- 売上高: 56,919.22億円
- 営業利益: 1,667.38億円
- 当期純利益: 959.07億円
- 1株当たり当期純利益: 24.07円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 56,919.22億円 | 60,120.30億円 | -5.3% |
| 売上原価 | 55,421.04億円 | - | - |
| 売上総利益 | 4,699.26億円 | - | - |
| 販管費 | 4,205.16億円 | - | - |
| 営業利益 | 1,667.38億円 | 773.36億円 | +115.6% |
| 持分法投資損益 | 32.03億円 | - | - |
| 税引前利益 | 1,578.96億円 | 648.74億円 | +143.4% |
| 法人税等 | 151.76億円 | - | - |
| 当期純利益 | 959.07億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 647.54億円 | 681.68億円 | -5.0% |
| 包括利益 | 764.92億円 | 665.23億円 | +15.0% |
| 減価償却費 | 1,829.38億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 24.07円 | 23.40円 | +2.9% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 24.03円 | 23.35円 | +2.9% |
| 1株当たり配当金 | 13.00円 | 13.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 42,075.38億円 | - | - |
| 売掛金 | 14,040.83億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 15,897.86億円 | - | - |
| 固定資産 | 45,818.39億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 30,372.60億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,276.63億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -1,577.11億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -3,334.31億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 8,465.63億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | -300.48億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.1% |
| 粗利益率 | 8.3% |
| 負債資本倍率 | 1.53倍 |
| EBITDAマージン | 6.1% |
| 実効税率 | 9.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -5.3% |
| 営業利益前年同期比 | +1.2% |
| 税引前利益前年同期比 | +1.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -5.0% |
| 包括利益前年同期比 | +15.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 2.71十億株 |
| 自己株式数 | 16.85百万株 |
| 期中平均株式数 | 2.69十億株 |
| 1株当たり純資産 | 1,289.14円 |
| EBITDA | 3,496.76億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 13.00円 |
| 期末配当 | 13.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 114,000.00億円 |
| 営業利益予想 | 2,900.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 1,350.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 50.19円 |
| 1株当たり配当金予想 | 17.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度第2四半期のENEOSホールディングスは、売上高56,919.22億円(前年比-5.3%)とトップラインは縮小した一方、営業利益は1,667.38億円(+115.6%)と大幅に改善し、営業面での収益力回復が鮮明でした。粗利益率は8.3%と前年からの改善が示唆され、営業利益率も2.9%と回復基調にあります。EBITDAは3,496.76億円でEBITDAマージンは6.1%と、減価償却費1,829.38億円を含めた稼ぐ力も安定しています。税引前利益は1,578.96億円で、営業外収支は約-88億円の純費用と推定されます(営業利益との差)。一方、当期純利益は647.54億円(-5.0%)と減益で、税負担は151.76億円(実効税率9.6%)と軽いにもかかわらず、非支配株主持分の影響や一過性要因がオーナー帰属利益を圧迫した可能性が高いです。デュポン分解では、純利益率1.1%、総資産回転率0.654、財務レバレッジ2.51倍からROEは1.9%にとどまり、収益性(純利益率)の低さが自己資本利益率の抑制要因です。総資産は87,071.03億円、純資産は34,676.71億円で自己資本比率は35.8%と、資本基盤は業界標準の範囲内にあります。負債資本倍率は1.53倍とレバレッジはコントロールされており、財務安全性は総じて中立的です。営業キャッシュフローは1,276.63億円と黒字で、当期純利益に対するキャッシュ創出力は1.97倍と良好で、利益の質は一定程度裏付けられています。投資キャッシュフローは-1,577.11億円で、フリーキャッシュフローは-300.48億円と弱め(設備投資-1,671.83億円が主因)です。財務キャッシュフローは-3,334.31億円で、配当金支払-329.23億円に加え、自社株買い-1,346.01億円を積極実行したことが資金流出の主因です。現金同等物は8,465.63億円と厚めで、短期的な流動性に懸念は限定的です。売掛金14,040.83億円、棚卸資産15,897.86億円と運転資本項目の水準は高く、資金需要は引き続き大きいものの、買掛金15,701.72億円で自然ヘッジが効いています。配当性向(計算値)は108.7%と示されていますが、配当情報の未記載が多く、当該比率の解釈には注意が必要です。総じて、マージンの回復と営業CFの健全性はポジティブですが、純利益の伸び悩みとFCFのマイナス、株主還元の積極化による資金流出が持続性の論点です。今後は、原油価格・精製マージン・在庫評価の変動と、投資配分(エネルギートランジション領域含む)の資本効率がROE改善の鍵となります。本分析は、営業外内訳・流動負債詳細・利払いの未記載など情報制約がある点に留意が必要です。
