- 売上高: 8,616.09億円
- 営業利益: 461.33億円
- 当期純利益: 66.56億円
- 1株当たり当期純利益: 98.93円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 8,616.09億円 | 8,749.42億円 | -1.5% |
| 売上原価 | 6,148.50億円 | - | - |
| 売上総利益 | 2,600.92億円 | - | - |
| 販管費 | 1,985.78億円 | - | - |
| 営業利益 | 461.33億円 | 114.85億円 | +301.7% |
| 持分法投資損益 | 36百万円 | - | - |
| 税引前利益 | 76.78億円 | - | - |
| 法人税等 | 10.22億円 | - | - |
| 当期純利益 | 66.56億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 260.13億円 | 40.50億円 | +542.3% |
| 包括利益 | 246.35億円 | 200.17億円 | +23.1% |
| 減価償却費 | 625.34億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 98.93円 | 15.40円 | +542.4% |
| 1株当たり配当金 | 29.00円 | 29.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 6,697.62億円 | - | - |
| 売掛金 | 2,216.79億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 2,909.47億円 | - | - |
| 固定資産 | 6,713.61億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 4,440.47億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 665.84億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -550.52億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -328.56億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 1,003.82億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | 115.32億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 2,518.71円 |
| 純利益率 | 3.0% |
| 粗利益率 | 30.2% |
| 負債資本倍率 | 0.98倍 |
| EBITDAマージン | 12.6% |
| 実効税率 | 13.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -1.5% |
| 営業利益前年同期比 | +3.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +5.4% |
| 包括利益前年同期比 | +23.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 263.04百万株 |
| 自己株式数 | 206千株 |
| 期中平均株式数 | 262.93百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,592.07円 |
| EBITDA | 1,086.67億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 29.00円 |
| 期末配当 | 29.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 12,000.00億円 |
| 営業利益予想 | 840.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 450.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 171.16円 |
| 1株当たり配当金予想 | 35.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
住友ゴム工業の2025年度Q3(IFRS、連結)は、売上高8,616.09億円(前年比-1.5%)ながら、営業利益461.33億円(+301.7%)と大幅な収益性改善を示しました。粗利益率は30.2%と良好で、前年からの原材料価格低下や値上げ・ミックス改善、物流コストの正常化が寄与したとみられます。SG&A比率は23.1%(1,985.78/8,616.09)で、売上減の中でも販管費の伸びが抑制され営業レバレッジが効いています。一方で税引前利益は76.78億円と営業利益に比べ大幅に低く、営業外損益のマイナス(為替差損、金利負担、評価損等)や一過性費用の存在が示唆されます。にもかかわらず当期純利益は260.13億円(+542.3%)とPBTを大きく上回り、実効税率13.3%との整合性に課題があるため、IFRSでの特殊項目(継続・非継続の区分や税効果の戻入等)の影響が大きい可能性があります。デュポン分析では純利益率3.0%、総資産回転率0.608、財務レバレッジ2.08倍からROEは3.8%とまだ低位ながら改善傾向です。EBITDAは1,086.67億円、EBITDAマージン12.6%で、D&A625.34億円を差し引いた営業利益に整合しています。営業キャッシュフローは665.84億円と純利益の2.56倍でキャッシュ創出力は堅調です。投資CFは-550.52億円(うち設備投資-416.10億円)と積極投資を継続し、フリーキャッシュフローは115.32億円(定義上OCF+投資CF)とプラスを確保しました。総資産は14,172.11億円、純資産6,812.92億円で自己資本比率46.7%と財務体質は中立的、負債資本倍率0.98倍と過度なレバレッジは見られません。運転資本構造では棚卸資産2,909.47億円、売掛金2,216.79億円、買掛金1,865.87億円と在庫・債権の重さが目立ち、在庫日数推定は約173日(期末在庫/売上原価ベースの近似)と高めです。売上は微減ながら利益は大幅改善で、価格改定・コスト低減の継続性がカギになります。配当性向は58.6%とやや高く、投資CFを含むFCF115.32億円に対し配当金支払214.46億円と実質FCFカバレッジは弱めです。第3四半期までの進捗では、収益性は上向き、キャッシュ創出も良好だが、非営業損益や特殊要因の振れがボトムラインの不確実性を高めています。競合(ブリヂストン、横浜ゴム)と比べるとROE・マージンはなお低位で、構造的な収益力の底上げが今後の焦点です。なお、XBRL未記載項目が多く、税前利益と純利益の整合性にも不確実性があるため、数値解釈にはデータ制約が伴います。
