- 売上高: 1,144.67億円
- 営業利益: 62.09億円
- 当期純利益: 51.54億円
- 1株当たり当期純利益: 55.37円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,144.67億円 | 1,135.85億円 | +0.8% |
| 売上原価 | 744.67億円 | - | - |
| 売上総利益 | 391.18億円 | - | - |
| 販管費 | 311.13億円 | - | - |
| 営業利益 | 62.09億円 | 80.04億円 | -22.4% |
| 営業外収益 | 7.69億円 | - | - |
| 営業外費用 | 18.78億円 | - | - |
| 経常利益 | 67.30億円 | 68.95億円 | -2.4% |
| 法人税等 | 18.08億円 | - | - |
| 当期純利益 | 51.54億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 53.96億円 | 48.98億円 | +10.2% |
| 包括利益 | 32.30億円 | 126.80億円 | -74.5% |
| 支払利息 | 3.61億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 55.37円 | 50.30円 | +10.1% |
| 1株当たり配当金 | 80.00円 | 80.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,550.16億円 | - | - |
| 現金預金 | 355.90億円 | - | - |
| 売掛金 | 503.84億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 317.00億円 | - | - |
| 固定資産 | 1,071.57億円 | - | - |
|
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.7% |
| 粗利益率 | 34.2% |
| 流動比率 | 192.9% |
| 当座比率 | 153.4% |
| 負債資本倍率 | 0.79倍 |
| インタレストカバレッジ | 17.20倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.8% |
| 営業利益前年同期比 | -22.4% |
| 経常利益前年同期比 | -2.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +10.2% |
| 包括利益前年同期比 | -74.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 100.76百万株 |
| 自己株式数 | 3.27百万株 |
| 期中平均株式数 | 97.46百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,500.62円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 80.00円 |
| 期末配当 | 160.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Americas | 4.91億円 | 10.92億円 |
| Asia | 2.95億円 | 32.24億円 |
| Europe | 17.85億円 | 9.88億円 |
| Japan | 71.39億円 | 8.50億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,300.00億円 |
| 営業利益予想 | 125.00億円 |
| 経常利益予想 | 130.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 117.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 120.10円 |
| 1株当たり配当金予想 | 28.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
