- 売上高: 181.14億円
- 営業利益: 33.63億円
- 当期純利益: 15.29億円
- 1株当たり当期純利益: 34.72円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 181.14億円 | 177.55億円 | +2.0% |
| 売上原価 | 82.82億円 | - | - |
| 売上総利益 | 94.73億円 | - | - |
| 販管費 | 62.72億円 | - | - |
| 営業利益 | 33.63億円 | 32.01億円 | +5.1% |
| 営業外収益 | 8.39億円 | - | - |
| 営業外費用 | 3.26億円 | - | - |
| 経常利益 | 38.18億円 | 37.15億円 | +2.8% |
| 法人税等 | 7.93億円 | - | - |
| 当期純利益 | 15.29億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 24.02億円 | 15.10億円 | +59.1% |
| 包括利益 | 24.77億円 | 14.61億円 | +69.5% |
| 支払利息 | 6百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 34.72円 | 21.54円 | +61.2% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 34.61円 | 21.47円 | +61.2% |
| 1株当たり配当金 | 9.00円 | 9.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 183.49億円 | - | - |
| 現金預金 | 118.84億円 | - | - |
| 売掛金 | 42.93億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 8.89億円 | - | - |
| 固定資産 | 133.20億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 290.43円 |
| 純利益率 | 13.3% |
| 粗利益率 | 52.3% |
| 流動比率 | 202.3% |
| 当座比率 | 192.5% |
| 負債資本倍率 | 0.55倍 |
| インタレストカバレッジ | 560.50倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.0% |
| 営業利益前年同期比 | +5.0% |
| 経常利益前年同期比 | +2.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +59.0% |
| 包括利益前年同期比 | +69.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 70.51百万株 |
| 自己株式数 | 1.29百万株 |
| 期中平均株式数 | 69.18百万株 |
| 1株当たり純資産 | 291.73円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 9.00円 |
| 期末配当 | 26.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| CareWelfareITSystems | 3.94億円 | -2.63億円 |
| MedicineReceiptComputerAndRelated | 22.56億円 | 1.68億円 |
| PharmacyReceiptComputerAndRelated | 13百万円 | 34.13億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 234.79億円 |
| 営業利益予想 | 36.27億円 |
| 経常利益予想 | 43.89億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 26.91億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 38.90円 |
| 1株当たり配当金予想 | 22.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
イーエムシステムズ(連結、JGAAP)の2025年度Q3は、売上高181.1億円(前年比+2.0%)、営業利益33.6億円(+5.0%)、経常利益38.2億円、当期純利益24.0億円(+59.0%)と、控えめな増収に対して利益はより高い伸びを示し、正の営業レバレッジが確認できる決算となった。粗利益は94.7億円、粗利率は52.3%と高水準で、ヘルスケアIT(薬局・医療向けソフト/サービス)らしい高付加価値構造を維持している。営業利益率は18.6%(=33.6/181.1)と堅調で、コストコントロールやSaaS/保守収入の安定性が寄与した可能性が高い。経常利益が営業利益を上回る(差額+45.5億円)一方、純利益は24.0億円で、経常から純利益へのブリッジで税負担・特別損益等が影響したとみられる。税金等は7.93億円で、当社算定の実効税率は約24.8%(=7.93/31.95、31.95=純利益+税金)と概ね合理的な水準。デュポン分解では純利益率13.26%、総資産回転率0.630回、財務レバレッジ1.42倍からROEは11.89%と、資本効率は二桁で安定している。貸借対照表は総資産287.7億円、負債110.5億円、純資産201.9億円、流動資産183.5億円・流動負債90.7億円で、流動比率202.3%、当座比率192.5%と流動性は厚い。運転資本は92.8億円と潤沢で、棚卸資産も8.89億円と軽く、在庫負担は限定的。支払利息は600万円に過ぎず、インタレストカバレッジは560.5倍と極めて高い。営業CF・投資CF・財務CF・減価償却・自己資本比率・配当等に0表示があるが、これは不記載/勘定科目差異を意味し、実額ゼロを示すものではない点に留意が必要である。したがって、キャッシュフロー品質やFCFベースの評価、減価償却負担や資本的支出の把握にはデータ制約が残る。増益の背景としては、原価・販管費のコントロールと非営業損益の改善が示唆される一方、特別損益や非支配損益の影響が純利益段階で顕在化した可能性がある。売上高成長率は+2.0%と控えめで、マクロ環境や調剤市場のユニット成長、レセコン更新サイクル、クラウド移行の価格政策が影響していると推察する。総じて、収益性・安全性は良好、キャッシュフロー情報は不足、成長は安定的ながら中位という印象である。通期に向けては、保守・サブスクの継続率、単価改定、開発費の認識タイミング、ならびに非営業損益の継続性が焦点となる。なお、貸借対照表の一部数値間には整合性に留意すべき点があり、詳細注記の確認が望まれる。投資判断は行わないが、今後は売上成長の持続性とFCF創出力の裏付けが重要となる。
