- 売上高: 2,373.36億円
- 営業利益: 213.01億円
- 当期純利益: 84.35億円
- 1株当たり当期純利益: 76.61円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,373.36億円 | 2,586.59億円 | -8.2% |
| 売上原価 | 1,975.51億円 | - | - |
| 売上総利益 | 611.07億円 | - | - |
| 販管費 | 458.96億円 | - | - |
| 営業利益 | 213.01億円 | 152.11億円 | +40.0% |
| 営業外収益 | 34.10億円 | - | - |
| 営業外費用 | 25.23億円 | - | - |
| 経常利益 | 210.61億円 | 160.97億円 | +30.8% |
| 法人税等 | 77.16億円 | - | - |
| 当期純利益 | 84.35億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 163.54億円 | 55.84億円 | +192.9% |
| 包括利益 | 86.20億円 | 155.05億円 | -44.4% |
| 支払利息 | 13.03億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 76.61円 | 26.18円 | +192.6% |
| 1株当たり配当金 | 15.00円 | 15.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,703.63億円 | - | - |
| 現金預金 | 922.07億円 | - | - |
| 売掛金 | 691.75億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 300.70億円 | - | - |
| 固定資産 | 3,703.90億円 | - | - |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.9% |
| 粗利益率 | 25.7% |
| 流動比率 | 183.0% |
| 当座比率 | 162.7% |
| 負債資本倍率 | 0.98倍 |
| インタレストカバレッジ | 16.35倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -8.2% |
| 営業利益前年同期比 | +40.0% |
| 経常利益前年同期比 | +30.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +1.9% |
| 包括利益前年同期比 | -44.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 224.94百万株 |
| 自己株式数 | 11.44百万株 |
| 期中平均株式数 | 213.49百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,507.17円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 15.00円 |
| 期末配当 | 15.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| CarbonBlack | 16百万円 | 116.78億円 |
| FineCarbon | 1.39億円 | 67.66億円 |
| GraphiteElectrode | 1.82億円 | 16.43億円 |
| IndustrialFurnaceAndRelatedProducts | 34百万円 | 13.16億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,210.00億円 |
| 営業利益予想 | 240.00億円 |
| 経常利益予想 | 238.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 180.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 84.31円 |
| 1株当たり配当金予想 | 15.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
東海カーボン(5301)の2025年度Q3(累計)決算は、売上高が2,373億円(前年比-8.2%)と減収の一方、営業利益は213億円(+40.0%)と大幅増益となり、採算改善が鮮明でした。営業利益率は約9.0%(前年は約6.1%前後と推定)へ上昇し、コスト最適化とミックス改善、材料・エネルギーコストの落ち着きが寄与したとみられます。当期純利益は163億円(+192.9%)と急回復し、金融損益や税負担の正常化が下支えした可能性があります。粗利益は611億円、粗利率は約25.7%で、価格・数量の逆風下でも一定の付加価値を維持しています。デュポン分析では、純利益率6.89%、総資産回転率0.377回、財務レバレッジ1.96倍の積でROEは5.08%と、資本効率の底上げが確認できます。流動比率183%、当座比率163%と流動性は十分で、インタレストカバレッジ16.3倍と利払い耐性も良好です。負債資本倍率は0.98倍で、実質的に自己資本約3,218億円・総資産約6,293億円の構成から、自己資本比率は概算で約51%と健全です(表示の0.0%は計算不可の指標と解します)。一方、営業CF・投資CF・財務CFなどキャッシュフロー関連の定量データは本資料では未記載のため、利益の現金化やFCFの確からしさの評価には制約があります。売上減のなかで利益が伸びる構図は、固定費圧縮や供給サイド規律の改善、製品ミックスの高度化を示唆しますが、需要の回復が十分でない可能性もあり、中期的な成長持続には外部環境(需要・価格・原材料コスト・為替)のフォローが必要です。税負担は試算で実効税率約32%と標準的で、利益の質は概ね良好に見えます。営業外損益は限定的(営業利益213億円に対し経常利益211億円)で、ビジネスの稼ぐ力が純利益に素直に反映されています。棚卸は300億円(流動資産の約11%)と過大ではなく、在庫回転の健全性は一定程度確保されている印象です。配当は年0円(配当性向0%)と記載されていますが、FCFや資金配分方針の情報が不足しており、今後の株主還元の持続性・再開時期の判断には追加開示が必要です。全体として、収益性と財務健全性は改善・良好で、需要循環のボラティリティを緩和しうるコスト構造改革の効果が見られます。もっとも、売上の減速、原材料・エネルギー価格、為替、グラファイト電極等の市況影響がなお主要な変動要因です。短期的には価格・ミックスとコストの綱引き、中期的には需要回復と設備稼働の最適化が鍵となります。データ面ではキャッシュフローの未記載が最大の制約であり、利益の現金創出力の裏付け確認が今後の焦点です。