高砂香料工業の2026年度第2四半期(上期)連結決算は、売上高1,144.67億円(前年同期比+0.8%)と増収ながら、営業利益62.09億円(同-22.4%)と減益で、コスト増や販管費増に伴う利益率の悪化が鮮明です。粗利益率は34.2%と一定の水準を維持する一方、営業利益率は約5.4%で前年からの低下が示唆され、売上総利益から販管費等を差し引いたコスト負担の重さ(販管費率約28.8%)が表れています。当期純利益は53.96億円(同+10.2%)と増益で、営業段階の弱さに対して金融収支や税負担の平準化が下支えした可能性があります。デュポン分解では、純利益率4.71%、総資産回転率0.448回、財務レバレッジ1.75倍からROEは3.69%と算出され、資本効率は控えめです。ROAはおおよそ2.1%(=4.71%×0.448)で、資産効率の改善余地も残ります。負債資本倍率0.79倍、自己資本1463.05億円、総資産2556.35億円から計算される自己資本比率は約57.3%とみられ、財務体質は堅健です。流動比率192.9%、当座比率153.4%、運転資本746.41億円と流動性は良好で、短期債務耐性は高いと評価できます。支払利息は3.61億円に対し、インタレストカバレッジは17.2倍と十分で、金利上昇局面でも耐性があります。売上は微増にもかかわらず営業利益が2桁減と、負の営業レバレッジが顕著であり、原材料価格、ユーティリティコスト、為替やミックス変化、成長投資に伴う費用先行が複合した可能性が高いです。棚卸資産は317.0億円で、上期原価ベースを年換算した場合の在庫日数は約78日程度と推定され、在庫運用は概ね妥当な範囲に見えます(前提に不確実性あり)。税金等1,808百万円と当期純利益の関係から当社試算の実効税率は約25%と推計され、税率面は平常域にあります。キャッシュフローや減価償却費、配当情報は不記載項目が多く、フリーキャッシュフローや配当カバレッジの定量評価は限定的です。EPSは55.37円である一方、発行済株式数やBPSは不記載で資本政策の詳細なトラッキングは困難です。総じて、需要面の底堅さは維持しつつも、コストと販管費の上振れにより利益率が圧迫された局面と整理できます。今後は価格改定の浸透、ミックス改善、原材料・エネルギー価格の動向、為替、および研究開発や設備投資の費用対効果が収益回復の鍵となります。財務健全性は高く、利益率の回復が実現すれば資本効率の改善余地が見込まれます。一方、キャッシュフローと配当の開示が限定的で、キャッシュ創出力と株主還元の持続可能性判断には追加情報が必要です。データの制約があることを前提に、収益性回復のトリガーとコストコントロールの実効性を注視すべき局面です。
ROE分解(デュポン)では、純利益率4.71% × 総資産回転率0.448回 × レバレッジ1.75倍 = ROE 3.69%となり、主に純利益率と資産回転の低さがROEを押し下げています。営業利益率は約5.4%(= 62.09億円 / 1,144.67億円)で前年から低下、粗利益率34.2%とのギャップから販管費率は約28.8%(=(391.18−62.09)/1,144.67)と試算され、費用圧力が顕在化しています。経常利益は67.30億円で営業利益からの増分は金融収支寄与が示唆され、支払利息3.61億円に対しインタレストカバレッジ17.2倍と金利負担は軽微です。実効税率は当社試算で約25%(税金等180.8億円相当/税引前利益の近似)と平常域。営業レバレッジは、売上+0.8%に対して営業利益-22.4%と負の方向に作用しており、価格転嫁の遅れ、ミックス悪化、原材料・エネルギー高、投資費用先行のいずれか、または複合が考えられます。ROAは約2.1%で、資産効率面(総資産回転率0.448回)の改善が収益性向上の焦点です。加えて、香料ビジネス特性上、R&Dと品質保証の固定費が一定水準で発生するため、売上の伸びが限定的な局面では利益感応度が高くなります。
売上は+0.8%と小幅増で、需要は底堅い一方で加速感は限定的です。営業利益は-22.4%と二桁減、利益の質は販管費・原材料コスト上振れの影響が大きく、短期的には圧迫が続くリスクがあります。純利益は+10.2%と増益で、金融収支や税負担の平準化の寄与が示唆されますが、持続性は営業段階の回復に依存します。中期的な成長には、価格改定の浸透、付加価値の高いフレーバー・フレグランスのミックス改善、海外(特にアジア)需要回復、ならびに新規用途(機能性香料等)の拡大が鍵です。研究開発・品質保証体制の強化は差別化源泉となる一方、短期的には固定費を押し上げるため、売上伸長が伴わない場合の利益感応度は高い点に留意が必要です。今後の見通しは、原材料・エネルギー価格、為替(円安時の輸入コスト増・外貨建て売上の目減り/増益効果の両面)、および顧客業種(飲料・食品・化粧品等)の需要サイクルの影響を強く受けます。
