- 売上高: 884.05億円
- 営業利益: 74.21億円
- 当期純利益: 46.32億円
- 1株当たり当期純利益: 319.10円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 884.05億円 | 880.90億円 | +0.4% |
| 売上原価 | 710.39億円 | - | - |
| 売上総利益 | 170.51億円 | - | - |
| 販管費 | 107.68億円 | - | - |
| 営業利益 | 74.21億円 | 62.82億円 | +18.1% |
| 営業外収益 | 6.75億円 | - | - |
| 営業外費用 | 4.18億円 | - | - |
| 経常利益 | 80.06億円 | 65.40億円 | +22.4% |
| 法人税等 | 18.66億円 | - | - |
| 当期純利益 | 46.32億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 107.46億円 | 41.63億円 | +158.1% |
| 包括利益 | 90.03億円 | 49.16億円 | +83.1% |
| 支払利息 | 1.72億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 319.10円 | 123.63円 | +158.1% |
| 1株当たり配当金 | 45.00円 | 45.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,261.48億円 | - | - |
| 現金預金 | 83.23億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 183.45億円 | - | - |
| 固定資産 | 609.09億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 468.09億円 | - | - |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 12.2% |
| 粗利益率 | 19.3% |
| 流動比率 | 216.1% |
| 当座比率 | 184.7% |
| 負債資本倍率 | 0.79倍 |
| インタレストカバレッジ | 43.15倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.4% |
| 営業利益前年同期比 | +18.1% |
| 経常利益前年同期比 | +22.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +1.6% |
| 包括利益前年同期比 | +83.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 36.46百万株 |
| 自己株式数 | 2.78百万株 |
| 期中平均株式数 | 33.68百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,219.56円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 45.00円 |
| 期末配当 | 60.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,800.00億円 |
| 営業利益予想 | 150.00億円 |
| 経常利益予想 | 150.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 155.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 460.24円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
黒崎播磨(5352)の2026年度第2四半期(上期)連結決算は、売上高88,405百万円(前年比+0.4%)と横ばいながら、営業利益7,421百万円(+18.1%)と大幅な増益を確保し、マージンの改善が際立ちます。営業利益率は8.4%に上昇し、前年の約7.1%から約+1.3pp拡大したと推計されます。経常利益は8,006百万円と営業外収支がプラスに寄与し、為替差益や持分法収益など非営業要因が支援した可能性があります。当期純利益は10,746百万円(+158.1%)と急増し、EPSは319.10円に達しましたが、増益の相当部分は一過性要因(特別利益や税効果)を含む公算が高い点には留意が必要です。デュポン分析では、純利益率12.16%、総資産回転率0.501回、財務レバレッジ1.63倍によりROEは9.91%と良好で、上期ベースとしては十分な資本効率を示します。粗利益率は19.3%で、販売価格の適正化や原材料・エネルギーコストのコントロールが奏功しているとみられます。流動比率216.1%、当座比率184.7%と流動性は厚く、運転資本は67,769百万円と余裕があり、短期的な資金繰り耐性は高いと評価できます。総資産176,548百万円、負債85,417百万円、純資産108,423百万円から負債資本倍率は0.79倍と保守的なバランスシートです。棚卸資産は18,345百万円で、上期売上原価ベースの在庫日数は約47日と見積もられ、在庫コントロールは適正水準に見えます。金利負担は支払利息172百万円と軽微で、インタレストカバレッジは43.1倍と極めて健全です。一方、キャッシュフロー・減価償却・EBITDA等は不記載であり、フリーキャッシュフローや利益とキャッシュ創出の整合性評価は現時点で困難です。自己資本比率や株式数、配当は不記載扱いであるため、資本政策・1株指標の精緻な評価にも制約があります。概して、価格転嫁の継続とミックス改善、非営業収益の寄与を背景に採算は改善、財務体質も堅調ですが、純利益の伸びは一過性の色彩が強く、通期に向けた持続性の見極めが重要です。原燃料価格、為替、主要顧客(鉄鋼)の設備稼働・投資動向など外部環境の影響度が高い事業特性も勘案する必要があります。期中のマージン改善が通期でどの程度維持・上積みできるか、また非経常要因の反動がどの程度出るかが今後の焦点です。資本構成の保守性は評価でき、減価償却・投資負担が判明すれば、より精緻なキャッシュリターン余力の評価が可能となります。