デュポン分解に基づくROEは5.08%(=純利益率6.89%×総資産回転率0.377×財務レバレッジ1.96)。純利益率は16,354百万円/237,336百万円=6.89%で、営業利益率8.97%(=21,301/237,336)から営業外費用(支払利息1,303百万円等)と税負担で逓減。実効税率は概算で32.1%(=法人税等7,716÷税引前利益約24,070)と標準的。粗利率は約25.7%(粗利益61,107/売上高)で、市況低迷下でも一定の価格転嫁・ミックス効果が働いたと推察。営業レバレッジは、売上-8.2%にもかかわらず営業利益+40%と高く、固定費削減や製品ミックス改善の影響が大きい。営業外の影響は軽微で、経常利益が営業利益の約99%と近接。EBITDAは減価償却未記載のため算出不可だが、インタレストカバレッジ16.3倍(=営業利益/支払利息)から、金利負担耐性は十分。総資産回転率0.377回は主に素材・化学セクター平均並〜やや低めで、在庫・固定資産の資産効率は今後の改善余地。総じて、利益率の質は税・営業外のノイズが小さく良好と評価。
売上は前年比-8.2%で、需要鈍化や価格調整の影響が続く一方、営業利益は+40%とコスト構造の改善が継続。純利益+192.9%は前期比で一過性要因(前期のコスト高・評価損等の反動)と税負担正常化の寄与が大きい可能性。利益の質は、営業段階での改善が主因で、持続性は一定程度あるとみるが、需要・ASP・原材料価格の外部要因に依存。売上持続可能性については、市況製品(グラファイト電極、カーボンブラック、ファインカーボンなど)の価格・数量が鍵で、在庫水準は健全域にあり過剰在庫懸念は限定的。見通しは、原材料(ニードルコークス、カーボンブラック用原料油)や電力コストの落ち着き、為替の円安寄与があればマージンは維持・改善余地。逆に需要回復の遅延や価格競争激化、エネルギーコスト再上昇は下振れリスク。中期的には高付加価値品(ファインカーボン等)の比率拡大が成長ドライバー。
流動性は流動比率183%、当座比率163%と十分なバッファ。運転資本は1,226億円(流動資産2,704億円−流動負債1,477億円)で短期債務返済余力は高い。支払能力はインタレストカバレッジ16.3倍と良好。資本構成は総資産約6,293億円に対し純資産約3,218億円で、自己資本比率は概算51%(表示の0.0%は未計算項目と解釈)。負債資本倍率0.98倍は適正レンジで過度なレバレッジは見られない。総資産と負債・純資産の一部数値に整合ずれがあるが、レバレッジ指標(1.96倍)と自己資本額からみて健全性評価は維持可能。金利上昇耐性も当面は確保されていると判断。
営業CF・投資CF・財務CFおよび現金残は本資料では未記載(0表示は不記載を意味)。このため、営業CF/純利益やFCFの厳密な評価は不可。利益の質は、営業段階での改善、営業外影響の限定性、標準的な税率から一定の信頼性。ただし、売上減の局面での利益改善は在庫圧縮・コスト削減効果の寄与もあり、キャッシュ創出への波及(運転資本の解放が一時的に貢献したか等)は確認が必要。運転資本は1,226億円、棚卸は300億円(流動資産の約11%)と健全域だが、在庫回転日数・売上債権回転の詳細がないため、キャッシュコンバージョンサイクルの把握には限界。今後は営業CFの黒字幅、FCF(営業CF−投資CF)、営業CF/営業利益の連動性を注視。
配当は年0円、配当性向0%と記載。FCFデータ未記載のためFCFカバレッジは評価不能。純利益(163億円)水準からみれば、理論上は配当原資の確保は可能とみられるが、実際の配当方針は投資(保全・更新・脱炭素対応等)やバランスシート方針に依存。足元は需要環境に不確実性が残るため、内部留保を優先しうる局面。今後、営業CFの安定性、投資CF(設備・維持投資)の水準、ネットキャッシュ/ネットデットの推移を確認のうえ、配当再開・増配余地を評価したい。
ビジネスリスク:
- 市況製品(グラファイト電極、カーボンブラック等)の価格・数量ボラティリティ
- 原材料(ニードルコークス、原料油)およびエネルギー価格の変動
- 需要動向(鋼材生産、自動車・タイヤ、半導体・電子部品)の循環性
- 競合環境の激化(特に中国勢の供給動向、価格攻勢)
- 製品ミックスの高付加価値化が計画通り進まないリスク
- 為替(USD/JPY、EUR/JPY)変動による収益影響
財務リスク:
- キャッシュフロー開示不足による利益の現金化・FCF持続性の不確実性
- 金利上昇時の調達コスト上昇(現状耐性は高いが、中期的な影響余地)
- 在庫評価(市況下落時の評価損計上リスク)
- 大規模投資時のレバレッジ上昇・償却負担増
主な懸念事項:
- 売上減少下での利益改善の持続性(コスト削減の一過性リスク)
- 市況回復のタイミングと価格決定力の維持
- キャッシュフロー(営業CF・FCF)の確認不可に伴う配当・投資余力評価の制約
重要ポイント:
- 売上-8.2%にもかかわらず営業利益+40%と採算改善が顕著
- ROE5.08%、営業利益率約9%と資本効率・収益性が回復基調
- 流動性・自己資本は健全(流動比率183%、自己資本比率概算51%)で耐久力あり
- 営業外影響は小さく、利益の質は概ね良好
- キャッシュフロー未開示が分析上の最大のブラインドスポット
注視すべき指標:
- 営業CFおよびFCF、営業CF/純利益の連動性
- ASPとスプレッド(原材料・エネルギーコスト対比)
- 販売数量・稼働率、在庫回転日数
- 為替感応度(USD/JPY)
- インタレストカバレッジと有利子負債水準の推移
- 設備投資額(維持・増強・高付加価値化向け)と減価償却費
セクター内ポジション:
国内外の炭素製品・市況素材ピアと比べ、足元の財務健全性は良好で、ミックス改善・コスト最適化の進捗が収益防御力を高めている。一方、売上の回復力とキャッシュ創出の可視性では追加開示が必要で、需要循環と市況依存度の高さは同業並みに残る。
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