ROE分解(デュポン):純利益率3.0% × 総資産回転率0.608 × 財務レバレッジ2.08倍 = ROE 3.8%。営業利益率は約5.36%(461.33/8,616.09)で、粗利率30.2%から販管費率23.1%を差し引いた妥当な水準。EBITDAマージン12.6%に対しD&A比率は売上比7.3%(625.34/8,616.09)で資本集約度は中庸。営業外で大きなマイナスが示唆され、税前利益は76.78億円と営業利益から385億円程度の悪化要因が存在。純利益率3.0%まで回復しているが、PBTとの乖離から一過性の税効果や区分表示の影響が大きい可能性。営業レバレッジは高く、売上微減下でも営業利益が3倍化していることから、価格改定・コストダウンの寄与が実証済み。地域・チャネル別ミックス改善(補修用の比重上昇)や原材料安のレバレッジが効いたと推定。中期的には原材料・物流の反転や為替逆風でマージンの再低下リスクがある一方、コスト管理継続で下支え可能。
売上成長は-1.5%と足踏み。需要面ではOE(新車用)に鈍化の兆しがある一方、補修用は底堅いとみられる。価格・ミックスはプラス寄与で、数量減を相殺している可能性。利益の質は、営業利益が大幅改善し、EBITDAも増勢で良好だが、非営業損益の振れが大きく、純利益の持続性には注意。研究開発費の開示がなく新製品パイプラインやプレミアム化の進捗は定量確認不可。今後は原材料(天然ゴム、合成ゴム、カーボンブラック)、エネルギー、海上運賃の動向が成長率とマージンの主要ドライバー。通期に向けては、価格維持と在庫正常化ができれば売上の安定と利益の維持は可能だが、為替と原材料の反転がリスク。短期見通しは横ばい〜緩やかな改善、中期は新興国・北米での補修用拡販と高付加価値比率上昇がカギ。
流動性:現金同等物1,003.82億円、営業CF665.84億円と手元流動性は一定の厚み。流動比率・当座比率は未算出(流動負債未記載)。支払能力:自己資本比率46.7%、負債資本倍率0.98倍と健全域。インタレストカバレッジは支払利息未記載のため算出不可。資本構成:総資産14,172.11億円、純資産6,812.92億円でレバレッジは中立的。買掛金1,865.87億円、売掛金2,216.79億円、棚卸2,909.47億円と運転資金需要は依然大きい。期中の財務CFは-328.56億円(配当等の支払い、負債返済が示唆)で、ネットの資金流出はあるが、期末現金水準は1,000億円超を維持。
利益の質:営業CF/純利益2.56倍は高水準で、利益の現金化は良好。運転資本の詳細内訳は不足するが、在庫・債権の大きさから運転資本の拘束はなお重い可能性。フリーキャッシュフローは115.32億円(同社定義:OCF+投資CF)と黒字。投資CFは-550.52億円で、そのうち設備投資-416.10億円(売上比4.8%)。減価償却625.34億円に対して設備投資は0.67倍と、今期は更新投資を下回るペース(ただし投資CFにはその他投資を含む)。キャッシュ残高は1,003.82億円で緩衝材を確保。なお、FCF115.32億円に対し配当支払214.46億円のため、配当のFCFカバレッジは約0.54倍(115.32/214.46)と弱め。提供データ上のFCFカバレッジ0.76倍とは不整合があり、定義差・期間差の可能性がある点は留意。
配当性向は58.6%と収益回復局面としてはやや高め。FCFベースの配当カバレッジは約0.54倍(当社計算)で、営業CFベースでは約3.1倍(665.84/214.46)と十分だが、投資CFを含めると余力は限定的。財務体質は健全のため短期の支払い能力問題は小さいが、非営業損益の振れと原材料環境の反転があると、同水準の配当維持にはキャッシュ創出の継続が前提。中期的には、ROE3.8%とまだ低位であり、成長投資と株主還元のバランス再確認が必要。連結配当方針の明示は未記載のため、今後のコミットメントと連動指標(配当性向、DOE等)の開示に注目。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(天然ゴム、合成ゴム、石油由来材料)の上昇リスク
- エネルギー・物流コストの反騰
- 為替変動(USD、EUR、アジア通貨)による収益圧迫
- 自動車生産・販売の景気感応度(OE向けの変動)
- 価格競争激化と販促費増加
- 在庫水準の高止まりによる値引き圧力・キャッシュ拘束
- 規制強化(環境・ラベリング・安全規制)への対応コスト
- 地政学的リスクによるサプライチェーン混乱
財務リスク:
- 営業外損益の大幅な振れ(為替差損、金融費用、評価損)
- 金利上昇による財務費用増(インタレストカバレッジ未算出)
- FCFの脆弱性(投資CFが大きい局面での配当維持余力低下)
- 運転資本の膨張によるキャッシュ創出の毀損
主な懸念事項:
- 税前利益76.78億円と純利益260.13億円の不整合(特殊要因・区分表示の可能性)
- FCFカバレッジ指標の定義不一致(0.76倍 vs 当社計算0.54倍)
- 流動負債や利息情報未開示に伴う流動性・金利感応度の評価不確実性
重要ポイント:
- 売上微減でも営業利益は+302%と大幅改善、価格・コスト施策が奏功
- EBITDAマージン12.6%、営業利益率5.36%と収益性が回復軌道
- ROE3.8%はなお低位で、構造的な収益力底上げが課題
- 営業CFは665.84億円で利益の現金化は良好、FCFは辛うじてプラス
- 自己資本比率46.7%、負債資本倍率0.98倍と財務は中立~健全
- 非営業損益のマイナスとPBT/純利益の乖離は注意ポイント
- 在庫日数の高さがキャッシュ効率を圧迫、正常化が価値ドライバー
注視すべき指標:
- 原材料価格指標(天然ゴム、ブタジエン、炭化水素系原料)
- 為替(USD/JPY、EUR/JPY、アジア通貨バスケット)
- 在庫回転日数と売掛回転日数
- 価格改定の継続率と製品ミックス(プレミアム比率)
- EBITDAと営業利益率のトレンド
- 営業CF/純利益比率とFCFの持続性
- 投資額(設備投資・地域拡張)と減価償却のバランス
- 非営業損益(為替差損益、金融費用)の推移
セクター内ポジション:
国内同業と比較すると、ブリヂストン・横浜ゴムに対してROE・営業利益率は低位で、価格決定力・ミックスの面で課題が残る一方、財務レバレッジは抑制されておりディフェンシブ性は確保。持続的なマージン改善と運転資本効率の向上がギャップ縮小の鍵。
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