、固定費の高さと案件の収益性(プロダクトミックス・プロジェクト採算)に課題が残る。配当は年間0円で、赤字継続とキャッシュアウトを踏まえれば当面は無配継続が合理的とみられる。売上の伸長は受注・案件化の進展を反映する一方、総資産回転率0.213回(半期ベース)と資産効率が低く、案件の検収・回収タイミングがCF悪化の要因となった可能性がある。設備投資やM&A等の投資CF情報が不記載のためFCFの厳密な測定は困難だが、営業CFが大きくマイナスである以上、実質的なフリーCFはマイナスと推定される。総じて、増収と損失縮小という改善傾向は見られるが、営業CFの悪化と高固定費構造が中期的な収益回復のボトルネックであり、運転資本効率の改善、プロジェクト採算の底上げ、ならびに費用構造の見直しが重要となる。
ROEはデュポン分解で、純利益率▲18.54% × 総資産回転率0.213回 × 財務レバレッジ2.29倍 = 約▲9.05%と整合。純利益率は、粗利率26.2%に対して販管費負担が重く、営業利益率▲17.96%(▲11.09億円/61.77億円)まで押し下げられたことが主因。経常段階でも支払利息0.42億円の負担を吸収できず、最終損益まで赤字が継続。EBITDA▲8.67億円(マージン▲14.0%)からは、減価償却費2.42億円を足し戻しても基礎的収益力が不足していることが読み取れる。利益の質は、営業CFが▲38.95億円と損益以上に悪化しており、未回収債権・受注負債の減少・在庫増等の運転資本要因が大きい可能性。営業レバレッジは高く、売上+11.3%でも固定費が約27.28億円と大きいため黒字化に至らず、ブレークイーブン達成には売上の更なる積み上げか粗利率の改善、もしくは固定費の削減が必要。
売上高は前年同期比+11.3%と2桁成長。放送・映像システム案件の受注執行や海外案件の寄与が想定されるが、増収にもかかわらず粗利率26.2%は中位水準に留まり、価格競争やプロジェクトコストの上振れの影響がうかがえる。前年から営業損失は57.1%改善し、コスト構造の見直しが一定進展した可能性。もっとも、当期純損失は▲11.45億円(前年比▲15.2%)で、最終段階での改善ペースは鈍い。売上の持続可能性は、期ずれ・検収タイミングの影響が大きい業態である点に留意が必要で、総資産回転率0.213回(半期ベース)は資産効率の改善余地を示す。利益の質はCF面で弱く、運転資本の最適化が業績の実効成長に不可欠。足元の受注積み上がり・パイプライン拡充、案件採算の是正、為替動向が今後の成長の鍵。
流動資産235.43億円、流動負債109.54億円で、流動比率214.9%、当座比率206.2%と短期支払能力は高い。運転資本は125.89億円と潤沢だが、営業CF悪化から資金を吸収している可能性。総資産289.75億円、負債151.83億円、純資産126.51億円で、負債資本倍率1.20倍と過度なレバレッジではない。自己資本比率の数値は0.0%と表示されているが不記載項目の可能性があり、実質的には約43.7%(126.51/289.75)と推定され、ソルベンシーは一定の安全域。インタレストカバレッジは▲26.4倍と、損益・CFベースでの利払い耐性は弱い。財務CF+12.53億円は借入増加などの外部調達依存を示唆し、今後も営業CFの転換が図れない場合は調達環境の維持が課題。
営業CF▲38.95億円は、当期純損失▲11.45億円に比べて悪化幅が大きく、運転資本の増加(売掛・契約資産の積み上がり、前受金の減少、在庫増など)によるキャッシュ吸収が主因と推定。営業CF/純利益比率3.40は、赤字下での比率のため解釈には注意が必要で、キャッシュ創出力の高さを意味しない。投資CFや現金等は0表示で不記載の可能性があり、当期の設備投資額や有形無形投資の把握はできない。減価償却費2.42億円からは一定の資本ストック維持投資が必要とみられるが、正確なFCF算定は困難。実務的には、投資CF情報が不開示でも、営業CF大幅マイナスである以上、実質的なフリーCFはマイナスと推定される。運転資本の回転短縮(検収スピード・請求回収・前受金確保)とプロジェクトのキャッシュ化プロファイル改善が喫緊の課題。
当期は年間配当0円、配当性向0.0%。赤字継続と営業CFの大幅マイナス、財務CFによる資金補填という状況から、内部資金の維持・財務健全性の確保を優先しているとみられる。FCFカバレッジは0.00倍と表示されており、投資CFが不記載の可能性もあるため厳密な評価はできないが、少なくとも現状のキャッシュ創出力では配当余力は限定的。当面は無配維持または慎重な復配判断が想定され、黒字化・営業CFの黒転・手元流動性の安定が前提条件。
ビジネスリスク:
- 大型プロジェクトの採算ブレと検収・回収タイミングの期ずれによる収益・CFのボラティリティ
- 価格競争や部材コスト上昇に伴う粗利率低下リスク
- 為替変動による海外売上・仕入コストへの影響
- 人件費・開発費など固定費の高止まりによるブレークイーブンの引き上がり
- 顧客投資サイクル(放送・映像機器更新需要)の変動
財務リスク:
- 営業CF大幅マイナスに伴う外部資金調達依存の継続
- インタレストカバレッジの低下(▲26.4倍)による利払い耐性の脆弱化
- 運転資本の膨張による資金拘束と流動性管理負荷の増大
- 金融環境変化(金利上昇・与信姿勢)による調達条件の悪化
主な懸念事項:
- 売上増にもかかわらずEBITDAベースで赤字(▲8.67億円)
- 総資産回転率0.213回と資産効率の低さ
- 営業CF▲38.95億円と実質的なFCF悪化の可能性
- 固定費約27.28億円と高い営業レバレッジ
重要ポイント:
- 増収(+11.3%)と営業損失の大幅縮小(+57.1%)で改善の兆し
- しかしEBITDA・営業CFは大幅マイナスでキャッシュ創出力は不十分
- 流動性指標は高いが、資金面は外部調達への依存度が上昇
- 資産効率(総資産回転率0.213回)と案件採算の改善余地が大きい
- 配当は無配継続、まずは黒字化と営業CF黒転が優先
注視すべき指標:
- 受注残とブック・トゥ・ビル(BTB)
- 粗利率とプロジェクト損益(コスト進捗・追加費用)
- 売上債権回転日数・前受金残高・契約資産の推移
- EBITDAと営業利益の黒字転換タイミング
- 営業CFの改善度合いと外部調達依存の縮小
- 為替感応度(円安/円高の影響)
セクター内ポジション:
国内放送・映像システム領域において技術的なプレゼンスは維持しつつも、同業他社と比較すると固定費負担と案件キャッシュ化の課題が大きく、短期の収益・CFモメンタムでは見劣り。中期的には受注環境の改善とコスト最適化が実現すれば巻き返し余地はあるが、当面は実行力(採算管理・運転資本管理)に注目。
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