- 売上高: 216.36億円
- 営業利益: 32.53億円
- 当期純利益: 24.44億円
- 1株当たり当期純利益: 120.21円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 216.36億円 | 234.01億円 | -7.5% |
| 売上原価 | 154.51億円 | - | - |
| 売上総利益 | 79.50億円 | - | - |
| 販管費 | 50.33億円 | - | - |
| 営業利益 | 32.53億円 | 29.17億円 | +11.5% |
| 営業外収益 | 2.29億円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.10億円 | - | - |
| 経常利益 | 32.12億円 | 30.37億円 | +5.8% |
| 法人税等 | 6.35億円 | - | - |
| 当期純利益 | 24.44億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 24.14億円 | 24.44億円 | -1.2% |
| 包括利益 | 23.44億円 | 27.26億円 | -14.0% |
| 支払利息 | 18百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 120.21円 | 119.26円 | +0.8% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 307.10億円 | - | - |
| 現金預金 | 144.42億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 66.54億円 | - | - |
| 固定資産 | 120.85億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 109.37億円 | - | - |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 11.2% |
| 粗利益率 | 36.7% |
| 流動比率 | 263.2% |
| 当座比率 | 206.2% |
| 負債資本倍率 | 0.43倍 |
| インタレストカバレッジ | 180.72倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -7.5% |
| 営業利益前年同期比 | +11.5% |
| 経常利益前年同期比 | +5.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -1.2% |
| 包括利益前年同期比 | -14.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 20.50百万株 |
| 自己株式数 | 640千株 |
| 期中平均株式数 | 20.09百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,505.93円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 70.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 337.27億円 |
| 営業利益予想 | 38.58億円 |
| 経常利益予想 | 38.83億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 31.36億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 156.58円 |
| 1株当たり配当金予想 | 70.00円 |
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株式会社西部技研(6223)の2025年度Q3(累計)決算は、売上高が前年同期比▲7.5%の216.36億円と減収である一方、営業利益は32.53億円で同+11.5%と増益を確保し、営業利益率は15.0%へ約+2.5pt改善した。売上総利益は79.50億円、粗利率は36.7%と高水準で、プロジェクトミックス改善や価格改定浸透、コストコントロールが奏功したとみられる。経常利益は32.12億円、当期純利益は24.14億円(同▲1.2%)で、純利益段階では若干の減益に転じたが、金利負担は年額1,800万円程度と軽微で、財務費用の影響は限定的である。デュポン分析では、純利益率11.16%、総資産回転率0.463回、財務レバレッジ1.56倍の積でROEは8.07%と、資本効率は同業国内機械セクターの中堅水準を維持している。売上のボラティリティがある中で利益率を引き上げており、営業レバレッジ(コストの固定費比率)を抑制しつつ、案件採算の改善が進んでいることを示唆する。貸借対照表は総資産466.96億円、純資産299.07億円、負債合計128.37億円で、実質的な自己資本比率は約64%(=299.07/466.96)と堅固な財務基盤である。流動資産307.10億円、流動負債116.67億円により流動比率263%・当座比率206%と高い流動性を維持し、運転資本は190.43億円と潤沢。棚卸資産は66.54億円で売上比約31%に相当し、プロジェクト・装置商流の性質上の在庫積み上がりをうかがわせる。インタレストカバレッジは約181倍と極めて高く、支払能力面の懸念は小さい。配当は現時点で0円(累計ベースの開示)だが、EPSは120.21円で内部留保の蓄積が進む構図。営業CF・投資CF・財務CFの数値は未開示(0と表示)であり、キャッシュフロー品質の直接評価には制約がある。売上減の中で利益を伸ばした点はポジティブだが、当期純利益が微減である点、在庫水準の絶対額が厚めである点、案件の期ズレ・採算変動の潜在的リスクには留意したい。市況面では、環境・省エネ関連設備、VOC濃縮・除湿など同社主力領域の投資サイクル、海外比率や為替の影響が業績ボラティリティ要因となり得る。今後は受注高・受注残、ブック・トゥ・ビル、粗利率の持続性、在庫回転、運転資本の効率化進展が重要KPIとなる。総じて、財務健全性と利益率改善は強みであり、売上の伸びが戻ればROEの上振れ余地がある一方、需要循環とプロジェクト採算の変動が主なリスクとなる。データ面ではキャッシュフローや減価償却の未開示が多く、当社見立ては損益・BS中心の分析に依拠している点に留意が必要である。
