- 売上高: 32,349.26億円
- 営業利益: 2,917.23億円
- 当期純利益: 2,577.98億円
- 1株当たり当期純利益: 302.75円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 32,349.26億円 | 32,694.11億円 | -1.1% |
| 売上原価 | 19,806.29億円 | - | - |
| 売上総利益 | 12,887.82億円 | - | - |
| 販管費 | 9,411.29億円 | - | - |
| 営業利益 | 2,917.23億円 | 3,771.25億円 | -22.6% |
| 持分法投資損益 | -15.88億円 | - | - |
| 税引前利益 | 3,586.37億円 | - | - |
| 法人税等 | 1,011.13億円 | - | - |
| 当期純利益 | 2,577.98億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,035.36億円 | 2,527.26億円 | -19.5% |
| 包括利益 | 1,041.63億円 | 2,705.04億円 | -61.5% |
| 減価償却費 | 2,612.38億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 302.75円 | 369.09円 | -18.0% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 302.46円 | 368.70円 | -18.0% |
| 1株当たり配当金 | 105.00円 | 105.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 28,636.32億円 | - | - |
| 売掛金 | 10,373.45億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 9,452.85億円 | - | - |
| 固定資産 | 28,598.85億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 18,403.17億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 3,204.85億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -1,745.97億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -3,105.78億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 7,067.32億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | 1,458.88億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.3% |
| 粗利益率 | 39.8% |
| 負債資本倍率 | 0.55倍 |
| EBITDAマージン | 17.1% |
| 実効税率 | 28.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -1.1% |
| 営業利益前年同期比 | -22.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -19.5% |
| 包括利益前年同期比 | -61.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 713.70百万株 |
| 自己株式数 | 60.93百万株 |
| 期中平均株式数 | 672.30百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,420.63円 |
| EBITDA | 5,529.61億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 105.00円 |
| 期末配当 | 105.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 43,600.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2,530.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 382.49円 |
| 1株当たり配当金予想 | 115.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
ブリヂストン(5108)の2025年度Q3(累計)決算は、売上高32,349.26億円(前年比-1.1%)と微減ながら、営業利益2,917.23億円(-22.6%)、当期純利益2,035.36億円(-19.5%)と大幅な減益となりました。粗利益率は39.8%と高水準を維持した一方、営業利益率は9.0%まで低下し、価格転嫁効果の一服や数量・ミックスの逆風、固定費吸収の鈍化が示唆されます。営業外要因は純増で、税引前利益3,586.37億円は営業利益を669.14億円上回っており、為替差益や金融収益等の寄与が推察されます(内訳は未記載)。デュポン分解では、純利益率6.3%×総資産回転率0.589×財務レバレッジ1.55倍=ROE5.8%で、資本効率は良好だが同社の資本力を踏まえると伸長余地を残します。自己資本比率63.5%、負債資本倍率0.55倍と財務基盤は極めて健全です。営業CFは3,204.85億円で純利益の1.57倍、投資CFは-1,745.97億円、フリーCFは1,458.88億円と潤沢で、利益のキャッシュ化は良好です。設備投資は2,137.93億円と積極姿勢を維持しつつも、FCF黒字を確保しています。現金同等物は7,067.32億円と厚く、流動性の安全余裕は大きいです。配当についてはXBRL未記載ながら、計算上の配当性向は73.6%、FCFカバレッジ0.97倍と、当期はFCFでほぼ賄えている水準です(総額の開示は未記載)。売上の小幅減少に対し、利益の落ち込みが大きいことから、2024年までの価格・原材料スプレッドの追い風が弱まった可能性が高く、営業レバレッジの逆回転が示唆されます。EBITDAは5,529.61億円(EBITDAマージン17.1%)で、減価償却費2,612.38億円を十分にカバーする創出力を維持しています。包括利益は1,041.63億円と純利益を下回り、OCIのマイナス影響が自己資本積み上げを一部抑制した点は留意点です。運転資本の詳細内訳(流動負債、現金、受払タイミング)は未記載ですが、売掛金10,373.45億円、棚卸資産9,452.85億円の水準は規模に見合い、在庫滞留の兆候は数字上は限定的です。総じて、収益性は一時的に鈍化するも、キャッシュ創出力と財務健全性は強固で、資本配分余地を確保しています。今後は価格・原材料スプレッド、数量回復、ミックス改善、為替の方向性が利益回復の鍵です。データの制約(営業外内訳、流動負債・金利情報、配当総額未記載)により一部の比率は推定を含みますが、主要結論は開示済み数値に依拠しています。