総資産2,556.35億円、負債1,157.79億円、純資産1,463.05億円から、自己資本比率は約57.3%と堅健です(数値は当社計算)。流動比率192.9%、当座比率153.4%と短期流動性は良好で、運転資本は746.41億円と潤沢です。負債資本倍率0.79倍でレバレッジは適度、支払利息3.61億円に対しカバレッジ17.2倍と利払い耐性は高いです。期中の手元流動性(現金等)や有利子負債の内訳は不記載で、正味有利子負債やネットキャッシュ/ネットデットの精緻な評価は困難です。資本構成は保守的で、追加借入なしでも通常運転に支障はないとみられますが、設備投資・M&Aの資金調達方針は開示待ちです。
営業CF・投資CF・財務CFおよび減価償却費は不記載のため、利益とキャッシュ創出の連動性、フリーキャッシュフロー、EBITDAベースのカバレッジ評価は実施できません。営業利益62.09億円、支払利息3.61億円の関係から、概ね営業段階の利払い能力は十分と推定されますが、運転資本の増減(棚卸資産31.7億円の変動、売上債権・仕入債務の動向)は不明です。上期COGSを年換算した推計に基づく在庫日数は約78日で、在庫は概ね適正圏にあるとみられます(計算前提に不確実性あり)。FCFは不記載のため、投資余力の定量化はできず、減価償却費も不明なためキャッシュ利益(EBITDA)の把握に限界があります。今後、営業CF/純利益、FCFマージン、運転資本回転の開示を確認することがキャッシュフロー品質評価の前提となります。
年間配当、配当性向、FCFカバレッジは不記載のため、数値ベースでの持続可能性評価はできません。EPSは55.37円で、仮に平常期の配当性向30〜40%レンジを想定すると一株配当は概算で17〜22円相当の余地がある一方、これは一般論に過ぎず、実際のフリーキャッシュフロー水準と投資計画に依存します。財務体質(自己資本比率約57%)は健全で、通常局面では配当原資の確保は可能と考えられますが、営業利益率低下や投資負担増が続く場合は慎重姿勢となる可能性があります。会社の配当方針(安定配当・DOE・総還元性向等)の開示が前提であり、現時点では方針・実績ともに不記載として取り扱います。
ビジネスリスク:
- 原材料・エネルギーコスト高止まりによる粗利圧迫
- 価格改定の浸透遅延やミックス悪化による利益率低下
- 主要顧客業種(食品・飲料・化粧品等)の需要変動
- 為替変動(円安時の輸入コスト上昇、外貨建ての換算影響)
- 研究開発・品質保証等の固定費負担増による営業レバレッジ悪化
- 海外事業(特にアジア)における地政学・規制リスク
財務リスク:
- キャッシュフロー情報の不記載に伴うFCF持続性の不確実性
- 有利子負債・現金残高の内訳不明によるネットデット評価の不確実性
- 在庫水準・運転資本の変動による短期キャッシュ創出のブレ
主な懸念事項:
- 売上横ばい下での二桁営業減益という負の営業レバレッジ
- 販管費率の上昇(約28.8%)が継続するかどうか
- 価格転嫁・ミックス改善の進捗と実効性の見極め
- キャッシュフローと資本配分(配当・投資)の透明性
重要ポイント:
- 増収ながら営業減益で、コスト・販管費圧力が利益率を低下させた
- ROE 3.69%、ROA約2.1%と資本効率は控えめで改善余地
- 財務健全性は高く、流動性指標は良好(流動比率192.9%、当座比率153.4%)
- インタレストカバレッジ17.2倍と金利耐性は十分
- CF・減価償却・配当の定量情報が不足し、還元・投資の持続性評価は限定的
注視すべき指標:
- 営業利益率と販管費率(価格改定・ミックス改善の進捗)
- 原材料・エネルギーコストの動向と粗利率
- 総資産回転率(在庫回転、売上債権回収)
- 為替感応度(円安局面でのコストと売上のネット効果)
- 営業CF/純利益、FCFマージン、減価償却費・設備投資額
- 配当方針(配当性向またはDOE)と実行状況
セクター内ポジション:
国内香料大手の中では、自己資本比率は高水準で安全性は優位だが、当期のROEは3.7%と同業の中位〜上位水準(一般に中一桁後半〜10%台)には届かず、収益性・資本効率面での改善余地が大きい。短期的にはコスト高と費用先行で見劣りするが、価格改定とミックス改善が進めば回復余地はある。
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