ROE分解(デュポン): 純利益率11.16% × 総資産回転率0.463回 × 財務レバレッジ1.56倍 = ROE 8.07%。収益性は売上減のなかでのマージン拡大が主因で改善。営業利益率は15.0%(=32.53億円/216.36億円)と高水準で、前年の約12.5%(逆算: 営業利益29.17億円/売上233.91億円)から+2.5pt改善。粗利率36.7%は価格改定・製品ミックス・原価低減の進展を示唆。営業外費用は支払利息1.8千万円と軽微で、経常段階での利益稼得力は維持。純利益率11.16%は税負担・非支配要素を織り込んだ水準で、概算実効税率は約20%前後(前提: 経常利益≈税前利益)と推定。利益の質: 高い粗利率に支えられた営業利益率の拡大が主因で、一次的な金融損益ではなく本業の改善による増益。営業レバレッジ: 売上▲7.5%でも営業利益+11.5%と逆行高で、固定費吸収・製造間接費の効率化、プロジェクト採算改善が効いた可能性が高い。今後は高マージン案件比率の持続が鍵。
売上は216.36億円(▲7.5%)と一時的な弱含み。装置産業の案件計上タイミングや海外案件の期ズレ、受注残の消化ペースが影響した可能性。利益の質は堅調で、営業利益率15.0%・純利益率11.2%は同社の価格決定力・コスト管理力を反映。短期見通しは、受注動向(ブック・トゥ・ビル)と在庫消化、為替の寄与が決定要因。中期的には、省エネ・脱炭素、VOC規制強化、ドライルーム・除湿ニーズなど構造テーマが追い風で、売上回復時は高マージンを維持したままのレバレッジ効果が見込める。R&Dや製品ミックス(大口プロジェクト/アフター市場)のバランスが成長の持続性を左右。データ制約により受注高・受注残が不明のため、定量的な成長率見通しは保留。
流動性: 流動資産307.10億円に対し流動負債116.67億円で、流動比率263%、当座比率206%と厚い安全余裕。運転資本は190.43億円。支払能力: 负債合計128.37億円、純資産299.07億円で負債資本倍率0.43倍、インタレストカバレッジ約181倍と安全圏。資本構成: 実質自己資本比率は約64%(=299.07/466.96)と強固で、追加の投資・景気後退への耐性が高い。有利子負債の詳細は未開示だが、支払利息の極小さから借入依存度は低いと推察。
開示制約により、営業CF・投資CF・財務CF・減価償却費が未開示(0表示は不記載を意味)で、利益とキャッシュ創出の整合性評価は実施不可。一般論として、同社のようなプロジェクト型ビジネスは売上の伸減に伴い運転資本(受取債権・在庫・前受金)の変動が大きく、増収局面で営業CFが目減り、減収局面で営業CFが改善する傾向がある。現状、棚卸資産66.54億円(売上比≈31%)と厚めで、在庫回転の改善がキャッシュ転換率を左右。フリーキャッシュフロー(FCF)は未算定だが、投資負担が平準化されれば高マージン体質から中期的なFCF創出力は期待し得る。次期の注目は営業CF/純利益の比率(>1倍の持続)、在庫・受取債権の回転改善、前受金の活用度。
現時点の年間配当は0円、配当性向0%。EPSは120.21円で内部留保は積み上がる一方、FCFデータ未開示のためキャッシュ面からの配当余力定量化は不可。財務健全性(実質自己資本比率≈64%、負債資本倍率0.43倍)を踏まえると配当実施の財務余地は大きいと見られるが、プロジェクト型の運転資本需要や設備投資計画次第で配当政策は変動し得る。今後の配当方針は、期末の通期業績・受注残の可視性・キャッシュ創出の確度を踏まえた機動的判断となる可能性。持続可能性評価は、中立(情報不足)とする。
ビジネスリスク:
- 顧客業種の設備投資サイクルに伴う受注・売上の変動(期ズレ・大型案件の採否)
- 製品・プロジェクトミックス変化による粗利率・営業利益率の変動
- 原材料・部材価格(ステンレス、特殊素材、電気料金等)の上昇と調達リードタイム
- 海外展開に伴う為替変動および地政学リスク
- 競合環境の変化(価格競争、技術代替、アフター市場での競合)
- 品質・納期リスク(大型装置の設計・施工・立上げに伴うコスト超過)
- 環境規制・安全規制の変更による需要・コスト構造への影響
財務リスク:
- 運転資本の膨張による営業CFのボラティリティ
- 大型案件の前受金・出来高計上の進捗次第での資金繰り変動
- 在庫回転悪化による滞留・評価損リスク
- 為替換算差によるBS・PLの変動
- 金利上昇局面での資本コスト上昇(現時点の利払は軽微)
主な懸念事項:
- 売上が▲7.5%と減速する中で在庫が厚めである点(回転の注視が必要)
- 当期純利益が微減(▲1.2%)で、税・非支配や一過性要因の影響が読み取りにくい点
- キャッシュフロー・減価償却の未開示により利益のキャッシュ化の確度評価が困難
重要ポイント:
- 売上減少局面でも営業利益+11.5%、営業利益率15.0%と高収益を維持・拡大
- ROE 8.07%は純利益率の高さと適度なレバレッジにより確保、売上回復で上振れ余地
- 流動性・自己資本の厚み(実質自己資本比率≈64%)により事業耐性は高い
- 在庫水準の高さと案件タイミングが短期のキャッシュ創出を左右
- 配当は未実施だが、財務余力は大きく、CF動向次第で方針変化の可能性
注視すべき指標:
- 受注高・受注残とブック・トゥ・ビル(>1の持続)
- 粗利率・営業利益率の持続性(価格改定定着度)
- 営業CF/純利益(>1倍)と在庫・受取債権の回転日数
- 為替レート(特にUSD/JPY、CNY/JPY)
- 大型プロジェクトの進捗とミックス(装置 vs アフター/サービス比率)
セクター内ポジション:
国内の環境関連装置・省エネ機器ベンダーの中では、利益率の高さと財務健全性で上位グループに位置付けられる一方、受注・案件ミックスに起因する売上・キャッシュフローの変動性は同業並みに内包。
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