ROEの分解(デュポン):純利益率12.16% × 総資産回転率0.501回 × 財務レバレッジ1.63倍 ≒ ROE 9.91%。純利益率は、営業利益率8.4%(7,421/88,405)に営業外収益の純増と低税負担の影響が上乗せされた形です。粗利率19.3%に対して営業費用(販管費相当)は売上比で約10.9%と推計され、コストコントロールが奏功。前年上期の営業利益率は約7.1%(逆算)で、約+1.3ppの改善は価格改定・ミックス改善・コスト低減の複合効果とみられます。営業レバレッジの観点では、売上は+0.4%と横ばいながら営業利益は+18.1%と大幅に伸びており、限界利益率の改善と固定費の吸収が進んだ可能性が高いです。経常段階で営業利益を585百万円上回っており、為替や持分法・受取配当等の非営業益がマージン押上げに寄与。純利益は10,746百万円と経常をさらに上回っており、特別利益や税効果の影響が大きいと推察され、持続的な収益力の把握には営業利益のトレンド重視が適切です。ROAは純利益率×総資産回転率=約6.1%(上期ベース)で、資産効率も良好。
売上高は+0.4%と停滞ながら、営業増益率+18.1%と高く、収益性主導の成長局面。前年上期営業利益は約6,286百万円(逆算)と見積もられ、マージン拡大が主因。純利益+158.1%は一過性要因の寄与が大きい可能性が高く、実力成長は営業利益の2桁増をより適切に反映。上期の総資産回転率0.501回は季節性を勘案すれば通期1.0回近辺に収斂するレンジで、資産効率は安定的。今後の見通しは、原燃料・エネルギー価格の変動、為替(円安時のコスト高と海外収益円換算の相殺)、主要顧客の稼働・投資動向に左右されやすい。価格転嫁の継続可能性、耐火物の高付加価値領域(高機能・省エネ・環境対応材)へのミックスシフトが持続可能な売上・利益成長の鍵。短期的には受注残と出荷計画、原料(マグネシア等)仕入条件の再設定状況が利益の先行指標となります。
流動性は流動比率216.1%、当座比率184.7%と厚く、運転資本67,769百万円を確保。棚卸資産18,345百万円は上期売上原価ベースで在庫日数約47日と健全レンジ。負債資本倍率0.79倍とレバレッジは適度で、利払い負担も軽微(支払利息172百万円、カバレッジ43.1倍)。総資産176,548百万円、負債85,417百万円、純資産108,423百万円からみる資本余力は十分で、資本性負債・非支配株主持分等の開示有無により勘定科目の整合は変動しうる点に留意。短期債務の返済耐性は高く、格付け・調達条件にもプラスに働く構造です。
営業CF、投資CF、財務CF、現金同等物、減価償却費、EBITDAは不記載のため、利益のキャッシュ化やフリーキャッシュフロー(FCF)の実力評価は現時点で不可。営業CF/純利益比率は機械算出上0.00と表示されるが、データ未開示を反映したものであり意味のある指標ではありません。営業利益が増勢である一方、在庫18,345百万円・運転資本67,769百万円の水準から、期中に運転資本がキャッシュを吸収している可能性もあるため、通期では運転資本の解放/積み増しの方向性がCF品質を左右。上期の支払利息は小さく、利払いによるFCF侵食は限定的と見られます。今後は減価償却費と設備投資額(キャップエックス)の開示が得られ次第、EBITDAマージン、FCFマージン、FCF/営業利益の変換率で品質評価を更新する必要があります。
年間配当、配当性向、FCFカバレッジは不記載のため、定量的な持続可能性評価は現時点で不能。EPSは319.10円だが、一過性益が含まれる可能性が高く、平常利益ベースでの配当余力試算が望ましい。バランスシートは健全(負債資本倍率0.79倍、流動性厚い)であるため、平常年度の営業CFが堅調であれば配当の原資確保は容易と推定される。配当方針の見通しは、今後の投資計画(能力増強・省エネ/環境対応投資)と財務レバレッジ許容度、在庫・売掛金の資金需要次第。会社方針(DOE/配当性向ターゲット)の明示が出れば、持続性評価の精度が高まります。
ビジネスリスク:
- 原材料(マグネシア、ボーキサイト等)およびエネルギー価格の高騰・変動
- 為替変動(原材料輸入コストおよび海外収益の円換算影響)
- 主要顧客(鉄鋼・非鉄・セメント等)の稼働率・投資サイクルに対する需要感応度
- 価格転嫁の遅延・競争激化によるマージン圧迫
- 海外子会社・JVでのオペレーショナルリスク(品質、立上げ、サプライチェーン)
- 環境規制強化に伴うコスト増および投資負担
- 災害・事故による供給中断リスク
財務リスク:
- 運転資本の積み上がりによるキャッシュフローの変動拡大
- 原料在庫評価損の発生リスク(相場下落局面)
- 金利上昇局面での資金調達コスト上昇(現状影響は軽微)
- 為替ヘッジの効果不十分時の損益ボラティリティ
主な懸念事項:
- 純利益急増に一過性要因が含まれる可能性が高く、通期持続性の不確実性
- キャッシュフロー・減価償却等の未開示によりFCFと投資負担の評価ができない点
- 価格転嫁・ミックス改善の継続性と原燃料価格反転時の耐性
重要ポイント:
- 売上横ばいでも営業利益+18%とマージン改善が顕著(営業利益率8.4%)
- ROE 9.91%は上期として良好、資本効率と安全性のバランスが取れている
- 流動性・レバレッジは健全(流動比率216%、負債資本倍率0.79倍、ICR 43倍)
- 純利益の伸びは一過性要因の寄与が大きい可能性、営業段階のトレンド重視が妥当
- CF・減価償却未開示のためリターンキャッシュ化と投資負担の評価は保留
注視すべき指標:
- 受注残と価格改定の進捗(四半期売上総利益率・営業利益率)
- 原材料・エネルギーコスト指数(マグネシア価格、LNG/電力単価)
- 為替(USD/JPY、EUR/JPY)と非営業損益の構成
- 在庫日数・売掛金回転日数と運転資本の推移
- 減価償却費・設備投資額・EBITDAの開示とFCF変換率
- 通期ガイダンス(あれば)に対する進捗率(売上・OP・経常・純利益)
セクター内ポジション:
国内耐火物大手として、採算管理と価格政策の進展により収益性は同業平均を上回る改善を示す一方、外部環境(原燃料・為替・顧客投資サイクル)への感応度は同業並み。財務健全性は同業内でも上位水準とみられる。
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