デュポン分解では、ROE 1.9% = 純利益率1.1% × 総資産回転率0.654 × 財務レバレッジ2.51倍で説明され、主因は低い純利益率です。営業利益率は2.9%(1,667.38 / 56,919.22)と前年からの大幅改善が推測され、粗利率8.3%から販管費4,205.16億円を吸収して黒字を確保しました。EBITDA 3,496.76億円は売上対比6.1%で、減価償却前の収益力は一定水準に回復しています。税前利益は1,578.96億円で、営業外は約-88億円の費用要因(為替、評価損益、持分法の一部調整等が想定)です。当期純利益は647.54億円にとどまり、営業段階から純利益への落ち込みが大きいことから、非支配株主持分や一過性項目がオーナー帰属利益を圧縮した可能性が高いです。実効税率9.6%は低位で、税コストは利益水準の抑制要因ではありません。営業レバレッジは、売上高が-5.3%の一方で営業利益が+115.6%と急増しており、スプレッド改善や在庫影響の反転などにより固定費吸収が進んだことを示唆します。利益率の質は、営業CF/純利益 1.97倍とキャッシュ裏付けがあり相対的に良好ですが、FCFマイナスにより投資負担は依然重いです。
売上高は-5.3%減の56,919.22億円で、ボリューム・価格要因(原油・為替)に左右される構造が継続しています。営業利益は+115.6%と改善しており、コスト最適化やマージン改善が成長寄与。純利益は-5.0%と伸び悩み、営業外・非支配の影響がボトルネックです。EBITDAマージン6.1%への回復は収益基盤の底上げを示唆。持分法投資利益は32.03億円と限定的な寄与です。売掛金・棚卸の高水準から見て、販売規模の維持は可能だが運転資本がボラタイルになりやすい構造は続きます。短期的には精製マージン・原油動向・在庫評価がトップラインよりもプロフィットドライバーとなる見込み。中期的な成長は、設備投資(-1,671.83億円)による効率化・新領域への配分のリターン実現に依存。見通しはマージン主体の利益創出へシフトしており、売上の持続性は外部環境依存度が高い一方、利益の質は改善傾向です。
総資産87,071.03億円に対し、純資産34,676.71億円、負債合計53,188.14億円で自己資本比率35.8%とバランスは中立的。負債資本倍率1.53倍からレバレッジは許容範囲。流動資産42,075.38億円の内訳は売掛金14,040.83億円、棚卸資産15,897.86億円等で、流動負債未記載のため流動比率は算出不可。現金等8,465.63億円を保有し、短期流動性は良好と判断。買掛金15,701.72億円が運転資本需要を相殺。長短借入・有利子負債の内訳未記載のため、利払い負担や満期プロファイルの精緻評価は不可。資本構成は自己株買いの実行(-1,346.01億円)により株主持分あたりの資本効率改善余地がある一方、FCFマイナスの局面では財務柔軟性の管理が重要です。
営業CF1,276.63億円は当期純利益647.54億円の1.97倍で、利益のキャッシュ裏付けは良好。投資CF-1,577.11億円の主因は設備投資-1,671.83億円で、FCFは-300.48億円(営業CF+投資CF)と赤字。運転資本は売掛金・棚卸資産が高水準で資金拘束が大きく、在庫の価格変動と回転期間がキャッシュ創出力のブレ要因。営業外キャッシュ項目(利息・税金)の詳細未記載のため、キャッシュコンバージョンのブリッジ精査には限界。現金8,465.63億円の保有がFCF赤字と株主還元の同時実行を可能にしているが、持続には安定的な営業CFと投資配分の最適化が必要です。
配当性向(計算値)108.7%と示され、当期の利益水準に対しては高い水準で、恒常的には持続性に課題が生じ得ます。配当情報(年次配当、四半期配当、総額)は未記載のため、正確な分母・分子の整合性検証は不可。キャッシュ面では、FCFカバレッジ-0.43倍(FCFがマイナス)で配当のキャッシュソースは手元資金・財務CFに依存。期中の配当金支払-329.23億円に加え自社株買い-1,346.01億円を実行しており、総還元の持続性はFCFの改善次第。方針面では資本効率改善(ROE)と財務健全性のバランスが焦点で、当面は利益・FCFの底上げが前提条件となります。
ビジネスリスク:
- 原油価格・為替の急変動によるマージン・在庫評価損益のブレ
- 精製マージン(クラックスプレッド)悪化による利益率低下
- 需要環境(国内燃料需要の構造的縮小)による販売数量の下押し
- 金属・資源価格のボラティリティによる収益変動
- 設備稼働・保全コストの上振れや事故・停止リスク
- エネルギートランジションに伴う規制・投資負担の増加
財務リスク:
- FCFマイナスの持続による外部資金依存の高まり
- 株主還元(自社株買い・配当)の同時実行による手元流動性低下
- 利払い・満期分布の未把握による金利上昇局面の耐性不確実性
- 非支配株主への配分増加による親会社帰属利益の希薄化
主な懸念事項:
- 営業改善にもかかわらず当期純利益が伸び悩み(-5.0%)
- FCFが-300.48億円で投資負担がキャッシュ創出を上回る
- 配当性向(計算値)108.7%と高位で持続性に懸念
- 営業外損益・流動負債・利払いの情報未記載に伴う分析精度の制約
重要ポイント:
- 売上減少下でも営業利益率が2.9%まで回復し、営業レバレッジが効いた
- ROEは1.9%と低位で、純利益率の改善が最重要課題
- 営業CFは1,276.63億円で利益の質は良好だが、FCFは-300.48億円
- 自己株買い-1,346.01億円と配当-329.23億円で株主還元は積極的
- 自己資本比率35.8%、負債資本倍率1.53倍と財務は中立
- 非支配や一過性要因によりオーナー帰属利益が圧迫
注視すべき指標:
- 精製マージンと在庫評価影響(営業利益率・粗利率の動向)
- 営業CFとFCFのトレンド(投資CF・設備投資とのバランス)
- ROEドライバー(純利益率、資産回転、レバレッジ)の改善度合い
- 運転資本回転(売掛金・棚卸資産の回転期間)
- 株主還元のペース(配当総額・自社株買い進捗)
- 負債コスト・金利感応度(インタレストカバレッジの推移)
セクター内ポジション:
国内エネルギー・精製セクター内で、マージン回復を背景に営業段階の収益力は改善した一方、オーナー帰属利益・ROEは依然低位で、資本効率面での相対的課題が残る。手元流動性は厚く財務耐性は中立だが、FCFマイナス下での積極的な株主還元は持続性の点で慎重なモニタリングを要する。
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