ROE分解: 純利益率6.3% × 総資産回転率0.589 × 財務レバレッジ1.55倍 = ROE 5.8%(報告値一致)。純利益率は前年の高水準から低下、回転率は0.589と大型製造業として妥当、レバレッジは控えめで財務余力を残す構図。
利益率の質: 粗利益率39.8%と高いが、営業利益率は9.0%(=2,917.23/32,349.26)まで低下。EBITDAマージン17.1%、減価償却費2,612.38億円(売上比8.1%)から、資本装備への依存度は一定。営業外は+669.14億円の純増寄与で税前利益を押し上げ(内訳未開示)、本業の鈍化を一部緩和。
営業レバレッジ: 売上-1.1%に対し営業利益-22.6%と感応度は高い。固定費の高さ、販促・物流費の逆風、ミックスの悪化が示唆される。粗利−販管費ギャップは3,476.53億円(12,887.82−9,411.29)に対し営業利益は2,917.23億円で、その他営業費用の影響も残存。価格・原材料スプレッド縮小や数量調整による負の営業レバレッジが主因。
売上持続可能性: 売上高32,349.26億円(-1.1%)は為替・数量・価格のいずれかが重石。高価格帯タイヤやソリューション領域の浸透により中期的には価格ミックス改善余地は残るが、短期は数量正常化が課題。
利益の質: 営業外寄与を除くと本業は減益。EBITDAマージン17.1%と依然厚みはあるが、営業利益率の低下から価格優位の鈍化とコスト上昇の影響がうかがえる。CFO/純利益1.57倍でキャッシュ面の質は高い。
見通し: 利益回復の鍵は原材料価格の安定・下落、価格維持・追加値上げ、北米・欧州のリプレース需要、OE回復、為替の円安持続。一方、在庫是正や運賃・物流コスト、賃上げ圧力は逆風。投資継続(設備投資2,137.93億円)は中期の供給力・プレミアム比率向上に資する。
流動性: 現金同等物7,067.32億円、営業CF3,204.85億円と厚い流動性バッファ。流動資産28,636.32億円。流動負債未記載のため流動比率・当座比率は算出不可だが、現金水準とFCF黒字から短期流動性は良好と評価。
支払能力: 自己資本比率63.5%、負債資本倍率0.55倍(=19,370.29/35,383.91)。総資産54,884.77億円に対し負債19,370.29億円でレバレッジは低い。インタレストカバレッジは金利費未記載で算出不可だが、EBITDA5,529.61億円から利払い耐性は高いと推察。
資本構成: 純資産35,383.91億円のうち利益剰余金28,688.17億円、資本剰余金1,206.55億円。自己株式6,093万株保有。堅固なエクイティベースで、追加の株主還元・投資のオプション性が高い。
利益の質: 営業CF/純利益1.57倍と高水準で、利益の現金裏付けは良好。包括利益が純利益を下回る(1,041.63億円)点はOCIのマイナス影響を示唆するが、営業キャッシュ創出には影響限定的。
FCF分析: 営業CF3,204.85億円−投資CF1,745.97億円=FCF1,458.88億円。配当未記載だが計算上の配当性向73.6%を前提にすると、当期のFCFでおおむねカバー(FCFカバレッジ0.97倍)。自社株買いは-0.08億円と軽微。
運転資本: 売掛金10,373.45億円、棚卸9,452.85億円。運転資本(提示値)28,636.32億円は流動資産相当で、流動負債未記載のため正味運転資本の厳密評価は不可。CFOが純利益を上回ることから、運転資本のキャッシュ吸収は限定的と推測。
配当性向評価: 計算ベースの配当性向は73.6%とやや高め。利益減少局面での水準としてはタイトだが、財務余力を勘案すれば持続は可能。
FCFカバレッジ: FCFカバレッジ0.97倍とほぼフルカバー。今期は投資負担が大きい中でもFCFで配当を概ね賄えている。
配当方針見通し: 安定配当志向と見られるが、利益回復の進捗・投資計画・為替動向次第で配当性向の柔軟運用が想定される。未記載の配当総額は、配当性向と純利益から約1,500億円規模と推計されるが、厳密な確認は開示待ち。
ビジネスリスク:
- 需要サイクル:北米・欧州のリプレース需要減速、OE生産の変動
- 原材料価格:天然ゴム、合成ゴム、原油系原材料の上昇によるスプレッド圧迫
- 為替:円高進行時の円建て利益圧縮、為替感応度の高まり
- 物流・サプライチェーン:運賃上昇、港湾混雑、地政学リスクによる納期遅延
- 製品ミックス:プレミアム比率低下・価格競争再燃による利益率低下
- 品質・リコールリスク:品質費用の一過性負担
- EVシフト:OE需要構成の変化に伴うスペック要求・投資負担
財務リスク:
- 金利上昇:利払い増加(支払利息未記載のため感応度評価は不可)
- 年金・OCI変動:包括利益が純利益を下回る状況からの自己資本変動
- 為替換算差損益:多通貨エクスポージャーによる税前利益の変動
- 投資負担:設備投資継続に伴うFCF圧迫リスク
主な懸念事項:
- 売上微減に対して営業利益が大幅減の負の営業レバレッジ
- 価格・原材料スプレッドの縮小
- 営業外依存度の上昇(税前利益−営業利益=+669億円、内訳未開示)
重要ポイント:
- 収益性は鈍化も、CFO/純利益1.57倍、FCF1,459億円、現金残高7,067億円とキャッシュ創出・流動性は強い
- ROE5.8%はレバレッジ抑制下での水準で、資本効率改善余地あり
- 自己資本比率63.5%、負債資本倍率0.55倍でバランスシートは堅固
- 配当性向73.6%、FCFカバレッジ0.97倍で当期の配当維持は可能性が高いが、利益動向次第で余裕度は変動
注視すべき指標:
- 営業利益率(現状9.0%)とEBITDAマージン(17.1%)の回復度合い
- 価格・原材料スプレッド(粗利率の推移と原材料価格動向)
- 数量動向(売上高成長率、在庫・売掛金の回転状況)
- 為替(特にUSD/JPY、EUR/JPY)の影響と営業外損益の内訳
- FCFと設備投資(CFO、投資CF、CAPEX2,138億円の継続性)
- 配当総額および還元方針(自社株買いの有無・規模)
セクター内ポジション:
国内同業(住友ゴム、横浜ゴム、東洋ゴム等)と比べ、ブリヂストンは規模・地理的分散・ブランド力で優位、自己資本比率63.5%と財務健全性も高い。一方、今期は価格優位の縮小や固定費吸収の鈍化から利益感応度が高まっており、短期の収益モメンタムは同業比で中立〜やや弱含み。中期はプレミアム・ソリューション展開で相対的優位を維持しやすい。
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