ROEは11.89%(デュポン:純利益率13.26% × 総資産回転率0.630回 × 財務レバレッジ1.42倍)で、主に高い純利益率と適度な資産効率が牽引。粗利率52.3%と高水準、営業利益率18.6%、経常利益率21.1%(=38.18/181.14)と、非営業収益の寄与が確認できる。純利益は24.02億円で純利益率13.26%と良好。営業レバレッジはプラスで、売上+3.54億円(推定:前年売上177.6億円→今期181.1億円)に対し営業利益+1.60億円(前年32.03億円→今期33.63億円)、インクリメンタルマージン約45%と効率的。支払利息は0.06億円と軽微で、インタレストカバレッジ560.5倍は財務費用感応度の低さを示す。税負担は7.93億円、当社試算の実効税率は約24.8%で、税率面の大きな歪みは見られない。減価償却の数値は不記載(0表示)であるためEBITDAは算出不能だが、営業利益率実績から運営収益力は高いと評価できる。研究開発・カスタマーサクセス等の固定費構造次第では、追加のトップライン拡大が利益にレバレッジしやすい余地を残す。
売上は+2.0%と安定成長。薬局・医療ITの保守/サブスク収入が底堅く、更新需要やクラウド化の進捗に支えられている可能性。営業利益+5.0%と利益成長が売上を上回り、価格・ミックス改善やコスト管理の効果が示唆される。純利益+59%は非営業損益の改善や特別損益の影響が大きい可能性があり、持続性の評価には追加開示が必要。売上持続性は高い継続課金モデルに依存するため、解約率・NDR(ネット・ダラー・リテンション)・新規開設薬局の動向が鍵。案件獲得のパイプライン、電子処方箋/オンライン服薬指導関連の制度変化は追い風。一方、薬価改定や薬局再編・大型チェーンの交渉力強化は価格圧力リスク。通期見通しは、Q4の季節性(導入検収の集中)、大型案件の検収タイミング、補助金/助成金の計上有無で振れやすい。今後12ヶ月の利益の質は、非営業益の反復性に依存度が高いとみられ、営業利益の伸びに比べ純利益伸長は鈍化する可能性に注意。
流動資産183.5億円・流動負債90.7億円で流動比率202.3%、当座比率192.5%と高流動性。運転資本92.8億円と潤沢で、短期資金需要に余裕。総資産287.7億円、負債110.5億円、純資産201.9億円と資本バッファは厚い(自己資本比率は0表示のため参考外)。負債資本倍率0.55倍は保守的なレバレッジを示唆。支払利息600万円と小さく金利感応度は低い。借入の詳細(長短期構成、固定/変動)は不明だが、現在の金利環境でも耐性は高いとみられる。BS項目の一部整合に留意が必要で、正式な自己資本比率や有利子負債残高は原資料での確認が望まれる。
営業CF・投資CF・財務CF・減価償却が0表示で不記載のため、FCFや利益のキャッシュ化の定量評価は不可。従って営業CF/純利益やFCFカバレッジの解釈は行わない。運転資本は期末ベースで+92.8億円と厚く、棚卸資産8.89億円は売上原価828.2億円(8,282百万円)に対し相対的に軽量(期末単点の参考値として在庫日数約39日=365×8.89/82.82、平均在庫不明のため近似)。AR/APの水準が不明なため、キャッシュコンバージョンサイクルの分析には限界。投資CF・設備投資や無形資産計上の情報がないため、成長投資と維持投資のバランスも評価不能。総じて、損益計上の質は高いが、キャッシュ裏付けの検証は元データの追加開示待ち。
年間配当・配当性向・FCFカバレッジが0表示で不記載のため、配当水準の実測評価はできない。EPSは34.72円で、仮に安定配当方針であれば配当性向30–50%が一般的レンジだが、会社方針・資本政策の明示が必要。FCF情報が欠落しているため、配当のキャッシュカバレッジ評価は不可能。ネットキャッシュ/有利子負債や手元流動性は厚い可能性が高いが、M&A・自社株買いとの配分は不明。現状は『配当持続性の判断保留(データ制約)』とし、通期決算時の資本配分方針・株主還元方針の開示を要確認。
ビジネスリスク:
- 薬局市場の再編・大型チェーンの価格交渉力上昇による単価下押し
- 電子処方箋・制度変更の遅延や仕様変更による導入時期の不確実性
- オンプレからクラウド移行の価格設計・移行コストの想定超過
- 競合ヘルスケアITベンダーとの入札競争激化
- 人件費・開発費の上昇による固定費膨張と営業レバレッジの逆回転
財務リスク:
- キャッシュフロー情報非開示に伴うFCFの不確実性
- 特別損益・非営業損益への依存が純利益変動を拡大させるリスク
- 棚卸・受取債権の期末偏重等による運転資本の振れ
- 金利上昇局面での調達コスト上昇(現状感応度は限定的)
主な懸念事項:
- 純利益+59%の持続性(非営業・特別要因の反復性)
- BS数値整合の確認(自己資本比率や有利子負債の正確値)
- 減価償却・投資CFの未開示に伴うEBITDA・FCFの不確実性
重要ポイント:
- 高粗利(52.3%)と営業利益率(18.6%)で収益性は堅調
- 売上+2%に対し営業利益+5%、インクリメンタルマージン約45%で正の営業レバレッジ
- ROE 11.9%は二桁で安定、資本効率良好
- 流動比率202%・インタレストカバレッジ560倍と財務安全性は高い
- 純利益の大幅増益は非営業要因の影響が大きい可能性、持続性検証が必要
- キャッシュフローと減価償却が未開示でFCF評価は保留
注視すべき指標:
- 解約率・継続率(保守/サブスクの安定性)
- AR・AP・在庫回転(キャッシュコンバージョン)
- 非営業損益(受取利息・補助金・持分法等)の継続性
- 新規受注・導入件数、クラウド移行率
- 開発費・人件費の伸びと営業利益率の維持
- 通期ガイダンスの進捗(売上・営業利益)
セクター内ポジション:
国内ヘルスケアIT同業内で、利益率と財務健全性は上位水準、売上成長は中位、CF開示の不足がバリュエーション議論の制約要因。
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